雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

二宮尊徳遺訓 ① 積小為大

2019-02-25 08:19:50 | つれづれ日記

二宮尊徳遺訓 ① 積小為大

  翁はこう言われた。
 大事をなそうと欲すれば、小さなことを怠らず勤めよ。
 小が積もって大となるものだからだ。
 およそ小人の常で、大きな事を欲して、
 小さなことを怠り、できがたい事を心配して、できやすい事を勤めない。
 それで、結局は大きなことができないのだ。
 大は小を積んで大になることを知らないからだ。
                     二宮翁夜話(14) 福住正兄(まさえ)著 児玉幸多訳

  (二宮尊徳翁)
 小さなことの積み重ねが、やがて大きなものになっていく。だから、大事をなそうとすれば、小さなことを怠らずに務めよ。と、二宮尊徳(二宮金次郎)は生前弟子たちに語った。
そうした遺訓が高弟たちの書いた本に残っている。

 高弟・富田高慶(たかよし)は尊徳の一生を『報徳記』として書き、明治天皇に献上した。
『報徳記』は勅版として刊行され、全国の知事に配布された。
後年、これがきっかけとなり、
金次郎は小学校の修身の教科書に「道徳の手本」として登場し、
全国の小学校に負薪読書の金次郎少年象が設置された。
    (負薪読書像・小田原三ノ丸小学校)

     
 福住正兄(まさえ)も尊徳の高弟の一人である。
福住は尊徳に仕えていたときに、
教訓を受けたり体験したことを『二宮翁夜話』として著した。


 「積小為大」も「二宮翁夜話」で紹介された逸話である。
「塵も積もれば山となる」とか「千里の道も一歩から」という意味になります。
この逸話は、次のように結ばれています。

    …万町歩の田を耕すのも、その作業は一鍬ずつの作業である。
  千里の道も一歩づつ歩んで到達する。
  山を作るのも一モッコの土からなることをよく知って、
  よく励んで小事を勤めたならば、大事も必ずなるだろう。
  小さい事をゆるがせにする者には、大きな事は決してできないものである。
                      二宮翁夜話(14) 福住正兄(まさえ)著 児玉幸多訳   

閑話休題 チリも積もれば メダル5000個
  
2020年東京五輪・パラリンピックのメダルを不要な家電製品を回収して作ろうと、
 大会組織委が「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」計画、
 まもなく2年目を迎えます。
 世界初の試みだそうです。

 目標⇒「金」「銀」「銅」のメダル5000個

 そのために回収した小型家電は5万トン、他に携帯電話500万台が集まった。

 どのくらいの金属が含まれているのか。
 携帯電話1台当たり 金0.05グラム
            銀0.26グラム
            銅12.6グラム
   1台のパソコンにはおおよそ携帯電話10台分の「金」が含まれているとのことです。 

 小事を一つ一つ為すことが、大事を為すための前提であると尊徳翁は言いました。
 
 結果を急ぎすぎる。
 便利さの追求のために、修理をおこたり、新しいものに買い替える。
 おカネ万能の世の中です。

 おカネは大切です。
 でも私たちは、この便利なおカネのために、
 目に見えない多くの物を喪ってきたような気がします。

 尊徳の思考の根幹には、
 「勤労」、「勤勉」があります。

 速さや便利さや快適さを求め続けた結果、
 私たちは尊徳翁の教えを
 どこかへ置き去りにしてきてしまったのかもしれませんね。
  (2019.2.24)       (つれづれ日記№77)
 
 



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