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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

秋雨

2017-10-20 22:12:13 | つれづれに……

秋雨


雨に濡れた萩の花が

   散っている
     たわわに実った紫式部の実が
        重そうにしな垂れている
            いま、ほんのわずか
                黄色いツワブキの花が
                    しずくを払うように
                         風に揺れた
 秋雨は晩秋の庭に
   ひと時のやすらぎと
       寂寥の時間を降り注いで
            暮れていく景色に
                今日の終わりを伝えている


          萩くぐる秋雨傘を傾けて  ……富安風生






    芭蕉翁の句を集めてみました
『この道や 行くひとなしに 秋の暮れ』
  ただひたすら、わびさびを追い求めて行脚した俳聖芭蕉の孤独が、
      秋の淋しさにダブっています。
      芭蕉の孤独な後ろ姿が浮かんできます。


『白露も こぼさぬ萩の うねりかな』
  萩の花を見つめる芭蕉の後ろ姿が浮かんできます。
  萩の花のうねりの中に芭蕉は何を見たのでしょう。


『枯れ枝に 烏のとまりけり 秋の暮れ』
  宮本武蔵の絵(古木鳴鵙図・こぼくめいげいず)に漂う、
      張りつめた緊張感の漂う中に、
  晩秋の枯れ木に止まった鵙(もず)の孤独が感じられます。
  それをひしひしと感じる芭蕉の心もまた孤独に満ちているようです。
(宮本武蔵・古木鳴鵙図)
      (2017.10.20記)          (つれづれに……心もよう№69)