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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

顧客をばかにするな!!

2016-12-14 12:19:46 | 昨日の風 今日の風

顧客を馬鹿にするな!!
読売旅行営業所業務処分

下限割れ運賃でバス手配
 顧客の命をどう思っているのだろう。
相変わらず、「安ければいい」的な感覚が企業経営に蔓延している。
顧客は決して安いことだけを希望しているのではない。
安全最優先は絶対条件のはずだ。

 今年1月に長野県軽井沢町で起きたスキーバス転落事故では、
5人が死亡。
基準を下回る運賃でバスが手配され、
安全管理上の問題が指摘されていた
(写真は軽井沢の事故の激しさを物語る事故現場)。

  特に、基準を下回る運賃
(この事故の契約は、国が定める基準約27万円を下回る約19万円だった)は、
運行会社の従業員(運転手)の健康管理や労働環境を悪化させる原因にもなると社会問題にもなった。

 今回、下限割れで業務停止処分されたのは、
「旅行読売」の2営業所(山口営業所、富山県高岡営業所)と
タビックスジャパン(福島県郡山支店)だ。

いずれも軽井沢スキーバス事故の起きる前年の不正だが、
国交省・観光庁においては、徹底した調査と指導の元事故防止に努めてほしい。

 旅行読売・山口営業所のホームページには、
営業停止処分についてのお詫びは乗っているが、
どんなことが原因で停止処分になったのか、
具体的な説明は全くなく、
誠意が感じられませんでした。

「処分を重く受け止め、今後、法令順守の徹底に向けた指導・対策を一層強化する」
                       読売旅行広報・市場調査部コメント

「安全に対する重要性について、社内意識の醸成を図るとともに、社内監査を強化する」          
                          タビックスジャパンコメント。
なんとも虚しく、空々しいありきたりなコメントです。


 ブラック企業の顧客にはならない。
最近の事例では、佐川急便の交通違反出頭の替え玉問題など、
企業の姿勢を問われるような事例が多すぎる。

 過当競争、労働力不足などが言われているが、
そのしわ寄せを、
従業員の賃金や過酷な労働環境に求めてはいけない。
襟を正し、企業の倫理とプライドを持って維持して欲しい。 
            (昨日の風 今日の風№55)                              (2016.12.14記)

 

 






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新潟知事選(9) メディアの反応 新聞各社の社説(3)

2016-10-24 16:43:35 | 昨日の風 今日の風

新潟知事選(9) メディアの反応 
新聞各社の社説(3)
 
今回は東京新聞社説と地元紙新潟日報の社説に見る新潟知事選です。

 東京新聞社説 見出し: 「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示す
  
出しは単純明快。今まで述べてきたどの新聞社説(朝日、読売、毎日、産経)よりも解りやすく、
  新聞社の意思表示としては理解しやすい。
  冒頭の一文も明快に新聞社の意志・姿勢を打ち出した解りやすい文章だ。

  東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対する県民の反対の強さを全国に示した。
  
  安倍政権は選挙で示された民意を真摯に受け止めるべきだ。


  東京新聞のこの単純明快さが私は好きだ。
  民進党についても、分かりやすい文章で軸足の定まらない迷走ぶりを次のように述べている。

  県知事選で民進党は支持組織の連合傘下に電力総連がある事情から早々に自主投票にとどめた。
     終盤
に なって蓮舫代表が米山氏の応援演説に駆けつけたが、与党と野党のどちら側につくのか、 
     ……猛省して今後の選挙戦略を練り直すべきである。


 新潟日報社説 見出し: 再稼働「ノー」の民意示す。
  
国の今後のエネルギー政策にも大きな影響を与えることになる。
  県政史上初めて野党系知事となる、49歳の若きリーダーの手腕に注目したい。

  地元紙だけに、投票率が意外と伸びなかった理由に、「原発再稼働」が大きな争点となった結果、
  それ以外の政策論争が低迷だったことをあげている。少子高齢化や人口減少への対応、景気・雇用の回復など課
  題は多いのに、政策論争にまで発展しなかったことを懸念している。
 
  県人口は230万人を割り込んだ、少子高齢化や過疎化が進み安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」の恩
  恵は地方には届かず、格差は拡大している。

  ……若者の県外流出に歯止めをかけ、県税収入を上げていくためには一層の産業振興が必要だ。

  中央紙が、野党勝利と原発再稼働に歯止めがかかるのかと
、論点を絞った社説の中で、新潟日報は地元紙らし
  い論旨のすすめ方で好感が持てる。
   

まとめ
    各新聞社の社説で、新潟知事選をどのようにとらえているのか。争点となった原発再稼働の問題を新聞各
    社はどのように考えているのかまとめてみたい。                                                              

  朝日新聞 …… 脱原発 原発稼働には慎重 
          泉田氏の路線を継承する米山氏の当選は、新潟県民の原発に対する不安の表れだと評価し、
                            安倍政権の原発に対する舵取りの方向転換を促す。
  読売新聞 …… 原発推進
          安全性が確認された原子力発電は、再稼働する必要がある。
  毎日新聞 …… 
社説ではそこまで踏み込んだ論旨を展開していない。リベラルな論旨の展開だけに私には                ちょっと物足りなさを感じる。社説では誰にでも受け入れられるような優等生の論旨ではな                    く、毎日新聞としての姿勢を明確に表現して欲しい。今回の社説は解説文を読んでいるよう             
     でした。 
    産経新聞 …… 原発推進
         『原子力発電が必要だと考える多くの人がいる。勝利におごり、そうした声に耳をふさげば、 
            新潟県だけでなく日本の将来に影が差す。』と言い切る厚かましさには憤りを感じる。
 東京新聞 …… 脱原発  
         この新聞の社説は誰にでも理解できるような平易な文章で好感が持てる。 
 新潟日報 …… 地元新聞としては当然の成り行きで、原発再稼働について踏み込んだ論旨の展開はない。
            地元の安全や繁栄に寄与する地方紙としては仕方のないことなのでしょう。
                                            
 (おわり)


      
 どの新聞を購読するかは、とても大切な問題であることが理解できると思います。
       どの新聞でもよい。契約時の景品目当てに数カ月ごとに購読新聞を取り換える人も多いと聞きますが、
       新聞には新聞各社の特徴があり、ものの考え方も違ってきます。
       自分にとって、どの新聞が好みの新聞なのかを知ることは非常に難しいことですが、
       でも非常に大切なことだと思います。
                                         (2016.10.25
記)
           

           

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新潟県知事選(8) メディアの反応 新聞各社の社説(2)

2016-10-21 22:57:25 | 昨日の風 今日の風

新潟県知事選(8) メディアの反応
 新聞各社の社説(2)

 前回は朝日、読売の社説を検証した。今回は毎日新聞、産経新聞を取り上げます。

毎日社説見出し: :原発不信を受け止めよ

 見出しは朝日の「原発への不安を示した」と似ている。
つまり、民意は原発再稼働に待ったをかけたという意味か。これを受けて更に冒頭。

 安倍晋三政権と東京電力は選挙結果を真剣に受け止めるべきである。…この結果となったのは、いかに東電に対する県民の不信感が強いかの表れだ。
 論調は厳しく、7月の鹿児島県知事選の事にも触れている。

 九州電力川内原発の停止を揚げた三反園訓氏に敗れたのに続く敗北だ。再稼働に対する姿勢があいまいだった森氏に対する不満だけでなく、原発の維持・再稼働路線をひた走る安倍政権への批判も大きいとみていいだろう。

 朝日の社説が同様に三反園氏の勝利を引き合いに出し、
民意は徐々に原発再稼働に反対の方向に動きつつあることを示唆している。
また、終盤になって蓮舫代表の米山氏応援のための新潟入りについては、
「迷走」と非難し、民主党の姿勢を次のように戒めている。
 原発政策を改めて議論して党の態度を明確にしないと有権者には信用されない。

産経主張見出し: 新潟新知事は「脱原発」脱却を
 
推進論の明確な意思表示だ。
いい加減に「脱原発」から卒業したらと主張
しているのだ。

 政府与党にとっては7月の鹿児島県に続く、原発立地県での知事選連敗である。

 と認めながらも、資源小国の日本で原子力発電が果たす役割は極めて大きい。
と開き直り原発推進の意味を次のように展開している。

①原油価格に左右されない電力の安定供給。②地球温暖化問題への対策として2030年までに二酸化炭素26%削減には原発の活用が必要で、再生可能エネルギーで実現することには無理がある。

 
危険と隣り合わせの原発を推進することがいかに無謀なことか、
福島第一原発の事故究明もできていない上に、事故の教訓の欠片もない原発推進論だ。
読者のみなさん、特に産経新聞の購読者よ、だまされてはいけない。
「資源小国」とか「地球温暖化問題」などと大義名分を並べるのは筋違いであり、とんでもない論理のすり替えだ。
最後の文章は極め付けだ。

地球環境や国の将来、県の財政基盤の強化に、原子力発電が必要だと考える多くの人がいる。勝利におごり、そうした声に耳をふさげば、新潟県だけでなく日本の将来に影が差す。

  私には、こうした発言は負け犬の遠吠えにしか聞こえない。

 原発の抱える問題は、「トイレなきマンション」に例えられるように、負の要素が多すぎる。
福島第一原発事故によって被害を被り、
避難を余儀なくされた人々にとって、
原発や放射能に対する不信感は容易に拭えるものではない。

 被爆をしたのか、しなかったのか、人体に被曝の影響はないのか。
事故後5年を経てなお、こうした不安はぬぐい去ることができない。

 10月初旬、常磐高速で「浪江」、「双葉」を車で通過した。
帰還困難区域の道路沿いに立ち並ぶ家屋に人の気配はない、
田畑はセイタカアワダチソウや雑草が生い茂り、
除染の残土が黒いビニールの袋に詰め込まれ、空地を占領している。
捨てざるを得なかったふる里。
繁栄の果てに崩落した原発の犠牲はあまりにも大きすぎる。
次世代を担う子どもたちに、このような負の遺産を与えてはいけない。
(昨日の風 今日の風№46-8)
   (2016.10.21記)         (つづく)

   次回も社説で原発問題を考えてみたいと思います。

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新潟県知事選(7) 野党の勝利 柏崎刈羽原発再稼働の行方は?

2016-10-18 17:43:50 | 昨日の風 今日の風

新潟知事選(7) 野党の勝利 柏崎刈羽原発再稼働の行方は?

  各社社説を読む。
 

 16日投開票。結果、共産、社民、生活の党が推す米山氏が当選した。
米山氏は「泉田氏の路線を継承する」表明している。
総出力821万キロワットの柏崎刈羽原発の再稼働が問われる知事選の結果だ。

 
新聞各社の社説
 当選の結果が判明した17日の新聞各社の社説は、この結果をどのように見ているか探ってみたい。

 


 朝日社説見出し:県発への不安を示した。

選挙で浮き彫りになったのは、県民の原発への強い不安だ。
米山氏は「東電福島第一原発の事故や、その影響・課題が検証されない限り再稼働の議論は始められない」と公約した。
有言実行を肝に銘じ、再稼働を目指す国や東電に毅然と向き合うことが責務である。
……原発の安全を国に任せず、知事が様々な役割を果たせることを泉田とは行動で示してきたと言える。
選挙結果は、そうした姿勢の継続を望む県民が多いことを示した。

 

 概ね原発再稼働に慎重な朝日のこれまでの論調を踏まえ、
米山氏の勝利を、民意の反映として歓迎する内容だ。さらに、一歩進めて、

この夏には鹿児島県知事選でも原発の一時停止を揚げた候補者が当選した。住民の声に耳を傾けることは、国政の責任者の責務である。
として、安倍政権の原発に対する舵取りの方向変換を促す社説になっていて、私は歓迎できる。
 

これに対して、読売新聞の同日社説は次のようだ。

読売社説見出し:柏崎再稼働は冷静に議論せよ
 見出しからして、再稼働慎重派に牽制球を投げるような命令口調だ。
さらに、この見出しを受けて、第一行は次のような文章で始まる。

 安全性が確認された原子力発電所は、再稼働する必要がある。新知事には、冷静な検討を求めたい。

 

剛速球の牽制球だ。
もともと読売は、原子力委員会の初代委員長を務め、
日本の原子力発電に大きな足跡を残した正力松太郎が「中興の祖」と言われる読売新聞の社主を務めた新聞社だ。
終始原発推進の論調を展開している。
更に、犬の遠吠えのようにも思える問題すり替えの文言も続く。

 本来、再稼働に知事の法的権限は及ばない。
しかし、再稼働問題が知事選の最大の争点となり、人口減対策や地域活性化などの政策論争が乏しかったのは残念だ。

 

 県の政策を担う県知事としては、原子力のみが政策の主なるものではないことは言うまでもない。
だが、新潟知事選の社説で原発推進派の読売が言ってしまえば、
ない物ねだりの負け惜しみと取られてしまっても仕方がない。
更に次のような発言はいかがなものでしょう。

 経済活動や国民生活を支える電力を安定的に供給するには、原発の再稼働が欠かせない。

 

エネルギー問題は国の重要な課題だ。だが、その解決策を原発のみに求める姿勢はいかがなものでしょう。

 

                                      (2016.10.18記)       (つづく) 
  次回も各新聞社の社説を検証していきます。

 

 (昨日の風今日の風№51)

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新潟県知事選(6) どうなる柏崎刈羽原発(2)

2016-10-15 17:00:00 | 昨日の風 今日の風


新潟県知事選(6)
  どうなる柏崎刈羽原発(2)

 柏崎市と刈羽村にまたがる原発は、全7基が威容を誇って立ち並ぶ。
総出力で世界最大だ。
この原発が止まってから4年半が経つ。
JR柏崎商店街は、シャッターが下りたままの店が多い。
原発が再稼働しなければこの街はさびれてしまう。

「原発は30年もそこにある地場産業だ。今さらなくすわけにはいかない。
地元には、これまで国のエネルギー政策に貢献してきた自負もある」(原発関連の電気設備会社社長)

 「泉田裕彦知事のように『福島第一原発事故の検証が先』なんて言っていたら、
20年は結論が出ない」(原発関連会社社長)

 原発が立地する地方自治体は、危険手当と引き換えに膨大な交付金を受け取る。
だが、10年も経てば交付金は目に見えて少なくなり、
交付金によって建てられた公共施設の維持費すら捻出することが難しくなってくる。
だから、新たに原発を誘致することになり、原発銀座が誕生する。
かくして原発城下町では、原発の是非を問う話は歓迎されない。
誰がどんな形で原発と関係を持っているかわからないからだ。

 今度の知事選でも、「再稼働争点」と言われているが、
候補者は原発の是非をはっきり打ち出すことができない。

 再稼働に慎重な泉田知事の路線を継承する米山隆一候補は
「再稼働してまた事故を起こさないとは信じられない。
万一の時、安全に避難できるのか」
と懸念するが、
原発反対を表明しているわけではない。

「自主投票」から一転、事実上の「推薦」扱いにした民進党は蓮舫代表が演説に駆けつける。
原発推進派の自公も党幹部を応援演説に派遣し、原発がらみの選挙戦に勝利を収めたい。

 だが、忘れてはいないか。
メディアが実施するアンケートでは、いつも「原発反対」の意見が多い。
この結果と選挙の結果は一致しない場合が多い。

「選挙は再稼働イエスかノーかではなく、
原発無き後どのようにして街を活性化していくのか、
未来に向けてのビジョンを語らなければ、
厄介者の原発を排除する気持ちになれないのではないだろうか」

 明日は、「投開票日」です。
あなたの1票が、「積小為大」となり大きな力になります。
あなたの1票を無駄にしないでください。                (2016.10.15記)

(昨日の風 今日の風№51)

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新潟知事選(5) どうなる柏崎刈羽原発(1)

2016-10-14 17:00:00 | 昨日の風 今日の風

新潟県知事選(5) どうなる柏崎刈羽原発(1)
 4回にわたり泉田県知事立候補撤退と言う視点で、撤退の理由を探ってきた。
先月29日に告示され、4人が立候補し、今月16日投開票になる。

知事選の行方を追ってみたい。

「心が折れちゃった」と周囲に漏らす泉田知事。
前回までに地元紙・新潟日報紙とのトラブルの裏にひそんだ「原発問題」があるのではないかと推測してきた。

 撤退を取り消すよう働きかけたこともあったが、泉田氏の姿勢は変わらなかった。
原発再稼働を推進する安倍政権にとつて泉田氏は厄介な存在だ。
知事の首をすげ替えるチャンスを今度の知事選に求めたのもうなずける。

 こんな話がある。
陳情に来る新潟県内の首長や自民党県議に対して「まずは知事を代えてからだろう」と麻生太郎財務相などはかなり露骨な発言をしていたと複数の関係者は伝える。
 
「再稼働への環境は整った」と自民・公明両党は、新潟県長岡市長で市長会長だった森民夫氏を推薦する。
反泉田派で原発推進派の森候補の演説は
「原発は皆さんの安全が最優先。原子力規制委員会の結論が出ても、すぐ再稼働することはありません」と反原発とも推進ともどちらともとれる発言をする。
 県民の原発不信感を意識し、このような発言をする。ずるいぞ森候補。得票のための戦術なのだろうが、あいまいな立ち位置は「再稼働争点」となるべき、大きな問題をあいまいにしてしまう。

 仮に今回の選挙の結果、森氏が当選すれば、地元同意を得て再稼働への道は加速されるだろう。
原発1基が動けば、代替えで動かしてきた火力発電の燃料費を減らせるため、
東電は最大で月100億円の収支が改善されるという。東電の期待は大きい。
 

 10.14朝日朝刊は次のように伝える。
新潟知事選の支援を安倍首相が泉田氏にお願いしたという。
自公両党が推薦する、原発推進派とみられる森氏の応援を要請したという。
反泉田派の森氏の応援要請である。
厚かましいことこの上ない。なりふり構わない安倍首相。

 これに対する泉田氏の答えは明快である。

 「後継指名はしない、と最初申し上げた事実がある」

 泉田氏の立ち位置は少しもぶれていない。
泉田氏の撤退は非常に残念だが、退いてなお、「潔し」である。

 国策として原発を推進する安倍首相としては、
泉田氏が敵対しないよう動きを封じる狙いがある報道は伝えるが、
見事にこうした懸念をはねつけた泉田氏に軍配は上がる。
                          (昨日の風 今日の風 №50)

(2016.10.14記)              (つづく)     

 

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政務活動費 改善策は?

2016-09-29 21:06:31 | 昨日の風 今日の風

政務活動費・改善策は?
         (政務活動費№13)
  
公金を扱う議員のやることとは思えない乱脈の実態がマスメディアで取り上げられている。
 議員の質の低下が、貰えるものは何でも貰い、悪習慣でも誰もがやっていることは、
 やらないと損をするという感覚。
 自分だけ「良い子」になるのは嫌だ等々、議員の質もここまで落ちてしまったかと憤慨するが、
 「その議員を選んでしまったのは誰なのか」と考えてみれば、選挙に投じる1票の重さに襟を正さなけれ
 ばならないことに気づく。
  まして、棄権するなどと、民主主義の根幹を揺るがすような、「権利」と「義務」の履行を放棄するな 
 
ど論外だ。

  不適切な政務活動費の事例は、数知れず多い。
   〇 行ってもいない出張費の請求。食料品のレシートを改ざんし事務費として計上。
                   飲食代を活動費
 として計上。
       演歌コンサートを計上した議員もいた。
       読書が好きだからと何十万もの書籍代を計上、
       市民の代表としてあらゆることに精通していなけれは職を全うすることはできないから、
       などと言う理由が通ってしまう。
       冷蔵庫を購入した議員もいた。
       極めつけは、3月の年度末に政務活動の予算が余ったからと、会は全員にパソコンを購入。


      貰った活動費は全額使わなければ損、と言う感覚。
      しかも、議員を止めた議員に、パソコンの返還を認めていない。
      公費で購入したものの所有権は個人にはない。
      廃棄処分したと言うが、その書類さえ提出させていない。

  多くの議会で、政務活動費は一定額が会派や議員に前払いされる。議員の政務活動が円滑にできるよ      
   うにと言う「前払い方式」が、主旨に反して手にしたものは「返したくない」と、不正計上を誘発
   してしまう。

 改善策 ①
  後払い方式
  
一度手にしたお金は「返したくない」と言うならば、「後払い」にすればよい。

  京都府京丹後市の場合、議員に報告書や領収書を出してもらい、議長が審査した後で支給する「後払い  
  
方式」をとっている。
   調査研究にかかった費用の補てんという政務活動費の性格上、「後払い方式」の方が理にかなってい
  る。議員個人に直接前渡しする方式が不正の温床とになるという。そのため不祥事のあった兵庫県議会      は政務活動費を会派に前渡しして、会派から議員に後払いする方式に改めている。

 改善策 ②
  領収書等の提出
  
1円以上の領収書や支払証明書の提出と例外規定を撤廃する。(公共機関利用の際の切符購入費など)

 改善策 ③
  領収書・支払証明書等のインターネット公開
  
収支報告書をネットで公開する自治体は増えています。
  さらに徹底して、添付する領収書までネット公開している自治体は、高知県、大阪府、兵庫県などが     
  る。

 政務活動費は、政策の調査研究や陳情活動などの経費を補助するために地方議員に支給される公費である。どんな活動のためにいくら使ったのかを、報告し公開するのは議員の義務として当然のここと思われます。議会に出席し、質問し採決に参加するだけが議員の仕事ではないことを、議員の皆さんはもっと自覚してほしい。
                                       (2016.09.29記)

(昨日の風 今日の風№49)

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政務活動費 不正請求は富山市議会だけではない

2016-09-28 15:59:51 | 昨日の風 今日の風

政務活動費 不正請求は富山市議会だけではない                                                       (政務活動費№12)   

   ありがたくないおくり名をつけられた号泣議員の野々村竜太郎の政務活動費不正請求がメディアを賑わしてから2年が過ぎた。一体あの時の騒ぎは何だったのだろう。
 2年前、野々村氏だけではなく、多くの地方自治体で、政務活動費の不正請求があり、改善が進んだ。だが、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」とい箴言のように、今回も多くの地方自治体の不正請求が発覚した。
 政治家の質がここまで落ちてしまえば、過疎化による地方消滅など大問題に取り組み、我が街、わが故郷の未来を担う政策など、期待できるわけがない。

  政務活動費 地方議会、平均執行率86%(15年度調査)
  執行率の高い議会
     1. 富山市 (100%)
               2. 横浜市 (99.3%)
            3.鹿児島市 (98.0%)
        問題の富山市議会は、15年度と交付金を全額使いきっている。
   交付された7920万円を使い切っている。
   14年度もほぼ全額使いきっている。
   富山市議会では、政務活動費を巡る不正請求で9人が辞職し   
   ており、不正横行の背景に、突出した使い切り体質があるとみられる。
   

  執行率の低い議会
     1. 函館市  (46.4%)
     2. 長崎市  (58.2%)
     3. 東大阪市 (60.6%)
   執行率が低ければいいということでもない。
   議員たちの政務活動が消極的ということにもなりかねない。
   

 都道府県議会 海外視察報告について
   議員さんの社会は、こんな馬鹿なことがまかり通る社会なんです。  

 毎日新聞記事から。
 政務活動費を使った議員の海外視察について、
 47都道府県議会の3割に当たる14議会が報告書の作成を義務付てていない。

 例えば、東京都議会の場合、議員に支給される活動費は月額60万円で、全国最高額だ。
 海外視察の報告書については、議員の手引きで「作成することが望ましい」とされている。
 つまり、裏を返せば「作成しなくても問題ない」のである。
 作成したとしても、各自が保管することになっており議会への提出義務がない。
 
  ある都議会員の発言。
 「皆が書かない中で、自分だけ書けばスタンドプレーになる」、
 だから私は書かないと言わんばかりの発言だ。いい言動には「掟破り」の冠をかぶせ、
 「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な言動が蔓延する。

  視察分として、政務活動費の収支報告書には約86万円が計上されている。
 旅行会社の領収書と、支払いに使ったクレジットカード会社の明細書が添付されている。
 「現地の地下鉄視察や大使館訪問などが目的」との記述があるのみ。
 詳細の記述は一切ない。
 何処に行って、
どんな勉強をしてきたのか。
問題点はなかったのか。
都政に反映することができるのか、と言ういちばん感じな部分が抜けていては、都民は海外視察が適切であったのかどうか、判断することができない。
 観光旅行とどこで区別するのか。
 都民の税金が、こんな杜撰(ずさん)な使い方をしていることに憤(いきどお)りを感じます。

 山梨の場合。
  2013年東京高裁判決は、米国やエジプト視察は「観光中心の私的旅行だった」として、政務活動費の
  返還を命じた。

 千葉県議会の場合。
  海外視察の報告書が、グループごとに同じ体裁、おなじ文面の報告書が提出され、問題になった。

  歯に衣着せずに言わしてもらえば、議員の中には、ある事柄をまとめ、文章にまとめて報告することが
  出来ない議員も多い。代表者である議員がこんな風だから、報告書の義務付けを求めない提案が可決し
  てしまう。だから、次のような発言がまかり通る。

 群馬県議の発言。
  「海外視察報告書の作成が義務付けられれば、生活費の使い勝手が悪くなると嫌がる議員が多くなる」
    
  地方自治法は、政務活動費を支給された議員に議長宛の収支報告書を提出するよう義務付け、議長が使
  
途の透明性確保に努めるよう規定している。
   海外視察の報告書は政務活動費の具体的な使途や視察の成果を示す書類だが、条例や手引きで作成を       義務付けるかは各議会にゆだねられている。
  
   だから、自分たちの都合のいいような条例や手引きを作成してしまう。
     
   富山市議会のように議長みずからが、不正を働く情けない議員の質の低下もある。
  また、岡山県議会・井元乾一郎議長のように全く理解していなくて、新聞社の取材に対して「報告書の
     作成が義務付けられ、みんな作っていると思います」と答えた6時間後「議会事務局に確認したとこ         ろ、義務付けられていなかった」と訂正し、「視察結果を公開する議論がされたこともなく、市民が          告書を見られないことも知らなかった」と、これで議長と言えますか。
   
   岡山県議会は、政務活動費の収支報告書をホームページで公表するよう求める陳情が出されたが、
  継続審議になっている。

 議会の不祥事と、議員の意識の低さばかりを書きましたが、政務活動費問題に積極的に取り組んでいる
地方自治体もあります。

  前回、「政務活動費を適正に使うために」を予告しましたが、今回も地方自治体議会の政務活動費に関する
  粗探しに終わってしまいました。お詫びします。「適正使用」については次回にアップします。

 


(昨日の風 今日の風№48)

 

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政務活動費 富山市議会よ 恥を知れ

2016-09-24 11:52:31 | 昨日の風 今日の風

富山市議会よ 恥を知れ
   政務活動費(11)
   政務活動費の不正受給について、
「号泣議員」という不名誉な通り名で一躍有名になった野々村竜太郎氏。
判決によると野々村被告は2011~2013年度に城崎温泉や東京・福岡などの日帰り出張を計344回したほか、はがきや切手代などに費やしたとする架空の書類を作成。
収支報告書を添えて県議会側に出し政務活動費913万円を搾取した。

 以後地方議会等で同じような政務活動費不正受給が発覚し、
政務活動費の在り方が自治体ごとに検討されてきた。
号泣事件から2年が過ぎ、政務活動費は適正に運用されるようになったか。
地方議員は襟を正して政務活動を行うことになったか。

 公金を扱う議員のやることとは思えない実態が浮かびあがる。

 富山市議会、定数40のうち、政務活動費の不正受給者8人が辞職に追いこまれ、
補欠選挙が行われることになった。(補欠選挙は欠員1人を加えて9人になる)

 会派ぐるみの不正受給である。8人辞職という結果になったが、本当に不正受給したのは8人だけなのか。
不正受給が発覚されたのが8人で、未発見の議員もいるに違いない、と疑われても仕方がない。

 「気軽な気持ちで始めたら、簡単だった。チェックもなかった」
 「飲むのが好きで誘われたら断れない性格」
                    ……自民会派前会長で元議長・中川勇氏
 「(活動費を)返還するぐらいなら、将来に金を残しておけないか」と架空請求
                              ……矢後 肇県議・副議長
 「魔が差した」……自民会派・浅名長在ェ門氏

 「経済的に楽になると思った」……民進系会派幹事長・針山常喜氏

 なんとバカバカしく、情けない発言なのだろう。
どの発言を見てもこれが市民の代表として市議会に送り込まれた人なのかとあきれてしまう。
報道によれば10年も前から行われていた不正受給のようだ。
皆がやっているのだから、ばれなければいいだろうという下衆(げす)根性が許せない。
おそらくは、「市民の血税」という感覚など持ち合わせていないのだろう。

 中川勇氏によれば
 04年頃に知人の元市議(故人)から白紙領収書に金額を書き込み不正請求する手口を教わった。

 組織ぐるみで、習慣的に行われた可能性が充分にある。
手口が会派内で引き継がれていたという議員もいる。

 公然としかも継続的に行われている不正受給を議会事務局は本当に気付かなかったのか。提出された収支報告書をチェックもせずに受領する体質とシステムにも問題があるのではないか。

 不正受給は次の通り。
 民生会派・会長高田一郎   領収書を改ざん
           
(茶葉2,268円分を数字の頭に2を加え、2万2268として不正請求)                                                             
      幹事長・針山常喜 領収書を改ざん
           (茶葉2,
268円分を数字の頭に4を加え、4万2268として不正請求)
 上記2例は、領収書は同じお茶販売店のもので、ともに針谷氏が会派の事務員に改ざんを指示していた。
また、市政報告会を開催したと装い、白紙領収書虚偽の金額を記入する不正も認めている。不正取得分は個人口座に入金し、生活費や香典などに使用し可能性もある(針谷氏)。選挙資金にも使った(針谷・髙田氏)。

 浅名長在ェ門氏  自宅近くの食品会社の白紙領収書に架空金額
               別の商店の白紙領収書で架空金額

 白紙領収書による不正受給は、多くの議員に利用され、
議員と業者のなれ合いという構図も浮かび上がってくる。
ある業者は、普段世話になっている議員に頼まれ、断り切れなかったとの証言もある。

 自民会派・前会長中川勇氏
        印刷会社からの白紙領収書で架空請求を多用する。飲み代、自宅リホームの借金返済、生命保険料、さらに、議員年金に変わる老後の備えとしてドル積み立て(月7万)等が負担になり、やりくりが困難になり、自宅を手放すようになった。
 不正受給を繰り返す一方、議員報酬引き上げを訴え続けていた。

 一連の不正発覚の発端は、
 富山市議会が6月に議員報酬を月10万円増額することを決め、
 「議員とカネ」の問題に関心が高まったことから浮かんできたと報道は伝える。

 なぜ、一気に10万円の議員報酬引き上げなのか。
 理由はこうだ。
  議員年金廃止前、各議員の掛け金(月約10万円)に加え、市が月約10万円の公費負担をしていた。
  「廃止分を報酬に上乗せしてもいいのではないか」と考え、今年6月の市議会で議員報酬を月額60万円
  から70万円に引き上げる条例案が可決された。
               
 どんな事情があるにせよ、民間では考えられない。
 親方日の丸。市民のことなどどうでもいいのか。
 「自分さえ良ければ」という考え方に、
 市民は置き去りにされてしまう。

 不正受給した金額は総額で、2000万を超える。
 挙句の果てに、補欠選挙である。

 補選の費用は約1億円になるのだ。
 不正受給した議員たちよ、ただ単に辞職をすればいいという問題ではない。
 恥を知れ!!

 政務活動費については、このブログで何度も取り上げてきました。
 興味のある方は参照してください。
 政務活動費ブログアップ日付
  2015年3月6日  3月8日 3月10日 3月13日 3月22日 4月5日

  次回は、政務活動費を適正に使うためにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。 
                           ( 昨日の風 今日の風 №47)

                                                                                 (つづく)
 







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新潟県知事選 泉田知事立候補撤退(4) 番外編 (2) インタビュー

2016-09-11 10:00:00 | 昨日の風 今日の風

新潟県知事選 泉田知事立候補撤退(4)
                           番外編(2) インタビュー
 朝日新聞のインタビューに応じて、撤退の理由を次のように答える。
撤退の理由は、改めて地元紙・新潟日報の報道姿勢を挙げ、自分が退くことで「原子力防災を選挙の争点に」戻したい、と述べる。
 自分が立候補者だと船の問題ばかりが選挙の争点になる危惧があるから、「原子力防災を争点化したうえで選ばれる知事が誕生して欲しい」と述べている。

 なんだかこじつけみたいで、ますます真意がわからなくなってきます。撤退することにより「原子力防災を争点化する」といっているが、泉田氏が撤退したら、原子力防災は争点になるどころか、うやむやのうちに再稼働への道を進むことになりかねません。

 鹿児島県・川内原発や愛媛県・伊方原発が問題を残したまま見切り発車の再稼働をする流れの中で、

「東電福島第一原発事故の検証が先だ」
と孤軍奮闘してきた。また、
「(原発の新規制基準は)国際水準に達していない」と批判し、重大事故時の住民避難についても、「新潟の場合、どうやって約44万人が2時間で避難できるのか」

と国の指針に疑問を呈した。

 県内の一部有権者や市民団体から『知事選撤退の撤回』を求める声があるが、泉田氏は翻意を否定している。

 泉田知事を取りまく政治環境の変化が撤退の大きな原因ではないか。

  2004年の初当選時 → 自民・公明の推薦を受け、6人が立候補する激戦を制覇して当選。
  前回2012年 → 民主、自民、生活、公明、社民の5党の推薦を受け、県議会もほぼ「知事与党」体        

               だった。
  今回は、どの政党からも推薦されていなかった。

   多選への批判に加え、
   原発再稼働や新潟水俣病への対応などで国に反発する姿勢に、
   一部の県議や市町村長から不満の声が上がり、
   初当選から推薦してきた自民の県連は知事派と反知事派に分かれている。

  前回にも書いたが、政治や経済界、東電などの大きな力に流されそうな泉田氏の姿が見えてくる。
  前東海村村長に続いて、原発政策に批判的な政治家がまたひとり消えていくのはさみしい。
                                      (2016.9.10記)
                                  
(昨日の風 今日の風 №46)

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