アイラブ桐生Ⅲ・「舞台裏の仲間たち」(50)
第二幕・第二章 「台湾のびんろう売り」
朝早くに亀田社長が部屋を訪ねてきました。
工場でトラブルが発生したために、今日の見学を中止にしてくれと言う申し入れでした。
日程なら後日にあらためてとるからと朝から恐縮しきりです・・・・
そんなことくらいなら電話で済むのにと言うと、いやこれを預かっていてくれと
大きな紙の包みを大事そうに置いて立ち去りかけました。
「もしかしたら、香港マフィアに狙われるような、やばい品物ですか」と軽口を言うと
「そんなものだから、大切に持っていてくれ」と振り返ります。
ちょうど朝のシャワーを浴びて、浴室から戻ってきた貞園の
無防備なお尻を、亀田社長がぬけめなく素早く手で触りました。
「きゃっ」と思わず悲鳴をあげる貞園を尻目に、いつものように片手をあげて、
じゃまた後ほどと、笑いながら部屋をあとにします。
「あのどスケベったら、もう、大っ嫌い。」
濡れた髪を乾かしながら、貞園が思いっきりふくれています。
「そんなに怒るなよ、
おかげ今朝からの予定がキャンセルになった。
亀田社長の朗報には、正直こちらが感謝をしたいくらいだ。
おかげで気兼ねなく朝から貞園と出掛けられることになりそうだ。
軽くお尻を触られたくらいなら、いいだろう、
減るもんじゃないし」
バスタオルを胸の前で大きくまとめたまま、ドライヤーで
長い髪を乾かしていた貞園が大きく目を見開いて、ひときわ高い抗議の声を上げました。
「とんでもない!
さっきはかつてないほどの乙女の大ピンチだったのよ。
あいつったら、私がノ―ガ―ド状態だったのを一目で見抜いたわ。」
「ノ―ガ―ド?
なんだいそれ・・・・一体どういう意味だい?」
「見たい? 一目瞭然だわ」
ほら、と笑いながら貞園が胸の結び目を解き始めます。
どうぞと言いながらくるりと回って背中を見せると、勢いよくバスタオルが
ハラリと部屋の床に舞い落ちました。
驚いたことに、シャワー室から出てきたばかりの貞園は、
下着一枚つけていない、生まれたままの全裸状態でした。
「前も見たい? 」
鼻にかけた貞園の媚びる声を無視して
あわててバスタオルを拾い挙げると、貞園の細い腰に後ろから巻きつけました。
もっと上までしっかりと上げて頂戴よと、貞園が振り返えります。
わかったよと応えて、まだ濡れて温かい背中越しに、
貞園の胸のふくらみあたりまでバスタオルを持ち上げました。
柔らかい貞園の指が私の指ごとバスタオルを受け取りました。
上目使いの媚びるような頬笑みを見せた後、
この子はまた、胸の前でまた大きな結び目を作り始めました。
まったくこの子は油断がなりません。
調子に乗ったこの台湾の18歳は、時として無邪気に脳殺ポーズを見せる
小悪魔に変身をしてしまいます。
北投温泉は、台湾における三大温泉の一つです。
1979年に公娼制度が廃止されたために、すでに当時の置屋などは
完全に姿を消してしまいました。
しかし多くの街並みの中にはいまだに、
当時の日本家屋とその面影などがとても色濃く残っていました。
日本軍の占領時代から始まり、台湾を代表する一大歓楽街として
おおいに栄えてきた長い歴史が此処には眠っています。
またここには、公娼制度による100年ちかい歴史も刻まれています。
台北の中心からでも、電車で30分。
道路を走っても小1時間ほどいけるところなので、
貞園の運転するスクーターの後ろに乗って、半分ピクニック気分で出かけることになりました。
貞園は今日も、薄いTシャツに同系色のホットパンツと言ういでたちです。
肩に手を置いて、両側の景色に見とれているうちに刺激的な光景を発見しました。
大型のトラックの脇で、貞園よりもはるかに挑発的で、
ほとんど水着に近い衣装だけをまとって運転席をのぞきこんでいる女の子たちを見つけました。
すぐ近くに建っているガラスの温室のような建物内にも、ほとんど裸に近い
わずかな衣装だけの女の子たちが座っていました。
貞園が少し通り過ぎてから、道端にスクーターを止めてくれました。
「若い女の子を見ると反応が早いわね、順平は。
あれは、台湾名物のびんろう売りの少女たちよ。
セクシーでしょう。
ああやって大勢のお客たちの目を引くの。
見た目の保養になるでしょう」
「びんろう?
なんだい、それ 」
「煙草の代用品というところかな。
台湾をはじめ、東南アジアの特産品でここでは『びんらん』と呼ぶの。
覚醒作用があるので、ああしてトラックの運転手なんかには
とても人気があるみたい。
びんろう売りは、台湾女性の独特の職業なの。
露出度の高いセクシーな女性が、道端でびんろうを売るの。
抜群のスタイルと、大胆な服装がびんろう売りの
トレードマークなのよ。
高収入になるから、最近ではびんろう売りは人気がある。
最近は売り子も急増しているし、
台湾の道路の風物詩にもなっているわ」
「なるほどね。
それにしても、みんな大胆な衣装だ。
まるで今朝の貞園みたいだ・・・・」
「ば~か。
彼女たちはみんな、びんろう売りプロなのよ。
たしかにお色気で客寄せをする方法は、台湾社会でも批判の対象にはなってるわ。
でも、国際的なモデルさんたちやスターたちをはじめ、
イベント会場のコンパニオンたちなどは、
どんなに過激なスタイルをしても、それにはみんな文句などは言わないわ。
びんろうで高い利益をあげるためには、
競争が激しくなりすぎて、それが悪循環にもなってるの。
お客の目を引こうとして、
わざと露出度をあげている経営者たちもいるけれど、
大半は、一家の生計を支えるために、学校を中退したり女子学生たちが働いている。
彼女たちもまた、学歴や年齢が原因で
まともな企業での勤め先が見つからない人たちよ。
びんろう売りのあの子たちも、
ある意味、台湾社会の貧しさの象徴かな・・・・
どう思う、順平は。」
「うん、たしかにナイスバディだなぁ・・・・
貞園よりも、はるかに刺激的な光景だ。
買ってこようかな、びんろう 」
「馬鹿言わないの。
あんたみたいなスケベな男が多いから、
びんろう売りが、のさばるの。
一般的には、8~9粒が50ニュー香港ドルなのに、
彼女たちが売るのは、1粒が100ニュー台湾ドルもなるのよ。
高収入の裏側には、
特別サービスとして裸を露出したり、
お客に体を触らせたり、
なかには性行為まで提供する人たちまでいる始末なの。
びんろうを買うのは、びんろうを咬むだけじゃない、という
台湾男性たち、特有の言いまわし方もある。
やだぁ、、順平ったら、
目つきが悪くなってきたわよ、
この、どスケベ~」
ぼんろう売りの光景を満喫したので
再びスクーターに乗ろうとしたら、先に庭園が後部座席に座ってしまいました。
呆気にとられていると今度はあなたが運転をしてみてと、すましています。
この先は田舎道だもの、ポリスなんかは大丈夫だし、
第一『ホンダ』はあなたの国のスクーターだもの、
なんの問題もありませんと笑っています。
納得して運転席に座ると
貞園がこれ以上はないというほどに、背中へ密着をしてきました。
貞園の柔らかい胸が背中へ張りついてきました。
しなやかな腕が両脇から伸びて私の身体へしっかりとまきついてきます。
やがて右の肩の上に、チョコンと貞園の顔が覗きました。
「大丈夫、もう一本道だもの、
まっすぐ走れば、温泉に到着です。
一度こういう風な乗り方がしてみたかったのよ。
さァ行こう。
もう充分に、目の保養も済んだことだし」
■ビンロウ(檳榔)樹は
椰子科常緑樹の植物で、この樹の実に
石灰をまぜたものが俗にいうビンロウです。
台湾ではビンランと発音します
元は台湾の先住民族の嗜好品でしたが、後に移住してきた漢民族にも広まり、
今では台湾全土に煙草と並ぶ嗜好品として普及・愛用されています
ビンロウには覚醒作用があり、
興奮状態になり精力増強剤的な効能があると言われており、
特に長距離トラック、タクシーなどのドライバーには眠気さましとして使われています。
ビンロウは噛みタバコのように口に入れて噛みます。
そうすると真っ赤な唾液が出てきます。
これは基本的には飲み込まず吐き捨てるのですが、そのせいか
台湾の道路を注意して見てみると、
いたる所に赤くなっている箇所を見つけることができます。
ビンロウには習慣性があり、台湾では18歳未満の者には販売禁止、
公共施設内では使用禁止等が法律で義務つけられています。
台湾では合法なビンロウですが、
日本では麻薬に分類されているので日本国内への持込は禁止されています。
台湾の生活文化・風物詩とも言えるビンロウですが、
あまりスマートでは無いという事で最近は知識人を中心に風当たりが強くなってきています
しかし、生産農家にとっては金のなる木で、
生産額は100億台湾円(¥340億円)を超え、台湾第4位の農産物でもあり
習慣性があので安定した収入も見込めるというの
で台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う姿勢をとっているようです。
・本館の「新田さらだ館」は、こちらです http://saradakann.xsrv.jp/
第二幕・第二章 「台湾のびんろう売り」
朝早くに亀田社長が部屋を訪ねてきました。
工場でトラブルが発生したために、今日の見学を中止にしてくれと言う申し入れでした。
日程なら後日にあらためてとるからと朝から恐縮しきりです・・・・
そんなことくらいなら電話で済むのにと言うと、いやこれを預かっていてくれと
大きな紙の包みを大事そうに置いて立ち去りかけました。
「もしかしたら、香港マフィアに狙われるような、やばい品物ですか」と軽口を言うと
「そんなものだから、大切に持っていてくれ」と振り返ります。
ちょうど朝のシャワーを浴びて、浴室から戻ってきた貞園の
無防備なお尻を、亀田社長がぬけめなく素早く手で触りました。
「きゃっ」と思わず悲鳴をあげる貞園を尻目に、いつものように片手をあげて、
じゃまた後ほどと、笑いながら部屋をあとにします。
「あのどスケベったら、もう、大っ嫌い。」
濡れた髪を乾かしながら、貞園が思いっきりふくれています。
「そんなに怒るなよ、
おかげ今朝からの予定がキャンセルになった。
亀田社長の朗報には、正直こちらが感謝をしたいくらいだ。
おかげで気兼ねなく朝から貞園と出掛けられることになりそうだ。
軽くお尻を触られたくらいなら、いいだろう、
減るもんじゃないし」
バスタオルを胸の前で大きくまとめたまま、ドライヤーで
長い髪を乾かしていた貞園が大きく目を見開いて、ひときわ高い抗議の声を上げました。
「とんでもない!
さっきはかつてないほどの乙女の大ピンチだったのよ。
あいつったら、私がノ―ガ―ド状態だったのを一目で見抜いたわ。」
「ノ―ガ―ド?
なんだいそれ・・・・一体どういう意味だい?」
「見たい? 一目瞭然だわ」
ほら、と笑いながら貞園が胸の結び目を解き始めます。
どうぞと言いながらくるりと回って背中を見せると、勢いよくバスタオルが
ハラリと部屋の床に舞い落ちました。
驚いたことに、シャワー室から出てきたばかりの貞園は、
下着一枚つけていない、生まれたままの全裸状態でした。
「前も見たい? 」
鼻にかけた貞園の媚びる声を無視して
あわててバスタオルを拾い挙げると、貞園の細い腰に後ろから巻きつけました。
もっと上までしっかりと上げて頂戴よと、貞園が振り返えります。
わかったよと応えて、まだ濡れて温かい背中越しに、
貞園の胸のふくらみあたりまでバスタオルを持ち上げました。
柔らかい貞園の指が私の指ごとバスタオルを受け取りました。
上目使いの媚びるような頬笑みを見せた後、
この子はまた、胸の前でまた大きな結び目を作り始めました。
まったくこの子は油断がなりません。
調子に乗ったこの台湾の18歳は、時として無邪気に脳殺ポーズを見せる
小悪魔に変身をしてしまいます。
北投温泉は、台湾における三大温泉の一つです。
1979年に公娼制度が廃止されたために、すでに当時の置屋などは
完全に姿を消してしまいました。
しかし多くの街並みの中にはいまだに、
当時の日本家屋とその面影などがとても色濃く残っていました。
日本軍の占領時代から始まり、台湾を代表する一大歓楽街として
おおいに栄えてきた長い歴史が此処には眠っています。
またここには、公娼制度による100年ちかい歴史も刻まれています。
台北の中心からでも、電車で30分。
道路を走っても小1時間ほどいけるところなので、
貞園の運転するスクーターの後ろに乗って、半分ピクニック気分で出かけることになりました。
貞園は今日も、薄いTシャツに同系色のホットパンツと言ういでたちです。
肩に手を置いて、両側の景色に見とれているうちに刺激的な光景を発見しました。
大型のトラックの脇で、貞園よりもはるかに挑発的で、
ほとんど水着に近い衣装だけをまとって運転席をのぞきこんでいる女の子たちを見つけました。
すぐ近くに建っているガラスの温室のような建物内にも、ほとんど裸に近い
わずかな衣装だけの女の子たちが座っていました。
貞園が少し通り過ぎてから、道端にスクーターを止めてくれました。
「若い女の子を見ると反応が早いわね、順平は。
あれは、台湾名物のびんろう売りの少女たちよ。
セクシーでしょう。
ああやって大勢のお客たちの目を引くの。
見た目の保養になるでしょう」
「びんろう?
なんだい、それ 」
「煙草の代用品というところかな。
台湾をはじめ、東南アジアの特産品でここでは『びんらん』と呼ぶの。
覚醒作用があるので、ああしてトラックの運転手なんかには
とても人気があるみたい。
びんろう売りは、台湾女性の独特の職業なの。
露出度の高いセクシーな女性が、道端でびんろうを売るの。
抜群のスタイルと、大胆な服装がびんろう売りの
トレードマークなのよ。
高収入になるから、最近ではびんろう売りは人気がある。
最近は売り子も急増しているし、
台湾の道路の風物詩にもなっているわ」
「なるほどね。
それにしても、みんな大胆な衣装だ。
まるで今朝の貞園みたいだ・・・・」
「ば~か。
彼女たちはみんな、びんろう売りプロなのよ。
たしかにお色気で客寄せをする方法は、台湾社会でも批判の対象にはなってるわ。
でも、国際的なモデルさんたちやスターたちをはじめ、
イベント会場のコンパニオンたちなどは、
どんなに過激なスタイルをしても、それにはみんな文句などは言わないわ。
びんろうで高い利益をあげるためには、
競争が激しくなりすぎて、それが悪循環にもなってるの。
お客の目を引こうとして、
わざと露出度をあげている経営者たちもいるけれど、
大半は、一家の生計を支えるために、学校を中退したり女子学生たちが働いている。
彼女たちもまた、学歴や年齢が原因で
まともな企業での勤め先が見つからない人たちよ。
びんろう売りのあの子たちも、
ある意味、台湾社会の貧しさの象徴かな・・・・
どう思う、順平は。」
「うん、たしかにナイスバディだなぁ・・・・
貞園よりも、はるかに刺激的な光景だ。
買ってこようかな、びんろう 」
「馬鹿言わないの。
あんたみたいなスケベな男が多いから、
びんろう売りが、のさばるの。
一般的には、8~9粒が50ニュー香港ドルなのに、
彼女たちが売るのは、1粒が100ニュー台湾ドルもなるのよ。
高収入の裏側には、
特別サービスとして裸を露出したり、
お客に体を触らせたり、
なかには性行為まで提供する人たちまでいる始末なの。
びんろうを買うのは、びんろうを咬むだけじゃない、という
台湾男性たち、特有の言いまわし方もある。
やだぁ、、順平ったら、
目つきが悪くなってきたわよ、
この、どスケベ~」
ぼんろう売りの光景を満喫したので
再びスクーターに乗ろうとしたら、先に庭園が後部座席に座ってしまいました。
呆気にとられていると今度はあなたが運転をしてみてと、すましています。
この先は田舎道だもの、ポリスなんかは大丈夫だし、
第一『ホンダ』はあなたの国のスクーターだもの、
なんの問題もありませんと笑っています。
納得して運転席に座ると
貞園がこれ以上はないというほどに、背中へ密着をしてきました。
貞園の柔らかい胸が背中へ張りついてきました。
しなやかな腕が両脇から伸びて私の身体へしっかりとまきついてきます。
やがて右の肩の上に、チョコンと貞園の顔が覗きました。
「大丈夫、もう一本道だもの、
まっすぐ走れば、温泉に到着です。
一度こういう風な乗り方がしてみたかったのよ。
さァ行こう。
もう充分に、目の保養も済んだことだし」
■ビンロウ(檳榔)樹は
椰子科常緑樹の植物で、この樹の実に
石灰をまぜたものが俗にいうビンロウです。
台湾ではビンランと発音します
元は台湾の先住民族の嗜好品でしたが、後に移住してきた漢民族にも広まり、
今では台湾全土に煙草と並ぶ嗜好品として普及・愛用されています
ビンロウには覚醒作用があり、
興奮状態になり精力増強剤的な効能があると言われており、
特に長距離トラック、タクシーなどのドライバーには眠気さましとして使われています。
ビンロウは噛みタバコのように口に入れて噛みます。
そうすると真っ赤な唾液が出てきます。
これは基本的には飲み込まず吐き捨てるのですが、そのせいか
台湾の道路を注意して見てみると、
いたる所に赤くなっている箇所を見つけることができます。
ビンロウには習慣性があり、台湾では18歳未満の者には販売禁止、
公共施設内では使用禁止等が法律で義務つけられています。
台湾では合法なビンロウですが、
日本では麻薬に分類されているので日本国内への持込は禁止されています。
台湾の生活文化・風物詩とも言えるビンロウですが、
あまりスマートでは無いという事で最近は知識人を中心に風当たりが強くなってきています
しかし、生産農家にとっては金のなる木で、
生産額は100億台湾円(¥340億円)を超え、台湾第4位の農産物でもあり
習慣性があので安定した収入も見込めるというの
で台湾政府は、奨励もしないが規制もしないと言う姿勢をとっているようです。
・本館の「新田さらだ館」は、こちらです http://saradakann.xsrv.jp/