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「南北労働者統一サッカー大会」推進委員会の結成

2014年12月03日 | 三千里コラム

「南北労働者統一サッカー大会」推進委員会の結成記者会見(12.1,ソウル)



来年は朝鮮民族にとって節目の年です。日本帝国主義の植民地支配から解放されて70年に当たります。同時にこの期間は、民族の分断70年でもあります。そして、民族の和解と平和統一への願いを集約した「6・15南北共同宣言」から、15年を迎える年になります。

そうした節目の年を意義深いものにするために、ソウルとピョンヤンで「南北労働者統一サッカー大会」の推進委員会が結成されました。大会は来年の5・1節(メーデー)に開催される予定です。

ご存知のように、李明博政権が発令した「5・24」措置を朴槿恵政権も受け継いでおり、南北間の民間交流には厳しい制約が加えられています。大会の成功には多くの困難が予想されますが、大衆的な支持と声援に依拠して、ぜひ実現したいものです。

推進委員会発足の記者会見が12月1日に開かれ、その様子が同日付『統一ニュース』に掲載されています。「南北労働者統一サッカー大会」の意義と現在の準備状況などに関しても解説されていますので参考にしてください。(JHK)



来年の5・1節(メーデー)に開催する「南北労働者統一サッカー大会」推進委員会の結成式が、12月1日、南北の共同行事として進行

『全国民主労働組合総連盟(民主労総)』と『韓国労働組合総連盟(韓国労総)』は1日午前、ソウル市貞洞のフランシスコ会館で「南北労働者統一サッカー大会」南側推進委員会の結成記者会見を行い、北の『朝鮮職業総同盟(職総)』と共同で作成した宣言文を発表した。

この日午後、北の『職総』でも「北南労働者統一サッカー大会」北側推進委員会が結成され、共同宣言文が発表される予定だと二大労総は明らかにした。

共同宣言文には“南北の出会いは分断後70年にわたり綿々と受け継いできた民族の希望であり、『6・15共同宣言』の発表以後、経験によって検証された統一の初歩的段階といえる。2015年の5・1節を期して成し遂げる私たちの出会いは、『6・15共同宣言』15周年と光復70年・分断70年の8・15大会を、全民族的な統一大祝典の場とする出発点になるだろう”と謳われている。

また、“去る1999年と2007年に開催された「南北労働者統一サッカー大会」が、平和と統一に関する全般的な認識の底辺を拡大してきただけに、今回も南北の労働者が祖国統一のための連帯と実践活動において模範になる”と強調した。

合わせて“今回の大会が南北関係の改善はもちろん、各界層の幅広い交流協力を活性化し、民族の和解と団結、平和の雰囲気を高める重大な契機になるものと確信する。平和と統一を念願するすべての人々が、大会の成功に向け積極的に参加することを願う”と訴えた。

キム・ドンマン『韓国労総』委員長は、“統一問題に関しては、二大労総が異見なしに統一した。‘民族の長男’である南北の労働者が力を合わせて統一を促進する”と明らかにした。

シン・スンチョル『民主労総』委員長も、“少数のエリートスポーツを前面に出して何人かが交流する方式ではなく、汗を流して働く労働者の大衆的交流運動を通じて大会を準備し、民族の一体性を確認する契機にしたい。委員長選挙が進行中だが、誰が『民主労総』の委員長になっても大会は成功させるつもりだ”と語った。

シン・スンチョル委員長はまた、“大会の実現には困難と反対もあるだろうが、必ず成し遂げられると確信している。今回の大会が、新しい統一運動の地平を切り開くものと期待している”と付け加えた。

イ・チャンボク『6・15共同宣言実践南側委員会』常任代表議長は、“「南北労働者統一サッカー大会」は南北関係の改善を望む民衆の力によって、政府の政策を変え統一に進む過程を作り出すという点で、非常に重要で歴史的にも意義深いことだ”と激励した。

引き続きイ・チャンボク議長は、今回のサッカー大会について“南が提案し北が受け入れたのも、とても鼓舞的である。必ず成し遂げなければならない。”と強調した。

この日の記者会見には、3年6ヶ月の刑期を服役し二日前に満期出所したイ・キュジェ『祖国統一汎民族連合(汎民連)南側本部』議長が席を共にした。

イ・キュジェ議長は“出所して最初の対外活動が、推進委員会の結成式となった。かつて『民主労総』の統一委員長として推進した、1999年「南北労働者統一サッカー大会」を受け継ぐ行事だけに意義深いことだし、今朝、初雪まで降って感激もひとしおだ”と話し始めた。

イ・キュジェ議長はさらに、“1999年当時は大会の成功に対する確信よりも、歴史の主人である労働者が統一の主人公になるべきだとの単純な考えだった。だが、このサッカー大会が、翌年の南北首脳会談に至る南北間の決定的な信頼の契機になったという評価を、後になって聞いた。また、ピョンヤンでのサッカー大会を終えて南に帰ってきたら司法処置があると覚悟していたが、弾圧を回避できるように北でも色々な配慮があった”とエピソードを語ってくれた。

イ・キュジェ議長はまた、“労働者が南北の和解のために努力するのは時期適切だし、労働者の歴史的使命にも相応しい歓迎すべきことだ。政府も大会の成功的開催のために知恵を発揮してほしい”と要請した。

この日の記者会見では、ハン・ヨンムン『民主労総』統一委員長とチェ・トゥファン『韓国労総』常任副委員長が、大会推進委員会の結成を記念する「南北共同宣言文」を朗読した。記者会見を契機に全国的規模で大会推進機構を拡大し、来年からは各地域と各階層を網羅して、大会成功に向けた準備を本格的に推進すると明らかにした。

二大労総によれば、2015「南北労働者統一サッカー大会」は去る10月7日、二大労総が主催した「南北関係の回顧的省察と現政権の対北政策評価」と題した討論会で初めて提案され、10月末には北の『職総』に開催意志を打診したそうだ。

そして11月10日、『職総』から“サッカー大会開催に関する二大労総の提案を肯定的に評価する”という要旨の回答があった。その後、推進委員会結成式の共同開催と共同文書の発表にも速やかに合意し、この日の記者会見に至ったわけだ。