前回もお話いたしましたが、閉店後にようやくじっくり読書タイムがとれ、古本屋さんのおじさんがくださったワイン関連の本を数冊読んだところです。
日本のワイナリーの紹介、ワイン生活を楽しむためのコツ、人生とワインを結ぶ等、様々な内容ですが、その中で今まで店内やワイン会でお客様に説明してきたことの再確認ができた一冊の本がありました。
田崎真也著「ワイン生活」(新潮選書)の中で、特にお料理とワインの合わせ方が分かりやすく説明されており、皆様にもお役に立つと思うので簡単にご紹介いたしますね
1.ワインの香がキーポイント
白ワインには、レモン、グレープフルーツなどの柑橘系果実や青リンゴなどの香の他、ハーブ系の爽やかな香があります。
一方、赤ワインには、チェリー、ラズベリー、カシスなどの赤、黒ベリーの香の他、胡椒、シナモンなどのスパイス系の香があります。
それぞれの香が、口中に残っていたり、料理のあとに飲んだ時に、料理とワインがどのようにマッチングするかを考える。
よく、「魚には白、肉には赤」と言われますが、一般的には魚料理には柑橘類やハーブを添えた方が、肉料理にはスパイスを加えた方が美味しくなるという考え方からの発想ですので、それぞれの料理に使用される調味料によっては、この限りではありません。
2.ワインの色と料理の色を合わせる
第31回のワイン会のご報告でも少しだけ触れましたが、ワインとお料理を合わせる上でイメージしやすい方法として、色を合わせる方法があります。
一般にワインの色は、赤、白、ロゼと三種類ですが、田崎氏は五種類に分類しています。
a.グリーン・パターン=柑橘類の爽やかな香のするイエローの濃くないグリーンがかった若草色
b.イエローパターン=甘い果物の香のするイエローの濃い黄金色
c.ロゼ・パターン
d.ライトレッド・パターン=比較的明るめの赤
e.ダークレッド・パターン=濃い黒い血のような色
例として鶏肉を素材にしたお料理を上記の5つのパターンに合わせて紹介しています。
a.蒸し鶏を細かく裂いて、クレソンを加えライム・オリーヴオイルをかけてサラダに仕上げる。
b.鶏肉に卵をつけてピカタにする。あるいはパン粉をつけてバター焼きにする。
c.鶏肉を香ばしくローストする。もしくはソテーしてトマトソースでいただく。
d.醤油、オイスターソースをきかせた鶏肉の中華風炒めや唐揚げ
e.赤ワインで煮込んだシチュー、地鶏の素焼きあるいは照り焼き
ひとつの素材でも調理法により、様々なワインと楽しむことができる例ですね。
ぜひご参考にしてください。