梅雨明けからいきなり猛烈な暑さの日々、皆様お元気でお過ごしでしょうか?
今年2回目のワイン会のご報告です。
今回は、お陰様でちょうど40回目のワイン会、お店閉店後は継続できるとは思っていませんでしたが、地元の皆さんがプリモピアットさんと共に、私が再開できるまでの間、まめにワイン会を開いて待ってくださっていることを知り、そのお気持ちに突き動かされ再開が実現し、不定期ではありますが継続させて頂いております。
今回は以前から参加してくださっている方と閉店後に参加してくださった方が一堂に会するワイン会となったことも、とても嬉しく、いつも以上に私にとっては特別な思いで臨んだ会となりました。
今回のテーマは、「東欧諸国の古代品種を楽しもう!」、今話題の東欧諸国の中からジョージア、モルドバ、ギリシャ、ブルガリア4か国の古代品種にスポットを当て、その個性的で魅力的な味わいを美味しいお料理とともに参加者の皆さんと楽しみました
2019年7月30日(火)19:30~ プリモピアットさんにて
まずは、スパークリングから、
<モルドバ>クリゼッコ/クリコバ
使用品種は、フェテアスカ・アルバ、「白い乙女」の意味。りんご、洋梨、柑橘系果実のコンポートのような熟した果実の香りがとても豊か、蜜や花のようなニアンスも感じられます。口にふくむと、香りから想像するよりもフレッシュで爽やかな果実感、活き活きとした酸味と泡立ちでキレの良いアフターが印象的!
皆さんがいつまでもお元気でワインライフをお楽しみ頂けますように かんぱーい
合わせるお料理は、「彩り温野菜とフルーツのサラダ」
果物が10種類以上入っていて、スパークの香り、風味にピッタリ!
次なる白ワインは、
<ギリシャ>ツェレポス・エステイト・マンディニア 2015
使用品種は、モスホフィレロ。バラ花のようなフローラルな香りが心地よく、スパークに比べ粘性も高まり果実味は豊かで丸い含み、アフターは心地よい柔らかい酸味へと導かれます。
ワインの味わいから熟した果実や酸味を伴う野菜にもマッチしそうというイメージから、合わせるお料理は、「静岡県産アメーラトマトの直火焼き」。トマトに熱を加えることで熟度が高まり、ワインのほどよいボリュームの果実風味にも合いますし、ワインのアフターの酸味がトマトを食べたあとの余韻にピッタリはまります
さて、今回のメイン・ワイン
<ジョージア>ギヴアーニ・ルカツィテリ・クヴェブリ 2016
ワイン醸造では最も古い歴史をもち(紀元前6000年~)、ワイン発祥の地とされるジョージア。古代から伝わる土壺を使用した「クヴェブリ製法」が、2013年ユネスコ無形文化遺産に登録され、同製法で造られるオレンジワインが世界的脚光を浴びています。使用品種は、古代品種ルカツィテリ。かつて楊貴妃やクレオパトラも愛飲されたと伝えられています。
古代から伝わる製法は、自然農法ブドウ使用、土壺にて自然酵母により果皮、種も分離せずゆっくりと時間をかけた発酵と熟成、酸化防止剤もほとんど加えていない製法です。こちらのワインは、さらに木樽に移し熟成。
写真からもわかるように、とても色づきが濃い、先ほどの白ワインとは色合いに大きな差があることが、写真でも分かります。オレンジワインの特徴的な色合いです。香りは、オレンジ、ハーブ、レモンティー、干しアンズ、ハチミツ、スパイス、漢方のようなニアンスなど様々な要素が感じ取れます。口に含むとさらに木樽由来の風味を感じられ、深みがアップ!酸味ベースだけれど、まろやかで丸い含み、余韻も長いです。
非常に独特な風味を持ち、初めて口にされる方には、ワインだけを飲むとムム?オヤ?っと、なんとも言えない複雑なワインと思われることでしょう。でもこのワイン、意外とお食事には合わせやすい、これはワイン会でも参加者の皆さんに感じて頂けたのではないでしょうか。
合わせるお料理は、「サバの味噌煮のパイ包み」、クヴェブリ製法ワインでは、ワインが発酵食品であることを感じさせてくれる発酵によって生まれる要素や熟成によって生まれるだしのような旨味を感じます。だしのイメージからサバを、ワインと同じ発酵食品である味噌を使用したお料理、抜群に相性が良かったです
赤ワインの登場です
<ブルガリア>マグラ・トレヴィテ・ガムザ 2017
使用品種はガムザ、赤・黒ベリーの香りにエキゾチックなスパイス、ハーブ、土のニアンス。香りから想像するよりは、味わいはやや軽め、タンニンも柔らかくほのかな甘味と酸味のバランスもよく滑らかな口当りでグラスが進みます。ピノ・ノワールをひとひねりした様な味わいです。
サバの味噌煮パイにも相性グーッ
チーズもお出ししました。
左から、<フランス>ショーム(穏やかなウオッシュタイプ)、副食材:パンディゴ(ドライイチジクとアーモンドがギュッとプレスされたスペインの伝統菓子)、<ドイツ>ゴールデンスモーク(ナチュラルチーズをブナの木で燻製)
ショームは、クヴェブリにも相性が良かったです。
次の赤ワインは、
<モルドバ>ディオニソス・メレニ・ララニャグラ 2014
ガムザ(グラス写真左)に比べ、色付きが黒味を帯び濃い色合い。使用品種はララニャグラ、「黒い貴婦人(熟女)」の意味。熟した赤・黒ベリー、シエリー酒の様なニアンスや醤油を思わせる複雑な香り。口にふくむと木樽熟成の要素が果実味に溶け込んで一体になっている様なニアンス、複雑で、野性的なベリー感も感じます。深み、コクもしっかり感じ取れますが、アフターには心地よい酸があり、エレガントさも兼ね備えています。
合わせるお料理は、今回のメイン料理、「牛テールのラグーソースのリガトーニ(ショートパスタ)」
ラグーソースとのマリアージュ最高 チーズや副食材パンディゴの甘酸っぱい風味にも合いました。
デザートは、「クリームチーズのババロア・ベリーソース」、お好みのワインと合わせて楽しみました
楽しいひとときは、あっという間ですね~
今回のワインを通して、豊かな芳香性と、酸の強さ、野性的なブドウ感に、これまで生き延びてきた古代品種の力強さを感じました
古代品種の魅力を皆さんに少しでも感じ取って頂ければ幸いです。
登場したワイン達です
最後に皆さんとご一緒に
私にとりましても特別な会、たくさんの参加者の皆さんと幸せなひとときをご一緒できましたこと、心から感謝いたします。
感謝の気持ちを込めて、皆さんに参加者の太田さん(メゾン・ヒロコ)の焼き菓子をプレゼントさせて頂きました。
皆さん、ありがとうございました
これからも私のライフワークとして、会を積み重ねていけたらと思っております。
今後とも宜しくお願い致します。