お待たせいたしました~ 7/23日(水)午後7時より自宅開催のワイン会のご報告です。
今回は、夏季でもあり、爽やかスパークリングをテーマに納涼ワイン会も兼ねて楽しみました
まずは、資料に基づき説明を・・・
☆スパークリングワインには、発泡性ワイン(ガス圧3気圧以上)と微発泡性ワイン(ガス圧1気圧以上3気圧以下)の2種類がある。
☆スパークリングワインの製法とは、一次発酵でできたワインを二次発酵させ発生した炭酸ガスを封じ込めること。その方法の中で、瓶内二次発酵(本格シャンパーニュ、クレマンやスペインのカヴァ等が代表的)とシャルマ方式(タンクの中で二次発酵)が主流である。
☆エチケット(ラベル)の表示でBRUT(ブリュット)とあるのは、残糖分により分類される表示で、一般的に「辛口」の意味。もう少し残糖分が多いとSEC/SECCO(セック/セッコ)の表示があるが、この段階でもまだ辛口、中口。それ以外にEXTRA BRUT「超辛口」などがよく見られる表示。また、クラシック、トラディショナルなどの伝統的な意味合いの表示がある場合、瓶内二次発酵製法を意味す場合が多い。
次に、シャンパーニュの製法を詳しく説明させて頂き、テイスティングへ、スパークリングの供出温度は、ビールと同じキンキンに冷やして5℃程度、今回はこの温度をキープするのに気を遣いました~
さて、抜栓は参加者の皆さんにも練習兼ねてやって頂きました。
いつものように、水とフルーツで胃の保護をして頂き、テイスティング・スタートです
まずは、身近なデイリーでよく飲まれるリーズナブルなクラス、フレッシュな果実感が魅力の2アイテムと、熟成感のあるカヴァ合わせて3アイテムの比較です。
左から
①<オーストラリア>クカトゥーリッジ・プレミアム・ブリュット・キュヴェ
ロゼではなく白仕立てなのですが、淡いサーモンピンク色。わずかにブレンドされた黒ブドウ品種に由来する色と考えられます。上品な花や柑橘系果実、赤いベリー、白桃などの香、泡立ちは細やかで柔らかいアタック、甘酸っぱいチャーミングな果実感、トータルで繊細でやさしい印象。
使用品種:シャルドネ44%、セミヨン34%、コロンバール8%、ヴェルデロ9%、その他5%
スパークリングワインは二次発酵に入る前、新しいワインと年度の異なるリザーブワインを調合「アッサンブラージュ」し原酒(キュヴェ)を造ります。ですので、スパークリングワインは、N.V.(ノン・ヴィンテージ)でリリースされるのが一般的です。但し、作柄の良い年には、その年に収穫したブドウのみ使用のヴィンテージものもあります。
このワイン名のように「プレミアム」とか「キュヴェ」とか付いている場合、生産者が原酒「キュヴェ」に特別な思いを込めてつくられたことがうかがえます。それは、使用品種の多さからも理解できます。
②<イタリア>カンティーナ・レジーエ・プロセッコ・ドール・エクストラ・ドライ
イタリアのスパークリングワインの総称は「スプマンテ」と呼びますが、「プロセッコ」はヴェネト州で造られるグレラ種主体のスプマンテのことを意味します。日本にも多く出回っておりますので、このグレラ種の特徴を把握して頂きたく、今回セレクト致しました。
①に比べ泡立ちに勢いを感じます。また果実感に違いがあります。リンゴ、洋ナシのようなほのかに甘味のある果実の香、口中では甘味を感じる果実感のあとにフレッシュな酸味がキレよくドライ感に導きます。やさしいアタックの①に比べ、喉越しに「エクストラ・ドライ」のシャープさが感じ取れます。少し温度が高くなると味わいがはっきりとつかめてきますが、グレラ種は、トロピカルフルーツの一歩手前くらいの甘味を帯びた豊かな果実味が特徴です。
②のグレラ100%使用の単一品種で造られたシンプルな味わいに比べ、①の数品種のブレンドタイプでは、いくつかのフルーツの層が織りなす奥行きを感じとることができました。
③<スペイン>ザ・タパス・ワイン・コレクション・カヴァ・ブリュット
まず、グラスに注いだときの泡の立ち方が①、②とは明らかに違いました。瓶内二次発酵らしい非常に豊かでクリーミィな泡がシュワシュワッと広がる感じです。次に色合いが②と比べ濃い輝きのある黄色です。熟成期間が15ヶ月と長いことから色付きもよいのでしょう。①、②に比べ香も強く感じ取れます。熟した柑橘系果実、黄桃、バナナ、蜜のような豊かな香、豊かな果実味にしっかりとした酸が感じられますが熟成により丸くなり、麦こがしのような香ばしいニアンスやビールの風味もあります。①、②に比べ複雑性もあり余韻も深く厚みのある味わいです。
今回はブラインドは無しにして、エチケットをよく見て頂き、そこからわかる情報をご理解頂きました。
次は、いよいよ本格シャパーニュの比較テイスティングでーす
今回は、自家ブドウ栽培から製造販売まで手がける小規模経営で丁寧な造りの「RM」レコルタン・マニピュラン・シャンパーニュをセレクト!
では、開けますよー
左から、
④<RMシャンパーニュ>ピエール・ジモネ・ブリュット・キュイ・プルミエ・クリュ
ワイン名にある「プルミエ・クリュ」とは、1級畑の意味。シャンパーニュはワイン法で使用品種が、白品種はシャルドネ、赤品種はピノ・ノワール、ピノ・ムニエと決められています。この3品種の組み合わせは自由ですが、白品種シャルドネ100%使用をブラン・ド・ブラン、赤品種100%使用をブラン・ド・ノワールと呼びます。こちらのアイテムは、ブラン・ド・ブランです。
淡く輝くゴールド色。ピンクグレープフルーツ、青リンゴ、レモン、ライムなどの爽やかな果実香にヨーグルトのような乳製品の香、口にふくむとフレッシュな柑橘系果実の風味がほのかなスパイスのニアンスとともに広がり、アフターはキリッとドライなスタイル。泡立ちは柔らかくデリケートなニアンス。
⑤<RMシャンパーニュ>モーリス・ヴェッセル・グラン・クリュ・リゼルヴ
「グラン・クリュ」は特級畑の意味。「リゼルヴ」はリリースされるまでの熟成期間が長いものを意味します。③のカヴァ同様やはり、熟成が長いと色付きもよいですね。④より濃い美しい麦わら色、完熟リンゴ、パッションフルーツ、ドライ杏、赤ベリーなど④よりさらに強い果実のニアンスを感じます。そうなんです。こちらは、使用品種がピノ・ノワール80%、シャルドネが20%。色付きがよいのも赤品種使用からも由来しているのでしょう。また味わいは、⑤よりさらに深い奥行きが感じられます。赤品種使用により果実味のボリュームがアップ。泡立ちはクリーミィだけれど④よりも力強い感じ。シャルドネは繊細さ、ミネラル感、華やかさといった要素に反映されていると思われます。④と違い重厚で力強い印象。
④同様に⑤も果実香の他に乳製品のような香がいたします。シャンパーニュは瓶内二次発酵後、澱に触れた状態で長い熟成期間を経ているため、澱からの旨味成分がワインに溶け込み味わいに付加され、複雑な風味となります。それが乳製品の香につながる場合もありますし、醸造法由来のものもあります。
いずれにしても①から③では感じ取れない、シャンパーニュならではの熟成による味わいの深み、手の込んだ瓶内二次発酵による泡立ちのキメ細やかさや持続性、使用品種による味わいの違いなど把握して頂けたら嬉しいです
さて、一生懸命お勉強したあとは、恒例の懇親会です
懇親会では、微発泡性ワインも登場!
その模様は、次のブログでご報告しまーす