今日、今年初めて赤とんぼを発見 季節はすっかり秋なのですねぇ
さて、先日自宅にて開催したワイン会のご報告です
今回は、欲張ったテーマで比較試飲! たいへん盛り上がりましたー
9月17日(水)午後7時より テーマ:3つのテーマで2アイテムずつの比較テイスティング
3つのテーマとは、①フランチャコルタのNVと2005年の比較、②同生産者の同クラス、モンテプルチャーノのBIOワインとそうでないものの比較、③ボルドー赤同銘柄の2009年と2007年の比較 です。
まず比較①、フランチャコルタから、
フランチャコルタとは、イタリア・ロンバルディア州のフランチャコルタ地方で瓶内二次発酵で造られるスパークリングワイン。その品質の高さはフランスのシャンパーニュに次いで世界的に認められています。
シャンパーニュとの違いは、フランチャコルタの法がより厳しい規定の中で造られ、味わいは、シャンパーニュが酸が強く重厚なものが多いのに対し、フランチャコルタは酸が柔らかくフレッシュで調和のとれた果実感の親しみやすいタイプのものが多いです。
使用品種は、シャルドネ、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)、ピノ・ビアンコの3品種が認められていますが、今回セレクトしたものは、シャルドネ100%です。
左から、
①<イタリア>ヴェッツォーリ・フランチャコルタ・ブリュット・アンナータ NV
②<イタリア>ヴェッツォーリ・フランチャコルタ・ドサージュ・ゼロ 2005
①と②では、色合いも全く違いますよね~、
①はフレッシュな柑橘系果実、リンゴなどの爽快な果実感、②は完熟リンゴ、蜜を思わせる果実風味に加え、熟成によりかなり複雑なニアンス、シェリーのような風味が感じられ深みのある味わいです。どちらにも共通しているのは、アフターがキレのよいドライ感!②のワイン名「ドサージュ・ゼロ」は澱抜きした際、目減り分をリキュールで埋めずに栓をすることを意味し、その分ドライ感もアップしますし、熟成の風味をそのままいじらない良さも生まれます。フランチャコルタの場合、この製法が多いそうです。
次に比較②、イタリアでポピュラーな赤品種モンテプルチャーノです。
左から、
③<イタリア>ファルネーゼ・モンテプルチャーノ・ダブルッツォ2013
④<イタリア>ファルネーゼ・モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・ビオ 2012
③と④では、微妙に色合いが違います。③の方が鮮やかな深みある紫色、④の方が黒味を帯びた赤紫色。香も③は、フレッシュベリーや花の華やかな香、香から想像通りのほのかに甘味のある柔らかい果実味の親しみやすい味わいです。一方④は、ベリー風味に地中から汲み上げたミネラルの要素や木のニアンス、③よりもタンニンも感じられ、味わいに奥行きがあり複雑です。
こちらの比較テイスティングはブラインドでどちらがビオかクイズ形式にいたしました。
皆さん、真剣です
ちょっとビオワインについて説明いたしますと、
「ビオ」、「有機」、「自然派」とつくワインには、アプローチの仕方として、大きく3つに分類されます。
①ビオロジック=自然を尊重した有機栽培、つまり農薬、化学肥料に頼らない農法。
②ビオディナミ=有機栽培+星座や月の運行に準じた農作業+自然物資から生成される調合剤の散布
③リュット・レゾネ=減農薬農法
③については、生産者において農薬の使用制限がマチマチで曖昧さが残ります。
したがって一般的には、この中で①②のいずれか、あるいはその一部と取り入れて造られたワインをビオ(有機)ワインと呼びます。
また、これらの農法に加え、醸造過程において、天然酵母の使用、SO2(酸化防止剤)無添加、又は制限、無濾過などの手法を取り入れる場合もあります。
そして、ビオワインと称されるワインは、生産者独自でそのスタイルをとっているもの、ビオの認定機関で認証を受けているものがあります。
セレクトワインは、イタリア政府のオーガニック認定機関C.C.P.B.による栽培認定を受けているものです。機関認定の場合はワインラベルに表示されています。
さて、ビオワインの味わいの特徴として、ただ単に体にやさしい味わいというだけでなく、土壌を大切にする栽培方法から、ブドウの根が地中深くから得た様々な要素が反映された深みのある味わいも感じ取りやすいといえます。ブドウは木なんだということに気づかせてくれるワインなのです。
ブラインドで、どちらがビオか? 皆さん迷うことなく④と当ててくださいました
最後の比較③は、同銘柄ボルドー赤ワインのヴィンテージ違いです。
左から、
⑤<ボルドー>シャトー・ブリュルセカイユ 2009
⑥<ボルドー>シャトー・ブリュルセカイユ 2007
いずれも、ボルドー地方のコート・ド・プールのトップシャトーで評価の高いアイテムです。使用品種は、メルロー55%、カベルネ・ソーヴィニヨン45%、熟成は樽熟成(新樽1/3)。
色合いは、⑤は鮮やかで濃い目の紫色に対し、⑥はやや透明感のある赤褐色のかかった熟成の色が出ています。
味わいも、2009年はフレッシュな黒系果実風味に樽由来のバニラ、タンニン、スパイスのニアンスが溶け合って豊かでバランスのよい味わいですが、⑥に比べまだタンニン、スパイスのアタックが強く感じられ、元気のよい印象。⑥はフレッシュな果実感を残しつつ、熟成により生まれた複雑な風味や樽由来のスモーキーなニアンスがアクセントになり、口当りもなめらかです。ほのかにアニマルのニアンスも見え隠れします。フレッシュさと熟成感が交錯したイメージです。
さぁーて、しっかりテイスティング終了で、お楽しみの親睦会に突入です
ワインも追加でまずは、乾杯でーす
<イタリア>チウ・チウ・エヴォア 2013
追加ワインもイタリアのビオワインです。パッセリーナというイタリアの土着品種で、デリケートで上品な果実香と、ほどよいボリュームの繊細な果実味と酸のバランスがよく、さりげないけれど印象に残る魅力的な味わいです
お料理も続々登場です
煮物(母差し入れ)、豚肉をヨーグルトと味噌で漬け込んだものを焼きまました。
味付け半熟たまご(母差し入れ)、ガルビュールもどき(スープが少なかったですね、ごめんなさい)
アボカドのお刺身、台湾小皿料理「祖師酒家」さんの餃子、(参加者さんからの差し入れ)
ワインも頂きました。青森「下北ワインRyo(リョウ)」、やはり減農薬栽培ブドウ使用。品種はピノ・ノワール。ピノにしては黒味を帯びた濃いめの色調で、自然派らしい色合い、はじめセメダインの様なビオワイン独特の香が感じられましたが、それを通り過ぎるとピノらしい赤いベリー、チェリーやミネラルの風味が素朴で心地よく、シルキーなタンニンの柔らかい口当たり。
神戸屋さんの新作パン(アップル・シナモン)、フルーツ(差し入れのりんごとピンクグレープフルーツ)
ワインが足らずもう一本追加デース
<ボルドー>ミラード・メルロー 2011
VdPクラスながら、メルローの特徴を素直に表現した味わいです。赤系ベリー風味に上品な樽香が溶け込み、シルキーなタンニンと酸味のバランスもよく、なめらかな口当りでミディアムながら、メルローらしい豊かな果実味がしっかり感じ取れます。
今回のワイン達が勢揃いしました~
最後にほろ酔い気分で皆さんとご一緒に イエーイ
今回は、今年開催のワイン会で好評のテーマ、「スパークリングワイン」、「ボルドーヴィンテージ比較」に加え、今まであまり触れていなかった「ビオワイン」と3つの欲張ったテーマについて探ってみましたが、今回も新たな発見がたくさん得られ、私自身もたいへん勉強になりました。
遅くまでお付き合いくださった参加者の皆様、ほんとうにありがとうございました