酒の三幸

閉店後もこれまで温かく支えてくださったお客様と繋がる場所として、ブログを継続させて頂きます。その後の生活やワイン情報等。

プレスティージュ・シャンパーニュ・スペシャルテイスティング

2020-10-03 18:15:12 | ワイン

めったにない土曜日の休日を利用して、エノテカ丸の内店様のワインバーにて、貴重なプレスティージュ・シャンパーニュの比較試飲を楽しみました

プレスティージュ・シャンパーニュとは、各メゾンが威信をかけて手がけるトップキュヴェのことで、名だたる6生産者のうちお好み銘柄3アイテム(各50ml)選べるメニューでした。(セット価格:8250円 税込)

私は、仕事で扱っているアイテムに絞り、以下のシャンパーニュを、

①2008年 クリスタル/ルイ・ロデレール 41,800円(税込)

飲んだことがなくても名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。3種の中でクリスタルが一番、時間の経過とともに変化する味わいを堪能できたように思います。まずはじめにヨーグルトの様な乳製品の香り、フレッシュな柑橘系果実、白桃のコンポート、ヴァニラ、蜜など豊かな味わいが想像できる様々な要素を感じる香り、口にふくむと果実風味に酵母由来の複雑なニアンスも感じられ、アフターはフレッシュな酸で引き締まる。時間の経過とともに、旨味がアップ、様々な要素がひとつにまとまった感じ、スパイシーなニアンスやアフターに塩味が顕著に感じられるようになり、最後まで活き活きとした爽やかさが残っているのが印象的でした。(ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%)

②2012年 ベル・エポック/ペリエ・ジュエ 27,830円(税込)

これも皆さん見たことのあるボトルかもしれませんね。仕事先でも若い層に人気のシャンパーニュです。3種の中で一番淡い色合い。瓶の花柄のごとく白い花の華やかな香りに柑橘系果実、蜜、奥に干し草のような香りが少し感じられました。フレッシュな果実味が親しみやすくシャルドネ主体らしい繊細で清涼感のある味わい、アフターに爽やかなフレッシュな酸とグレープフルーツの様な苦みが感じられました。若い層に人気があるのが理解できる味わいでした。(2011Vがシャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ5%)

③N.V. フュ・ド・シェーヌ/アンリ・ジロー 33,000円(税込)

アンリ・ジローは極一部のヨーロッパの上流階級で愛飲されていた幻のシャンパーニュ・メゾンで、ひとたび世に出るや、世界中のシャンパーニュ・ラーヴァーを虜にしました。良質のピノ・ノワールを産するアイ村さんのブドウにこだわり、芳醇にしてエレガント、高貴な味わいを目指します。

ワイン名「フュ・ド・シェーヌ(木樽)」は、シャンパーニュ地方のアルゴンヌの森の樫でできた特別な樽で熟成させたキュヴェを表わします。更に14の畑の計30区画から厳選。プレスティージュでは珍しい複数ヴィンテージのブレンド。その多様性と6年の瓶内熟成が突出した個性をもたらし、芳醇で深い味わいに仕上がっています。(ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%)

やはり、3種の中で突出した個性的な味わいだったので説明が長くなりました。まず、木樽のスモーキーな香りが漂い、次に焼きりんごのような香り、味わいも力強く果実風味よりも酵母由来の風味や熟成により生まれた旨味が際立ち、時間の経過とともに蜜や古酒のニアンスがアップ!一貫して複雑な古酒の印象をキープ、単に複雑というよりゴージャス、高貴といった貫禄も感じられる。ただ飲み続けるとちょっと疲れる感じもありで・・・そういう意味では、フレッシュ感をキープしつつ、様々な表情を感じさせてくれるクリスタルの方が楽しめるかなぁと、あくまでも私の私見ではありますが。

3種テイスティングでも、8,250円は高く感じられる方も多いでしょうが、1本のお値段を考えたら、また仕事柄こういうシャンパーニュも取り扱いおすすめしなければならない立場ですと、月謝払ったと思って利用する価値は大いにあるのです。現にこのテイステングのあとすぐに贈答用お探しのお客様にフュ・ド・シェーヌをおおすすめしたところ、ご購入頂き、それは、もう嬉しかったですぅ

ここまでのプライスでなくても、週末になると各エノテカショップで比較試飲のセットメニューが出ておりますので、ぜひお試しください 平日でも1グラスから美味しいワイン試せますよ~

 

 

 

 

 


久しぶりにスペインワイン堪能!

2020-03-29 18:35:56 | ワイン

仕事場で興味あるスペインワインを見つけ、早速自宅にて試してみました~

エル・リンセ・デル・シンクエンタ・セレクシオン・ルセンド2015   ¥2,211(税込)

  

ティント・ヴェラスコ50%、シラー50%使用

「ティント・ヴェラスコ」は、フランス、ポルトガルのアリカンテブーシェに通じる品種、シノニムと言えるかは!? 特徴は、皮だけでなく果肉、葉、茎や種まで赤い色をしていて、濃厚で酸が立つ。ほとんど絶滅していた品種だそうで、この造り手が復活させたそうです。更なる魅力は、プレ・フィロキセラの自根のブドウ樹であること。

ステンレス発酵後、フレンチオークにてマロラクティック発酵、その後フレンチオーク新樽にて8ヶ月熟成。

色合いは、確かに写真のように濃厚な赤みを帯びた紫色。赤いベリー、プラム(梅)の甘酸っぱい香りにハーブのニアンス。シラー特有のスパイスの要素はハーブのミント香に同化したような上品さが感じられます。スミレ花の華やかさも。

口にふくむと、色合いから想像するより、綺麗な酸が果実味と相まって伸びやかに広がりエレガントな印象。タンニンはシルキーでなめらかな口当り。とても品性を感じコスパの高さを感じます。アフターに上品なスパイシー感。味わいに古木使用(樹齢100年以上)らしい落ち着きと深さが感じられます。14°というアルコール度もそんなに強く感じません。食中酒に最適、ピノ好きの方にもおすすめ。

 

たぶん、日本ワインのアリカントも通じている品種だと思います。味わいに近いものを感じます。かつて「富士の国やまなし館」でテイスティングしたのを思い出しました。濃いけどエレガント!

 

 


ワイン会、これから。。。

2020-03-29 17:41:56 | ワイン

新型コロナウイルスの影響で外出自粛要請が出てから、仕事以外は家に巣籠もり状態の日々、皆様も同じでしょうか?

早く新薬やワクチンが開発されて終息することを祈るのみです。

 

先日、母と電話でのやり取りで、「あんたも、思う存分ものが美味しく飲めて食べれるのもあと10年だよ」と言われ、ドキッとしましたー

確かに今年は私も還暦を迎えます。これからの一年一年、無事に過ごせたことの幸せを噛みしめながら生きていく段階に入っているのだと思います。

今まで仕事とともに築いてきたワインライフも見直す必要があるなぁと、母の一言でふと思いました。

これまで開催してきたワイン会も、参加者の皆様に少しでもワインの知識を深めてよりワインを身近に感じてほしいという思いから、どちらかというと、私から皆様に、お教えする、お伝えする方に力を注いだものでした。会終了後にご満足頂けた皆様の幸せそうなお顔を拝見する度に私もとても嬉しく、その充実した思いが次回開催への意欲にも繋がりました。

でも、実際ワイン会進行中に、私はじっくりワインと向き合い、お料理を丁寧に食し、ほんとうの意味で堪能していただろうか

進行状態や時間が気になり、少々上の空でワインを口に流し込み、お料理にぱくついていなかったか?

 

これからの一年一年を今まで以上に大切にしたい、そのために日々丁寧に生きたいという思いから、

今後のワイン会は、私も堪能できる余裕の持てる会にしようと思っています。

今までよりも少人数で、もう少しグレードの高いワインをアイテム数を絞って、じっくりと皆様と会話を楽しみながらワインやお料理の感想を共有しながら。。。

自粛モードが解かれ、もう少し落ち着いたらまた新たな企画をご案内したいと思っています。

お楽しみに(^^♪

 

 

 

 


ワインの美味しい季節ですね!

2019-10-08 16:58:58 | ワイン

ブログすっかりご無沙汰でした。

皆様、お元気でお過ごしでしょうか?

私は、夏に膝の半月板を損傷し、医師から手術をすすめられたのですが、手術後のリハビリも含め仕事復帰まで最低3週間はかかると言われ、

年末まで仕事のスケジュールが埋まってしまっているし、どーしよー!と少々落ち込みましたが、手術をしなくてもよい緩和治療をすすめる病院を見つけて、そちらの紹介で痛み取り専門の「ゆらしLab」というところで施術して頂き、

お蔭様でなんとか仕事が続けられております。(セカンドオピニオンって大事ですね、実感!)

2回目に行った病院の先生から、「何かスポーツやっていたでしょう?」と聞かれ、「いいえ、最近はやってません。若い頃は、やってましたけど。。。」と答えたら、「だいたい半月板損傷はスポーツやっている人に多いんだけどねぇ」と言われ、

思い返せば、酒屋時代、業務用の配達など男並みの仕事していたから、膝にも相当負担がかかっていたんだなぁと納得、労作業がまるでスポーツだったんですね(笑)

 

前置きが長くなりました。

ワインの美味しい季節ですね、ワインフェアのご案内です。

明日9日(水)~15(火)大丸東京店様の11階にて、「世界の酒とチーズフェスティバル」が開催されます。

10:00~20:00(初日は15:00~、(木)(金)は21:00まで)

私は、大丸直輸入のスパークリング販売をメインに担当、(金)(月)(火)は、16:00~openの有料試飲コーナーに移動いたします。(閉店30分前close)日替わりで高級シャンパーニュが、グラス50ミリで安価でお楽しみ頂けます。

東京では最大規模のワインフェアです。

お時間ございましたら、是非お越しくださいませ。

お待ちしておりま~す(^^♪

 

 


第40回三幸ワイン会のご報告

2019-08-01 12:02:24 | ワイン

梅雨明けからいきなり猛烈な暑さの日々、皆様お元気でお過ごしでしょうか?

 

今年2回目のワイン会のご報告です。

今回は、お陰様でちょうど40回目のワイン会、お店閉店後は継続できるとは思っていませんでしたが、地元の皆さんがプリモピアットさんと共に、私が再開できるまでの間、まめにワイン会を開いて待ってくださっていることを知り、そのお気持ちに突き動かされ再開が実現し、不定期ではありますが継続させて頂いております。

今回は以前から参加してくださっている方と閉店後に参加してくださった方が一堂に会するワイン会となったことも、とても嬉しく、いつも以上に私にとっては特別な思いで臨んだ会となりました。

 

今回のテーマは、「東欧諸国の古代品種を楽しもう!」、今話題の東欧諸国の中からジョージア、モルドバ、ギリシャ、ブルガリア4か国の古代品種にスポットを当て、その個性的で魅力的な味わいを美味しいお料理とともに参加者の皆さんと楽しみました

 

2019年7月30日(火)19:30~ プリモピアットさんにて

まずは、スパークリングから、

<モルドバ>クリゼッコ/クリコバ

使用品種は、フェテアスカ・アルバ、「白い乙女」の意味。りんご、洋梨、柑橘系果実のコンポートのような熟した果実の香りがとても豊か、蜜や花のようなニアンスも感じられます。口にふくむと、香りから想像するよりもフレッシュで爽やかな果実感、活き活きとした酸味と泡立ちでキレの良いアフターが印象的!

  

皆さんがいつまでもお元気でワインライフをお楽しみ頂けますように かんぱーい 

 

 

合わせるお料理は、「彩り温野菜とフルーツのサラダ」

果物が10種類以上入っていて、スパークの香り、風味にピッタリ!

 

次なる白ワインは、

<ギリシャ>ツェレポス・エステイト・マンディニア 2015

使用品種は、モスホフィレロ。バラ花のようなフローラルな香りが心地よく、スパークに比べ粘性も高まり果実味は豊かで丸い含み、アフターは心地よい柔らかい酸味へと導かれます。

 

 

ワインの味わいから熟した果実や酸味を伴う野菜にもマッチしそうというイメージから、合わせるお料理は、「静岡県産アメーラトマトの直火焼き」。トマトに熱を加えることで熟度が高まり、ワインのほどよいボリュームの果実風味にも合いますし、ワインのアフターの酸味がトマトを食べたあとの余韻にピッタリはまります

 

さて、今回のメイン・ワイン

<ジョージア>ギヴアーニ・ルカツィテリ・クヴェブリ 2016

 

ワイン醸造では最も古い歴史をもち(紀元前6000年~)、ワイン発祥の地とされるジョージア。古代から伝わる土壺を使用した「クヴェブリ製法」が、2013年ユネスコ無形文化遺産に登録され、同製法で造られるオレンジワインが世界的脚光を浴びています。使用品種は、古代品種ルカツィテリ。かつて楊貴妃やクレオパトラも愛飲されたと伝えられています。

古代から伝わる製法は、自然農法ブドウ使用、土壺にて自然酵母により果皮、種も分離せずゆっくりと時間をかけた発酵と熟成、酸化防止剤もほとんど加えていない製法です。こちらのワインは、さらに木樽に移し熟成。

写真からもわかるように、とても色づきが濃い、先ほどの白ワインとは色合いに大きな差があることが、写真でも分かります。オレンジワインの特徴的な色合いです。香りは、オレンジ、ハーブ、レモンティー、干しアンズ、ハチミツ、スパイス、漢方のようなニアンスなど様々な要素が感じ取れます。口に含むとさらに木樽由来の風味を感じられ、深みがアップ!酸味ベースだけれど、まろやかで丸い含み、余韻も長いです。

非常に独特な風味を持ち、初めて口にされる方には、ワインだけを飲むとムム?オヤ?っと、なんとも言えない複雑なワインと思われることでしょう。でもこのワイン、意外とお食事には合わせやすい、これはワイン会でも参加者の皆さんに感じて頂けたのではないでしょうか。

合わせるお料理は、「サバの味噌煮のパイ包み」、クヴェブリ製法ワインでは、ワインが発酵食品であることを感じさせてくれる発酵によって生まれる要素や熟成によって生まれるだしのような旨味を感じます。だしのイメージからサバを、ワインと同じ発酵食品である味噌を使用したお料理、抜群に相性が良かったです

 

 

赤ワインの登場です

<ブルガリア>マグラ・トレヴィテ・ガムザ 2017

使用品種はガムザ、赤・黒ベリーの香りにエキゾチックなスパイス、ハーブ、土のニアンス。香りから想像するよりは、味わいはやや軽め、タンニンも柔らかくほのかな甘味と酸味のバランスもよく滑らかな口当りでグラスが進みます。ピノ・ノワールをひとひねりした様な味わいです。

サバの味噌煮パイにも相性グーッ

チーズもお出ししました。

左から、<フランス>ショーム(穏やかなウオッシュタイプ)、副食材:パンディゴ(ドライイチジクとアーモンドがギュッとプレスされたスペインの伝統菓子)、<ドイツ>ゴールデンスモーク(ナチュラルチーズをブナの木で燻製)

ショームは、クヴェブリにも相性が良かったです。

次の赤ワインは、

<モルドバ>ディオニソス・メレニ・ララニャグラ 2014

 

ガムザ(グラス写真左)に比べ、色付きが黒味を帯び濃い色合い。使用品種はララニャグラ、「黒い貴婦人(熟女)」の意味。熟した赤・黒ベリー、シエリー酒の様なニアンスや醤油を思わせる複雑な香り。口にふくむと木樽熟成の要素が果実味に溶け込んで一体になっている様なニアンス、複雑で、野性的なベリー感も感じます。深み、コクもしっかり感じ取れますが、アフターには心地よい酸があり、エレガントさも兼ね備えています。

合わせるお料理は、今回のメイン料理、「牛テールのラグーソースのリガトーニ(ショートパスタ)」

ラグーソースとのマリアージュ最高 チーズや副食材パンディゴの甘酸っぱい風味にも合いました。

デザートは、「クリームチーズのババロア・ベリーソース」、お好みのワインと合わせて楽しみました

 

楽しいひとときは、あっという間ですね~

今回のワインを通して、豊かな芳香性と、酸の強さ、野性的なブドウ感に、これまで生き延びてきた古代品種の力強さを感じました

古代品種の魅力を皆さんに少しでも感じ取って頂ければ幸いです。

 

登場したワイン達です

 

最後に皆さんとご一緒に

私にとりましても特別な会、たくさんの参加者の皆さんと幸せなひとときをご一緒できましたこと、心から感謝いたします。

感謝の気持ちを込めて、皆さんに参加者の太田さん(メゾン・ヒロコ)の焼き菓子をプレゼントさせて頂きました。

皆さん、ありがとうございました

 

 

これからも私のライフワークとして、会を積み重ねていけたらと思っております。

今後とも宜しくお願い致します。