9年前に訪問した南アフリカのいくつかのワイナリーの中で最も印象深かった「ドメイン・ブラハム」のシラーズを久しぶりに開けました
醸造家のヒーシー女史は、苦学して弁護士となり夢であったワイン造りを実現、たとえ貧しくとも頑張れば夢は叶うというメッセージを込めて世にワインを送り出しています。
また、牧師さんでもありメルヘンチックなかわいいワイナリーの中に小さな教会があり、そこで結婚式の立ち会いをされたり、当時は男の子(もう立派な青年に成長されていることでしょう)の母であり、彼女の仕事を深く理解し応援してくださる素敵なご主人の奥様でもあられます。
訪問日には、黒いテーブルクロスの上にマーブルチョコレートでデコレーションしたテーブルが用意され、そこでワインを試飲させて頂きました。
温かいおもてなしを受けた後、プレゼントワインのボトルにサインを求めたとき、私の名前「幸子」の意味を言いますと、「この名前大事にしてね!幸せはお金では買えないから・・・」と言ってくださって。ジーンと感動したのを今でも覚えています
女性として心から尊敬できる方の造るワインは自然派(オーガニック転換中)、できるだけ人の手を加えない地球環境にやさしい造りをしています。(自然環境に恵まれた南アフリカは、自然を保護する意識も高く、国をあげてこのような造りを強化しています。)
具体的には、ブドウの植え方が株つくり(ブッシュ・スタイル)、有機肥料と灌漑は必要なときのみ使用。畑でアヒルを飼うことによって虫対策など。
では、改めて飲んだ昨晩のワインの感想を
<南アフリカ>ブラハム・シラーズ 2010 ¥2,680(税別)
熟したプラム、チェリーの香にスパイス、オーク由来のバニラ、チョコレート、木のニアンス、凝縮した果実味に自然派の造りらしい、ほくほくした土のニアンスが感じられ若干のエキゾチックなニアンスがアクセントに、タンニンは細やかで口当たりはしなやか、シラーズらしいスパイシーな余韻が心地よいです。アフターが程よい酸で全体の味わいを柔らかい印象にしています。女性の造り手らしい力強さの中にエレガントさも感じられる魅力的な味わいです。
彼女の造るワインで私が好きなところは、上品な樽風味がなんとも心地よく果実味とうまく溶け合い、ワインに奥行きを持たせている点です。
どのシリーズを頂いても、彼女ならではの一貫して共通する樽風味を感じます。
このたび、女性のワインエキスパートが選ぶ「SAKURA AWARD2015」にて、Wゴールド受賞
ぜひ、お試し頂きたい逸品です
※ボトルに貼られている「SAKURA AWARD」のシルバーメダルシールは2014年開催時受賞のものです。