酒の三幸

閉店後もこれまで温かく支えてくださったお客様と繋がる場所として、ブログを継続させて頂きます。その後の生活やワイン情報等。

第31回三幸ワイン会のご報告パートⅡ☆

2015-06-28 10:24:51 | ワイン

ワイン会のご報告の続きです。

ポマール古酒のあとは、ワインリスト5のスペイン・リオハの赤です

 

5.<スペイン・リオハ>セニョリオ・デ・サン・ビセンテ・サン・ビセンテ2007

リオハの銘醸ワインといえば、テンプラニーリョ種、伝統的な造りですと赤系ベリーに花の華やかな香、透明感のある赤味を帯びた色調にほどよい酸味ベースでシルキーなタンニンのエレガントスタイルをイメージしますが、こちらは、伝統とモダン的な造りとの融合。100%新バリックにて熟成、ノンフィルターとあり、色づきもたいへん濃く、香は黒系ベリーが主体となり新バリック由来の甘いバニラやシナモンの香が追いかけてきます。豊かな果実味に2007年というヴィンテージから熟成により生まれたタバコ、なめし皮や中国茶を思わせる複雑な風味が溶け込みタンニンもシルキーで滑らかな口当り、重厚感とエレガンさを持ち合わせ、余韻も深く心地よいです。人の手による丁寧な畑作、醸造、瓶詰めに至るまで心血注いで造り上げたワインは、このアイテムひとつだけというこだわりのワインメーカーでもあり、国内外でもたいへん高く評価されています。 

お料理は、またまたポップオーバーの登場です。今度はキーマカレーをのせて。。。

 

スパイシー感とエキゾチックなムードのあるキーマカレーは、一見ワインとの相性が良いように思われますが、私自身も今回は冒険でした。実はカレーは大変インパクトの強いパワフルなお料理でワインが負けてしまいがちなんです。でも、ご相談の段階でポップオーバー&キーマカレーが美味しそうで食べてみたくて、そして皆さんにもワインと一緒に経験して頂きたくてオーダーしちゃいましたぁ

今回のリオハワインも凝縮度は申し分なく、スパイシーでもあり、分類すればフルボディタイプではありますが、ポップオーバーにほんの少しのせていただく程度で、やっとやっと、それでもカレーが強かったかなぁ、参加者の皆さんは、いかがでしたか?

このワインに非常にしっくりいったのが、参加者さんの差し入れのメープルロール(町田パンパティ)、メープルの甘味が、ワインのバニラ、シナモンの風味にベストマッチでしたね~

 

ここで再びブルゴーニュ古酒を開けました~!  このワインもまた抜栓難航 苦しみました

 

 

 

<ブルゴーニュ>ジョセフ・ドルーアン・モンテリー1994

ジョセフ・ドルーアンは、130年以上の歴史を誇るブルゴーニュを代表する家族経営のワイナリーで、テロワール(ワインの個性を決める気候、土壌などの環境すべて)に最大の敬意を表し、畑が本来もつ個性を最大限にブドウに反映させることを追及しています。さきほどの古酒ポマール村の南西部に隣接する村モンテリー格付けワインです。

やはり古酒の風格を示す色合いです。

左がポマール、右がモンテリーです。ともに枯れたニアンスで褐色を帯びていますが、色調も濃い目でコート・ド・ボーヌ地区らしく凝縮度の高いことがうかがえます。ポマールに比べ澱は細かくワインに溶け込んでいる感じです。まず香は、ポマールがアニマル香が先行したのに対し、モンテリーは香、味わいともにまだドライフルーツのニアンスが素直に感じ取れ、その奥に腐葉土やキノコ類のようなニアンスがワインに複雑性を与えている印象でした。参加者さんの中でトリュフの香を感じられた方もいらっしゃいましたが、まさしく!もともとドルーアンの造り自体が環境にやさしい自然派で、1990年代よりビオロジックからより厳格なビオディナビに移行していることからも、ワインに土のニアンスが感じられるのは自然派の特徴でもあり尚更うなずける話ですが、この土のほっこりとしたニアンスからなつかしくやさしい温かさを感じ、同じヴィンテージながらポマールの優雅で豊満な熟成感とは違った印象を受けました。ほんとうに貴重な古酒の比較が経験でき、感謝いたします

最後の赤ワインの登場です

 

6.<南アフリカ>グレネリー・グランヴァン・レッド2008

最後のワインはやはり訪問経験のある南アフリカのワインを!

自然豊かな南アフリカは自然保護の意識も高く、ワイン造りにおいても、国を挙げて地球環境にやさしいブドウ栽培、ワイン醸造を奨励しています。厳しい規制をクリアしたワインには、キャップシール上にシールが貼られていますので、ご購入の際には、確認してみてくださいね。

さて、こちらのワイン、業界でも最大規模の試飲会「ワイン東京2015」で一番感動したワインなのですが、フランス・ボルドー・ポイヤック2級のシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテスト・ラランドの元オーナーが南アフリカで手がけたシラーズ、カベルネS,メルロー、プチベルドのブレンドワインです。

グラスからも濃厚な色調で、凝縮度の高さがうかがえます。熟したプラム、スパイスに熟成由来のタバコ、紅茶などの香、凝縮した果実味に豊かで細やかなタンニンが溶け込み骨格のあるしっかりとした飲み応えのある味わいが魅力!キーマカレーはこちらの方がリオハより相性がよかったように思います。

最後のお料理です

一口カツ 赤ワインソース

 こちらは、ブルゴーニュ古酒、後半のワイン全てにマリアージュですぅ

そうそう、ソースの色がブラウンに変わりましたよね、ソースの色も合わせるワインに近しい色だとなじみます。特にこちらは赤ワインベースのソースですからより一層グーッ!ですけど。。。

 皆さんも美味しいお料理とワインを堪能して頂けたようでご機嫌なご様子

 

お口直しのデザートは、参加者さんの差し入れで、

タカノ・フルーツチョコレート&ごぼうサラダおかき

  

 いずれもワインと一緒でもなかなか合うんですよ~!

 

今回が最後ということで皆さんから寄せ書きを頂きました 嬉しいですぅ

 

私からも皆さんへワインのおつまみパテをプレゼント

 

今回のワイン達が勢揃い

皆さん、どのワインが印象に残りましたでしょうか?

最後に皆さんとご一緒に、いちたすいちは~~

にー

 

楽しく幸せなひとときは、あっという間でしたね~、

今回は、皆様の差し入れワインが多く、盛りだくさんの内容になりました

ヘルシーで美味しいお料理をたくさん作ってくださった「やおまんキッチン」さん、参加者の皆様に心より感謝いたします

ワイン会を開催してから2年半、皆さんの喜んでくださる笑顔がまた見たくて、今度はこうしてみよう、ああしてみようのワクワクドキドキの繰り返しが、いつの間にか31回になっていて。。。

これも皆様に支えて頂いたお蔭です

皆様のワインライフが豊かになるよう努めてまいりましたが、少しでもお役に立てたなら幸せです

私自身もたんへん勉強になりました。特にお料理とマリアージュの点では、毎回セレクトワインに合うお料理を意識して作るようになったことで、お店でお客様に「今晩○○食べるので、それに合うワインほしいんですけど・・・」と聞かれたときなど、以前よりもすんなりマッチするワインをイメージできるようになったのは収穫でした

振り返りますと言葉では言い尽くせない思いが込み上げてまいりますが、

ほんとうにほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです

ありがとうございました

次の仕事が落ち着きましたら、また不定期ですがワイン会を復活させたいと思います。

もちろんブログはそのまま(タイトルは変更予定ですが)続けます。

サヨナラではなく、またお会いしましょう! そして、今後とも宜しくお願い致します。

酒の三幸 吉岡幸子


第31回三幸ワイン会のご報告パートⅠ☆

2015-06-26 17:38:19 | ワイン

お待たせいたしました!

6月17日(水)午後7時より開催の最後の「三幸ワイン会」のご報告です。

今回は、当店の近く「やおまんキッチン」さんにて、野菜たっぷりヘルシーお料理とワインのマリアージュを楽しみました

 

やおまんキッチンさんは、八百屋さんが経営しているカフェで、新鮮なお野菜たっぷりのランチメニューが充実している人気店です。(祖師谷4-1-21 ☎03-3483-0788)

シェフの島田さんとベジタブル&フルーツマイスターの安藤さん(やおまんさんの若奥様)

今回は無理を聞いて頂いて、夜の部でワインに合う美味しいお料理をたくさん提供して頂きました!   

今回のテーマは、前回に引き続きヨーロッパとニューワールドのミックスという大まかな枠の中で、最後の会ということもあり、ちょっと高めのプレミアムワインをセレクトいたしました。

まずはじめにスパークリングワインで乾杯です

    

1.<イタリア>サンタ・マルゲリータ・プロセッコ・スペリオーレ・ヴァルドッビアーデネ・ブリュット

当店でも人気のヴェネト州で造られるグレラ種主体のスパークです。柑橘系果実、洋ナシ、白桃、リンゴや白い花などの非常に上品な果実風味と細やかな泡立ちとの調和が素晴らしく、キンキンに冷やすと喉越しのドライ感がアップ、少し温度が高まると泡立ちが柔らかくソフトでやさしい印象の魅力的な味わいです! 春から夏にかけて最適なスパークです。

これからも皆さんが健康でありますように!

そして美味しく食べれて美味しく飲める幸せなひとときがこれからもたくさんありますように!

かんぱーい

フルーツの盛り合わせと人参のマリネ

   

次に白ワイン、

 

2.<オーストラリア>ミスター・リグス・ウォーターヴェイル・リースリング2013

木々の緑や花々の美しい季節におすすめのリースリング、単なる果実風味にとどまらず様々な要素を持ち合わせているキャラクターが魅力! まずリースリング特有のオイリーなミネラル香が、続いて次に生き生きとしたライム、レモンなどの柑橘系果実の香、少し温度が高まると花、蜜などのニアンス。冷涼気候らしい繊細な果実風味に清々しいミネラル感が味わいを引き締め、スッキリと爽快なアフターへと誘います。リースリングの産地として有名な南オーストラリア・クレアヴァレー産。

ここで、参加者さん差し入れのドイツのリースリングと比較してみました~!

  

<ドイツ・モーゼル>ザンクト・ニコラウス・ケストナー・パウリンスベルク・リースリング・カビネット2014

2のオーストラリア産と比べると上のグラス右のドイツ産の方がほんの少し黄色が濃いめですかね、ドイツの方がミネラル香がやんわりとしていて、果実や蜜のニアンスが強め、酸も柔らかくアルコール度もオーストラリア産が11度台に対し8度台と弱めで、全体的にやさしい感じです。

ほのかな甘味があることで口中で丸く広がりを持ち、フレッシュの素材を生かしたお料理はもちろんのこと、クリーミィなものにも相性が良いです。たとえば、

アボカド&ポテトサラダ

次の白ワインに合わせて作ってくださったサラダですが、このアボカドや和えたソースの食感が 柔らかくふくらみのあるリースリングにもグーッ!

さて、次なる白ワインをご紹介しましょう 

 

3.ドメーヌ・トマ・モレ・ブルゴーニュ・シャルドネ2013

リースリングは、オーストラリア産もドイツ産も樽不使用のフレッシュタイプでしたが、こちらは樽熟成タイプのシャルドネです。色合いもやはり前の2アイテムよりもゴールド色に近く濃いめですね。

樽熟成タイプのブルゴーニュ白の魅力は、フレッシュで繊細な果実味と上品な樽のニアンス、そして快活なミネラルの3つの要素が絶妙なバランスで調和している点にあると思います。

こちらのアイテムもヴィンテージが若いながら、非常にバランスに優れ、余韻も深く飲み応えもあるので、参加者さんの中でも好まれる方が多かったようにお見受けしました。

樽熟成をしていると、トーストやヘーゼルナッツなど香ばしい香がしますが、これがお料理の焼き風味に通じますし、口の中にまろやかにふくらむリッチなボリューム感は、クリーミィなものと相性がよくなります。

ここでやおまんキッチンさんご自慢の手作りポップオーバーの登場です!

ポップオーバーとは、卵をふんだんに使った生地を高温で焼き上げたアメリカ発祥のデニッシュの一種。中味は空洞で、シュークリームのシューのようなビジュアルです。食感は外側がサクサクしていて、内側はモチモチ。この内側の空洞にさきほどのアボカド&ポテトサラダをのせていただくと、ポップオーバーの香ばしい香とサラダのクリーミィ感が、スモーキーでまろやかな樽熟シャルドネになじみまーす

 

 さらに、焼き野菜をチーズディップとバーニャカウダソースで

ちょっと香ばしく、野菜の素材の風味とソースが口中でミックスされて、豊かなハーモニーを奏でます

樽熟成白とお料理のマリアージュを考えるときは、焼き風味とホワイトソースのクリーミィ感を思い出してくださいね この焼き野菜は、次の赤ワインとも相性が良かったです

4.<ブルゴーニュ>ドメーヌ・パラン・ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2011

コート・ド・ボーヌに位置するポマール村の銘醸家が造るブルゴーニュAC。ブルゴーニュ赤ワインを学ぶ上でベーシックでお手本となるようなピノ・ノワール!ピュアな果実風味が最大限に引き出されています。フレッシュなチェリー、ラズベリーの香の奥にほんのわずかに樽由来のスモーキーなニアンスがアクセントになっています。ボーヌより北のコート・ド・ニュイの華やかで冴えた酸味ベースの果実感に比べると、色づきもやや濃いめでほのかな甘味を伴い、タンニンはシルキーでなめらか、トータルでチャーミングな印象。花々の美しい季節にマッチするピノです。

赤ワインに入り、ボリュームのあるお料理の登場です

スズキ イチジクトマトソース

淡泊なスズキにイチジク、トマト、その他の野菜をソースにからめることで、赤ワインとの相性がグーンとアップします。

フレッシュタイプのピノは軽快な味わいですので、このくらいのやさしいソースがなじみます。

  

ここで、ちょうど参加者さんから貴重なブルゴーニュ古酒2本差し入れがあり、比較のために開けさせて頂きました。まず1本目は、

<ブルゴーニュ>ラウル・クラージェ・ポマール1994

さきほどご紹介したピノの生産者パランの拠点となるポマール村の格付けピノです。1994年ということは、熟成期間が21年、まず抜栓で苦労しました

このくらいの古酒となると、コルクもかなり柔らかくて脆く割れやすいので、ソムリエナイフも慎重に扱わなければなりません。しかし、やってしましましたー

途中で割れてしまい、再度恐る恐る回して、無事に抜栓成功

 

先ほどのパラン・ピノと比較すると、色合いが全く違うことが分かります。

左がパラン、右がポマール古酒です。パランは若いので色合いも鮮やかですが、古酒はオレンジを通り過ぎ褐色を帯びています。澱も見えますし、グラスを傾けると粘性(粘り気)もかなりありました。熟成が進んでいることがはっきりとうかがえます。

まず最初に飛び込んできた香はアニマル香、動物の皮を思わせる香です。続いてスパイス、奥にドライフルーツのニアンスが感じられます。口にふくむとイチジクや杏などのドライフルーツの果実風味に紅茶、タバコなどの枯れた植物のニアンス、紹興酒を思わせるような複雑な風味を感じます。粘性も強くでタンニンもシルキーで口当たりはまろやか、デキャンタージュしなかったので澱が少々ざらつきましたが、長い熟成を経て角のとれたエレガントさを感じつつも、ポマールらしい力強さは健在!「肉が食べたーい!」と思わせるワイルド感も印象的でした。

ポマール古酒とスズキのお料理では、古酒が勝ってしまいますが、ソースのイチジクを多めに付けていただくと、意外と相性が良かったです。お料理もソースとのバランスで相性が変わることを学びました!

このあとも魅力的な赤ワインが続きますが、この続きは次のブログでご報告いたしましね~

 

 


お陰様で全ての商品完売!☆

2015-06-26 11:15:01 | つぶやき

一昨日24日、お陰様で店内にある全商品が完売となりました。

母の漬物のみ30日までお出しいたします。

空いた棚には、お客様に頂いた花々を飾らせて頂いております。

これまで支えてくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。

ありがとうございました

あと5日、無事に終えることができるよう一日一日思いを込めて仕事したいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 


閉店時間が少し早目になりました。

2015-06-21 15:48:39 | お知らせ

お陰様で今日の午前中でほぼ店の商品は完売に近い状態となりました。

あとは、リキュール類が数本と自動販売機から取り出したコーヒー缶がわずかにあるだけです。

母の手作り漬物は30日までお出しする予定ですが。

ですので、その日その日の状況をみて、午後8時閉店のところ、少し早目の午後7時~7時半くらいにさせて頂いております。

勝手申しますが、ご了承頂きたく宜しくお願いいたします。

 


最後に皆様のお顔だけでも。。。

2015-06-14 09:25:55 | つぶやき

こんにちは

店の陳列棚にはほとんど商品は無く、店前の空いたスペースに、息子や甥っ子達が幼い頃に使って遊んでいたカード類や人形、レゴブロックなどのおもちゃのリサイクルコーナーを設けました。 

こんなに早く商品が売れてしまうとは思いもよらず、なんだか寂しさが募ります

でも、前進しなければ

この先の仕事についても今あれこれと考えているところです。

一昨日、31回目の最後の「三幸ワイン会」を開催させて頂いたのですが、たくさんの参加者の皆様から温かいメッセージを頂き、自分のライフワークとしてもこのワイン会は、継続していきたいなぁと改めて思いましたし。。。

とにかくワイン他酒類の販売促進に繋がる仕事が第一希望!

また、どこかで皆様のお役に立てる時がきましたら、ブログでもご報告いたしますが、もし、差支えありませんでしたらお店にて皆様のご連絡先をお知らせください。

必ずご報告させて頂きます。

あとわずか、どうぞ宜しくお願い致します。

店前をお通りの際は、お顔だけでも覗いて頂けると大変うれしいですぅ