酒の三幸

閉店後もこれまで温かく支えてくださったお客様と繋がる場所として、ブログを継続させて頂きます。その後の生活やワイン情報等。

第22回三幸ワイン会のご報告パートⅡ~赤ワイン~☆

2014-06-20 19:33:36 | ワイン

引き続きワイン会のご報告です。

次は、赤ワインのテイスティングです。

目標は、①ブレドワインと単一品種ワインの違いを把握しよう!、②白と同じく日本のワインの独自性を探ろう!、③各自、変化球ワインを試してみて、新たに発見したことは何か? です。

白と同じく、熟成期間により色調のグラデ―ションがきれいにでました。(左から④、⑤、⑥)

さて、クイズです 皆さん一生懸命吟味しながら、考えてくださいました。

 

まず、単一品種カベルネ・ソーヴィニヨン100%ワインはどれか?

カベルネSは、ベリー系の香の他に植物的な青っぽい香が特徴で、タンニン、酸味ともに豊かで長熟タイプ。

皆さん、青っぽい香とタンニンの豊かさで、④と⑤で迷われました~、でもとってもいいところをついています

⑥からは、ブレンドワインらしい複数の品種の特徴が折り重なった複雑性を皆さん感じ取ってくださいました。

次は、ヴィンテージが一番古いものは? これは、皆さん把握されていましたね、上写真の一番左だけが、縁がオレンジがかり、全体的に鮮やかさから一歩進んだくすんだ色合いでした。

最後に生産国は? これも難しかったでしょうか? 赤、白ともに国産ワインが意外と当たらないのが、私としては嬉しかったですが

では、変化球・赤ワインのご紹介です

左から、

④<山梨>グラン・ポレール・キュヴェ・セレクション・ルージュ 2006

変化球は、山梨県産のマスカットベリーA61%、甲斐ノワール29%、ヤマソーヴィニヨン10%の国産品種のブレンドワインであること、ヴィンテージが2006年と比較的古いこと。

まず、皆さんこのワインにカベルネSの特徴である青っぽい香を感じてくださったのですが、これは、上記の品種はすべて交配してできた日本独自のもの、その親になる品種にすべてカベルネSが含まれているからなのです。迷われても仕方ないです

マスカットベリーAらしい華やかな赤いベリーの香の奥に土や地中からのミネラルのニアンスが感じ取れます。上品な樽香と熟成による若干枯れたニアンス(タバコや紅茶のような)が味わいに深みを与えています。タンニンは柔らかく口当たりがなめらか、落ち着きのあるエレガントな仕上がりになっています。

赤、白ともに日本のワインをセレクトしたのは、OIV「国際ブドウ・ワイン機構」において、甲州種が2010年、マスカットベリーA種が2013年にワイン醸造用品種として登録され、世界的に認められる品種となり、これから日本のワインが世界に羽ばたくひとつの大きな足がかかりとなったからです。現に、イギリスのスーパーマーケットでは、甲州ワインが発売されたと新聞に掲載されました。

繊細なお料理として、また健康志向から和食が世界的にも注目されてますから、日本のワインを売り出す好機でもありますよね!

これからの国産ワインの動きがますます楽しみになってまいりました 皆さんにもこれを機に国産ワインの良さを見直して頂ければと思います。

今回の目標である、国産ワインの独自性の把握ですが、まず穏やか、やさしい、繊細、こんな表現がしっくりくるのではないでしょうか? 今回は熟成の進んだものを選びましたが、熟成による複雑性、旨味が付加されても、ますます奥ゆかしい感じがいたします。繊細な和食とのマリージュという点からも最適な特徴ですよね。個性を主張するのではなく、さりげない存在感が日本のワインの素晴らしいところだと私なりに理解しておりますが、皆さんはいかがでしたでしょうか

⑤<ブルガリア>カベルネ・バイ・エニーラ 2010

変化球は、生産国がブルガリアであること。ブルガリアは、ボルドーと気候風土が類似しており、賃金が安いことからその分設備投資できるという点に着眼し、ボルドー・サンテミリオンの銘醸ワインのオーナーであるステファン・フォン・ナイペルグ伯爵が投資してできたベッサー・ヴァレ・ワイナリーのアイテムです。

煮詰めたイチゴ、カシス、花などの甘く華やかな香、トロリ感のある豊かな果実味に、ヴァニラの甘い香、甘草のようなスパイスのニアンスが感じられます。ワインを注いだ直後はタンニンを強く感じましたが、次第に果実味や適度な酸味と調和してきます。アフターはスパイシーな余韻が長く続きます。 

エニーラのシリーズは、このヴァニラの甘っぽいニアンスが特徴のひとつで、単一品種ながら、ちょっとシンプルな造りに感じ取れない味わいだったかもしれませんね

皆さん、真剣に悩んでくださってありがとうございました

⑥ <カリフォルニア>コナン・ドラム・レッド 2011

「コナン・ドラム」は、カリフォルニアを代表するプレミアム・ブレンドワインのブランド。

「コナン」とは「謎」の意味。このワインは、使用品種、醸造法など全て非公開なんです。まさにこれぞ変化球!

わかっていることは、ブレンドワインであることと、業界関係者の情報でジンファンデルは使用されているらしいとのことのみ。

ブラックチェリー、ラズベリー、シナモン、ラベンダー、ココアなどの豊かな香。濃厚な果実味に柔らかなタンニンが溶け込み、口当りはなめらか、パワフル&エレガントなスタイル。余韻も長く心地良い。はじめは、甘味が強く感じられるが次第に口中で風味のいろいろな要素が折り重なり、ブレンドらしい奥行きのある味わいとなります。色濃く凝縮感がありながら飲み心地はツルッと軽やか、今主流のフルボディタイプです。 

 

さて、クイズからも解放されて、これから楽しい楽しい懇親会に突入です

次のブログで、お料理や追加したワイン、ご紹介しますね~