さだやんのほろ酔い日記

落語家・立川 左談次

緊張。

2007年03月19日 01時46分04秒 | ほろ酔い日記
17日の事ですわ。
広小路昼席のトリ。
出演者二人が休み、代演も見つからず。
って事はその二人分の時間を埋めなくてはいけない。
まあ、それぞれの演者が長めにやれば良い事だけど。
でもね、大ネタばかりになってしまうと客はくたびれる。
軽い噺で受けさせながら客に時間を感じさせない。
こりゃ難しいですわ。
が、みんなシッカリしてます立川流。
一安心、って一番心配なのがトリの私だ。

一応ネタ出しを(楽屋にだけだけど)していた。
「妾馬」
最後に演ったのが十数年前。
大丈夫、出来るだろう、若い時分に覚えたのだから。
前の晩にさらえば充分だ。
が、大間違い。

16日の昼席の後、某編集者と打ち合わせ。
流れで一杯やってしまった。
酒飲んで稽古なんて出来やしない。
ミンザイ飲んで無理矢理9時に就寝。
4時間ほど寝て、湯に浸かり酒を抜く。
それから稽古・・・・・・唖然、思い出さない。
帳面引っ張り出してお勉強。
朝の7時まで。

どうにかこうにか、記憶がよみがえって来た。
でもマが違うのだ。
気になるので又さらい直す。
で、9時半。
少し寝なくては・・・だが興奮してるのか寝付かれない。
で、またまたミンザイ・・・・こりゃ健康に良くないわ。

で、出番ですよ。
迷いました、やるか、よして他の口慣れた噺にするか。
でもね、出演者には知らせてある。
って事はみんな妾馬にくっつかない噺をチョイスして
いるわけですよ。
与太郎の噺を出していたら、他の演者は与太郎を
やらない、避ける。
これが楽屋の作法なんです。

思い切って、高座に掛けた。
久し振りに緊張。
照れるけど、純な気持ちを味わった。
それで、出来は・・・・・・・?
お客さんが良かったので助かった。
安堵。ほっとしました。

本当にお客さんに助けられる、を、実感。
今更だけど芸人やっていて良かった。
これで甘えると厳しいシッペ返しを
頂戴するのでありますが。