小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

ビミョーな音

2013年01月16日 01時22分34秒 | 日記
2010b年4月7日(水)(2歳0か月)


 春奈が、ゆうきのことを

 「ゆうき」

と、呼んだ。

 きのうまでは「うき」だったのに。

 春奈の場合、「ゆ」が「う」になっていたけど、人間にとって
「ゆ」の音はビミョーのものなんかもしれないな。

 スペイン語を母語にしている人たちは特に難しく、「じゅ」に
なったり「りゅ」になったりする。

 ゆうきはメヒコで「りゅうき」と呼ばれて怒っていたけど、向こ
うは「ゆ」と「りゅ」の区別がないのかもしれん。

 反対の例として、僕の耳には中国語の魚(ヒウ)が「ユウ」に聞
こえたりすることがある。やっぱりビミョーな音なんだろう。

86 ミチヌシヒメと製鉄の氏族

2013年01月16日 01時20分04秒 | 大国主の誕生
大国主の誕生86 ―ミチヌシヒメと製鉄の氏族―


 天香山命は、天香語山命とも書かれることもあり、「アメノカグヤマ」、
「アマノカグヤマ」、
「アメノカゴヤマ」、「アマノカゴヤマ」などと呼ばれています。

 『先代旧辞本紀』では天火明命(アメノホアカリノミコト)と道主日女
(ミチヌシヒメ)との間に生まれた子としています。
 ところが、この母神に関する異伝が『播磨国風土記』にあるのです。
 託賀郡の項に、

 荒田と名づけらえた由来は、ここに坐す神、名は道主日女命(ミチヌシ
ヒメノミコト)、父なくして御子をお生みになられた。
 盟酒(うけいざけ=神意を判ずるための呪術宗教的な祭儀のための酒の
こと)を造ろうと思って田を七町作ると、7日7夜のうちに稲が成熟した。
酒を醸造し、諸々の神を招いて、御子に、父神に酒を捧げさせると、御子
は天目一命(アメノマヒトツノミコト)に酒を捧げたので、この御子神の
父神がアメノマヒトツであることが判明した。
 後にその田は荒れてしまったので、荒田の名がついた。

と、いう記事があり、ここではミチヌシヒメの夫は天目一命となっているの
ですが、このアメノマヒトツは製鉄や鍛冶の神と考えられている神なのです。

 それに、この神話は、鴨県主の始祖伝承にも似ています。
 すなわち、「山城国風土記逸文」の、

 カモタケツミノミコト(賀茂建角身命)は、丹波の神野の神イカコヤヒメ
(伊可古夜日女)を妻に迎え、タマヨリヒコ(玉依日子)とタマヨリヒメ
(玉依日売)が生まれた。
 タマヨリヒメが石川の瀬見の小川で川遊びをしていると、河上から丹塗矢
が流れてきた。それを拾い、家に持ち帰って寝床の側に挿して置くと、懐妊
して男の子を生んだ。
 その子が成長すると、祖父のタケツミの命は神々を集めて7日7晩宴を開い
た。そうして、孫に向かって、
 「お前の父と思う人に酒を飲ませよ」
と、言うと、その子は杯をかかげたまま、屋根を突き破って天に昇っていった。
 その子は祖父のカモタケツミノミコトの名にちなんでカモワケイカヅチノミ
コト(賀茂別雷命)という。
 タマヨリヒメが拾った丹塗矢は、天つ神ホノイカヅチの神(火雷神)であっ
た。

と、する神話です。
 登場する神は違いますけども、御子神の父親を知る手段が同じなのです。

 鴨県主は、これまで何度もお話ししましたとおり、水取部に関わる氏族だっ
たと考えられるのですが、製鉄とも無関係ではありません。
 と、言うのも、鴨県主は秦氏と行動を共にするかのように活動をしていた
からです。

 鴨県主は、鴨君と同じく大和葛城出身の氏族だったと言われていますが、
南山城に進出し、鴨県主同様、現在の京都市へと進出を続けます。それから、
西の方、丹波へと進出したと思われるのですが、秦氏もまた丹波に進出した
と考えられるのです。
 
 この秦氏は養蚕に関わる氏族と考えられていますが、同時に製鉄にも関わっ
ていたとも考えられているのです。

 また、岐阜県美濃加茂市や、岐阜県に隣接する愛知県犬山市に鴨県主がい
た痕跡を残しており、尾張氏などのホアカリ系の氏族と深い関わり合いを持っ
ていたと思わせるのです。

 尾張氏も、銅鐸などに関わる氏族で、製鉄にも関わっていたのではないか
とも言われますが、同じく天香山命を始祖とする伊福部(いぶきべ)もまた
製鉄に関わっていたとされる氏族なのです。


・・・つづく