小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

パパもやで

2013年01月07日 00時34分48秒 | 日記
2010年3月29日(月)(1歳11か月)

 
 仕事も落着き、普段の生活が戻ってきた。

 以前のようにまた僕が春奈を風呂に入れてやる。

 今日も風呂の中で、春奈に、

 「ぬくもったか?手、出してみ」

と、手を僕の前に出させ、

 「指シワシワになったな。よし、もう上がろか」

と、言うと、春奈が反対に僕の手を取って、

 「パパもやで。ちわちわ」

と、言った。

 「~やで」と言うようになってきたか。

 だいぶ関西弁が増えてきたようだな。

81 伊勢津比古と出雲建雄

2013年01月07日 00時30分50秒 | 大国主の誕生
大国主の誕生81 ―伊勢津比古と出雲建雄―


 このイセツヒコは、「伊勢国風土記逸文」にも登場します。
 それによると、

 天御中主命(アメノミナカヌシノミコト)12世の子孫天日別命(アメ
ノヒワケノミコト)は神武天皇から「東の国を平定してまいれ」との命令
を受け、伊勢に向かいます。
 伊勢にはイセツヒコノミコトという神がおり、アメノヒワケは、
 「汝の国を天孫に献上せよ」
と、言いますが、イセツヒコは、
 「吾は長きにわたってこの国に住んでおる。その命令をきくわけにはい
かない」
と、拒否します。そこでアメノヒワケは武力でこれを制し、イセツヒコを
まさに殺してしまおうとした時に、イセツヒコは、
 「わが国は天孫に献上いたす。吾はこの国を出て行く」
と、誓った。
アメノヒワケが、
「汝がこの地を去っていくのは、どうやって知ることができる?」
と、訊くと、
「吾は今夜、風を起こし、波を立てながら東に向かう。それが吾の去って
いく験(しるし)である」
そこでアメノヒワケが軍を整えて見守っていると、夜中、大風が起こり波
が荒れ、海が昼間みたいに明るく光り輝いて、それが東へと去っていった。

信濃の国へ移る、という話です。
なお、「伊勢国風土記逸文」によれば、このイセツヒコは、

 出雲の神の子、イズモタケコノミコト(出雲建子命)、またの名をイセ
ツヒコノミコト(伊勢津彦命)、またの名をクシタマノミコト(櫛玉命)

とあり、出雲系の神であるとされています。
 ここでのイセツヒコは、やはり海を照らす神だったのです。

 奈良県天理市の石上神宮の摂社に出雲建雄神社(いずもたけお神社)が
あります。
 この神社の拝殿は、元は内山永久寺の鎮守の住吉社の拝殿だったのもの
ですが、明治9年にその内山永久寺が神仏分離令により廃絶されると、そ
の後この出雲建雄神社の拝殿として移築されたものだといいます。

 さて、祭神は出雲建雄神(イズモタケオの神)ですが、記紀には登場し
ない神です。
 そのため、この神について知る手がかりは、石上神宮に伝わる縁起から
しかうかがい知ることができないわけですが、それによると、この神は草
薙剣(クサナギのつるぎ)の荒魂である、といいます。

 布留邑智(ふるのおち)という神主が、ある夜、布留川の上に八重雲が
立ちわき、その雲の中で神剣が光り輝いている、という夢を見た。
 翌朝、夢で見た場所に行ってみると、8つの霊石があって、神が、
 「吾は尾張氏の女が祭る神である。この地に天くだって、皇孫を保じ
(やすんじ)、諸民を守ろう」
と、言ったので、石上神宮の前の丘の上に社殿を立てて祀った。

 江戸時代には、出雲建雄神は布都斯魂大神(ふつのみたまのおおかみ)
の御子神と考えられていて、そのため「若宮」と呼ばれていました。

 石上神宮は、その昔には地元の人々から「いわがみさん」と呼ばれていた
そうですが、石(いし、あるいは、いわ)が、「いそ」になるのと同様に、
「いせ」にも変化し得るものであって、イセツヒコの伊勢も「石」と同意で
ある、と前出の山上伊豆母は唱えています。
 興味深いのは、布留川の上流、桃尾(ももお)の滝のそばにも石上神社が
あり、こちらは「元石上」と呼ばれていたといいます。
 祭神は石上大神ですが、奈良平安時代には修験者や密教層の修行の場になっ
ていた影響でしょうか、白龍大神を祀っていた時代もあったそうです。

 なるほど、クサナギの剣は、ヤマトタケルが尾張氏の祖ミヤズヒメのもと
に置いていき、その後熱田神宮に祀られるようになったとされていますから、
尾張氏が関係するのも話としては筋が通っているように思えます。
 それに、クサナギの剣は、元はスサノオがヤマタノオロチの尾の中から取
り出したもので、出雲建雄や龍神信仰など、出雲や海人の古代信仰と重なり
合う部分が少なくありません。
 そして、何よりも、石上神宮は物部氏が大きく関係する神社であり、伊勢
平定の伝承にも物部氏が関係しているのです。


・・・つづく