![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/2d/a51e9c2b3909476e1ccf390095b6495f.jpg)
子供の世話ばなしはできるのに・・・と
陰口を叩かれないように地方遠征の続きを
粛々と再開させていただく。
金沢にたどり着いた2日目。
あんまりホテルに缶詰で
仕事に明け暮れるのも良くないと
丸1日観光をすることにした。
西茶屋街、忍者寺、金沢城、兼六園、武家屋敷、
東茶屋街と西から東に舐めるように歩き回り、
一通りの観光を済ませる中で、
この旅で唯一予約をしたお店に行って来たのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/ce/4acba2450cf6ff62e95f3930a8cc98f9.jpg)
小松弥助。
赤玉本店のある片町の交差点を
とぼとぼ歩くこと5分ほど。
アパホテル片町の1階に居を構えるこのお店は
東京の知人に頼むから行ってくれと言われてしまうほど
評判のお店なのだそうだ。
周囲は繁華街からちょいと離れていることと
アパホテルの古くささから、
このお店で大丈夫なのか?と
躊躇しながら暖簾を潜った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/1d/73e52e1f4156657a77fc0ceaa8d3b0cb.jpg)
カウンターとテーブル席が
2つほどのお店の中には
14時を回っているというのに
お客がぎっしりと詰まっていた。
私用に用意されていたただ1つの
カウンターの空いている席を見ると
予約をしなけりゃ厳しいなぁと吐息をついた。
最初は1通り出させていただくからね。と
鮨に集中していた眼差しを
一瞬だけ私の瞳孔に向けた老人がご主人だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/e7/7e8d6a2c788139a09cda650748d56cd1.jpg)
最初に出てきたのはご覧のいか。
いかの上にはちょいとばかしの岩塩が
振られていたので観賞を終えるとそのまま一思いに
バクつかせていただいた・・・
太極拳や気孔といった類を
直に体験したことはないのだが
週間少年ジャンプの黄金時代に育ったものとしては
気やらスタンドやら念などといった
見えない力に対する造詣は深い。
何を言い出すのかと失笑を買いそうだが、
このお鮨。
握っているのだが握っていない。
適温の旨みの塊を食べさせるような
いか自体の素材の良さはもちろんのことながら、
口に入れた瞬間はらりと解けてゆく米粒の1粒1粒は、
まさに超常現象と言っても過言ではないのだろう。
米粒同士を見えない糸で繋いだ・・・
口を通る瞬間からほつれてゆくような・・・
言い出したら切がないのだが
手から発した気やオーラといった類で
素材を固形化しているようなお寿司は
疲れを瞬時に消し去ってくれた。
旨すぎる!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/81/6e1090219da805649613b3b8bfe86b82.jpg)
甘エビ。
見るからに醤油のいらなそうな
旨そうな容姿にこいつもそのままいただいた。
やっぱり旨い!
口に入れた瞬間に広がる海老の甘味が
解れてゆく米粒と共にどんどん広がる。
幸せが押し寄せてくるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/73/cdc379d9b26366853797d7bbeedec0c9.jpg)
続いてヅケ。
いかを握る前に切った赤身を
醤油に漬け込んでいたのだがこの醤油が凄かった。
醤油に漬けなければいけないようなものなのではなく、
醤油に漬けた方が良いものになっているのだ。
赤身の甘味を引き出すこの醤油。
こいつならば大手を振って醤油を使っても良いと
普段は毛嫌う調味料を見直させてくれた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/2d/a51e9c2b3909476e1ccf390095b6495f.jpg)
続いて、ちょいと炙ったとろ。
ここのご主人の包丁は
重に引く笹の包丁使いを見ても細かいのだが
このとろにも細かく隠し包丁を入れていた。
軽く炙っただけなのにこの包丁のおかげで
微妙な旨みの違いができるのだから
大したモンだと唸りながら喰わざるをえない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/f2/cf6a04c65defc82aa7e1637cf88066a3.jpg)
バイ貝。
まな板に叩きつけると
素材が目を覚ましうねりをあげる。
口に入れると柔らかさの奥から突き上げる
コリッとした食感と共に貝類が嫌いな子供でさえも
おかわりしたくなるような甘さが広がる。
店に入りカウンターに腰を降ろした際に
先客たちが崇めるように、嫌、実際に崇めながら
食べている姿に少々驚いてもいたのだが、
奉り立てられるだけの仕事をしていることも、
驕りのない気さくな人柄もお客の1人1人が
虜になってゆく由縁なのだと頷きと共に
共感させられた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/7e/a11ce4bee1537188f0af2def75f1a9c0.jpg)
ヅケとウニととろろ芋かな?
小さな丼で出してくれた。
ヅケは必要ないんじゃないかとパクリとやると
失礼。
ヅケとウニの競演を
適量のシャリと海苔が下支えした交響楽団は
タライで食べたくなるような旨さだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/39/cf7fd87c2f1c5f0aae35ea7ec0bef33c.jpg)
うなぎをトースターでカラッと焼き
キュウリと一緒に巻いた巻物。
実はご主人。
私と同じくリコー製のデジカメを使われている。
接写に最適だと話が弾んだこともあって
巻物も撮影用に海苔を立てて巻いてくれた。
上手く撮れなかったが・・・
うなぎはいかや甘エビに比べると
ちょいと食べ劣りするがそれでも
十二分に美味しくいただけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/0b/d91c7fc91bbe7ca1d63007c1ba1bdf2f.jpg)
小鯛。
キッと入った包丁が
見た目に大きく影響し、
出された瞬間に喉が鳴った。
旨い。
結局、巻物以外は全てそのままいただいたのだが
コチやのどくろなどの北陸の幸は別に喰うにしろ
予想以上に満たしてくれた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/da/7422110f0d9c1ad72c1f470b0a08d8f2.jpg)
ねぎとろ。
桜色のとろが白葱に巻かれたこいつは
そのまま食べても甘さ十分。
巻物と丼は唯一、念だの気だのの話から離れるのだが
握りが匠の技を堪能させるのに対して、
巻物は素材の良さやバランスの非凡さを改めて
見直させてくれた。
このお店が繁盛している理由は
味や技云々もそうなのだが、
1番の決め手は客商売だと心得て
お客1人1人を見ているからだろう。
普通ならば常連との会話に
没頭しがちなことが多い中で、
一見の旅人の長男出産を我がことのように喜ぶ姿や
生まれたら喰いに連れて来いという豪胆さ、
お腹だけでなく心もいっぱいに満たすお店だから
有難がる輩が後を絶たないのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/74/bf1b6914edb1ff5215f58e0b4e27b135.jpg)
あわびがいいよ。と言われて
追加で頼んだ厚切りのあわび。
出産という家族の不自由さが
生み出した1人旅だったのだが
嫁にも生まれて来る子供にも3年、5年の後に
食べさせてやりたいと心の底から思わされた。
旅1番の贅沢と決めていたお店だったのだが
贅沢ではなく私や家族が成長する上で
必要なお金や時間にいつしか変わっていた。
美味しいお寿司をご馳走様でした。
小松弥助
石川県金沢市池田町二番丁21-1アパホテル1階
TEL076-261-6809
11:30~17:00(要予約)
水・木定休
おまかせに腹六分目までおかわり ¥10,000
(純米酒2合を含む)
甚平満足度 ★★★★★
甚平満腹度 ★★★☆☆
・・・おっ、お代官様ぁ!甚平に愛のムチを・・・
![にほんブログ村 グルメブログへ](http://gourmet.blogmura.com/img/gourmet125_41.gif)
![TREview](http://bn.treview.jp/bgrank/23005000_m.gif)
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
![素晴らしい](http://ck.treview.jp/common/images/bnr_rating_4.gif)
![すごい](http://ck.treview.jp/common/images/bnr_rating_3.gif)
![とても良い](http://ck.treview.jp/common/images/bnr_rating_2.gif)
![良い](http://ck.treview.jp/common/images/bnr_rating_1.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/63/a8c626dcbc34494685c6ede860dcb575.png)
・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
それでは明日もお会いしませう
ここの寿司屋は知らんわぁぁ。
美味しらしぃぃ見えらいねぇ。
しばらく~う、帰えっとらんけどぉ、
いろんな店ができとれんろぉねぇ。
こんにちは。甚平です。
金沢弁。(石川弁?)
難しいですねぇ。
後の日記で言おうと思っているので
今は内緒にしておきますが、
標準語よりもいい、
北陸の方々特有の言葉がありました。
福井、金沢、富山だと
一番活力のある人が多いと感じた街でした。
久しぶりに帰ってみてはいかがでしょうか?