![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/bf/a7231bec2ebd6ed59575f167968e6bf6.jpg)
市原悦子風に言うと
10日間お暇をいただいてまいりました。
忙しい時期の10日間は全くもって空白にはならず、
携行品のノートPCのLANケーブルの納まる先をを
行く先々で探すハメになってしまったのだが・・・
出産を真近に控え、
嫁の実家である越後の国の妙高市に
身重な体を預けに行ったのは今から3週間ほど前。
人の旅行記なぞお腹の足しにはならないのだろうが
今日から数回お付き合いいただきたい。
東京と地方の違いを聞かれれば、
時間の縛られ方の違いと答えるのも
1つの答えなのではないかと思っている。
東京の慌しさも1時間に1本の地方の電車も
見方によってはどちらも時間に縛られていると言う訳だ。
長野と新潟の直江津を結ぶ直江津線も1時間ごとの電車で
車圏内を出て行動をしようとすると必然的に
こいつが来るのに合わせて行動するようになるのだ。
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有人の駅でもホームには
5分前になるまで人っ子1人いない。
少しでも早くと時間を次々と
突き詰めて行くような都会の縛られ方と
決められた時間に対して合わせてゆく縛られ方。
どちらがいい悪いではなく
要するに表と裏な訳なのだ。
リュックサック1つで最初に向かった場所は直江津だ。
この漁港しかない土地に降り立った目的は
実はというと直江津の○トーヨーカドーには
高校・大学時代ともにサッカーボールを追い回した
仲間がいるからなのだ。
何の連絡も取らずに
10年ぶりに突然押しかける昔の顔。
近づくとともにリアクションが楽しみでならなかった。
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駅徒歩10分のお店の売り場の方に
「店長の林さんはいらっしゃいますか?」と聞くと・・・
驚いた。
「林は店長ではありません」と真顔が帰ってきたのだ。
風の噂は恐ろしい。
誰だかの結婚式で聞いた
林君の近況は売り場のマネージャーが飛躍して
お店の店長として伝わっていただけの話なのだ。
このとんだ間違いは言った側には何も害はないのだが
「あいつ、自分のことを店長って言っているらしいいぜ」と
良からぬ噂が広まってしまっては申し訳ない。
林君の驚きの10秒間の後の苦笑いは
「あっちゃ~!」という音が十分に見て取れた。
嫁の実家のある妙高市でも直江津がある上越市でも感じたのだが
新潟は今、とても沸いている。
いたるところに掲示された
「天地人」のノボリ。
直江兼続や毘をあしらったグッズの数々。
○トーヨーカドーの彼に言わせても
「天地人」特需で売上が前年比とは
比べられないほど良いそうだ。
丁度、新潟知事選挙が終わった直後だが
現職の泉田さんの勝利は在職中に大きな地震が
2回も起きて大変だっただろうにとの
県民の思いもあったのかもしれない。
沈んでいた新潟の気を充実させている「天地人」。
NHKからの最高の支援なのだろう。
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林君との駄話に
あんまり花を咲かせるのも彼に申し訳ない。
そこそこに切り上げて
別れの言葉の結びで界隈の旨い店を聞くと
駅に向かう途中の「軍ちゃん」は港であがった
旨い魚を喰わしてくれるぞと言うので覗いてみると
往路では出ていた暖簾が復路では見当たらない。
私の大きな手で小さく見えてしまう
馬鹿でかい時計に目を落とすと14:20。
ランチは14時までだったのだ。
刀を切り返そうにも
東京とはかけ離れた静寂の街は
立ち喰い蕎麦と駅弁屋くらいしか見つけさせてくれない。
次の行く先。
金沢まで何も胃に入れないという選択肢もあるのだが
そんな事をしてしまったら87kgの体重は
キープできなくなってしまう。
吟味に吟味を重ねた結果、
駅弁甲子園とやらの親子部門優勝を果たしたという
鱈めしを車中でいただくことにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/7b/4bf99078ba79428ac8c97d0e6a776993.jpg)
中を開けてみると
棒鱈にたらのこ、鱈の親子漬、梅干に錦糸玉子、わさび漬けと
その名の通り鱈尽くしそのまんまだった。
食品添加物の本で
たらこが1番良くないと教えられてからは
福岡の稚加榮の明太子以外は好んで
手を伸ばさなくなったのだが、
見た目以上にプリッと食べられる棒鱈を
さっぱりと流してくれるわさび漬けと酢の親子漬けは
バランスの良さばかり感じさせてくれた。
想像以上に穏やかな
北陸本線はくたかから見る秋の日本海。
積雪時は止まってしまうと聞く評判とは裏腹に
いたって順調に景色が流れていった。
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夕方に金沢に着き
今回の旅をきっかけに
今年最大の失敗した買い物から
以外に使えるものに変わったi-Phoneを片手に
駅周辺の事情をチェックする。
知りたかった情報は
ジーンズ1本に変わる部屋着探しだ。
金沢駅周辺のショッピングゾーンは
駅前のフォーラスと百番街、香林坊界隈と
2つの中間にある名鉄丸越。
手頃なものを求めようと
まさか金沢に来てまで無印良品に行くとは
全く思ってもいなかったのだが、
これで落ち着いてパソコンに向かえる。
ホテルにチェックインし、
次々と転送された業務の山を
フルマラソンほどの時間と引き換えに
晩飯。晩飯というどこの団体だか判らない
念仏を唱えながら一直線に片付けた。
i-phoneの良さは添付ファイルが開けて
電話で解決できる要件を手元で常にチェックできることだ。
私のように10年以上docomoを使ってきた輩の中には
パケ放題を落として2台目携帯として
購入した方もいるのだろうが、
フルブラウザの2段階定額は
ちょいと使えば必ず上限に行く始末。
冒頭の最大の失敗とは
i-phone=予想以上の金食い虫の図式を
私の中で覆せなかったことからだったのだ。
情報に溢れた都会では
ipodタッチ化していた電話機が
情報のない地方に来てみて大活躍。
断言できることは
2台所有するのはやめた方が良いということだけだ。
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夜の帳が闇夜に馴染んできた頃に
ようやく仕事も片付いた。
金沢の歓楽街は香林坊のちょいと先の片町界隈だ。
今回、金沢駅前に宿を取ってしまったのだが
夜遊びが染み付いた輩は車で8分ほどの
片町近隣に宿を取った方が良いのだろう。
金沢1食目は決めていた。
創業昭和2年。
80年弱の歴史を持つ
金沢おでんの親玉、赤玉本店だ。
片町の交差点に佇むこのお店。
いったいどんなお店なのだろうか・・・?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/15/532ff9f7a2e4abd9501a755bac89701d.jpg)
こちらのお店1階と2階に分かれているのだが
面白いのがそれぞれ独立した体をなしていることだ。
1階のカウンターに陣取り
おしぼりで親父っぽさを最大限に醸し出しながら
メニューに目を通すとおでん、すじ煮、湯豆腐は
別格に扱われていた。
今回の旅でどうしようもなく口惜しいのは
越前ガニの開漁まであと僅かであることと
寒ぶりには時期が早すぎること。
どちらも両隣の福井と富山の名産なのだが
白海老やいか、季節の甘海老など北陸ならではのものは
明日に持ち越して、この東京でも食べれそうな獲物を
いただくことにした。
最初にやってきたのは一品100円からのおでんだ。
ロール巻・魚団子・大根・厚揚げ・いとこんなど
我ながら控えめに注文していた。
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出汁をすすると
加賀おでんの出汁の味は
思いのほかあっさりと味付けられていることが判る。
ただし上品さこそ感じながらも
大根のエグさが移ってしまった出汁の味は
諸手を挙げるようなシロモノではなかった。
と、言いたいことを言いながらも
玉子などの好物を第2弾でしっかりと
注文させていただいたのだが・・・
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続いてやってきたのは
赤玉伝統の味と紹介されていた牛すじ煮込み500円。
おでんと比べるとすじの処理の良さで
テロンテロンの牛すじがビールをぐいぐい
進ませてくれるのだが、
びっくり仰天はさせてくれない。
続けざまに元祖湯豆腐 450円。
熱いので絶対に土鍋に触れないでくださいと
注意を促されてやってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/6b/79beb88ffa6bec4a6d8f3b7a4b9fa3a8.jpg)
絹豆腐がアツアツの出汁にどっぷりと浸り
葱に鰹節と海苔、葱に隠したゆずの皮が見て取れた。
立ち昇る優しい香りにつられて
豆腐を崩してパクリ・・・
!?
ぬわぁんだこれは!?
おでんとモツ煮で
東京あたりの居酒屋にいるような感覚だったのに
いきなり百万石の街に引き戻されてしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/d7/29ea7197c943138eeffaa8fb2582a135.jpg)
うまい!旨すぎるのだ。
こいつの決め手はなんと言っても
甘めの出汁の味だろう。
甘いんだけど甘くない、
いや、甘すぎない出汁の味は
疲れた体に鋭気を戻してくれた。
また、上に載っている海苔が何とも旨い。
純朴な豆腐に天日干ししただけの海の恵みが
優しい甘さと温かさを伴ってじわっと
胃にもぐりこむこの湯豆腐。
わざわざ食べに来た甲斐が
十二分にあった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/77/6e68a63292cbad040148bc4f0cd63448.jpg)
私は三十数年間の人生で
お店で湯豆腐をおかわりしたことはなかったのだが
生まれて初めて純米酒と共におかわりをした。
鍋底を見て納得した。
あの甘すぎない甘さを
優しく感じさせるために下支えしているものは
極厚の昆布だった。
みりんや醤油や砂糖と塩のコントロールだけでは
なかなかあんなに優しくはなれないのだろう。
赤玉本店の湯豆腐。
周りの人におせっかいで
食べた方がいいですよ!などと
口をつきそうな旨さだったのだ。
ご馳走様でした。
赤玉本店
石川県金沢市片町2-21-2
TEL076-223-3330
11:30~翌1:30(日は23:00まで)
月曜定休
おでん ¥100~
牛すじ煮 ¥500
甚平満足度 ★★★☆☆
甚平満腹度 ★★★▲☆
元祖湯豆腐 ¥450
甚平満足度 ★★★★▲
甚平満腹度 ★★☆☆☆
・・・おっ、お代官様ぁ!甚平に愛のムチを・・・
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・・・ あっ、ありがとうございます。・・・
それでは明日もお会いしませう
お久しぶりでございます。
おでんや湯豆腐美味しそうですね~♪
これから寒さが増すにつれてブリの旨さがたまらなくなり季節!
また、美味しい記事を楽しみにしていますよ~♪
まあ何はともあれ無事生まれてよかったね。
おめでとう!
番外編の出産報告も期待します。
こんばんは。甚平です。
福井の30CMクラスのはまちの価格。
なんと驚きの¥300。
びっくりしました。
本場の寒ブリにはありつけませんでしたが
十二分に勉強になる旅でした。
更新頻度の静けさには
どうか目を瞑って御付き合いください。
こんばんは。甚平です。
鬼伍長さんのしごきに耐え、
ようやく我が子の出産に至りました(笑)
最近の更新頻度の恥ずかしさの反動で
どうも長編大作になってしまいました(笑)
育児の先輩として今後はご指導を
よろしくお願いいたします。