趣味の日記

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赤壁

2008-11-12 23:57:30 | Weblog
今日は、まいばぁすでいでした(笑)。
いくつになったかはともかく、せっかくだからと仕事を休み、水曜日のレディースデーを利用して、「レッドクリフ」を観てきました。
いわずと知れた「三国志」の赤壁の戦い。
周瑜と孔明の友情を軸にして~という話は聞いてましたし、メインの戦いはパート2回し、というのも聞いてましたので、いったいどういう構成になってるのかな?と思いましたけど、「三国志」ファンには、ちょっと物足りない内容でしたね(苦笑)。
映画ならではの迫力満点の映像はさすがですし、中国らしい人海戦術も壮観ですし、ジョン・ウー監督の映像にこだわった描写もそれなりでしたが、物語自体の盛り上がりは今ひとつ。
確かに、「三国志」ファンにはお馴染みのエピソードが詰め込まれて、あぁその話ね、とは思いますけど、だから何?とも・・・(爆)。
ドラマとしての流れの中に個々のエピソードを散りばめて盛り上げるならともかく、そのエピソードを挿入するためだけにわざわざシーンを作ってある、という感じで、流れがプチプチと切れてる印象。
冒頭の、新野脱出のくだりから趙雲の阿斗救出という名シーンは、カッコいい戦闘シーンでおお~!と思いましたけど、後半の赤壁前哨戦は、やたら戦闘シーンが長く、しかも個々の武将の戦いを一人ずつ、見せ場を作って映像美として見せるので、ちょっと飽きる(苦笑)。
しかも、そこで肝心の大都督周瑜さん、戦闘に飛び出して怪我しちゃうのって、ちょっと間抜けに見えませんか?(爆)トニー・レオンにも戦闘の見せ場を~と思ったのかもしれないけど・・・。
罠にかけた敵兵を、自軍に引きずりこんで寄ってたかって虐殺するっていう描写も、ちょっとあんまり。結構残酷な戦闘シーンは、中国映画や韓国映画では確かに多いですけどね・・・。

トニー・レオンの周瑜は、あまりにも完璧すぎて、私にはつまらない(笑)。凛とした美丈夫で、頭が良くて、人格者で、武芸にもすぐれ、音曲にも造詣が深く、絶世の美女の奥さんまでいる、と・・・。
もっと、戦いに対する迷いや、曹操への敵愾心とか、人間的な泥臭いドラマが描きこまれてば面白いのに、周瑜に関してはあまりに完璧すぎて、つまんな~い(笑)。トニー・レオンの表情を見てると、ちょっと感情の揺れがあったり繊細な部分がチラ見してたりするだけに、それについての書き込みがまったくスルーされてるのが、勿体ないと思います。
むしろ、金城武の孔明のほうが、意外にも面白かった。金城さんが、お髭の似合う渋さを身につけてきたのかな。まだ若い孔明だけど、ちゃんと孔明に見えた(笑)。
切れ味鋭く、自分は頭が良いんだぞ~と自信たっぷりなのが、不思議とイヤミじゃない。むしろやんちゃ坊主みたいな愛嬌があって、画面のそこここで、そのお茶目っぷりの描写があったりする(張飛の怒声にしっかり耳をふさいでたりとか)。
トレードマークの羽扇で「熱くならないように」煽ぐ、というのは、面白い解釈でほほ~うと思いましたね(笑)。だから、孔明の感情はこの羽扇を見てるとわかるようになってる。
一方で、その羽扇で濡れた飼い鳩をせっせと煽いでたりするのがお茶目(笑)。それこそ人間臭くて、面白い孔明でした。

曹操、劉備、孫権の3主は、性格の違いを強調して描いてましたが、それにしても曹操の描き方はあんまり良いとこがない(苦笑)。主人公が周瑜と孔明だから、仕方ないのかもしれないけど・・・。やたらと小僑(周瑜の奥さん)への執着を強調してるのは、私的には違うと思うんだけどな~。曹操はそんな小物じゃない(爆)。
劉備は人の好いおじさん(笑)なとこは、イメージどおりでしたが。しかし、陣中でわらじを編んでるとは思わなかった(爆)。ちゃんと意味は持たせてあったけど。
孫権は実際に若い君主なんですけど、なんか周瑜の引き立て役みたいに見えなくもない。妹のほうが活躍してます(苦笑)。

阿斗救出シーンのある趙雲が、一番役得だと思います。関羽、張飛も出てきますけど。
中村獅童さんが呉の将軍役で出てますが、これってオリジナルの役ですよね?海賊上がりの甘将軍、周瑜の一の部下、って感じ。

ほんと、これで終わり?ってとこで終わってるので、赤壁を観たって気が全然しない(苦笑)。孔明の矢集めくらいやろうよ~(ってくらい、手前で終わるのよ~/汗)。
欲求不満の残る映画ですね。全部編集が終わってから、パート1と2を間をおかずに続けて公開すればいいのに。
・・・まぁ、不満分はようやく買ってきた北方謙三版「三国志」を読んで、晴らすとしましょうか。

コメント (2)
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