さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

目の前で電車のドアが閉まってしまい、今日の言語リハビリは行けなくなってしまいました

2021-03-17 23:44:42 | 言語リハビリ
水曜日の言語リハビリは午後1時からです。
以前はギリギリ間に合う電車の1本前、何かあっても大丈夫なように余裕のある電車に乗っていました。
ところが、その1本前というのが、30分も前なんです。
さっちゃんは病院へ早めに到着して、30分間も待っていることが次第に困難になってしまっていました。
さっちゃんは家以外の場所では何もせずにその場に留まることをとっても嫌がります。
自由に動き回りたがるんです。
待合室で30分間もじっとしていると、さっちゃんはだんだん不穏になって来てしまいます。
「帰る」とか言い出して、最悪な状況でT田先生を迎えることになってしまいがちなんです。
ですから、いつごろからだったでしょうか、今年に入ったころからだったでしょうか、ギリギリ間に合う電車で行くことにしたのです。

今日もそうでした。
駅までさっちゃんは30分近くかかりますから、家を40分ほど前に出ることにしています。
でも最近は、駅に向かう途中で不穏になったりすることも減りましたから、30分ほど前に家を出ることが多くなりました。
もし駅のホームに10分も前に着いたりすると、電車に乗るまでの待つ時間が大変なんです。
せっかくホームに居るのに、「帰る」と言ったりして、ホームから離れようとすることがよくあったんです。
そんな風なので、あまり余裕を持ち過ぎて早く出るのも嫌なんですよね。

今日もそうでした。
家を出たのは、32分前くらいでした。
さっちゃんはMAXで30分ほどかかったことはありますが、大体は26分とか28分くらいで駅に到着します。
ですから、それなりに余裕はある出発なんです。

家を出てから数分以上経ったところで片道3車線の大きな国道に出ます。
そこを渡る僕の立場からすると、赤信号が1分30秒で青信号が30秒。
僕だけなら速足したり、走ったりして調整できるんですが、さっちゃんにはそれを要求できません。
速足で手を少し引いて歩いてもらったりすると、怒り始めたりして、かえって時間がかかってしまうんです。
今日も青信号へ変わるタイミングがあまり良くなくて、1分ほど信号待ちになるなぁ、と思いました。

手前を歩いている時から見えていたのですが、その信号の場所には警察官が道路の向こう側とこちら側に一人ずついました。
何をしてるんだろう? どういう理由でここに居るんだろう? 警察官2名以外の姿は確認できませんし、よく分かりません。
右から来た車がここで右に曲がろうと中央で停車しました。
警察官はその車に曲がらずに直進するよう指示を出します。
車は直進しましたが、何故そんな指示を出すのか、理由が分かりません。

そんなこんなで、警察官の様子を見ていましたが、「あれっ? 1分以上の時間が軽く過ぎてるぞ」と思い始めました。
僕が渡るべき横断歩道の信号が青に変わりません。
時間の経過が分かるように目盛りの赤い灯が減って来ていましたが、あと目盛り2つくらいのところで変化しなくなりました。
これはおかしい!

警察官の居る理由は信号機のせいのようですね。
では、一体いつになれば僕が渡りたい横断歩道の信号が青になるんでしょう。
何分この場所で経過したんでしょうか?
警察官に理由を聞こうとも思いましたが、彼も仕事中ですし、僕もずうずうしくなれません。
「なかなか信号が変わりませんね。ここは1分30秒で変わるんですけどね」と言うのがやっとでした。
それまでさっちゃんと二人で立っていた場所から、3mほど横断歩道に近づくと、
警察官は僕たちが無理やり横断歩道を渡ろうとしているのではとでも思ったのでしょうか? 僕たちの進路を塞ぐように移動して来ました。

道路の反対側にいた警察官が10mほど右に移動して、支柱に設置されている金属BOXを開けています。
どうやらそこで信号操作をするみたいですね。
案の定、しばらくすると、横断歩道の信号が青に変わりました。

渡り終えてから時刻を確認すると、ギリギリの時間です。
ほんの少しだけ、さっちゃんには感じられない程度歩くスピードを上げました。
駅前の横断歩道はすっと手前の道路を横断しました。
そこからはさっちゃんが嫌がるほど手を強く引いて急いでもらいました。
改札に近づいて、人が多くなっても立ち止まってマスクをする時間も惜しみました。
自動改札ではさっちゃんにsuicaを渡さずに僕がさっちゃんの分もタッチしました。
ホームに降りるエスカレーターをさっちゃんの手を引いて歩いて降りました。


でも、エスカレーターを降りようとしている時に、最後尾車両の車掌さんが窓から上半身を出して、電車のドアを閉める合図を出していたんです。
あ~あ!
乗り遅れてしまいました。
次の電車は30分後です。
以前にもこんな経験はありました。
ホームで待っていたのですが、さっちゃんはだんだんと不穏になって、「帰る」と言ってきかなくなったんです。
どうなるにせよ、このホームで30分間もさっちゃんをじっとさせておくのは至難の業。
僕はすぐに決断しました。
今日の言語リハビリは中止にすると。

そう決めると、行動は迅速。
改札口へ戻り、駅員さんに「今の電車に乗れませんでした」と言って、suica2枚を渡しました。
以前、同じようなことがあって、suicaでそのまま改札を通ろうとしたら、警報が鳴ったことがあったんです。
ですから、駅員さんに見せたのです。
でも、駅員さんが教えてくれたことによると、今週からこんな時でもsuicaで改札口を通れるようになったんだとか。
へぇ~! ですね。
改札内の本屋さんやケーキ屋さんにも気軽に行けるということなんでしょうかね?

改札を出ると、改札横のパン屋さんでお買い物。
僕の朝食用のイギリスパンとバタール、そして夕食用にコロッケを3つ買いました。
さっちゃんですが、以前は店の外で「ここで待っててね」と言えば、待っていてくれました。
でも今は、それが出来ません。
一緒に店の中に入るしかありません。
店内の通路は狭いですから、本当は入口付近で待っていて欲しいのですが、それを言っても理解できませんし、してもくれません。
僕のすぐ後ろを付いて来るのですが、商品のパンを素手で触ろうとするんです。
僕も気を付けていて、直前でさっちゃんの手を掴むんですが、100%は無理。
これまで2、3回店員さんから「触らないでください」と言われたことがあります。
レジでお金を払い、少し離れたパンを置ける台でザックに仕舞っていると、さっちゃんが何やら手に持って来ました。
僕の忘れ物だとでも思ったんでしょうか?
レジでお釣りとかを置くプレートを僕に持って来たんです。
僕はすぐにもとあった場所に戻しましたけれど、内心可笑しくて笑っちゃいました。
家への帰路、あの警察官にそこにいる理由を聞こうと思っていましたが、もう二人ともいませんでした。

それからの今日一日は比較的平穏に過ごせました。
夕方、いつもより少しだけ長く散歩しました。
10分ほど長めだっただけですがね。
さっちゃんはあちらこちらで咲き始めているお花を見ては「綺麗ね」と言います。
昔は可憐で小さな花が好きだったさっちゃんですが、今は大きくて明るい派手な花に目が奪われるようですね。
僕も見つけてはさっちゃんに教えますし、さっちゃん自身も自分で見つけては「綺麗ね」と言います。
コメント
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