さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

疲れて横になって、体を休めてちょっとだけ眠りに落ちたい、そんな僕の願いはさっちゃんのずう~っと続く邪魔で、無残にも打ちのめされてしまいました

2020-08-26 23:24:49 | 生活の一場面
今日は水曜日、言語リハビリの日です。
さっちゃんは昨晩からよく眠っていましたが、どういう訳かすごく眠たそうです。
水分もほとんど摂ってくれず、朝食もまったく口にしませんでした。
結局、いつもより1本あとの電車に乗ることに。

リハビリ中もとりわけ不穏という訳でもなかったのですが、やる気はゼロ。
結局、1時間のところ45分で終了。
帰宅して、さっちゃんは朝食の残りを半分ほど食べました。


やっぱり、病院帰りは本当に疲れます。
昼食後、僕は少しだけ体を休めようと、布団で横になりました
それからです、さっちゃんの邪魔が入り始めたのは。

普段ならば、僕が布団で寝ると、すぐにさっちゃんも布団に来るのが普通です。
今日は午前中あんなに眠たそうにしていましたから、なおさら僕の隣りで寝るものと思っていました。
でも、違います。
さっちゃんは起きたままで、寝室、ダイニング、隣りの部屋、玄関、洗面所、家中をうろうろしていました。
それだけでも、けっこう気になってのんびり休む気分ではなくなります。
そればかりか、どうもさっちゃんは僕が寝ていることを怒っているようなんです。
僕の頭を小突いたり、腕を引っ張って起き上がらせようとしたりするんです。
たまったものではありません!

タオルケットを剥がそうとしたり、を引っ張ったりします。
カーテンを閉めて、寝室を暗くしていたのですが、そのカーテンを全開してしまいます。
僕が起き上がった機会にカーテンを閉めるのですが、すぐにまた開けてしまいます。
カーテンの開けたり閉めたりは数回繰り返されました。

さっちゃんが玄関や洗面所あたりにいると、何をしてるんだろうと心配になります。
おしっこのことだって気になりますからね。
ですから、横になっていた僕は時々起きて洗面所の方へ行くんです。
特に問題はなかったんですが、トイレの灯りが付けっ放しにされていたり、戸も開けっ放しだったり。
冷房中なので、閉めておくべき戸が開けられていたり。

さっちゃんは家中をウロウロするだけでなく、物を移動させるんです。
ティッシュの箱、新聞紙、僕のザック、僕の寝巻き、僕のスリッパ、洗面所のゴミ箱はテーブルの上に置いてありました。
書き切れない物が移動されているんです。
それをいちいち元に戻します。

さっちゃんはあっちこっちウロウロしても寝室の僕の周りに居る時間がいちばん長いですね。
僕に何やらブツブツと文句を並べながら、僕を小突いたり叩いたりを続けます。
僕もさっちゃんの手を強く払ったりして、戦うんですが、それは僕の本意ではありません。
僕はただ横になって体を休めたいだけなんです。

ずうっと体も心もまったく休まる瞬間がありません。
次第に頭が痛くなっても来ました。
僕の口元から泣き言が飛び出ます。
「もう、ちょっとでいいから寝させてよ~」

でも、さっちゃんの攻撃の手は緩みません。
僕のどこかが何かが悪いらしくて、そんな僕を非難します。
この病気の特徴のひとつですが、共感の欠如があります。
さっちゃんには僕が疲れていて体を休めたいとか、今はちょっと横になって寝たいとかの気持ちを察することは出来ないんです。

僕も次第にイライラ度も増し、さっちゃんへの反撃も度を越してしまいます。
・・・・駄目だ駄目だ、冷静にならなくちゃ・・・・
本気で殴れば、あらゆる骨がボキボキと折れてしまいそうな華奢なさっちゃん。
力を押さえても、ほんの少しの力加減で部屋の壁に激突させてしまいそうです。
右手でさっちゃんを押しても、左手で倒れないように支えなければなりません。
さっちゃんと喧嘩する際も、怒りと労わりを両方を持っていなければ、大変なことになってしまいます。

結局、僕はさっちゃんのあらゆる邪魔を受け続けることになりました。
体ばかりか、心すら休めることが出来ません。
出来ないばかりか、ますますイライラし興奮してしまいます。
最初はなかった頭痛も感じ始め、肉体的にも疲労感が増した感じです。

5時くらいだったでしょうか。
さっちゃんが布団に来ました。
僕の隣りで横になりました
それまでとは違った優しい声で僕に語りかけてくれます。
さっちゃんの手は僕の腕や腹や胸や腰をさすってくれています。

そのうち僕は眠りに落ちたようです。
目が覚めると、6時前でした。
頭痛は消え、疲労感も少しは和らいだ感じがします。

お釈迦様の掌の上から逃れられない孫悟空のように、僕もさっちゃんに無駄な抵抗をしても駄目だということなんでしょうね。
コメント
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