アメリカオニアザミ
(城跡ほっつき歩記)より
こんな山奥まで
アメリカオニアザミに占領されてしまった
などと
今さら驚くのも
おかしいが
実際
寒冷地の庭先まで
アメリカオニアザミは出張っているのだ
もちろん
タンポポだって
セイヨウタンポポが
りんりんと輝いていて
それでも
日本の太陽は
分け隔てなく
光をそそいでいる
たしかに
戦争に負けたのは
事実だが
いつまでも恨みを引きずることなく
ザリガニでも
メダカでも
淘汰の仕組みに
身を委ねている
野草も昆虫も
在来種が控えめなのは
なぜだろう
欧米を見習って侵略など試みたが
手ひどいしっぺ返しをくって
資質がないことを悟ったのか
アザミでもメダカでも
侵略には向いていないのだ
いいじゃないか
アメリカオニアザミ
在来種の優雅さには及びもつかないが
花は
花の美しさを託されて
この山奥でも
駅馬車のように
むらさきの砂塵を巻き起こしている
ああ ペギー・リーが聴きたくなった
プレイ ザ ギター
プレイ イット アゲイン
マイ ジャニー
大砂塵の主題歌が庭先まで流れ出る
そして伊藤久男だ
山には山の憂いあり
海には海の悲しみや
まして心の花園に
咲きしアザミの花ならば
沁みるなあ・・・・あざみの歌
昭和の音色がデッキから這い出ると
草たちも虫たちも
午睡からめざめて
命のよろびを
噛み締めている
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