春になった
庭の片隅で
スイセンが一塊になって
勢いよく葉を伸ばしている
マルチシートをかいくぐって
槍のように葉先を伸ばす
たくましい奴らだ
俵星玄蕃も顔負けだ
テレビでもブログでも
桜の名所は賑わって
今年の春も健在だ
だけど庭のスイセンは特別だ
生命力チャンピオンと言ってもいい
こんな奴らに見守られて
こんな奴らに励 . . . 本文を読む
信条は「演者にやらせる前に自分でやってみる」であり、実際に『いきなり!黄金伝説。』ではロケを行う前に自らロケーションハンティングを行い、無人島生活を実際に行っているため、無人島のことなら日本一詳しいと豪語する。
別番組では、10分近く潜水しながら海産物を獲るという素人離れした芸当も披露した。本人曰く「自宅の風呂場で息止めの練習をして徐々に息を止められる時間を延ばした」という。また、モリを用いた漁 . . . 本文を読む
佐藤春夫
〈画像はウィキペデイア〉より
今回は小説家であり詩人でもある佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を読んでみよう。
佐藤春夫 秋刀魚の歌
あはれ秋風よ情〔こころ〕あらば伝へてよ――男ありて今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとりさんまを食〔くら〕ひて思ひにふける と。さんま、さんまそが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせてさんまを食ふはその男がふる里のならひなり。 . . . 本文を読む
アマゾン奥地の少数民族ヤノマミ族を初めて紹介したテレビ番組に毎週くぎ付けになった思い出がある。
日本の探検家であり人類学者でもある関野吉晴氏が外科医師になったいきさつは今回初めて知った。
少数民族と接触するうちに少しでも彼らの役に立ちたいという思いからだった。
1976年一橋大学中退後1982年横浜市立大学医学部卒業。
一橋大学在学中に自ら探検部を創設。
大学3年次の1971年に1年間休 . . . 本文を読む
天からの
ひとすじの
慈愛
めぐみの
雨
ふる
歩くたびに
靴をおおった土埃が
雨を吸い込み
やがて
茶に
染まる
馬車道の
轍も消え
畑のみどりが蘇る
なつかしい日照り
天も地も
慈愛に満ちていた . . . 本文を読む
〈ウェブ画像〉より
1945年の夏 8月15日の午前11時ごろ
ぼくらは防空壕を出て庄屋の家へ向かった
正午から玉音放送があるので集まるようにと
班長からの指示があったからだ
座敷には一台のラヂオが置かれ
ぼくらは縁側越しにそれを見守った
ぼくは大人たちの姿を目の端にとらえながら
庭に咲く数本のヒマワリを見ていた
強烈な日差しのもとヒマワリ . . . 本文を読む
今年のミョウガには意表を衝かれた
うっそうと茂ったミョウガダケの密林
例年の場所には気配さえ見せず
陣地を広げた新たな場所で花開いたのだ
そうか フキとの闘いに疲れたんだな
去年100個も収穫した場所は
数か月前までフキの天国だった
栄養を奪われて逃げ出すしかなかったんだ
それでも地下茎を伸ばして新地に花開いた
「遅いな」と思い . . . 本文を読む
仕掛けた罠に アライグマがかかった
覗きに行くと 織の奥で蹲っている
夜行性だから 昨夜のうちの出来事だろう
おいラスカル こっちを見ろよ
案外 可愛い顔をしているじゃないか
お前がやった所業は 人間の仕業なみだ
ゴミを収納する戸棚の 戸を引き開け
袋を外へ出して ひっかき食い破る
最初は 悪意のある人間がやったと疑った
市役所の開 . . . 本文を読む
パソコンがあるおかげで便利は便利だ
情報集めも買い物もパソコンなしじゃどうにもならない
一方パソコンがあるおかげで苦労も多い
小さな文字を読むのにルーペは必需品
メールを開けば次から次とフィッシュング詐欺
正常な連絡も開くのが恐ろしい
ウィンドウズ11にも少し慣れたとはいえ
ウィンドウズ10の機能が懐かしい
ああ 問答臭い じれったい 検索機能
い . . . 本文を読む
モンキー・オーキッド(ドラクラ属)
画像は(ウェブ無料画像)より
南米エクアドルやコロンビアの
高地に広がる雲霧林には
いきなり木の茂みから顔を出し
捕食者をびっくりさせる小さな猿がいる
その名はモンキー・オーキッド
ドラクラ(小さな竜)という属名でも呼ばれている
昼も夜も大汗かくほどの湿気に包まれて
それなりに快適に過ごしてきたが
&nbs . . . 本文を読む
父は俳号を「牛歩」と称して自己流の俳句を作っていた
どこの結社にも属さず農作業で目にしたり感じたことを
農協の発行する雑誌に投稿していた
中学生だったぼくの目から見ても上手くはなかったが
たまに入選して大きめの活字で掲載される句の中には
我が家に起こったことだけに胸を打つものがあった
<母ヤギを売ってガランと秋の暮れ>
父の目には母ヤギがいなくなった飼 . . . 本文を読む
おいしい味を消したくないから
ぼくはお茶を飲まない
初めて就職した会社の社員食堂で
同期入社のその男はそう言った
意想外の独白を聞いて頭の中が混乱した
え? そんなこと考える人いるの?
緑茶の旨味に慣れ親しんできた身には
とても耐えられない発言だった
その人のせいとは言わないが
入社して一か月で退職した
  . . . 本文を読む
村はずれにあるたった一体の
地蔵の肩がブルブルッと揺れた
おっと、そっちは暗い森への道だ
引き返して珍念和尚の許へ行くがいい
今ごろ新年の法話をやっている頃だ
ゆく年くる年のような鐘はないが
ありがたい話を聞くために
村人がたくさん集まっているぞ
引き返した蓑笠の後ろ姿を確かめて
地蔵はまた道端の地蔵になる
誰が手向けたか椿の花が一輪
足もとに . . . 本文を読む
ハマナス
(季節の花300)より
おめらおめら ことしもハマナスが咲いたど
なんてきれいなんだ おらが嫁っことドッコイだべ
アハハ こんなこと嫁がきいたら
おど ばかいうでねえと顔赤くすっぺなあ
ハマナスは一重瞼のおなごのように美しか
細めた瞳からは潮騒の音が聴こえてくる
浜辺でのんびりと昼寝も似合いそうで
ハハ おらが嫁っこを見ているようだ
. . . 本文を読む
リス
(ウェブ画像)より
ひっきりなしに食べて
ひっきりなしに繁殖する
可愛いと言われているうちはいいが
おまえらそろそろ限界だぞ
鎌倉では人間に慣れすぎて
恐れを忘れてしまったようだが
いくら観光地だといっても
いずれ規制されるにきまっている
季節によらず果実が実れば果実を
野菜だって場合によっては失敬する
行儀がよければ . . . 本文を読む