どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(41)

2008-03-24 06:35:20 | 温泉
     村人の入浴時間に  二ヶ月ぶりに北軽井沢へ行った。  今年の冬は寒さが厳しかったようで、永住している人の話では零下18度ぐらいまで下がったらしい。  外のテーブルに置きっぱなしにしていた分厚いガラスの花瓶が割れて落ちていたから、もし完全な水抜きをしなかったら水道管も便器も湯沸かし器もすべて同様の被害をこうむっていたに違いない。  ともあれ無事を確認して、楽しみにしていた応徳温泉に直 . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(40)

2008-03-11 00:08:37 | 書評
 *100年後にも読んでみたい本    『イラクサ』 アリス・マンロー著             小竹由美子訳  友人から薦められて、カナダの女流作家アリス・マンローの短編集を読んだ。  その友人は、不精な私と違って絶えずアンテナを張っていて、折に触れ「この小説は面白い」とか、「読んだら感想を聞かせてくれ」とか、いつも新鮮な息吹を注入しようと心配りをしてくれているのである。  前回紹介し . . . 本文を読む
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山峡の月

2008-03-02 01:57:54 | 短編小説
 カウンターの椅子に腰を下ろしたものの、私の頭はくらくらしていた。酔いだけではない浮遊感覚が、足まで降りてきている。  実をいうと私は、ママの大きな胸に押されて二分四十七秒間われを忘れていたのだ。  背中に回した私の腕にも指先にも、ママの量感と質感が微細な振動のように伝わっていた。  ブラジャー越しの肉塊をさほど強く抱えたわけでもないのに、踊っている間中触れていた胸の一点が発熱していた。その名残は . . . 本文を読む
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