どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

自薦ポエム127 『樒にまつわる毀誉褒貶』

2022-04-03 00:32:20 | ポエム

シキミ シキミ

 (季節の花300)より

 

 

黄ばんだ唇を捻じ曲げて

いじわるそうに空を見る

道理でおぬしは怪しげだ

なにか魂胆もありそうで

 

花弁はまるでカンナくず

ヘソの形も意固地に見えて

うわさどおりの偏屈者か

樒という名も意味ありげでさ

  

世間の陰口さまざまだけど

おぬしはそんなにワル者なのか

悪しき実がシキミの元の名などと

もっともらしく言われているが

 

名誉にかかわる名のこじつけと

否定をしたいが毒持つ家系

葉っぱを見ても夾竹桃に

瓜二つだと認めましょう

 

共にわが身の防衛手段

ムシャムシャ食われては子孫にすまぬ

だから毒性はピカイチと

自認はすれど自慢はできぬ

 

抹香くさいの抹香は

毒持つ拙者の身を粉にしたものと

知ってシキミの効用を

理解し認める度量がほしい

 

さてさて蘊蓄聞きかじり

こじつけポエムもそろそろエンド

元に戻って素直に花を

見ればやっぱり造化の妙

 

(2019/02/02より再掲)

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どうぶつ・ティータイム(3... | トップ | どうぶつ・ティータイム(39... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ポエム」カテゴリの最新記事