どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム(305)『注射針』

2021-11-21 00:13:55 | ポエム

注射針というやつは 

付き合ってみると

なかなか面白いもんだぞ

 

いつも尖っているので

食えないやつかと思われがちだが

なかなか人懐っこいのだよ

 

ためしに太ももを出して

注射器をそっと置いてみようか

細い針がスーッと吸い込まれていくぞ

 

だって腕に刺す皮下注射は痛いじゃないか

筋肉注射は圧迫感もけっこうあるし

そうそうワクチン注射を思い出すよ

 

痛いというけど大したことないよ

むかしに比べりゃ針が細くなったからね

異様に痛がるのは先入観のせいじゃないのか

 

それより細い針がスーッと吸い込まれるって

それこそ信じられない話だな

太ももってそんなに柔らかいのか

 

肌理が細かいっていうのかな

極細のインスリン針なんかだと

そっと置いただけで自重でスーッと沈むんだ

 

へえ まったく信じられないよ

上手な看護師さんの技術というなら

多少は分からないでもないが・・・・

 

なんとも不思議な感覚だぞ

異物のはずの注射器の針を

無抵抗に受け入れる恍惚感というやつは

 

変態だなお前 夢でも見たんじゃないか

あるいは子供を騙すための作り話

小児科の先生が考えたプラシーボ的妄想

 

そんなことないよ 今は極細だからな

きみの認識はもう時代遅れだぞ

薬も器具も進歩しているんだよ

 

まあいいや 勝手にやってろ

 

 

 

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2 コメント

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注射針への恐怖 (ウォーク更家)
2021-11-22 10:19:49
注射針に対する反応は人によって個人差が大きいので面白いです。

そもそも、いい大人なのに、何が何でも絶対に嫌だという人もいます。

私の友人は注射をするとき、細い針がスーッと入っていくのをしっかりと見ていないと不安だと言います。

私は逆で、怖くて自分の腕に針が刺さるのを見ることが出来ません。

確かに、昔に比べると針が細くなったと思います。
でも、静脈注射、皮下注射、筋肉注射、どれも絶対に見ることが出来ません。

いつも上手な看護師さんに当たる様にと祈ります。
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注射嫌い (tadaox)
2021-11-22 11:35:38
(ウォーク更家)様、おはようございます。
そうですか。注射は嫌いみたいですね。
たしかに、反応はいろいろで面白いですよね。
ぼくも顔をそむけますが、恐怖の感情とは無縁です。
今回のワクチン注射では、さまざまの反応が見られたでしょうね。
特にアナフィラキシー反応を危惧する人は、別の恐怖を持っているでしょうから。
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