うっすらと頬をピンクに染めて
桃色昼咲き月見草は民宿の娘のようだ
御宿の夏は潮の香りが満ち
客の帰りを待って花も娘も華やぐ
恋の期待と青春の哀愁が
どこからともなく流れてくる
月の砂漠で出会いがあったとか
漁船の陰で逢瀬があったわけでもなく
夕凪が運ぶ潮の疼きが已まないのだ
暮れなずむ砂浜は墨色に埋もれ
外側には濃緑の松林が立ちはだかる
海水浴客と漁師は坂のある道で交差し
互いに互いを意識する
さしもの太陽も一筋の流血となり
青春の記憶が海の余光を掻き毟る
ひとり橋のたもとに佇み
船の航跡を眺める若者を
宿の娘は門口から密かにうかがう
美代子 お父さんが呼んでるよ
ぼうっとしてないで早く皿を並べてくれ
配膳を指示する民宿のオヤジは
朝には漁師に早変わりするのだ
若者が戻ってくると娘もピンクに輝く
船を眺めていた青年は
桃色昼咲き月見草の愛らしさに気づく
メキシコ記念塔への道すがら
道端の草むらで早くも虫の音を聴いた
始まりは終わりの始まり・・・・
誰かが口にした呟きが潮騒となる
御宿にひらいた桃色昼咲き月見草は
夜の花火となって砂浜に飛び散るのだ
(2016/09/04より再掲)
桃色昼咲き月見草
(ウェブ画像)より
ヒルサキツキミソウは
可愛いお花ですね
柄にもなく、ロマンチックに仕立ててみました。
それもこれも、この花の可愛らしさに誘われてですが・・・・。
ヒルサキツキミソウは乙女そのものですね。
私は昨日、散歩途中、黄色い月見草をカメラに収めました。
最近、この花が激減しているのが寂しいです。
桃色昼咲き月見草は、ほんとに乙女ですね。
なんとなく恥じらいを感じさせてくれる、可愛い花だと思いました。
ところで、たかさんはもう黄色い月見草と出会いましたか。
雲や野鳥へ向ける視線の高さだけでなく、ちゃんと足元にも目を向ける注意深さ、やはり登山で培ったのでしょうか。
そうですか、黄色い月見草は激減しているのですか。なぜかは知りませんが、心配ですね。