A君とSAKEで再会した2日後、A君の友達のJさんと偶然シーロムで出会った。
すれ違うときにお互い気付き、同時に声をあげた。
懐かしそうに話しかけてくれるJさん、俺はずっとJさんに会いたかった。
A君と付き合い始めて、A君の友達ともよく遊びに行くようになった。
グループで最年長だったJさんはみんなに優しく、英語も話せたのでよく俺の話相手になってくれた。
Jさんに会いたかったのは、Jさんなら俺のために何かしてくれる、そんなズルイ気持ちがあったから。
A君と別れて日本に帰り、電話もできずにずっと一人で悩んでいた。
再びバンコクに行った時、A君の携帯番号が変わっていた。
住んでいるところは知っていたけど会いに行けなかった。
A君と昔よく行った店に行ってみても、あの頃の友達の誰にも会えなかった。
Jさんに会えれば・・・
そう思っていた頃は一度だって会えなかったのに、偶然の再会は時期遅くして叶ってしまった。
Jさんはクラブでウェイターをしていた。
これから仕事に向かうようで少し急いでるように見えた。
それでも俺のことを気にしてくれてるのか、別に急ぎじゃないと言って笑ってくれた。
Jさんの笑顔を見てると、ようやくあきらめかけた心がまた広がっていくのを感じた。