流のバンコク・ゲイパラ白書☆リターンズ(゜∀゜)ノ

流(りゅう)の単純で軽いバンコク・ゲイ体験記。 ヨロシク!

⑥儚い幸せと、光の夜

2007-04-26 | レンアイ物語

A君は外に出ようと言って手を引いてくれた。

なんでガウン着てるんだろうと思ったけど、俺が来てると聞いて外へ出るつもりだったんだ。
手を繋ぐだけでもドキドキした。

何に緊張してるのかも分からんまま、短い時間が過ぎていく。
ひとつふたつ、A君が笑いながら話をしてくれる。
そんな気遣いを嬉しく感じる余裕もないほど、ガウンを着た下着だけのA君を見てるのはツラかった。

再会したらツマラナイ男だった、そう思われたくなくて少しずつ話をする。
聞きたかったこと、言ってみたかったことを口に出す。 
余裕を出してるつもりの笑顔が自分でミジメだ・・・。

“たまには俺のこと思い出した? 会いたいとか思った? 俺が一番カッコよかったと、思った?”
大好きだった笑顔で “ノォー” と言われても、切ない嬉しさだけが残ってしまう。
俺の言ったことに応えてくれる君が目の前にいる、それだけで何より嬉しかった。
こうやってまた笑いながら話せるなんて、思ってもみなかった。

二人付き合ってた頃にこんなふうに感じられたら、また違った君との生活が送れていたかもしれない。
君の未来もきっと違ってた、あの時泣いてた俺も一人の時間も・・・ そして、こんな再会もきっとなかった。
後悔ばっかだ、いつもいつも。 振り返っては嘆いて、悔やんで、戻れないのに進めもしないで。

その全てを君のせいにして、ひとりツラかった時間を救ってやりたい。何もかも君が悪いんだと言ってやりたい。
そんなことで自分が楽になれるはずもないのに、そんなこと自分で分かってるはずなのに。
今も俺だけがツライ。 俺だけが過去から抜け出せないでいる。 そしてきっとこれからも・・・


恋愛はフラれた方が負けなんじゃなく、引きずってる方が負けだと知った。