ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

変わらないもの

2010-08-03 19:46:48 | Weblog
夏祭りの時期だ。
遠くからお祭りの音が聞こえて来る。
私はあまり人ごみが好きではないので、お祭りにはまず参加しない。
でも、その気配が伝わって来ると、なんとなく嬉しくなる。

ヘロドトスの『歴史』を、ザッと読んだ。
いまのようにGPSもなく、飛行機もなかった時代の世界のお話だ。
エジプト、ヨーロッパ、アジア、いろいろな土地のことが書かれている。
そして、ギリシャとペルシャの抗争。

戦争が、肉体と簡単な武器だけで行われていたころ、
何か少し抜きん出たものは、神の力だった。
痛みを受けるのも、喜びを感じるのも、自分の肉体と密接なことだった。

読んでいるうちに、産業革命によって、人間の力が大きく増幅されるようになり、
そして同時に神が死んで行ったのも、なんとなくうなずけた。
そこで死んで行った神は、ギリシャの神ではなく、キリストの神だったわけだけど、
人知をこえたものとして、相通じるものはあると思う。

巻七にこんなくだりがある。
「そもそもこの世に誹謗ほど恐るべきものはない。
人を誹謗するという時には、必ず加害者が2人と被害者が1人いる。
まず誹謗する者には、その場におらぬ人間のことを責めたという罪があり、
もう1人にはよく事実を確かめずに誹謗を信じた罪がある。
一方陰口をいわれた者は、1人からは誹謗されまたもう1人の者からは
悪人とみなされて被害を蒙るわけだ」

そして、人の心は、2000年以上が経ってもあまり変わっていない。


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