映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『レイヤー・ケーキ』

2010-03-21 11:27:00 | Weblog
2004年 英
監督:マシュー・ヴォーン
出演:ダニエル・クレイグ、シエナ・ミラー、ジェイミー・フォアマン、ベン・ウィショー、コルム・ミーニイ、マイケル・ガンボン、ケネス・クラナム、ジョージ・ハリス、マーセル・ユーレス、トム・ハーディ、テイマー・ハッサン、バーン・ゴーマン、サリー・ホーキンス

地道な仕事ぶりが身上の麻薬ディーラーがダニエル・クレイグ。そこそこ金も貯めたことだし、今度の仕事を最後に足を洗おうと決めていた。けれど実際には、なかなか彼の思うように事は進まない。ボスから依頼された奇妙な人探しと、ワケありのブツの取引。どんどん思いもよらない迷路に引き込まれていく。

とまぁ、そんな感じの話です。で、これも実は既見で、そのことも承知だったんですが・・・どんな話だっけと思って、また見てみました。前回見たときには、あまり入り込めなかった記憶があるのですが、今回は、まあまあ楽しめました。

イギリスのこういうタイプの映画って、ハリウッドのそれとは全く違った雰囲気とリズムで出来ているので、観る者も、自分の中に、その雰囲気とリズムを取り込めないと、取り残されるんですよね。だから、日ごろから英国ものに慣れ親しんでいる方はともかく、ハリウッドに慣れちゃった人間は、それ様に体を作り変えて見なきゃね。前回、わたしはそれが出来ていなかったけど、今回はちゃんと準備適っていたってことかもしれませんね(^^;。

というわけで・・・慣れないと面倒臭く感じられるかもしれませんが、馴染むと癖になるタイプの映画だと思います。よかったら、お試しくださいまし。


『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ルパン』

2010-03-21 11:12:46 | Weblog
2004年 フランス&イタリア&スペイン&イギリス
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス、 パスカル・グレゴリー、エヴァ・グリーン、ロバン・ルヌーチ

ルパン生誕百周年記念映画だそうですよ。「カリオストロ伯爵夫人」がベースだそうです。筋の説明、いいですよね、とにかくルパンの話ですから(^^)。

間違いなく楽しい映画です。実は、映画を見初めて数分で「あっ、既見だ!」って気づいたんです(^^;。けど、見るのを止められないんです。次にどうなるのか、細かく思い出しちゃうんですけど、それでも愉快なんです、むしろ「でた!」「きた!」と記憶の確認も楽しくて(^^)。ということはつまり・・・それくらい娯楽性に富んだ面白い映画だってことですよね。楽しい映画がお好きな方には、おおいにお勧めです。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みなさん、さようなら』

2010-03-20 12:00:26 | Weblog
2003年 カナダ&フランス
監督:ドゥニ・アルカン
出演:レミー・ジラール、ステファン・ルソー、ドロテ・レミマン、マリナ・ハンズ、マリ=ジョゼ・クローズ

あなたは、どんな最後を迎えたいですか・・・という質問を、重苦しくなく投げかけた映画でしょうか。

コメディーというほど軽くはないんですが、日本語タイトルからうける印象どおり、深刻さは全くないです。とにかく、末期ガンで死を目の前にしたレミーというオッサンが、実に愛すべき人物なんです。田舎の大学の歴史の先生で、とっても博学なんですが、無類の女好きだったらしく、妻には家を叩き出され、息子とも溝ができちゃっている。でも、妻のほうは、別居はしても、そういう彼の生き方を認めてくれているんですね。で、成人して父とは正反対の生き方をしようとしている息子を呼び寄せ、お父さんが幸せな最後を迎えられるようにしてあげてと言うんですね。で、息子は、父の親友たちに連絡をして、彼らの笑顔の中で自らが選んだ時に逝けるように段取るんですね。

実に羨ましく思える最後・・・ううん、実に羨ましく思える人生で・・・観客も、笑顔で彼を見送る事が出来るんです。なかなかにステキな映画でありました。

ただ・・・ずっと思っていたのは・・・でも、これって、かなりお金持ちじゃないと出来なくないかいってことでした。もちろん、お金のかかる部分は我慢して、一番肝心な、家族や友人に囲まれて、の部分だけなら可能だとは思うのですが・・・ステキだと思えたのは、そして羨ましく感じたのは、お金がかかるところも含めてなんですよね(^^;。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミルク』

2010-03-20 11:43:25 | Weblog
2008年 米
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコ、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、ルーカス・グラビール、ヴィクター・ガーバー、
デニス・オヘア、ジョセフ・クロス、ハワード・ローゼンマン、ブランドン・ボイス、ケルヴィン・ユー

一言で言うと、自らもゲイで、アメリカ社会でマイノリティーの権利を獲得すべく活動した、ハーヴィー・ミルクの半生涯を描いた伝記映画ですね。

こういう社会的テーマを中心にもっている映画は、映画としてより、その社会的テーマに関心が向いてしまいますよね。きっと、製作側も、そのつもりで作っておられると思うので、そういう見方は間違ってはいないのですが・・・正直、それだけで終わっては、観客として後ろめたさを感じてしまうんですよね(^^;。

とにかく、ハーヴィー・ミルクを演じたショーン・ペンは素敵でしたね。大げさにではなく、ちょっとした仕種や口調で個性をあらわすお芝居は、さすがって感じでした。

差別そのものについては・・・語り始めると終わらないので、映画の感想としては、これだけにしちゃいます。それにしても・・・神の名のもとに人の傲慢が地に満ちているのは、神のご意思なんでしょうかね・・・。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ミリオンダラー・ホテル』

2010-03-19 13:09:15 | Weblog
2000年 独&米
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジェレミー・ディヴィス、メル・ギブソン、ジミー・スミッツ

実はメディア王の御曹司だったイジーが、都会の掃き溜めのようなホテルの屋上から転落して死んだ。イジーの父親は、息子の死の真相を明らかにするため、FBI捜査官のスキナーを差し向ける。イジーの転落死を巡り、一癖も二癖もあるホテルの住人たちとスキナーの駆け引きが始まる。

とはいっても、犯人探しの映画ではないです。たぶんですが・・・雰囲気を味わう映画だと思います。作った方も見る方も、感性勝負って気がします(爆)。

実は、劇場公開時ではないにしろ、わたし、この映画、見ていました。でも、最後の方の屋上のシーンになるまで、それに気づきませんでした。もともと記憶力が乏しく、見た映画や読んだ本を忘れてしまうのはよくあることなのですが、この映画に関しては意図して記憶を消し去ったんだろうことも、そこで思い出しました。

感受性豊かな方、アーティスティックなセンスのある方なら、きっと楽しめる映画に違いないと思いますが、とってもプライベートな理由から、わたしは二度とこの映画を見たくないです・・・そして、今度もまた、見たことを忘れることにします。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『闇稼業 詐欺道』

2010-03-18 12:40:09 | Weblog
2000年 日本
監督:望月六郎
出演:根津甚八、斉藤曉、木村衣里、手塚とおる、黒沼弘巳、奈良坂篤

詐欺に遭い、財産だけでなく家族すら失ってしまった町工場の社長が、自らも詐欺師となって、自分をだました詐欺師に復讐するという話ですかね。映画ではなく、オリジナルビデオという分類になるようです。

とにかく、ここ最近、ずっと「根津さんが見たいよぉ~」って思い続けていたので、CSの番組表で、根津さんの名前を見つけて、思わず見ちゃったんですが・・・。

いや、ぜんぜん、意外ではないですよ、根津さんがこういう映像に出られるのって。ゴト師シリーズもありますし、裏ビジネスのハウツーものとでもいいましょうか・・・こういう作品、まったく意外ではないです。でもねぇ~・・・

わたし的には、根津さんて、他のどの俳優さんとも違う個性をもった役者さんなんですよね。ともすれば、やくざ映画俳優さんや、Vシネ俳優さんと、同じカテゴリーに入れられるっていうか・・・ちょっと悪なアウトロー的な魅力を認められているんじゃないかと思うんですが・・・ではないんですよね、あくまでもワタシ的にはですけど(^^:。

環境によって味わわされる孤独、つまり回りに疎外されることによって感じる孤独ではなく、もっと根源的な孤独感を、その存在そのもので表現できる役者さんだと、そう思っているんですよね。その証拠に、根津さんの芝居に、台詞は必要ないんですよ。むしろ、台詞は邪魔なんですよ。黙って、そこに居るだけで、何かを伝えるんですよ。

わたし的には、根津さんは、そういう役者さんなのに・・・みなさん、根津さんの使い方、間違ってますよね。ええ、間違ってます。わたしはそう思います(^^;。

ああ~・・・根津さんの魅力が、ちゃんと味わえる映画が見たい!ドラマでも、舞台でもいいから、見たい!!でも、今は、心身ともに調子が好ましくないという噂も耳にしますし・・・なにより、元気になって頂きたい、それが一番なんですが・・・元気になられたら、そしてご本人がお嫌でなければ、根津さんの魅力が活きた活躍を、また見せていただけると嬉しいなって思います。気長に気長に待ってますので、ゆっくりゆっくり静養されて、とにかく健康を取り戻してくださいまし。祈っています。


『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『トーク・トゥ・ハー』

2010-03-18 12:10:05 | Weblog
2002年 スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス

女性闘牛士のリディアは、競技中、雄牛に体中を突かれ、病院に運び込まれるが、こん睡状態に。彼女に付き添う恋人のマルコは、その病院で、四年前に交通事故にあって以来ずっと眠り続けるアリシアに、献身的に仕える介護師のベニグノと知り合う。植物状態のアリシアに、ずっと話しかけているベニグノの行為を、無駄な努力だと思っていたマルコだったが・・・というようなお話。

すごく面白いです。わたしは好きです。なんですが・・・正直、どうしても、ベニグノには好感を持てませんでした。でも、それでは、この映画の味わい方としては、不完全だと思うんですよね。たぶん、誰が見てもベニグノってキモイ人物なんですが・・・それでも、何かしら彼に感じるところを持たなきゃというか・・・哀しみを理解しなきゃとは思うんですが・・・わたしも娘をもつ母親ですし・・・どうしても、こういう人は、感情的に受け入れられないんですよね。

なのに、どうして、映画は楽しめたかというと・・・マルコですかね。彼の、何事に対しても静かに対応する態度に好感をもったからかもしれません。ただ、そのマルコの静かな対応も、大人の男の懐の深さというよりは・・・どっちかっていうと草食系な匂いがするっていうか・・・どこか、感受性豊かな女子の雰囲気もあって・・・決して、男性として魅力的というわけでもないんですが・・・そういうところも含めて、マルコのことは嫌じゃなかったので、それで映画は楽しめた気がします。

最後に、可能性だけを示唆して映画は終わるのですが・・・わたしは、その可能性も、嫌いじゃないです。人によっては、安易と思われるかもしれませんが、わたしは嫌じゃないかって、そう思いました。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『TATOOあり』

2010-03-18 11:01:59 | Weblog
1982年 日本
監督:高橋伴明
出演:宇崎竜童、関根恵子、渡辺美佐子、太田あや子、忍海よし子、矢吹二朗、下元史朗、島貫晃、山路和弘、武藤英司、風間舞子、内山森彦、ポール牧、戸井十月、垂水悟郎、青木和子、泉谷しげる、荻島真一、原田芳雄、植木等、西川のりお、上方よしお、趙方豪、大杉漣、北野誠、秋元めぐみ

三菱銀行人質事件の梅川昭美を題材にした映画ですね。

三菱銀行人質事件・・・あれは衝撃的でしたね。今でも、テレビでずっと中継していたの、覚えてますもん。亡くなった方もいらっしゃいましたし、梅川も射殺でしたし・・・後で分かったことですが、人質に酷い仕打ちしていますし・・・忘れられない事件の一つですね。

しかも、梅川という人物が、ちょっと奇妙な個性をもっていたんですよね。短気で、ちょっとしたことでイキナリ激昂して暴力をふるう人間だったようですが、無類の読書好きで、ニーチェとか読んでたっていうし。人質の銀行員には、相当ひどいことをしているんですが、一人の女子行員が片親だと知ると、その人には配慮をしたりとか・・・とても他人には理解できませんが、彼なりのルールというか、彼なりの正義みたいなものがあった様子なんですよね。

だから、映画人として、この梅川という素材に惹かれたのは解かるような気はするんですが・・・ある時代、こういう毛色の映画が、しきりと撮られていて・・・それって、いったい、何がそうさせたのかなって・・・わたしも、そういう時代を経てきた人間なんですが、今となっては、何か不思議な気がして・・・映画を見ながら、ぼんやりそんなことを考えてしまいました。規範から外れて生きることが、今よりずっと難しくて・・・その分、今よりずっと渇望されていたのかな。もっともっとガチガチに抑圧されていた時代には、その抑圧に反発するどころか、抑圧にも気づかなかったのが、反発できるだけの余地が生まれた時代であったってことでもあるのかもしれません。

っと・・・そうそう、映画では、この三菱銀行人質事件自体は、まったく描かれていません。その直前と直後は描かれていますが、そのものは全くなしです。

映画としては・・・梅川のお母さん役の、渡辺美佐子さんが、やっぱり凄いですね。ほんと、巧い女優さんだなぁって、いつ見ても思います。それから、関根恵子さん、この映画の監督である高橋伴明さんと結婚されて、今は高橋恵子さんですが・・・彼女も、いいですよね。昔っから、異常なほど脱ぎっぷりのよい女優さんで、私生活でスキャンダラスなこともあるんですが・・・いくら脱いでも、場末な役を演じても、なぜが画面にそこはかとない品みたいなものを漂わせる術をもった女優さんなんですよね。「うち、ほんまもんの男が好き」っていう台詞の時には、思わず梅川と一緒に凹みました(^^;。

梅川役の宇崎竜童さんは・・・ふむ・・・どんなに演じてらしても、どこかに宇崎さんの人柄が残っちゃうところが・・・役者さんとしては駄目なんでしょうが・・・それが魅力でもありますよね。それに、やっぱり、音楽がいいですよ。最後の曲なんて、ほんと大好き。宇崎さんのバラード、改めて聞きなおしたくなりました。

それにしても・・・映画とは関係ないんですが・・・あの事件で人質にされた皆さんは、その後、立ち直られたでしょうか。相当なトラウマになっていると思うんですよね。未だに傷が癒えていなかったとしても決して不思議じゃない・・・。でも、なんとか、幸せになっていて頂きたいなと、そう思います。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『欲望』

2010-03-17 08:36:37 | Weblog
2005年 日本
監督:篠原哲雄
出演:板谷由夏、村上淳、高岡早紀、津川雅彦、大森南朋

見れば、しごく簡単なストーリーなんだけど、言葉で説明しようとしたら、なんか面倒くさいことになるんですよね。でも、えっと・・・中学時代の同級生だった阿佐緒と偶然再会した類子。類子の結婚披露パーティーで、同じく同級生だった正巳とも再会する。一気に時間が戻り、旧交を温める三人。かつての三人の微妙な関係も蘇ってくる・・・そんな感じで始まるんですが、キーになるのは正巳が昔の事故のせいで不能であることかな。愛における性の位置づけみたいなものが、非常に重要というか、問われるテーマなのかもしれませんね・・・タイトルも『欲望』だし、実際に台詞になってリアルに問われてもいますし。

映画がはじまってすぐの類子の独白に、砂漠のキャンディーの譬えが出てくるんですが、それがやけに好みで・・・おっ、これは好きかも!って思ったんです。でも、すぐに三島由紀夫の世界にドップリって感じになっちゃって・・・これには、ちょっと参っちゃいました(^^;。わたし、三島、苦手なんですが・・・三島を否定しては、この映画は楽しめないっていうか、根本的が崩れちゃいますからね・・・あいや~、参った。

でも、全体が、ずっとそんな感じでした。好きなんだけどなぁ~、でも全体を覆う三島色が・・・でも、好きなんだけどなぁ~・・・。世界観を共有できそうでできないジレンマに、最初から最後まで悩まされました(^^;。

それにしても、男性にとって、立たないってことは、そんなに大きなことなんですかね。いえ、そりゃあ、大きなことだとは思いますが・・・絶対に駄目だってことになれば、別の愛し方だってあるわけじゃないですか。正巳は、欲望は感じるという設定だし・・・インサートできないだけで、愛撫の仕方とか巧いですよね(爆)

たとえばね・・・女性の同性愛者に性愛は成立しないかっていうと、そんなことないでしょ。女の肉体のままでも、愛する女を肉体的に喜ばせられるでしょ。もちろん、彼女たちも、男性のように愛する女と交わりたいと思う気持ちはあると思うんですよ。でも、自分たちの場合はそうじゃないんだということであれば、自分たちなりの愛し合い方をするわけじゃないですか。インサートだけが、性愛のすべてじゃないですよ。

でも、男の人の場合、もともとそういう能力が、当たり前の機能として備わっているものだから、それが駄目となると、男としてのアイデンティティーが崩れ、人間としてのアイデンティティーも壊れるのかなって・・・男ではない身としては、そんなことばっかり考えて見ていました。

三島は、性嗜好はどうあれ、男の肉体をもった人なので、女性の同性愛者の性愛に感じることなどはなかったかもしれませんが・・・この映画の原作は、三島じゃなく、小池真理子さんだし・・・小池さんは、そのあたり、どう感じどう描かれていたのかな・・・なんてことが知りたければ、原作を読めって話ですかね・・・でも、こういう小説は、たぶん苦手だと思います、はい(^^;。

わたしくらいの年代の文学少女なら、共感して当然の世界なんですが・・・あいにく、わたしは文学少女ではないので・・・やっぱり、ちょっと面倒くさかったです、はい(^^:。

上記、読み直して思ったんですが・・・わたし、三島由紀夫さんのことは、三島って呼び捨てで、小池真理子さんのことは小池さんって言ってるんですよね。その違いは、どこから来るんでしょうね。やっぱり、好き嫌いは別にして、三島とか太宰とかは、独自の確固たるものを確立したってことなのかな・・・単に、もう昔の人なだけなのかな(爆)。


『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『命を賭ける男』

2010-03-16 10:38:50 | Weblog
1958年 日本
監督:加戸敏
出演:長谷川一夫、市川雷蔵、川口浩、山本富士子、近藤美恵子、浦路洋子

時代劇専門チャンネルに掲載されているあらすじでは「旗本奴、白柄組の坂部三十郎(田崎潤)は江ノ島に参詣に出かけたが、その帰途、色若衆にケンカを吹っかける。だがそこへ籠で乗りつけたのは、今売り出し中の幡随院長兵衛(長谷川一夫)だった。坂部らは捨て台詞を残して去っていった。この若衆・白井権八(川口浩)は、女性絡みで本庄助太夫(荒木忍)を斬り、追われる身であった。だが、権八の人柄にほれ込んだ長兵衛は、自分の許に引き取ることにした。その頃、黒田藩では例年の国入りに槍持ちとして力のある仲間を必要としていた。数ある志願者の中から長兵衛一家の十内と名乗る男が選ばれるが、その正体は白柄組の頭領・水野十郎左ヱ門(市川雷蔵)であった。国入りの当日、詐欺に遭った黒田家は大慌て。そんな黒田家を笑いものにしようと繰り出した白柄組の前を、槍を持って通り過ぎていくのは、他ならぬ長兵衛であった。白柄組の面々は一層の憎しみを抱く。白柄組と長兵衛一家の対決の行方は?!」となっています。でも、まっ、皆さん、よくご存知ですよね、有名な幡随院長兵衛ですからね(^^)。

その幡随院長兵衛を長谷川一夫さんが演じるのは分かりますが、敵役の水野十郎左ヱ門を市川雷蔵さんが演じるのが不思議な気がして見てしまいました。だって、水野十郎左ヱ門って卑怯な人として描かれるイメージ、強くないですか?なのに、雷蔵さんが水野十郎左ヱ門だなんて、オカシイですよ、絶対。

と・・・見てみたら、ちゃんと雷蔵さん用の水野十郎左ヱ門になっていました、あは(^^)。

でも、実際の水野十郎左ヱ門さんって、けっこう面白そうな人の気配があるですよね。幡随院長兵衛が絶対的なヒーローで、その敵役の卑怯な旗本奴の水野十郎左ヱ門でもなく・・・雷蔵さん用の、やけに爽やかな水野十郎左ヱ門でもなく・・・たしかに厄介な人だったんだろうけど、彼なりの拘りは、それこそ命を賭けて貫き通した、筋金入りの勝手者で伊達者な感じですよね。是非とも、そういう水野十郎左ヱ門をメインで、時代劇、撮って欲しいものです、はい。

で、映画は・・・キャストを見ていただいても分かるように、絢爛豪華です。「ゴールデンウィーク興行にあわせて製作された総天然色、大映スコープ大作」だったそうですが・・・大映の力の入れようが分かる作品です。なので、ちゃんと、それなりに楽しめますよ、はい。


『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする