風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

りんご王国おためし暮らし 9-2

2016-10-21 | 東北
その1からの続きです。

○ もともとの追手門

まだ訪れていなかった弘前城の北門(亀甲門)に行きました。
お城ができた頃は、武家屋敷側にあるこの門が正面玄関だっただけあって、堂々とした門構えです。



弘前城は戦いの舞台にはなりませんでしたが、この門には矢傷が残っています。
かつて大光寺城の門だった時に、為信軍に突撃を受けてついたものだとか。
武家屋敷の人に「ぜひこの門を見ておいて下さい」と言われていたので、帰る前に見られてよかったです。

○ ヌマさん浮上

ワークスペース・シフトでは、この日もヤフトピさんとwithnewsさんによる学生向けのweb討論会が行われていました。 
先に来ていた宮川さんと一緒に、授業見学します。
彼に昨日の女性のことを聞いて、とり繋いでもらいました。
鶴田町でオリジナルブランド「ハンサムリネンKOMO」を展開している、うたこさんでした。
無事連絡が取れて、毛豆決定戦の時のクレイジーなファッキンキャット画像を送ることができました。

ほどなくして、オオウラ代表とヌマさんが登場。
帽子をかぶり短パン姿で嶽きみを束でかかえたヌマさんは、夏休みの少年のようでした。
代表に嶽温泉に連れて行ってもらったそう。
よかったですね、ヌマさん!
温泉・嶽きみ・代表という癒しのトリプル効果あってか、昨日までの世の不幸を一身に背負ったような雰囲気は抜けて、落ち着いた表情になっていました。

「夕べ一緒に食事できなかったから、みんなでランチに行きましょう」と代表。
イベント終了後、近くにいた面々と一緒に食事に出かけます。

○ ランチリクエスト

代表に「今日が最後だし、ランチはどこに行きたい?」と聞かれました。
リクエストが通りそう。どこにしようかな。
yumさんが行った、奇跡のりんごのフレンチが脳裏をよぎりましたが、メンズばかりのメンバーなのでやめておきます。
「時々話題に出る"たかはし"って・・・」と言ったとたん、周囲の人たちが不思議な笑みを浮かべて目を交わし合いました。
「そう・・・じゃあそこにしようか」
えっ、その笑いはなんなの?その目配せはいったいなに?

自力では行きにくいということで、3台の自動車に分かれて出発。



途中、気になる倶楽部を見かけました。うわあ、入ってみたい。
横浜にあったら、会員になっちゃいますよ。
(調べてみましたが、弘前にしかありませんでした)

○ 青森ベストラーメン

向かったのは、たかはし中華そば店
先日行った、鬼の鳥居の神社の隣にありました。



「昼どきだし、並ぶかな」とみんな気にしていたら、たしかに行列ができていました。
かなりの人気店のようです。
食べログ主催の年間ランキング「青森ベストラーメン」に、毎年のように選ばれているのだそう。



メニューはたった4種類。みんな同じ中華そばを選びます。
順番を待つ間、「数か月ぶりだなあ」「俺は先週も来たよ」などと話していますが、まだよくわかりません。
語ってはいけないものなんでしょうか。
「まあじきにくるからさ」
席に通されましたが、一つのテーブルにメンバー8人は座れないため、ヤフトピさんとwithnewsさんだけカウンター席になりました。

○ にぼテロ・にぼジャン

店内には独特の香りが漂っています。
出てきたラーメンは、濃い煮干しスープでした。
ああ、煮干しの香りだったんですね。



見るからに濃くて、中が見えません。
先日の焼き干し津軽そばの半透明のスープとは、全く違います。



その煮干しスープがたっぷり絡まった、もっちりとした中太の麺。
で、では、いただきまーす。



これほど濃ゆい煮干しスープは飲んだことがないというくらいの、強い主張。
これが、げきにぼ(激煮干)というものなのね。
旨味がスープに凝縮されていて、とても味わい深いのですが、食べ慣れていない舌はびっくりしています。
もはや、煮干しテロと言ってもいいレベルじゃないでしょうか。にぼテロ!

「これは洗礼だよ」と地元の方々。
津軽国に入る関門はここにありましたか。まさか去る直前に食べることになろうとは。
煮干し出汁の麺は好きですが、ここのスープの濃さにはたじろぎました。
かなり津軽上級者味。初心者には強烈なボディーブローです。



ランチメンバーの中で、女性は私だけ。
もとより食べるのが遅いので、男性陣たちを待たせないように、急いで食べました。
向かいに座った宮川さんは、げきにぼと格闘する私たちを写真に撮り、その場でSNSにアップしていました。

食後に「ここのラーメン、どうだった?」と感想を聞かれました。
「煮干し、すごかったですね。こっちの人はみんなこの味に慣れているんですか?」
「そうでもないよ」
「あのスープ、中毒性があってさ」
「毎回ウワ~ッって言いながら、結構通ってるんだよね」
みんな、煮干しジャンキーだったようです。にぼジャン。

○ 駅前ヒロロ

食後、市内視察に出かけるというヌマさんたちの車に、手を振ってお別れしました。
宮川さんは、この日納車されたばかりのピカピカの黒い車でやってきており、セミナー企画者のヤマオさんが「初めて助手席に座るのが僕で、いいんでしょうか…?」と言いながら乗っていきました。

私は、コンシスの代表に送ってもらって弘前駅へ。
「昨夜まで不幸の塊だったヌマさんが、代表とのドライブで元気になってよかった」と話しながら。
夜に戻ってくるyumさんも、滞在はあと数日。今回のメンバーで一番最後までハウスに滞在するのは、ヌマさんです。
あとは彼らが、有終の美を飾ってくれるでしょう。
いつも忙しそうな代表ですが、最後までなにかとお世話になりました。お元気で~!



手を振って代表の車を見送り、さて一人になりました。
駅まで来たものの、結構時間が余っていたので、駅前のビル、ヒロロへ行ってみました。
北海道のキロロみたいな名前。青池のキョロロにも似てる。



ここにもリンゴ王国の王子さまがいました。
プリンス、もうすぐこの王国での旅が終わって、さよならしなくちゃいけないの。



キャリーを引きながら、駅のそばをちょっと周ってみました。
えきどてプロムナードは、花咲くきれいな遊歩道。



マンホールではありませんが、歩道にかわいらしいデザインを見つけました。
日本一の花見客動員数を誇る弘前城の桜も、いつか見てみたいなあ。



豊盃、豊81、豊盃 ん、田酒、白神、麗峰、陸奥八仙、喜久泉、桃川、じょっぱり。
お店の前に、青森のお酒の瓶をずらりと並べた居酒屋がありました。



これは、地酒好きにはたまりませんね。

○ リンゴメッセージボード

駅に戻ると、改札前のりんごの黒板に目が留まりました。
初日に(メッセージボードって、最近見ないから懐かしいな)と思ったもの。
最後なので、私もメッセージを残しました。



ちゃんと書いたんですよ。
ほら、ここに。リンゴ王国、ありがとう☆



驫木駅・太宰まなびの家・そして駅のりんご板。
今回は、弘前のあちこちの場所にメッセージを残した旅でもありました。

○ 駅の青森ねぶた

まだ時間はありましたが、荷物があるので動き回れず、やってきた特急に乗りました。
急ぐ旅ではないのに早い電車に乗ったため、予定時間よりさらに早くに新青森に到着。



おお、ねぶたの顔がお出迎え。
ウェルカムというよりは威嚇されているようですが、まあこれがいつもの顔つきです。



青不動と龍の目が金色に光っていました。敵になったら絶対に勝てなさそう。
もうここは青森ねぶたのエリア内。扇型から人形型に変わっています。



初めて見るだるま型のねぶた。青森りんごとねぶたをだるまにした「だるまりんごねぶた」だそうです。
単語を並べるこのネーミング法、何かに似ているような…。
あ、「味噌カレー牛乳ラーメン」!

画像では見づらいのですが、よく見ると頭の上からりんごの枝がちょっと出ていました。
まるっとしたダルマになっても、墨で勢いよく描かれた表情は、迫力がありました。



新青森はまだ新しい駅なので、駅前で観光できそうなところはありません。
駅の人に「新幹線のホームに入ると何もないので、在来線改札口から出る方がいいですよ。お土産屋さんもあるから」と勧められました。

弘前を離れて、寂しい気持ちでいっぱい。でも、おなかもいっぱいすぎて、泣きたい気持ちにはなっていません。
げきにぼ効果が続いています。

○ イトコのお見送り

改札の外のベンチにぽつねんと座っていたら、イトコのマミちゃんが「今いるなら駅に行くわ~」と連絡をくれて、本当にすぐやってきてくれました。

突然のことだったのに、予定をつけてすぐに来てもらえるなんて、夢みたい。うれしーい!
ひとりセンチメンタルになっていた時だったので、その優しさがしみました。
こっちの人って、本当にあたたかいのね。



時間がくるまでいろいろな話をして、改札でぎゅっとハグしてお別れしました。
人が見送ってくれることのありがたさ。
さっきまでの寂しい気持ちは、もう消えていました。



はやぶさの中には、すでに乗客がいて(そうか、北海道までつながったからね)と実感。
新青森は、もう終点ではないんですね。



○ 嶽きみの天ぷら

マミちゃんから「新幹線で食べてね」と嶽きみの天ぷらをいただきました。
駅で売っていたそうで、ホカホカあたたかく、いい香りがしていました。
う~ん。げきにぼの衝撃はどこへやら、あっさり食欲が刺激されます。



さっそくいただきまーす。ああおいしい。
衣の中には、トウモロコシがきれいに並んでいました。



少しPCを動かしてから、ぐっすり寝て過ごし、予定通りに東京に到着。
もわっとする暑さに、再び夏が戻ったような気になりました。

○ epilogue

今回は「青森市のことは少しは知っていても、弘前市のことはほとんど知らなかった」自分にとって、いい機会でした。
その土地を知るには、なんといっても実際に暮らしてみるのが一番です。
旅行者ではなく滞在者として周りも扱ってくれて、さまざまな地元の人と知り合う機会も多く、土地について学ぶことができました。

土地・人・食、いろいろな方面から弘前を体感して、青森と違う部分が多いことにも気付きました。
なにより心に響いたのは、人の温かさ。みんな、とても親切で優しく、よくしていただくたびに気持ちがとろけそうになりました。

実は、旅から戻ってすぐに、お世話になった方の一人、リードマンの宮川さんが急逝されました。
帰る日に一緒にランチをした、その翌日の悲報でした。
あまりに突然のことで、彼を知る誰もが、悲しみに沈みました。

今回は、彼を含め、お世話になった方々との思い出を交えた弘前の記録を残そうと考えて、この旅日記をアップしました。
弘前を心から愛し、その発展を願ってやまなかった宮川さんにも、少しなりとも喜んでもらえるものを書けたのならいいなと思います。



いつもよりも細かく書いたので、読むのはかなり大変だったことでしょう。
読了、お疲れ様です!最後までおつきあい下さって、どうもありがとうございました。

弘前はすてきな過ごしやすい町でした。
またぜひ、日本一のりんご王国を訪れようと思います。






りんご王国おためし暮らし index

2016-10-20 | 東北
[2016.9-17-25]


◆ 弘前 1-1 ←旅行記へ
-弘前でお世話になった方々に、感謝の意を込めて-
 ほぼ初めての弘前に、しばし滞在してきました。
 初日は、同居メンバーと緊張の初顔合わせ。
 まずは、お城をめざして歩いてみました。
  ○ prologue ○ はやぶさに乗る ○ 車内の人々 
  ○ 事前弘前情報 ○ 青森に着きました ○ ねぶた・ねぷた・たちねぶた 
  ○ 津軽三味線のお出迎え ○ ふらいんぐうぃっち ○ さっそく迷う 
  ○ お試しハウス ○ 青森一の山 ○ 会話の始まり
  ○ とりま散歩 ○ マンホール ○ お城の公園



◆ 弘前 1-2
 町なかを散策し、美しい青森の自然を写真で堪能。
 夜は土地の名産の並ぶ歓迎会。
 初日からディープに過ごしました。
  ○ 59番目の銀行 ○ 彼は渡さない ○ 津軽の写真展
  ○ 代表の災難、担当さんの災難 ○ 夜まで待てない ○ ラグノオ・デリカ
  ○ タンコブヘッドロック ○ 毛豆との出逢い ○ イガメンチとの出逢い
  ○ スナック とまり木 ○ 丸いズッキーニ ○ 津軽のポケモントレーナー



◆ 青森・市浦 2
 2日目は、津軽半島にあるタラソテラピー施設へ。
 たどり着くまでに遙かなる時間がかかりました。
 夜は、青森で津軽グルメに津軽三味線の会。
  ○ 早起きの朝 ○ SL銀河青函DC号 ○ 早めの出発
  ○ 置いてきぼり発生 ○ 眠らせてもらえない ○ し~うらんど海遊館
  ○ 村のタラソテラピー作戦 ○ 帰りのバス ○ 十三湖のほとり
  ○ 奥津軽いまべつ駅 ○ イトコたちとの再会 ○ りんご箱
  ○ 顔だけねぶた ○ 青森グルメ ○ 遠い帰り道
  ○ 交番で道を聞く ○ この日の報告会 ○ 弘前のたこ焼き



◆ 嶽 3-1
 この日は十二湖方面にドライブ。山越え途中で旬の嶽きみをいただきました。
 岩木山神社では、お目当ての狛犬に会えて大喜び。
 山を越えた麓では、かかしの歓迎を受けました。
  ○ ドライブ日和 ○ おばけひょうたん ○ 岩木山神社 
  ○ かくれんぼ狛犬 ○ ローマ風呂に勇者の剣 ○ カランカランアイス 
  ○ 嶽きみの里 ○ あとはだり ○ 縄文人とマタギ 
  ○ かかしの里 ○ エヴァじゃなかった



◆ 深浦 3-2
 山越えをして、日本海側に出ました。広がる海にテンションが上がります。
 千畳敷海岸でみんなでジャンプ!しましたが・・・。
 青池の美しさには、ただ黙るよりありませんでした。
  ○ 海に出た ○ 千畳敷海岸 ○ デコポコジャンプ
  ○ 箱詰めエゴ ○ リンゴに乗る民 ○ 鶏頭場(けいとば)の池
  ○ 青い青池 ○ ハードな白神山地 ○ キョロロ
  ○ かつてのサンタランド ○ ふかうら雪人参 ○ 壁のチラシ



◆ 鰺ヶ沢 3-3
 憧れの不老ふ死温泉で波が寄せる露天風呂を満喫。
 青春18きっぷポスターのさびれた駅から海を眺めます。
 わさおに会いに行ったのに、いなかったー!
  ○ 深浦にんじん畑 ○ 不老ふ死温泉 ○ 海際の露天風呂へ
  ○ 許されし人々 ○ 行合崎 ○ 馬が驚く驫木駅 
  ○ 三頭の馬つながり ○ 夕焼け暦とノート ○ かそせいか? 
  ○ 日本一の大イチョウ ○ 反対側の岩木山 ○ わさおがいない

◆ 弘前 3-4
 この日の夜も、繁華街でディープな飲み会。
 kimoriのシードルと弘前の豊盃が登場しました。
 二次会は車でハウスに移動して。大人数での楽しい夜でした。
  ○ 日本海の夕焼け ○ 洗車インザカー ○ 歓迎会・送迎会
  ○ 歓迎会・送迎会 ○ グルメ三昧 ○ kimoriのシードル
  ○ 弘前の名酒 ○ おそろいリストバンド ○ ハウス飲み
  ○ 津軽のイモ当て ○ 西に台風接近中



◆ 田舎館 4-1
 電車に乗って、稲で作った田んぼアートを見に行きました。
 刈取り直前の茶色くなった絵は、セピア調でいい感じ。
 弘南線の端から端まで乗りました。
  ○ 朝はのんびり ○ お城の公園をさまよう ○ 遅れられません
  ○ 出張合間の観光 ○ 巨大なゴジラ ○ ストーン・ケンそしてユウジロウ
  ○ ノマドは場所を選ばず ○ 田んぼアートの稲 ○ Ta Survey Go
  ○ 天守閣つき第1会場 ○ 青天の霹靂入り ○ 黒石つゆ焼きそば
  ○ さびしいノマド ○ うっかり黒石へ ○ ほのかな懐かしさ

◆ 田舎館 4-2
 先達を見送ったその日に、新しいメンバーが登場。
 津軽弁しか聞こえてこない地元の店で地のものをいただきます。
 夜な夜な午前までたっぷり満喫する面々。タフです。
  ○ キャプテン登場 ○ 美しい毛豆 ○ 四季亭
  ○ 地元の味 ○ ほやとみず ○ そろそろおなか休め 
  ○ 夜の洋館 ○ ひとりは寒い ○ にぎやかご帰還



◆ 弘前 5-1
 5日目は自転車に乗ってりんご公園へ。
 弘前はリンゴ出荷日本一で、リンゴ王国と呼ばれていると知ります。
 リンゴジュースの飲み比べ中に、メンバーと再会しました。
  ○ それぞれの朝 ○ 赤べこ号 ○ 丘の上のりんご畑
  ○ リンゴ公園 ○ 展望台1回目 ○ 津軽人の生活
  ○ リンゴ王国  ○ リンゴラーメン? ○ 利きリンゴジュース ○ メンバーと合流

◆ 弘前 5-2
 リンゴ園を巡りながら、公園の人にガイドしてもらいます。
 シードル工房の社長からも、ためになる熱いお話を伺いました。
 リンゴ公園はリラックスできる豊かですてきな場所でした。
  ○ リンゴ園見学 ○ 2度目の眺望 ○ リンゴもぎ
  ○ シードル工房kimori ○ リンゴ園で飲むシードル ○ チルアウトタイム
  ○ 木守りのお話 ○ リンゴの惑星 ○ 3度目の眺望



◆ 弘前 5-3
 繁華街に繰り出し、にぎやかなかだれ横丁で津軽の味をいただきます。
 二次会は落ち着いた正統派バー。男性陣はさらに覚悟の三次会へ。
 真夜中過ぎに締めのカツカレーを完食しに行きました(謎)。
  ○ 勝手に飲み会集合 ○ 禅林街を通り抜け ○ 夕焼け探し
  ○ お酒買占め ○ 陸奥新報にメンバーが ○ かだれ横丁
  ○ 明朗会計 ○ クレイジーモンスター ○ カクテルバー侍庵
  ○ 真夜中のカツカレー ○ ラストナイト・ラストTV

◆ 弘前 6-1
 一夜明けて胸焼け中の方々とリンゴの朝カフェ。
 ホテルの支配人に自転車の空気入れをお借りします。
 胸と肩の神社を参拝し、太宰治ハイティーン時代の家を訪ねました。
  ○ カツカレー明け ○ 町のふらいんぐうぃっち ○ CAFE JEEBA
  ○ 卍のわけ ○ 国際ホテルの支配人 ○ むなかた神社
  ○ 太宰治まなびの家 ○ カツカレーからの~あかつきの会 ○ 鬼伝説



◆ 弘前 6-2
 弘前の農家の方々に作っていただいた野菜御膳を堪能。
 籠工芸の工房も見学し、空港で同行者たちとお別れします。
 大雨に降られましたが、夜は女性二人でのんびりまったり。
  ○ あかつきの会 ○ 学生居酒屋店長 ○ 野菜のごちそう
  ○ ハタチの狩人 ○ はえたたき ○ 愛情と時間と手間
  ○ 草刈正雄と乙女 ○ 2本の電車 ○ アップルロード ○ 三上竹工芸センター 
  ○ まさかの青森空港へ ○ さよなら同期の桜 ○ ひとり高速バス
  ○ どしゃぶりチャリ ○ 初めてのおうち夕食 ○ 変わらず同室 ○ 移住疑惑

◆ 弘前 7-1
 朝、ハウスに見知らぬ自転車を発見。第三者の存在に怯えました。
 お城そばの武家屋敷を見学。後世に伝えられる初代藩主津軽為信とは。
 百年食堂で、焼き干しだしの津軽蕎麦をいただきました。
  ○ 夜明けのホラー ○ 近くを散策 ○ 伝統的建造物群保存地域
  ○ 旧笹森家住宅 ○ 旧岩田家住宅 ○ 津軽為信像
  ○ 地元の方のアドバイス ○ 津軽百年食堂 ○ 焼き干しおいし
  ○ 伝統の津軽そば ○ けの汁発祥の地



◆ 弘前 7-2
 鬼が鳥居にいる神社、弘前一の神社、カエルがいる神社へ。
 昭和な食品市場で、仲間おすすめの大学イモを食してから、
 立派な五重塔のあるお寺に向かいました。
  ○ 鬼の八幡宮 ○ 弘前八幡宮 ○ 熊野神社のカエル
  ○ 一戸時計店 ○ 市場で大学イモ ○ 津軽っ子専用缶バッジ
  ○ 弘前昇天教会 ○ 道を聞いて道に迷う ○ ようやく到着
  ○ 地味好み ○ 竜と狛犬 ○ 一番とビリ

◆ 弘前 7-3
 夜には、今年一番の毛豆を選ぶイベントに審査員として参加。
 会は大盛り上がりしましたが、来るはずの新入りさんが欠席。
 途中の道で大ケガをしたと聞き、急いでハウスへ向かいました。
  ○ 大正浪漫喫茶室とスタバ ○ ねぷたと為信公 ○ 最強毛豆決定戦
  ○ 新入りさんの災難 ○ いよいよ決勝戦 ○ 結果発表!
  ○ ほおずきは食べるもの ○ りんご飴マン ○ 黒 meets 白
  ○ 新入りを追う ○ 満身創痍のニューカマー ○ 掛布団消滅事件



◆ 鶴田町 8-1
 この日もお城そばの武家屋敷を見学してから、町のほうへ。
 五所川原方面にドライブに出かけ、鶴田町を訪れます。
 大きすぎるパンがあったり、つるつるのお祭りがあったり。
  ○ メンバーは蔦温泉 ○ 武家屋敷ふたたび ○ キリスト教とインドリンゴ
  ○ 五所川原方面ドライブ ○ ジャンボ!ジャンボ! ○ あげたい
  ○ 町の木の廃校 ○ 古いものばかり ○ ツル多はげます会

◆ 鰺ヶ沢 8-2
 湖にかかる優美な橋を渡ってから、ふたたび日本海側へ。
 白い秋田犬のわさおファミリーに会えました。
 最後の夜は、同居人の尽きぬ語りで更けていきました。
  ○ 鶴の舞橋 ○ バッタ車に乗る ○ リンゴだらけ
  ○ じょっぱり魂 ○ わさおアゲイン ○ 地球村
  ○ おらほのめへ ○ webセミナー ○ 大正浪漫喫茶室
  ○ ぼやき番長 ○ 謎の自転車の正体



◆ 弘前 9-1
 いよいよ最終日。朝のNHK番組に先日お会いしたシードル工房kimoriの代表が登場。
 カランカランとチリンチリンのアイスの謎がとうとう解き明かされる時が。
 弘前りんご100%のニッカシードル工場まで行ってみました。
  ○ 『サキどり』にミスターkimori登場 ○ ひろさき読解本 ○ 手作りアイスの店
  ○ カランカランとチリンチリン ○ 為信のお墓 ○ 重そうなしめ縄
  ○ ニッカ シードル工場 ○ マイベストマンホールin弘前 ○ さよなら、ハウス

◆ 弘前 9-2
 ラストランチは、げきにぼラーメン。みんなでシビれます。
 別れを惜しみながら、9日間の弘前暮らしを終えました。
 リンゴ王国の皆さん、どうもお世話になりました。
 そして今回の長い旅日記を読んでくれた方々、どうもありがとうございました!
  ○ もともとの追手門 ○ ヌマさん浮上 ○ ランチリクエスト
  ○ 青森ベストラーメン ○ にぼテロ・にぼジャン ○ 駅前ヒロロ
  ○ リンゴメッセージボード ○ 駅の青森ねぶた ○ イトコのお見送り
  ○ 嶽きみの天ぷら ○ epilogue




りんご王国おためし暮らし 9-1

2016-10-20 | 東北
8日目からの続きです。

○ 『サキどり』にミスターkimori登場

とうとう、弘前滞在最終日になりました。
朝目覚めて(あー、今日帰るんだあ)と思い、すぐに起きれずにゴロゴロしていたところに、大阪のヒヤマさんからメッセージが届きました。
「kimoriのタカハシさんが、今朝のNHK総合『サキどり』に出ますよ」

時計を見ると、まさに今ではないですか!
飛び起きて1Fに降りると、すでにヌマさんは起きており、TVがついていました。
「NHKにしてもいいですか?」「?はい」
リモコンを手にNHKを探します。ええと、青森では何チャンネルなの?
ちょうど始まったところでした。ラッキー!
TVの前に座り込みます。
事情が分からず、あっけにとられているヌマさんに説明をしながら、一緒に見ました。



先日お会いしたタカハシ代表が、りんご公園内kimoriシードル工房で密着取材を受けています。
この前行ったばかりの工房、懐かしいなあ。
グランピングをテーマにした採り上げられ方で、昨日開催されたリンゴ園でのテント宿泊体験が紹介されていました。
コバヤシさんと青森空港で会った女性が参加しているわ。



夜にはキャンドルをともして、すてき。
今後、こうしたイベントが増えていくそうです。
私もリンゴ園に泊まって、枝越しに星を眺めてみたーい。

○ ひろさき読解本

この日の朝食。これまでで一番マトモにパンが焼けました。
ようやくグリルを調整できるようになってきたら、さようならなのね。



ヌマさんは事務所で約束があるらしく、一足先に出発。
私は荷造りをすませて、リビングを見回します。
これはyumさんのシードル。青森駅前のA-Factoryのものでした。
A-Factoryでは、シードルの無料試飲ができるそうです。要チェック!



最後の最後に、部屋の中からひろさき読解本を発見。
「弘前市を知ることができる一冊」ですって。
これさえ読んでいれば、もっとこの辺りに詳しくなれたのに、気付くのが遅すぎたー!



○ 手作りアイスの店

出発前に少し近所を散歩します。
食後のデザートを食べたいな。



川向こうのアイスクリーム屋さん、小山内冷菓店へ行きました。
スドウさんに教えてもらった、昭和館満載のお店。
手作りというのがいい感じ。私の前のお客さんが、お店の人にいろいろと質問していました。

私が食べたいアイスもありました。が、ん?
「カランカランアイス」と書いてあります。

○ カランカランとチリンチリン

うーん、ここもやっぱりカランカランなんですか。
私が好きなのは「チリンチリンアイス」なんですが。



弘前滞在中、アイス売りを見かけるたびに(なんか微妙に名前が違う)とモヤモヤしていましたが、いよいよこの疑問と直面する時がやってきたようです。
お店の人に聞いてみました。
「カランカランアイスと、チリンチリンアイスは、違うんですか?」
なんだかとっても恥ずかしいことを聞いてしまったような気持ちになりました。

「同じですよ。名前が違うだけ」あれ、そうなの?
でも食べてみたら、やっぱり違いましたよー。
チリンチリンの方は、氷が混ざったカラフルなバニラですが、カランカランの方はシャーベット。
どちらも美味しい手作りの味ですが、私はチリンチリンの方が好みかな。

青森のイトコたちは、カランカランは知らないと言います。
青森と弘前の間には、越えられない壁があるのでしょうか。
まあ、両方の味がわかったのは大きな収穫でした。



店内でカランカランを食べていると、またお店の前に車が止まり、人がやってきてアイスを大量買いしていきました。
人気あるんだなあ。まあ、こんなお店が近くにあったら、誘惑に勝てずに私も日がな通っちゃいますけどね。



暑さが戻った日なので、アイスも美味しくいただきました。

○ 為信のお墓

次に、川向こうにある津軽山 革秀寺(かくしゅうじ)を訪れました。
ここに津軽為信のお墓があると、武家屋敷の人に教えてもらったので、弘前のかつての主に敬意を表して、ご挨拶しに行ったのです。



お寺の手前にある蓮の池には蓮の葉がびっしりと伸びていて、上を歩いて行けそう。
蓮池にかかる朱塗りの華雲橋を渡ります。



境内には兎霊供養塔がありました。
うーん、あんまりかわいくないウサギちゃん。
でもなんだか味があります。



京都で死去した為信公は「岩木山の見える場所に埋葬せよ。」との遺言を残して、ここに埋葬されたとのこと。
古木が立ち並ぶ境内ですが、お寺の背後には岩木山が大きく見える場所です。
戦いに明け暮れた彼の、心のよりどころだったのでしょう。



重要文化財の霊屋(たまや)は非公開だったので、柵の外から拝観しました。
極彩色に着色されているそうですが、遠目にはわかりませんでした。



黒い板張りの鐘楼と、杉の大木の根元に積み重なった願い石。
素朴な光景です。
御本堂は改修中で、ほろがかかっていましたが、津軽初代藩主の眠る場所にしては小ぢんまりとして派手さのない、おちついたお寺でした。

○ 重そうなしめ縄



お寺の隣にある革彦稲荷神社。
立派な石の鳥居の上部は翼のようで飛んでいきそうですが、中段には金属でできたしめ縄が飾られていました。
金属製のものを見るのは初めて。特徴的で重々しかったです。



境内にはいちょうの木があったので、秋には紅葉が美しくなることでしょう。

○ ニッカ シードル工場

地図上で見つけた、岩木川沿いのニッカのシードル工場まで行ってみました。



ここでは主に県産リンゴを主原料とした発泡酒「ニッカシードル」「アップルワイン」「アップルブランデー」などを製造しているそうです。
全国に出荷されるリンゴ100%の「ニッカシードル」は全て、ここ弘前工場で生産されているとのこと。
工場見学を行っていないのが残念。製造過程を見たいなあ。



○ マイベストマンホールin弘前

滞在中、何種類も見かけた弘前のマンホール。
リンゴをあしらったものが主流でしたが、美しい自然が描かれているこのデザインが一番好きです。



○ さよなら、ハウス

ハウスに戻り、忘れ物がないか何度も確認。
ものは忘れていなさそう。あとは自分の心だけだわ。



荷物を持って施錠しました。
9日間、お世話になりました。
部屋はあの2階のバルコニーのあるところで、毎朝起きるとカーテンを開けて、窓の向こうの岩木山を眺めていたものです。



その2に続きます。


りんご王国おためし暮らし 8-2

2016-10-19 | 東北
その1からの続きです。

○ 鶴の舞橋

いよいよ、念願の鶴の舞橋にやってきました。
ここはすぐそばに行くまで道がわかりづらく、かなり近づいてから突然橋が姿を見せる地形になっています。
土地に詳しいスドウさんでさえ「この道で良かったかな?」とちょっと考えるほどでした。
(大丈夫、合っていました!)

わあ、なんて美しい景色なんでしょう。まさに、鶴が羽を開いているようです。



車を停めると、フロント部分にバッタが停まっていました。
あれ、君いつから乗っていたの?



そのうちいなくなるだろうと、そのままにして出ます。
近くの電話ボックスも、鶴デザイン。



ゆるやかなカーブを描く、美しい橋です。
まっすぐ前方に岩木山が見えるんですが、この日は雲でちょっと隠れ気味。



近くに寄れば、なおさら美しさを増す、なめらかな曲線の欄干にうっとり。



ここはJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMで、サユリ・ヨシナガが訪れた場所。
辺りの緑もきれいです。



津軽富士見湖なので、津軽富士、岩木山を眺めるにいい場所。
山は隠れ気味でしたが、辺りの見晴らしはよかったので、よしとします。



優美なだけではなく、日本一長い全長300mの木造三連太鼓橋。
そのすべてが、青森ヒバで作られているんです。なんてすてきなんでしょう。
ヒバ好きにはたまりません!ネコにとってのマタタビ橋ですね。
かすかにヒバの香りが漂う橋の上を、夢見心地で渡りました。



この写真を見た友人が「日本じゃないみたい」と言いました。
そう、ここ、北イタリアのコモ湖なんだ。行ったことないけど。

○ バッタ車に乗る



橋を往復し、堪能して車に戻ると、先ほどのバッタがまだ停まっていました。
よっぽどこの車が気に入ったのかな。



車が発進してもまだ動きません。
気になってじっと見ていたら、スピード圧がさすがに強くなってきたのか、途中で羽を広げて、草むらへと飛んでいきました。
バッタ的にはなかなか体感できない高速移動を味わえたことでしょう。

○ リンゴだらけ

リンゴだらけ!キャー、うらやましい光景。
ここはなんでしょう。



一年かけても到底食べきれないほどの量です。
こんなにリンゴを貯めて、どうするの?



トラックに乗せて、どこかに運ばれていくようです。
私も乗せてって~。

○ じょっぱり魂

「じょっぱり」という言葉をときどき見かけます。
地元のお酒の名前にもなっています。
相撲の決まり手かなと思います(それはつっぱり)。



津軽弁で「ごうじょっぱり(強情張り)」の意味だそう。
「津軽人の気質のことで、いい意味じゃないんだけど、よく使われるねえ」とスドウさん。
みんな気に入っているのかも。

○ わさおアゲイン

この日は五所川原で東北六県のお祭りが開催されているため、町の中心に向かう道が混んでいます。
迂回路を通って、鯵ヶ沢方面へ向かいました。
目的は、わさお。

数日前に菊谷商店に行ったものの、人も犬も誰もいなかったという話をしたら「じゃあ行ってみよう」ということになりました。
その後でyumさんが訪れた時には、いたそうなんですが。
私も会いたいな~。
じきにちらちらと日本海が見えてきました。



菊谷商店近くの看板には、なにやら英語とロシア語が書かれていました。
「生干し焼きいか」の言い方で、英語だとBroiled half-dried squidというそうです。
ワンポイント外国語レッスン?



店名よりもわさおの顔と名前の方がはるかに大きい看板。
わさお、今回はいるかなあ。わっさお、わっさおー♪



あ、白い犬ならぬ、白い猫がいた。
今回はお店が開いています。期待値がぐんと高まります。



わさお、いたー!



相変わらず秋田犬らしくない憮然とした顔で、暑くもないのにだれていて、相変わらずみんなに大人気でした。



以前会いに行った時には花の独身でしたが、今ではお嫁さんのつばきと友達のちょめも一緒にいます。
白い秋田犬が3匹になりました。
ちょめはわさおに似てモフモフですが、つばきは秋田犬らしい毛並。
3匹の中では一番の美人さんですが、訪問者はやっぱり、ぶちゃカワのわさおにメロメロ。
会えてよかったわ~。

店内には、映画のポスターやわさおグッズが所狭しと飾られてありました。
ここで焼きたてのイカ焼きを購入。
無事を確認できたことに満足して、元来た道を戻ります。

○ 地球村

途中で、道の駅もりたアーストップに寄りました。
「地球村の端にあるから、アーストップなんだよ」とスドウさん。
「なぜ地球村っていうんでしょう?」
「それは考えなかった…盲点だ」
壮大な名前の由来は、なんでしょうね?
葉山にある湘南国際村を思い出しました。
室蘭にある地球岬も思い出しました。

あとで調べてみたら、つがる地球村は地名ではありませんでした。
地名は森田町。つがる地球村とは、キャンプ場やレストランなどがあるレジャースポットの名前でした。

地球村という名前は、地球規模で発展していきたいという森田町の構想から生まれたものだとのこと。
スドウさんは、ここでキャンプをしたこともあるそうです。



○ おらほのめへ

メルヘンな外観の道の駅に入ろうとしたら、「おらほのめへ」と書いてありました。
「ほら、褒めて」かな?
違いました。津軽弁で「私たちのおみせ」という意味だそうです。
わからないぃ~。



隣には、渋い藁ぶき屋根のレストランがあります。
メルヘンハウスと古民家のギャップがおもしろくて、そばまで行って見てきました。

○ webセミナー

一路弘前まで戻り、コンシスの事務所に顔を出すと、大学生向けのwebセミナーが行われている真っ最中でした。



もうすぐ終わりそうなので、後ろの方で静かに聴講します。
弘前リードマンの宮川さんと、昨夜の毛豆決定戦でファッキンキャットiPhoneカバーを持っていた女性がいました。
ただ、メンバーのヌマさんの姿はありません。
この日が私にとって最後の弘前ナイト。セミナー終了後には送別会をしてもらえそうですが、目下ハウスのメンバーは2人。
もう一人のヌマさんは、昨日から歓迎会なしのまま、生傷を抱えてひとりハウスにいるのではないかと気になります。
結局スドウさんにことわって、静かに会場を出て、ハウスに戻りました。

○ 大正浪漫喫茶室

帰り道に通りかかった、藤田記念定演内にあるカフェ。
赤いモダンな屋根がすてきな、大正時代の洋館。



ライトアップしています。
普段は塀の外から眺めるだけですが、この日は敷地内に入ってみました。

○ ぼやき番長

ヌマさんはやはりハウスにいました。
顔や手足の血はもう止まったようですが、歯やケータイやメガネを壊したショックはまだ癒えておらず、相変わらずとても悲観的でした。
はじめは励まそうとしましたが、もともと自虐的な人のようだとわかってきたので、言うに任せることにしました。

彼が満足するまでと思って聞いていましたが、ペシミスティックな話はずっと続きます。
一日ハウスにいた彼は、話を聞かせる相手もなく、鬱々としていたのでしょう。
話がいつしか「これまで旅先で経験した理不尽な出来事の数々」というテーマに変わり、小二時間くらい話が続きました。(もはや小じゃない!)

お気の毒すぎる人なんですが、エンドレスのぼやきと共に流れていく、弘前最後の夜。
スドウさんや宮川さんと一緒に事務所に残って、送別会をしてもらえばよかったかなとも思いましたが、この日は代表も本調子ではなかったらしく、珍しくも二次会に参加せずに帰宅したそうです。
前日の毛豆決定戦が無事終了して、どっと疲れが出たのかもしれません。
それに毎晩宴会続きでしたしね。

言動がマイペースなヌマさんは、これまでのハウスメンバーとはかなり違うキャラクター。
後日、ほかの人が彼を「漫画家の蛭子さんみたい」と表現していました。
アーティストらしい個性的な人。でも常識はある方で、共同生活を送るにあたっての問題はありませんでした。

彼も、私が横浜出身だと知ると、yumさん同様に「横浜といえば綱島温泉に何度か行きましたが、なくなっちゃいましたね」と言ったのでびっくり。
あなたも、綱島温泉を悲しむ会の会員でしたか!
弘前のお試しハウスでたまたま知り合った3人ともが、さほど知る人もいない横浜のマイナーでディープな温泉ファンだったという偶然に驚きました。

そんな悲しげな彼も、毛豆はお気に召したようで、昨日持ってかえった分は完食したそうです。
二人で抱えきれないほど大量に持ち帰ったので、まさかすぐになくなるとは思いませんでした。
私たちの分も食べちゃったというのが、彼らしいところ。
yumさんも戻ってきたら驚くでしょう。

この日買ってきたものを取りだします。
鶴田の道の駅で買った、あげたい。



わさおの菊谷商店で買った焼きいかも、あたためていただきました。



オー、Broiled half-dried squid、ワンダホーね。

○ 謎の自転車の正体

「そういえば、玄関の外にある水色の自転車は、乗っちゃ駄目だと言われました」とヌマさん。
前日の朝に突然出現して、yumさんと二人で持ち主の影におびえにおびえた自転車の話です。
「何か知っているんですか?」と身を乗り出すと「昨日ここに連れてきてくれた担当さんが"これはハウスの所有者の持ち物です"と言ってました」とのこと。

そうなの?そういうことなの?
じゃあ、あやしい侵入者が乗ってきたわけではなかったんですね。
前もって教えておいてもらえれば、こんなに悩まずに済んだんですが。
たまたま女性二人だけの日に見つけたので、すごくこわかったから~。
まあ、普段は置かれていないものなんでしょう。

そんなわけで、このミステリーは一件落着。
さっそく蔦温泉にいるyumさんに報告して、二人でほっと胸をなでおろしました。

昨晩は掛布団がなくて、寝る時に寒くて困りましたが、この夜はもう大丈夫。
yumさんが「私のを使ってね」と言ってくれたのです。
さっそくお借りしまーす。はーよかった。
これで、夜冷え込んでも風邪を引かずに済みそうです。

最終日、9日目に続きます。


りんご王国おためし暮らし 8-1

2016-10-17 | 東北
7日目からの続きです。
滞在も一週間を過ぎ、今では「下北沢」という地名を聞いて「下北半島」を思い浮かべるようになっている私。
かなり津軽度が増しているわ。



○ メンバーは蔦温泉

夕べも遅くに寝たため、寝不足がしっかりとたまりつつある朝。
蔦温泉で一泊して週末を十和田湖で過ごすyumさんが、もう仕度をしていました。

十和田湖行きのバスは弘前と青森駅前から出ていますが、弘前便は蔦温泉に停まらないため、いったん青森まで出て「みずうみ号」で蔦温泉まで行くとのこと。
大回りしなくてはいけないなんて、大変だわ。
彼女がハウスに戻るのは日曜夜。私は日曜昼に帰るので、ここでお別れです。
寝ぼけ眼のままで東京での再会を約束して、お見送りしました。

そののちヌマさんも起きてきました。昨日よりはいくらか顔色が良くなった感じ。
それでもまだ痛みがあるため一日ゆっくりしているとのこと。
私が外に出かけました。

○ 武家屋敷ふたたび

この日も武家屋敷へ。この日は土曜日で4棟すべてが公開されているため、前日閉まっていた旧伊東家住宅と梅田家住宅をさらっと外から見学します。
旧伊東家は藩医が住んでいた住居で、中級武士の住居に似ているとのことです。



すき間のない黒い板塀が、時代を感じさせますね。
大人の男性でも中をのぞけない高さになっています。



藩医といったら「仁(JIN)」の世界ではありませんか。
昨日前を通りかかった弘前大学医学部。あそこで学ぶ学生の大先輩が、ここに住んでいたわけですね。



伊東家の門をくぐって細道を辿ると、奥の梅田家に通じます。
梅田家は江戸時代末期の武士の住居。



こちらは生垣が周りを取り囲んでいます。
かやぶき屋根って味があっていいですね。



4棟どれも、庭の手入れもよく丁寧に保存されていました。

○ キリスト教とインドリンゴ

洋館の多い弘前は、キリスト教が東北で一番早く伝わった町だそうです。
こちらは明治39年に建てられた、東北最古のプロテスタントの教会。
内部には津軽塗の聖餐台があるそうです。和洋折衷。



この教会に招かれた初代の宣教師が故郷のインディアナ州から取り寄せたリンゴが、津軽をリンゴ王国にする流れを作ったのだそう。
それって、リンゴ公園で見かけた「インド」のことですね!
わあ、点と点がつながった感じ。
こういう時、一人でも踊り出したくなります。

○ 五所川原方面ドライブ

お昼に、事務所前でスドウさんと落ち合いました。
これから五所川原方面へ車で連れて行っていただけるとのこと。
貴重なお休みの日に、ありがとうございます!



この日は雲が多くて、車から眺める岩木山の姿もいまひとつ。
紅白のつぎはぎ電車が、ゴトゴトと畑の向こうを走っていきました。

○ わさまがへろぉ

昨日、行き方を教えてもらった場所を訪ねたお礼と報告をします。
ただそのおしゃべりは、この看板を見てふと途切れました。



「わさまがへろぉ~」?
どんな意味?どう考えてもさっぱりわかりません。
後ろから読むの…?
町の人たちの方言はそんなに強くありませんが、時々判読不可能な謎の文字列を目撃します。

・・・後日、イトコのマミちゃんが「俺にまかせろ!」ってことだよ、と教えてくれました。
「わさ、まがへろ」なのね~。
「わさまが、へろ」→「俺様がへろへろだ」ってことかと思った!
知らないと分かりませんね。どうもありがとう(^O^)!

○ 道の駅つるた 鶴の里あるじゃ

道の駅つるたに寄りました。道の駅好きなので、ドライブの時に寄ると嬉しくなります。
「"あるじゃ"は、津軽弁の"あるよ"と、スペイン語の"アラ"(翼)と"グルジャ"(鶴)を合わせた言葉」
意外に凝ったネーミング。なぜに突然スペイン語?



○ ジャンボ!ジャンボ!

「ここには面白いものがあるんだよ」
パン売り場に行くと、そこには驚愕の光景がありました。
遠めに見てもはっきりとわかる、ジャンボなビックリパンが勢ぞろい。



シュークリームや焼きそばパンなど、通常の3倍くらいの大きさのものが並んでいます。
わらじ以上の大きさ!かんじきサイズ!さすが雪国!(そこかな?)



ジャンボシュークリームはお値段1200円ナリ。見るからにズッシリ!
こんなに大きいのに、シューがふんわりしている秘訣を知りたいものです。



ああ、スマホを並べてサイズ比較をするんでした。
おばけ厚揚げ!それにバケツに入ったバケツ豆腐!
どうしてどれも、そんなに大きいの?



ハウスにお土産に買って行こうかと思いましたが、夜はyumさんがいません。
ヌマさんと二人では完全に余らせそうな量なので、やめておきました。

○ あげたい

「あいたい」といったら、沢田知可子の泣ける歌。
「あげたい」といったら、誰に何をあげたいの?



じゃなくって、揚げたたい焼きでした。揚げたのって、見たことも食べたこともありません。
これはジャンボではなく普通サイズなので、安心して買ってみました。

ぶどうがたくさん売られているなと思ったら、この辺りはスチューベンの生産量が日本一なんだそうです。
NY生まれ、津軽育ちで知られるぶどうですね。

○ 町の木の廃校

鶴田町では、あちこちに鶴のモチーフをみられます。橋も鶴デザイン。



次に訪れたのが、水元小学校の旧校舎。



廃校になった今も、丁寧に保存されて、歴史文化伝承館として存続しています。
NHK大河ドラマ「いのち」のロケ地として使われたそうです。



靴を履きかえて中へ。きれいに保存されており、大切にされているなあと感じます。
床も木張りですべりがよく、子供の時のようにスリッパでスイスイと足を滑らせながら移動。



私、ヒバの香りが大好きなんです。木では一番好き。
ヒノキよりも、白檀よりも、心落ち着きます。
ここは、総ヒバ造りの建物だったので、スーハースーハー、ずっと深呼吸しています。



「廃墟好きのtomさんがいたら、喜んだだろうねー」とスドウさん。
たしかに。手入れが行き届いていて、廃墟というには小ぎれいですけれど。

○ 古いものばかり

古い農具が置かれた部屋や、地図が集められた部屋。
ワー、どれももう使われないものばかり。



みの?のみ?あれ、どっちだっけ?(みのでした)
後ろにある農具はわかりますよ。しょいこですね。



脚ふみミシンがありました。わあ、なつかしい!
HAPPYと文字が見えて、かわいいなと思ったら、「幸せな気持ち」ではなくて会社名でした。
ハッピーというミシン会社があったんですね。
シンガーミシンかと思いました。



教室。わあ、この木でできてる感がいい!
やっぱり木製って温かみがあって、いとおしいですね。
大きな分度器が教室だわ~。そして振り子時計!チックとタック!



体育館の床もすべて木張り。天井には、張子のタンチョウヅルが何羽も飾られていました。
鶴を大切にしているんですね。でもシュートする時、バスケットボールをぶつけたりしなかったのかしら。



鶴さんは廃校になってから飾られたんでしょうね、きっと。

○ ツル多はげます会

江戸時代に多くの鶴が飛来したという鶴田町では、鶴を大切にしています。
それがなんだか変な方向にいったんじゃないかと思うんですが、この町ではツルツル頭の人たちが頭に吸盤を付けて争う奇祭があります。
その名も、ツル多はげます会。

なぜなぜどーして?
でも、ツルツル頭で世の中を明るくしようとするその心意気はいいですね!
男性にとって深刻な髪の悩みも、ここでは祭に参加できる選ばれし人になるわけですから。
しかもこのお祭り、公表なのか年に2回行われているそうです。ビー・ハッピー!



私たちも、出場資格がない頭なので実際には参戦できませんが、顔はめパネルにならハマれます。
スドウさんとかわりばんこに顔を出しました。
お互い髪の毛を見せないように、細心の注意を払いました!

その2に続きます。