風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

都心を離れて渓谷へ index

2019-04-12 | 東京
[2019.3.2]

◆ 鳩ノ巣渓谷 1 ←旅行記へ
 友人と、JRを三本乗り継いで、奥多摩に向かいました。
 自然の中で、渓谷沿いを散策します。
 いくつも吊り橋がありました。
  ● prologue ● 電車を3本乗り継いで ● 青梅駅レトロ
  ● 東京アドベンチャーライン ● 鳩ノ巣駅 ● はとのす荘
  ● 渓谷さんぽ ● 崖の上の水神社 ● 静かな駅前 ● 吊り橋巡り



◆  はとのす荘 2
 渓谷を散策した後は、宿に戻ってのんびり過ごします。
 温泉で体の芯から温まり、おいしい食事に舌鼓を打ちました。
 なにもしない、ゆっくりとした静かな週末でした。
  ● 大浴場は自家源泉 ● 宿のお勧めイタリアン ● 美肌の湯
  ● 温泉ふたたび ● 覆面座談会 ● 朝風呂とモーニング
  ● 東京マラソン ● チェックアウト ● epilogue




都心を離れて渓谷へ 2

2019-04-12 | 東京
その1からの続きです。

● 大浴場は自家源泉

渓谷の散策からホテルに戻り、部屋に落ち着きました。



広いバルコニーがありますが、そこでゆっくり過ごすにはまだ肌寒い季節ですし、花粉の季節なので、中から眺めるにとどめます。



部屋の花粉除去機能付き空気清浄機をオンにして出かけたので、戻ってきたら室内は快適クリーン。
もうくしゃみは出ません。



● 美肌の湯

夕食前にお風呂に入りに行きました。
ここには鶴の湯温泉という自家源泉が出ているので、滞在中3回は温泉につかる気満々です。

女性に嬉しい効能書きの、お肌がツルツルになる美肌の湯。
お互い、ここのところずっと忙しい日々が続いていたので、温泉の中でホッと一息。

露天風呂からは、渓流のせせらぎと奇岩・巨岩が見えます。
本当に、辺り一帯、自然しかない環境。



じっくり身体の芯から温まったので、浴衣に着替えます。
6種類の色と柄の中から、ルナちゃんは若草色、私は桜色を選びました。

● 宿のお勧めイタリアン

レストランに向かいます。食事もまたここの楽しみの一つ。
地元奥多摩の食材を生かしてシェフが腕を振るった、とても美味しいイタリアン。
いつかグルメなルナちゃんに食べてもらいたいと思っていました。



席に着き、本日のメニューをいただきます。
料理長は、以前来た時と同じJ-kobaさん。
期待でワクワクします。


アミューズ



アンティパスト



プリモ・ピアット



セコンド・ピアット



ドルチェ


コース料理は、どれも手の凝んだものばかり。
丁寧に料理の説明もして貰えます。

テーブルに並ぶとそれだけでハッピーになる美しさ。
「お誕生日おめでとう!」
たくさん食べましたが、何を食べてもすうっと素直に身体に入っていく感じで、全くもたれませんでした。

● 温泉ふたたび

食後、おなかが落ち着いてから、またもや鶴の湯温泉に入ります。
もう外は暗くなり、目の前の山も渓谷も見えなくなっています。
ここは泊まらずとも立ち寄り湯として利用できますが、夜の時間は宿泊客しかいなくなり、さらに静かです。

● 覆面座談会

部屋に戻って外を見ても、やはり真っ暗。
半年前には、ルナちゃんと一緒にザ・プリンスギャラリーの高層階から、宝石箱をこぼしたようなまばゆい都心のイルミネーションを眺めました。
ここは、いくら目を凝らしても、明かり一つ見えません。
夜空の星のまたたきがかすかに見えるくらいです。



2人で顔パックをして、お互いの白い顔をひとしきり笑い合ってから、覆面座談会ごっこをしました。
気の置けない間柄同士、普段から何でも話していますが、違う顔になったところでまた言えることがどこからともなく出てくる感じ。

パックの後にはベッドに横になり、マッサージ好きの彼女に、オイルマッサージをしてもらいました。
う~ん、極楽~。
誕生日の彼女にこっちの方がもてなされているわ~。

そうして、ゆっくりと静かに夜は更けていきました。

● 朝風呂とモーニング

辺りが静かなためか、夜はぐっすり。
翌日も、朝起きてからまっすぐ温泉に向かいました。
熱い湯船につかると、寝ぼけ眼も開いて頭がシャキーンとします。



湯上り状態で、レストランへ。
朝食も、地元の野菜をふんだんに使ったメニューです。







前日、たくさん食べたのに、消化が良かったようで、朝になったらちゃんとまたおなかが空いていました。
この食事もするりと身体に入っていきました。
期待通りの味。美味しくいただきました。

● 東京マラソン

食後、部屋に戻ってTVをつけると、カラフルな衣装を身に着けた人々が、楽しそうに走っていました。
ちょうどこの日は東京マラソンの日。
通行止めになった都心を、大勢のランナーたちが走り抜けていきます。
TVに映し出される光景は、どの角度から撮ってもビルだらけ。
「東京って感じね~」と、正反対の東京にいながら眺めます。

● チェックアウト

とことんゆっくり過ごして、チェックアウト。
すっかりのんびりできました。



小雨がぱらつく中を、駅へと向かいます。
小さな鳩ノ巣駅のホームにいるのは、同じタイミングで宿から出てきた宿泊客ばかり。
やはりみんな、ふわっとした服装で、これから登山をする人は誰もいなさそうです。





途中で一本になり、まっすぐ続く線路。
青梅駅までずっと単線です。



鳩ノ巣駅の鳩のマークは、アドベンチャートレインに合わせてつけられたシンボルマーク。
ということは、まだできたてなんですね。



やってきた上り電車はガラガラで、みんなで乗り込んでもまだまだ余裕がありました。
帰りは、行きと逆のルートを取り、またもや終点に着くたびにJRの路線を乗り換えていきます。



自然の中から乗った電車でしたが、車窓に移る景色にはどんどん家が増えていきます。
少しずつ、現実に戻って行く感じ。
またもや3本JRを乗り継いで、ゆっくりと人の多い場所へと帰っていきます。
集合した場所と同じ、にぎやかな武蔵小杉駅で解散しました。

● epilogue

日常に戻って思い返すと、夢のような静かな時間でした。
東京都下でありながら、自然いっぱいの環境に身を置いて、のんびりできた週末。
忙しい年度末に向けて、リフレッシュできました。
ルナちゃん、あらためてお誕生日おめでとう。またリフレッシュしに行こうね!



都心を離れて渓谷へ 1

2019-04-11 | 東京
● prologue

毎年お互いの誕生日を祝い合っている、友人ルナちゃんのバースデーが近づいてきました。
いつも都心のすてきなホテルにご招待してくれる彼女。
前回は、ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町のラグジュアリーフロアでした。
ゴージャスな夢の中にいるかのよう!

都会のホテルをほぼ網羅している彼女を案内するなんて、私にはとてもできません。
ということで、いつも郊外に連れ出すことにしています。
前回はひなびた感じの四万温泉(群馬)で、とてもいいお湯でしたが、外は一面すっぽりと深い雪に覆われており、旅館から一歩も外に出られませんでした。
今回は雪のないところにしようと思い、奥多摩を選びました。

● 電車を3本乗り継いで

出発地点は武蔵小杉。まずはJR南武線で終点立川まで向かいます。
車内は結構混んでいましたが、溝の口、登戸と大きな駅を超えていくごとに次第に空き、途中から座っていきました。
ぽかぽか日和なので、2人で眠って行きます。
終点まで行くので、寝過ごす心配がなくて気楽です。

立川駅に着くと、次はJR青梅線に乗り換えて、終点青梅駅に向かいます。
この辺りから、一気に自然が増えてきます。

青梅(おうめ)駅と青海(あおうみ)駅って、漢字で書くと紛らわしいですよね。
時々Zepp Tokyo(最寄は青海駅)へ行こうとして、青梅駅に来てしまう人がいるんだとか。
かたや都心の海沿い、かたや郊外の山の中。
環境があまりにも違うし、距離も離れているので、間違えた人は真っ蒼になることでしょう。

● 青梅駅レトロ

青梅駅で、次の電車を待ちました。
ホームとホームを結ぶ地下連絡通路の両壁に、昭和を代表するようなレトロな映画看板がかかっていました。


ヘップバーンとか、



鉄道員とか、



快傑黒頭巾とか、



ぽっぽやとか。


洋画と邦画が3点ずつ。どれも有名な作品ばかり。
映画館の上に飾られるものをすぐ側で見ると、かなり大きいものだと実感します。
青梅は映画看板で街おこしをしているんですね。

赤塚不二夫の漫画キャラクターのポスターも貼られていました。
赤塚氏は青梅出身ではありませんが、漫画家になる前は映画の看板を描いていたそうです。
そのため青梅市に協力しており、この町には彼の美術館があるそうです。



ホームには、木造のレトロな待合室がありました。
反対側のホームに、東京行の電車がやってきました。
東京駅から一本で、ここまで来られるのね~。

● 東京アドベンチャーライン

やってきたJR青梅線に乗り込みました。
去年の秋から、青梅~奥多摩間を走るこの線は「東京アドベンチャーライン」という愛称が付けられたそうです。
確かにこの辺りはもう、アドベンチャーゾーンだわ。





乗客は、登山スタイルの人が目立ちます。
みんな奥多摩の山を登りに行くんでしょう。
窓の外には、ダイナミックな山景色が広がっています。

● 鳩ノ巣駅

終点の奥多摩駅からふたつ手前の、鳩ノ巣駅で降りました。
一緒に降りた人たちは、割とふわっとした服装の人ばかり。
登山者ではなく、宿泊者たちだからですね。
おそらくみんな、一緒の宿に泊まるんでしょう。



駅に降りたとたん、ルナちゃんのくしゃみが止まらなくなりました。
「花粉がたくさん飛んでるみたい」
一気に木々に囲まれた自然の中に来たからですね。

● はとのす荘

そこで、とりあえずは落ち着かねばと、まっすぐ宿に向かい、チェックインしました。
駅から数分で着く、至近距離です。
自分の好きな柄と帯の浴衣を選び、館内では浴衣姿で歩き回って大丈夫。
楽ちんです。



今回やってきたのは、はとのす荘
2015年に開業した時に訪れて、すっかり気に入ったところです。

和洋室の部屋に入り、荷物を置いて、脚を投げ出す私たち。
「わあ、のんびりできるねー」
バルコニーから外を眺めると、目の前には山が、眼下には渓谷が流れる、ワイルドな地形。
この自然しかない環境で、週末を過ごします。

● 渓谷さんぽ

お茶を飲んで落ち着いてから、宿の近くの散策に繰り出しました。
ホテルの横から続く細い一本道をどんどん下っていくと、吊り橋にさしかかります。



橋を渡ると、ダイナミックな鳩ノ巣渓谷が目の前に広がります。



ほかに人はおらず、水の音しか聞こえません。
ここを訪れるのは渓谷をハイキングする人と、宿泊客くらいでしょう。



橋の上から見下ろした渓谷。迫力満点で絶景です。
春や秋には自然が華やかでしょうけれど、冬の寒さの残るこのシーズンは、人が少なくて落ち着きます。



こちらは逆方面。流れは多摩川です。
橋を境に、川の様子もがらりと変わります。



渓谷の上に建っているのが、はとのす荘です。



ゴロゴロと転がる巨岩づたいに水際の方まで行けますが、ルナちゃんは華奢なおしゃれ靴なので、それ以上ワイルドは目指しません。
橋を渡った辺りでUターンして、戻ります。

● 崖の上の水神社

吊り橋から見える白い建物。その右側のこんもりとせり出した崖に向かいます。



山からの湧き水が、あちこちで流れています。
水の豊かな場所です。



緑がうっそうと茂る小山に祀られている水神社をお参りします。



足元の悪い階段を昇り切ったところに、小さな祠があり、お参りしてきました。



祠がある場所は、断崖絶壁。
明かりも柵もない、夜には絶対に来たらダメな場所です。
今しがた渡ってきた吊り橋が見えました。



ギリギリ踏み込んで眺めてみると、すぐ下を渓流が流れていました。



● 静かな駅前

坂を上り、先ほど降りた駅に行きました。
駅には「東京アドベンチャーライン」の上り旗がかかっていました。



旗のそばに、近隣が描かれた木製の地図があります。



閑散とした駅前で営業中なのは、釜めし屋さんくらい。
バス停もありますが、数時間に1本という少なさです。



● 吊り橋巡り

別の道を下って、先ほどとは違う吊り橋を渡りました。
前回来た時にも、この橋の上から見える、小さな人専用の吊り橋が気になっていました。
あそこまで行けないかしら?



そのまま歩いていくと、犬を散歩していたおばさんが「こんにちは」と声をかけてくれました。
「こんにちは。下に見える小さな橋のところまで、行けるものでしょうか?」と尋ねてみました。

「行けるけれど、あそこは私有地なんですよ」とおばさん。
「夏には、キャンプをしに来る人が使っているけれど、普段は誰も通っていないみたい」
「そうなんですか。じゃあ行かないことにします」



公道でないのなら、行っても迷惑になるだけなので、あっさりあきらめます。
渓谷なので、どの道も起伏が大きく、なかなかのアップダウン。
ふんだんに飛び交っているだろう花粉も気になるので、散歩はそのくらいにして、あとはゆっくりしようと宿に戻りました。

その2に続きます。



大井町せんべろナイト index

2019-04-05 | 東京
[2019.3.1]

◆ 大井町 1 ←旅行記へ
 野毛の次は、大井町でのせんべろナイト。
 明るい駅前のすぐ横から、細いのん兵衛小路が続いています。
 昭和で時間が止まったかのような立ち飲み店をハシゴしました。
  ● prologue ● 奥深そうな大井町 ● 1軒目はいさ美寿司
  ● 昭和スタイル ● 晩杯屋、肉のまえかわ ● 2軒目は臚雷亭
  ● 立ち飲み中華料理小店 ● 謎の御婆灯 ● お魚sun



◆  大井町 2
 エリア内での次のお店探しは続きます。
 うずら料理のお店でからすみを食べました。
 野毛とはまた一味違う大井町のディープさを味わいました。
  ● 青竹平打ち中華そば ● 3軒目はうずら亭 ● からすみは青い鳥
  ● うずらの殻つき卵串 ● お魚sunふたたび ● ゼームス坂上さん
  ● うずら亭ふたたび ● epilogue




大井町せんべろナイト 2

2019-04-05 | 東京
その1からの続きです。

● 青竹平打ち中華そば

長ーい行列ができているお店がありました。
麺壱吉兆というお店のようです。



看板には巨大な文字で『青竹平打ち』小さく『中華そば』と書かれています。
『京都大原三千院』みたいな語呂。

青竹打ちといったら、佐野ラーメンの独特な製麺法。
たしかに食べてみたくなります。
小さなお店に入りきれない人たちが、寒い外でじっと待っていました。
見るからに人気店です。きっととてもおいしいのでしょう。



東小路や平和小路を、ウロウロ。
次はどこに入ろうかな~。
座れるお店がいいな~。

● 3軒目はうずら亭

平和小路にあるうずら亭の前で立ち止まりました。
「ここ、うずら料理を出してくれるお店なんですって」
「そう、席あるかな?」
ガラガラ・・・



店内は、品のいい落ち着いた雰囲気。
店主おひとりで切り回している、L字カウンター7、8席ほどの小さなお店です。
飛び込みで座れたらラッキーという規模で、ちょうど2席開いていました。
ラッキー!

うずら料理だけのお店ではなく、メニューにはいろいろありました。
ドリンクは、友はちょっと特別なキンミヤ。私はグレープジュースハイ。
コースターがファンシー!



「どの辺が特別なの?」と聞いてみると、「これはキンミヤを梅酒で割った梅キン。まあ焼酎の梅酒割りだね」と教えてもらいます。
ただ、その特別感が全くわからないゲコなので、「ふーん」としか返せません。
(聞いておきながら、反応が薄い!)
でも、おいしかったようです。



お通しは、磯辺巻きかと思いきや、ノリで巻いたねぎとろでした。
おつまみ5点盛り。珍味が出てきました。
からすみや辛子明太子、いぶりがっこをつまんで、「うーん、みんな辛いね」と言うと「酒のつまみだからね」との応え。
そうでしたね!



● からすみは青い鳥

「ねえ、からすみって何か知ってる?」と友人に聞かれました。
「えー、なかなか獲れない、貴重なイカじゃないの?」
「ブブー!ボラなんだよ」

ボラ!?
「えー、嘘でしょ?」
「本当だよ」

これまで、希少イカだと信じて疑わなかったのに、なんとボラ!
近くの川には、ボラがたくさんいて、時々トビウオみたいにパシャパシャ水面を跳ねています。
あれを釣ったら、からすみを作れちゃうんですね!

からすみのレアなイメージが、がらりと変わりました。
"幸せ"ならぬ"珍味"は、実はすぐそばにあったなんて、まさに『青い鳥』食べ物版だわ!
「でもからすみはボラの成魚じゃなくて卵だから、産卵期のメスからしか獲れないよ」
あ~!

● うずらの殻つき卵串

お店の名物は「うずらのカラ玉串」。
なんとうずらの卵を殻ごと焼いてあるものです。
「えっ、殻ごと食べるの?食べれるの?」
かなり躊躇していると、隣で友人は全く臆することなく、おいしそうに食べ始めました。
おお、勇者がいる・・・!
保身的な自分が小さいなあと感じました!



「あ、おいしいよ。パリパリいけちゃう」
言われて、ようやくおそるおそる口にします。
食べると、口の中でバリンバリン殻が割れて飲み込めないんじゃないかという予想に反して、びっくりするほど抵抗なく食べられました。
殻はたしかにありますが、むく必要はありません。
下茹でした卵を、柔らかくなるまでじっくりと焼いて作るのだそう。
香ばしく焼けていて、ちょっと歯ごたえのある新食感でした。



寒い日だったからか、けっこう鍋を頼んでいるお客さんが多かったです。

● お魚sunふたたび

お店を出て、「4軒目どうする?」と話をしながら歩いて行くと、先ほど入れなかったお魚sunの前に来ました。
再トライしようかと近づくと、またさっきの料理人おじさんが外でタバコ休憩していました。
「今度はどうですか?」
「あー、やっぱり今もいっぱいなんだよね~」
「じゃあまた今度にします」
「ごめんねえ、また来てね」

お魚sunには今回縁がなさそう。
ファーストトライですんなり入れるお店もあれば、再チャレンジしても入れないお店もあり。
すべてタイミングです。

いよいよ本格的に夜になってきて、どのお店も混み始めてきました。
気がつけば結構いろいろ飲んで食べているので、この辺りで解散することにします。



● ゼームス坂上さん

お互いほろ酔い状態での帰り道。
「ゼームス坂上」の交差点で信号が変わるのを待ちながら「ゼームスって、きっとジェームズだよね」と話します。

「ジェームズ三木みたいな感じ?」
「『澪つくし』!沢口靖子と川野太郎!」
「年がバレる!せめて『独眼竜政宗』と言って!」
「どっちもかなり古いから(笑)!」
何を話しても笑える、飲んべえ2人です。



後で調べたところ、明治時代に英国人のジョン・M・ジェームス船長(1839~1908)が住んでいたためついた地名だそう。

● うずら亭ふたたび

駅で解散し、東急線に乗って田園調布駅に来たところで、首元にマフラーを巻いていないことに気づきました。
酔っぱらっていて、気にならなかったのです。
バッグの中を見ても、ありません。最後に入ったうずら亭に置いてきてしまったのかしら。

(取りに戻ろうかな、それとも捨ておこうかな)と考えましたが、なんとなく気になるし、落とし物を見つけた人も困るでしょう。
解散が早く、時間に余裕があったので、戻ってみました。

あの細道が入り組んだ界隈にひとりで迷わず行けるかな?と心配でしたが、さっきまで歩いていた道なので、何とかなりました。
カラカラとうずら亭の入り口を開けます。
出てから30分ほどたっていましたが、中のお客さんはほぼ変わっていません。
あれ?という顔で、みんなに迎えられます。
わけを話すと、店長さんが先ほど私が座っていた席の辺りを探して見つけてくれました。

「わあ、どうもありがとうございます~!」
「あってよかったですね~!」と、お店の人たちも和やかでアットホーム。
店長さんに「気づかなくて済みません」と謝っていただいちゃいました。
めっそうもない!私がいけないのです!!!

私たちは一番端っこの席だったたのに、さっきいた客だとみんなわかっている様子。
常連さんばかりだったのかな?
うずら亭、また行きますね!ああうずら飼いたい。

● epilogue

先日、野毛でせんべろごっこをしましたが、大井町はまたちょっと違う雰囲気がありました。
野毛ほど広範囲ではありませんが、かなり都心に近いため、仕事帰りのスーツ姿の人が目立ちます。

そういった人たちと対照的な、大井競馬場帰りのような人々も、大勢います。
野毛にも場外馬券場がありますが、競馬場帰りの人たちは「一日よく闘ったぜ」的な濃いオーラが出ている感じ。



さらに、ビギナーが軽い気分で入ってはいけないような雰囲気のお店が何軒もあり、かなりディープでした。
野毛にも、踏み込んではいけないラインがあるとなんとなくわかりますが、土地勘のあるエリアなので、安心感が違います。
大都会、品川の隣の大井町に、こんな昭和の界隈があったとは。
なかなかの社会勉強ができました。