風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

野毛で吉田類ごっこ index

2019-02-20 | 神奈川
[2018.12.1]
◆  野毛 1-1 ←旅行記へ
 野毛デビューをしたい友人と一緒に向かった、夜の野毛。
 ガイドするつもりが、しっかり予習済みの友に案内してもらいます。
 ディープな都橋商店街に足を踏み入れました。
  ● prologue ● まずはぴおシティ ● 謎のカダソ
  ● 五の五 ● いよいよ野毛へ ● 都橋商店街
  ● スタンディング・ビアバー ● 長すぎる店名



◆  野毛 1-2
 次のお店を探して、野毛をフラフラ。
 途中でまんじゅうタイムも入ります。
 3軒ハシゴし、ほろ酔いのごきげんな気分で帰りました。
  ● 紫の長者橋 ● 夜の和菓子屋 ● まんじゅうタイム
  ● カジュアルな町感 ● 野毛 若竹弐 ● 帯刀と竹脇
  ● 無色のダバダ~ ● はしご酒ハイ ● 気になる階段 ● epilogue




野毛で吉田類ごっこ 2

2019-02-20 | 神奈川
その1からの続きです。

● 紫の長者橋

ふたたび野毛の町をうろうろ。
川沿いを歩いていくと、長者橋が見えてきました。
紫色にライトアップされて、やけにムーディー。
明るく車通りの多い日ノ出町駅前の大通りに出たところで、また薄暗い野毛の路地に戻ります。



どこを歩いているのか、もはやわからなくなっていますが、友人はばっちり頭に入っている様子。
初めての場所だというのに、迷いません。
飲み屋街慣れしている人はみんな、謎ののんべぇセンサーが働くんでしょうか。


手作り感あふれる野毛のマンホール


途中、「おでん旬彩 野毛八」をみかけました。
「そういえば野毛って、おでんが有名だったような」
とたんにおでんが食べたい気分になりましたが、このお店もいっぱいで、入れませんでした。

● 夜の和菓子屋

次に足を止めたのは、古めかしい和菓子店「もみぢ菓子司」。



えー?
だってここ、野毛の飲み屋街の真ん中ですよ。なぜ和菓子?
しかも、もう夜の9時過ぎています。なぜ開いているの?
ロケーションにも開店時間にも驚いてしまいますが、友人は「よし、和菓子を食べよう」と中へ入りました。
ほんとにー?



店先には、店主と思われるおじいさん。
70年以上の歴史を持つ、老舗のお店だそうです。
夜だからか、ショーケースに並べられた和菓子は結構売れています。
私たちに続いてやってきたお客さんは、箱で頼んでいました。

● まんじゅうタイム



売られている中から、栗まんじゅうを選びました。
中には大きな栗がごろんと入っています。
それほど飲んでいない私は、和菓子を食べるのもアリですが、飲み口の友人も大きな口を開けて、おいしそうに食べています。
どっちもいける口なのね。人生が倍豊かでうらやましい。
そういうお客がいるので、このお店は野毛の真ん中にありながら、ずっと続いているのかもしれません。



イッツ・ショウタイム、ならぬ饅頭タイム。
お酒のインターバルです。
栗まんじゅうをほおばりながら通りを歩きます。

● カジュアルな町感

それにしても若者が多く、おしゃれな店も多いです。
女子ばかりのワインバーのようなところもあります。
これまで抱いていた、怖くて物騒な町という野毛のイメージとはずいぶん違います。
限りなくアンダーグラウンドだった町が、いつの間にかメジャーになっていたのかもしれません。

どこのお店も混んでいます。
たまに空いている店もありましたが、そういうところは、完全にお客さんが無人だったりするので、ビギナーの私たちはやめておきました。

● 野毛 若竹弐

友人は、ひょうたんの提灯がかかった薩摩鶏の店「野毛 若竹弐」ののれんをくぐりました。
ちょうどお客さんが出たところで、中に入るチャンス。
席が整うまで少し外で待ちました。



大将が目の前で黙々と鶏の串を焼いているカウンター席に座ります。

● 帯刀と竹脇

薩摩といえば、この日友と会う前に参加した講演会で、薩摩の武士の話が出たんだっけ。あれはええと。。。
私「たいとう!」
友「えっ、なに?」
私「薩摩のお侍さん。小松たいとう!」
友「小松たてわきだよ」
歴史に詳しい友人に、さくっと訂正されました。
目の前にいた大将にも、聞こえていたはず。地元の名士をそんな呼び方をして済みません。恥ずかしーい。

私「たいとうといいながら、なぜか竹脇無我の名前を思い出してたよ」
友「たてわき」
私「たけわき」
友「アハハ!」
程良く酔いが回って、もうよく訳が分からなくなっています。

● 無色のダバダ~



店内を眺めて、友人はお品書きも見ずに「ダバダ火振(ひぶり)にする」と言いました。
「ダバダ~♪」
違いがわかる男のコーヒーしか考えられませんが、友のもとには茶色ではなく透明のお酒がやってきました。



「あそこに瓶が置いてあるよ」
瓶は、土佐の飲み屋しか注文できないんだとか。
友人は、鹿児島でなじみになった飲み屋の主人に頼んで、送ってもらっていたそうです。
ただその主人が亡くなられてから、入手できなくなったのだとか。
だからここで見つけて、喜んでいました。



ここではお通しも出ました。
白レバーや焼き揚げなどをオーダー。
3軒はしご酒をしているうちに、そこそこいろいろ食べました。



● はしご酒ハイ

満足したので、この辺りで、今回の野毛飲んべえめぐりは終了。

ダンジョンに思える桜木町駅地下を抜けて、弁天橋へ。
みなとみらいの夜景がきれいに見えます。
ただ、風がビュービュー冷たくて寒いー。あまり長居はせずに、桜木町駅へ向かいます。



● 気になる階段

二人ともそれぞれの酒量を得て、気分はハイ。
いつになく、ホームの階段が気になります。
ああ、天国への道に見える。。。私に上りなさいと誘いかけてくる・・・



「落とし物をした人は、上がるように」と書かれていました。
私の心を落としましたとかでもいいのかしら?(いいはずがない)

気になりますが、ホームにいるほかの人たちは、気にするどころか気づいているそぶりもありません。
みんなオトナー。
あるいはこの階段が見えていないの?
あれ、私にだけ見えてるのかな?じゃあやっぱり上らないと?

そうこう考えているうちに電車がやってきて、すっかり階段のことは忘れて、中に乗り込みました。

● epilogue

これまで夜の野毛は、ディープで危険な場所というイメージが強く、昼間に通ることがほとんどでした。
でもお客の年齢層は若く、予想に反してなかなかライトでおしゃれ。
友人は「寿町などが昔のようなドヤ町ではなくなったから、こっちの治安もよくなったんだろうね」との推理。
下戸でも雰囲気を十分楽しめました。

ところで後日、『吉田類の酒場放浪記』のサイトを観たところ、#248で紹介されているお店が桜木町の「若竹」で、立ち寄り店が「もみぢ菓子司舗」でした。

私たちが入ったのは、「若竹」2号店。
「すごい嗅覚だね」と友人に話すと「ちゃんと事前リサーチしたからね」と涼しい顔をしています。
そうだったのね。ガイドするつもりだったのに、最後まで案内されてばかりだった私。
ディープなような、ライトなような、ドキドキの野毛酒場放浪となりました。

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立ち寄ったお店

● 大衆酒場 五の五 ぴおシティ桜木町店

● ウナ カサ デ グビグビ エル ヌビチノ (Una casa de G.b. G.b. El Nubichnom)

● もみぢ菓子司舗

● 野毛 若竹弐


野毛で吉田類ごっこ 1

2019-02-19 | 神奈川
● prologue

先日、東京の友人に「野毛(のげ)で吉田類ごっこをしたいんだ」と言われました。
「私、飲めないけど、いいの?」と聞くと「いい」とのこと。
まだ野毛に行ったことがないので、デビューしたいそうです。

野毛とは、横浜にある一大飲み屋エリア。約500店の飲食店が軒を並べているそうです。
日中に静まり返った野毛の町をフラフラさ迷うことはありますが、夜の野毛って知らないんですよね。
暗くなってから一人で足を踏み入れてはいけない場所だと思っています。

まあでも友人の頼みとあらば、野毛を教えてあげようじゃありませんか。(えらそう)
ゴーゴー、バモス!
と、ほぼ何も知らない下戸ながら快諾したのでした。

● まずはぴおシティ

当日は、桜木町で落ち合いました。
「野毛はこちら・・・」と案内しようとしたら、「その前にここでイントロ~」と友が吸い寄せられていったのが、ぴおシティの地下の飲み屋街。



ビギナーというのにここに目をつけるとは、なかなかの目利きではありませんか。
ここは、ずっと前から変わらない、昭和の香りたっぷりのディープな場所です。



● 謎のカダソ

パーラー・カダソ?



いえ、花壇です。
小学生の頃、桜木町でピアノの発表会に出た帰りに、家族で入りました。



まだあるというのが、なつかしいやらうれしいやら。

● 五の五

「最初はここにしよう」と入ったのが、居酒屋「五の五」。
先月下旬にオープンしたばかりの、新しいお店です。



メニューを見ると、レモンサワーが4種類もありました。
漬けレモンサワー、凍らせたかちレモンサワーなど。
カンパーイ!うん、口当たりがよくておいしい。



ここで串とチューリップを注文。今年覚えたばかりのチューリップ。
「チューリップなんて、そうそう食べないでしょう」
「今年食べた…」
「えっ、どこで?」
「3月に京都の天下一品本店で」
「そいつはディープだな」



ここは明るくて、薄暗い路地裏感はありません。
お店の女性に店の名前の由来を聞くと「四の五の言わずに…って意味です」と教えてくれました。
「飲めってことですね、ハイ!」と嬉しそうに納得する友人。

食べ終わると「じゃあ次の店に行こう」とさくっと立ち上がりました。
通はこうやって数件のお店をはしごするそうです。
そうやってみんな、へべれけ千鳥足になっていくのね。

● いよいよ野毛へ



今度はいよいよ野毛に入ります。
「わー、銀星会みたいだね」
「なにそれ?」
「『あぶない刑事』だよ」
「古ーい!」
さぞ、くたびれたおじさんたちがクダを巻いているのかと思いきや、若者がたくさん。
女性も多く、町の雰囲気が変わってきているように思います。



そしてどの店も満席です。一軒一軒が小さいので、すぐに埋まってしまうんですね。
思いがけずオシャレ感さえ見える界隈に面食らう私たち。
いまいち気になる店を探せないまま、うろうろ。



● 都橋商店街

「ザ・野毛という感じのところに行こう」というリクエストを受けて、川沿いに立つ2階建て長屋状の都橋商店街にやってきました。



泣く子も黙る、都橋~!



2階を歩いてみましたが、どの店も満席の模様。
外から中が見えないところがほとんどで、別の意味でとっても敷居が高いです。
お店のドアを開けてみても、どこもお客さんでみっちり。
気にせずドアを開けれちゃう友人も、すごいです。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を地でやっています。

「せっかくなので、ここにある店のどれかに入ってみたいなあ」と友人。
ちょうど2人出てきたお店に入れ替わるように入店してみます。

● スタンディング・ビアバー

そこはビール専門店でした。
中は四畳半よりも小さめで、コの字カウンターになったスタンディング式ビアバー。
私たちは窓際に立ちました。



川を眺めて、乾杯~!
ドリンクメニューはクラフトビールしかありません。
メニューを開くと、それぞれのビールの説明が細かく書かれていました。
ビール好きにはたまらないお店ですね。



毎日替わるというクラフトビアメニュー。どれもとっておきみたい。
頼んだのは、「金鬼」とベルギービアの「トロピカルウィート」小麦とフルーツのダブル、だったかな?

おつまみは「粗野なチーズ」と「粗野なフルーツ」。
普通のチーズとフルーツもありましたが、それと比べてどのあたりが粗野なのかはわかりませんでした!

● 長すぎる店名

ちなみにこのお店の名前は「Una casa de G.b. G.b. El Nubichnom(ウナ カサ デ グビグビ エル ヌビチノ)」というそうです!
なんじゃそりゃー。グビグビハウス?
酔っぱらっていたら最後まで言えないー!



爽やかな川風にあたりながらビールを飲める、大岡川の前のカウンター。
ここ、特等席じゃないですか。
川向こうもネオンがギラギラ光っていて(そうだ、ここ野毛だった)と思い出します。

気づけばお店の中には人が増え、10人近くがひしめき合っていたので、出ました。
「さくっと飲んでハシゴする、これがいいんだよ」

飲んべえの楽しみ方ですね。一杯で十分な下戸の私にはできません。
でもまあ、ついて行くならいいでしょう。

都橋のビール屋という看板を仰いで、「あれ、都橋ってどこだっけ?」と聞く私。
「ここだよ!」
「あっそうか、新橋とか浅草橋みたいな地名かと思った」
さっきまで話していたのに、これですからね。
すっかりハイになっています。

その2に続きます。


京都・奈良 2018古都の秋 index

2019-02-01 | 近畿(京都・滋賀)
[2018.11.22-11.25]

◆ 京都 1-(1)(鞍馬) ←旅行記へ
 秋の京都へ。とうらぶ人気に圧倒されながら寺社巡り。
 叡電の観光列車に乗って、鞍馬に向かいます。
 山紅葉がきれいに色づいてしていました。
  ● prologue ● 朝 ● キオスクの新聞
  ● 車窓の富士山 ● さっそく町へ ● 豊臣神社ととうらぶ
  ● 方向寺の鐘 ● 耳のおはか ● けいはん
  ● 叡電ひえい ● 鞍馬駅の天狗 ● 鞍馬寺と虎
  ● 長い石段 ● 最短ケーブルカー ● 山紅葉の世界



◆ 京都 1-(2)(貴船)
 鞍馬寺をお参りした後は、山を下って貴船神社へ。
 水神様だけに、貴船にいる間、ずっと雨が降っていました。
 夜はお寺の宿坊に泊まり、懐石料理をいただきました。
  ● 鞍馬寺参り ● 魔王降臨 ● 登山ツアー
  ● にしんそば ● 叡電きらら ● 突然の雨
  ● 貴船神社 ● 縁結びの神様 ● ミリオンタイムズ
  ● お寺の宿坊 ● お寺の夕ごはん ● 京都修行道場



◆ 京都 2-(1)(東山)
 暗いうちから起きて、朝の護摩祈祷と等伯の国宝。
 建仁寺ではダイナミックな龍の天井画をあおぎます。
 鴨川も高瀬川も青空の下、さらさらと流れていきました。
  ● 容赦ないモーニングコール ● 朝の法要 ● 庭園の見学
  ● 食事の作法とあさげ ● バスでもみくちゃ ● 安井金比羅宮
  ● 建仁寺 ● 庭にわ ● 双龍の天井画
  ● 風神・雷神 ● レトロな通行人 ● 摩利支天
  ● えびす神社 ● 秋の川 ● 錦市場



◆ 京都 2-(2)(桂)
 青空の下、桂離宮の秋の庭園を参観。
 お茶屋で、つきたての麦代餅をいただきます。
 キラキラの南座を見て、宿に戻りました。
  ● 桂の町 ● 桂離宮へ ● 松琴亭 ● 園林堂
  ● 書院 ● 中村軒の麦代餅 ● I💛1010
  ● 南座リニューアル ● バスが混みすぎ ● 夕食



◆ 京都 3-(1)(東山)
 3日目も朝の勤行参加。同じようで、全てが毎日違います。
 福山雅治のビールのCMに登場した国宝絵画を鑑賞。
 黄泉の国に続く井戸を、こわごわのぞきました。
  ● 朝のお勤め ● 庭園鑑賞タイム ● ハートの石庭
  ● 僧侶それぞれ ● トップの門 ● 朝日スーパードライ
  ● 昭和な商店街 ● 六道珍皇寺 ● 黄泉の国への井戸
  ● 黄泉がえりの井戸 ● 六波羅蜜寺

 

◆ 京都 3-(2)(比叡)
 お寺に行くつもりが、なぜか女子大の文化祭へ。
 電車に遅れ、比叡山行きのバスを危うく逃すところでした。
 山の上から、琵琶湖の夜景を眺めて過ごしました。
  ● 同志社女子大文化祭 ● ラスボス的なお寺 ● 鳴き龍の天井画
  ● 宗旦稲荷 ● 細道を迷う ● 東博の展覧会
  ● 養源院の参道 ● 変わった観覧法 ● 京都のコナン
  ● 道路が動かない ● この旅一番のピンチ ● なんとかセーフ
  ● 延暦寺会館 ● 琵琶湖の夕暮れ ● 精進料理 ● 丹波の栗



◆ 奈良 4-(1)(西ノ京)
 延暦寺の朝の法要をすませて比叡山を降ります。
 京都ではロッカー難民となってしばし駅をさまようことに。
 カオスの京都から離れ、奈良の静けさに癒されました。
  ● 夜明けの琵琶湖 ● 朝のお勤め ● 精進モーニング
  ● バスで下山 ● ロッカー難民 ● のんびり奈良
  ● 唐招提寺へ ● 太鼓と鐘 ● 鑑真上人のお墓
  ● お宝とお経 ● 静かな秋



◆ 奈良 4-(2)(西ノ京)
 おいしい蕎麦とそばがきを食べて薬師寺へ。
 すいており、青空の下、じっくり見学できました。
 そして帰宅。天候に恵まれたいい旅でした。
  ● 奈良の蕎麦 ● 薬師寺の伽藍群 ● 北海道と奄美大島
  ● 西塔特別公開 ● 玄奘三蔵院 ● ひいきちゃん
  ● 京都へ戻る ● 柿の葉寿司 ● 富士山見られず ● epilogue




京都・奈良 2018古都の秋 4-2(西ノ京)Last

2019-02-01 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

● 奈良の蕎麦

唐招提寺を出て薬師寺へ向かう途中に、十割そば屋よしむらがあります。
人気だと聞いていたお店で、たしかに人が続々と集まってきます。



大人気で店内は人でいっぱい。少し順番を待ちました。
蕎麦がき好きの私は、ざる蕎麦と一緒に揚げ蕎麦がきを頼みました。
山芋が入っているような柔らかさでした。



見たこともないほどの細いお蕎麦です。



見た目に反してコシが強く、食べ応えがありました。



母はざる蕎麦と押し寿司を注文。
外ではあまり蕎麦を食べないという母も、満足の味だったようです。

● 薬師寺の伽藍群

歩いて移動し、駅を超えて薬師寺へ。
ここは法相宗の大本山で、西塔と白鳳伽藍・玄奘三蔵院伽藍と食堂の特別拝観も含めた共通拝観料は1600円。
なかなかのお値段です。



こちらは金堂。奥に見えるのが大講堂。
平城京跡に復元された朱雀門のような大迫力。



中門を護るのは二天王様。グリーン・ジャイアント!
よく見たら、緑なのは衣装だけのようです。



邪鬼好きの私は、彼の足元も見逃しません。
ミニ仁王のような邪鬼がしっかり踏みつけられていました。



● 北海道と奄美大島

お坊さんの法話が始まるというので、混ざって聞いてみます。
軽快でおもしろいお話。お坊さんって話し上手ですね。

集まった人たちは40-50名ほど。
さすがは観光地、いろいろな場所から皆さんやってきています。
私たちもまあ距離がある場所ですが、神奈川出身者はほかにもいました。
「北海道から」という人がいて、「わあ」と声が上がりました。
さらに「奄美大島から」という人がおり、「おお~」とみんなでどよめきました。
奄美大島より北海道の方が、奈良から遠い距離にありますが、レア度が違うということでしょう。

● 西塔特別公開

東塔は幌にくるまれており、修復中で見られません。
西塔は特別公開中なので、中に入ってみました。1981年に再建された、新しいものです。
(内部はよく五重塔にあるような、仏像伽藍があるんだろう)と思ったら、少し様子が違いました。
初層内陣には四方向を向いているブロンズ製の釈迦四相像が飾られていました。
悟りを開いた後のお釈迦様が生涯が表されていました。



砂利を踏みしめる大きな足音を立てて、修学旅行生グループが近づいてきました。
秋の観光時期と重なって、引率の先生方は大変でしょう。

● 玄奘三蔵院

それから伽藍の北側に移動して、1991年(平成3年)に建てられた玄奘三蔵院へ。



人が少ない・・・というかいない!
薬師寺は世界遺産なのに、こーんなに空いています。
おーい・・・!



● ひいきちゃん

入口の門の両脇の碑文を、亀が支えていました。
実はこれ、亀のようですが、贔屓(ひいき)といいます。
龍が生んだ、9頭の神獣のひとつとされています。

ヒイキちゃんは、重いものが上に載っているのが好きなんだそう。
それで石碑の台になっていることが多く、それは亀趺(きふ)と言われるそうです。

亀のようだけど贔屓で、これは亀趺・・・混乱する~。



前に訪れたときは落慶したてで、大勢の人が長い行列を作っていました。
今回も混雑を心配していましたが、人の姿はほとんど見かけず、ほぼ無人のままスムーズに観覧できました。



ここには日本画家の平山郁夫氏が30年かけて制作した13枚の大作「大唐西域壁画」があります。
母が以前訪れたときには、まだこの玄奘三蔵院はなく、平山郁男作品は、無造作に床に置かれていたそうです。
今では、彼の作品はしっかり建物内に厳重保管されていました。

● 京都へ戻る

予定の電車の発車15分前に見学し終えて、薬師寺を出ました。
5分前にホームに着きます。ぴったり。電車も遅れなくやってきました。

のどかな奈良から、喧騒のるつぼの京都へ再び戻ってきました。
終点の京都駅に降りると、人が一気に増えてぐったり。

「外に出たらすごいから、改札出る前にお土産を買って行くわ」と母。
いつもは、新幹線の構内でお土産を買いこむため、長い行列に並んで、発車時間を気にしながら長蛇の列に並ばなくてはなりませんでした。

今回は近鉄構内でおみやげと駅弁を購入し、スムーズにお買い物終了。
荷物をロッカーから出して、新幹線の改札に入りました。
京都の町には出ませんでしたが、新幹線ホームもあふれんばかりの人がいて、移動する人とぶつからにならないように気をつけなくてはなりませんでした。

● 柿の葉寿司

4時発ののぞみに乗って、ほっと一息。
指定席なので、あとはのんびりできます。



奈良帰りなので、柿の葉寿司をいただきまーす。
寿司といったら握りと答える関東人ですが、関西の押し寿司も好きです。



押し寿司といったら、やっぱりこれですね。
鮭とさばの2味を、すいすいいただきました。

● 富士山見られず

この日ののぞみはとても混雑しており、最後列だった私たちがふと後ろを振り返ると、席の背もたれと車両の隙間にひっそりと人が入っていました。
(うわ、近い!)とびっくり。
忍者のような静けさで、気配を感じませんでした。
会話が筒抜けの近さなので、変なこと言っていなかったかなと思い返します。
新幹線爆破計画の打ち合わせとかしていなくてよかった。

帰りも、夕焼けと富士山が見られるかなと期待して、頑張って起きていましたが、静岡に着く前に陽が落ちて暗くなり、富士山は闇の中でした。
新富士駅辺りから、フテ寝。
まあそれでも特に問題なく、無事に家に帰れてほっとしました。

● epilogue

今回は、長い間見たいと思っていながらもなかなかチャンスに恵まれなかった、秋の桂離宮の紅葉をようやく見ることができました。
全日天気のいい日が続いて、満足~。
貴船の辺りだけ雨でしたが、水の神様に歓迎してもらったということで。
脚が弱い母があきらめていたという鞍馬寺を、一緒に参拝できてよかったです。

それにしても、京都は混んでいました。
毎年この時期に京都を訪れていますが、年々混雑ぶりがハードになってきています。
人込みにもみくちゃにされた後で訪れた、奈良ののどかさがまた印象的。
お互い近い古都ながら、京都と奈良がこれほどまでに違うということを、身をもって知りました。