風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

紅葉を巡る4県の旅 index

2017-12-21 | 近畿(京都・滋賀)
[2017.11.23-11.26]
◆ 京都 1-(1) ←旅行記へ
 母と2人、秋の近畿旅行に出かけました。
 京都中心の喧騒を避けて、郊外の石清水へ。
 ロープウェーに乗って国宝の神社に行きました。
  ● prologue ● 大雨の出発 ● 虹が出た
  ● 京都の地下鉄 ● 鯖の棒寿司 ● エジソンの像
  ● 男山ロープウェー ● 七五三日和 ● 国宝・石清水八幡宮
  ● エジソンはどこ? ● 下りもロープウェー ● フシギな飛行神社



◆ 京都 1-(2)
 門前の走井餅屋で一服。京阪のラッシュ用ドアに興味しんしん。
 東福寺に向かう道すがらの紅葉の美しさに感激します。
 夜は静かに、南禅寺の宿坊に泊まりました。
  ● つれづれ草 ● 江戸の走井餅 ● 八幡市のマンホール
  ● ラッシュ用ドア ● 西日射す道 ● 東福寺の紅葉
  ● 駅にUターン ● ヅカでポー ● モダンな南禅会館
  ● 松花堂弁当 ● 夜は静かに



◆ 京都 2-(1)
 早朝、南禅寺のお勤めに参加して気分シャッキリ。
 青空によく映える二条城と庭園を見学しました。
 錦市場でおなかを満たし、巽橋で新婚さんパワーを浴びました。
  ● 朝のお勤め ● 国宝の清涼殿で ● 静かな時間
  ● 五観の偈 ● 大政奉還150周年 ● 3つの庭園
  ● 若沖の錦市場 ● ハモの串焼き ● 丹波の焼き栗
  ● 蛸薬師はどこ ● 愛の祇園巽橋



◆ 滋賀 2-(2)
 一般客として、南禅寺を見学。天気のいい日で、門の上からの見晴らしは抜群です。
 それから京都を離れ、滋賀へと移りました。
 三井寺の隣にある圓満院門跡は、私たち親子しかいない静かな場所でした。
  ● 南禅寺と南禅院 ● 方丈庭園ふたたび ● 紅葉のじゅうたん
  ● 南禅寺の三門 ● 成田山のお守り ● 滋賀県入り
  ● 宿泊は2人のみ ● 圓満院門跡 ● お寺にジョーバ



◆ 滋賀 2-(3)
 紫式部ゆかりの石山寺で、盛りの紅葉を堪能。
 三井寺のライトアップは幽玄の美に満ちていました。
 夜は精進料理のコースに舌鼓を打ちました。
  ● 秋の石山寺へ ● くぐり岩と鯉 ● 紫式部とムラサキ
  ● 紅葉たけなわ ● 瀬田の唐橋 ● 見えた気がする
  ● レトロな京阪線 ● ゼゼ駅 ● 石山寺から三井寺へ
  ● 夜間ライトアップ ● 三井の晩鐘の響き ● 弁慶の引き摺り鐘
  ● 三重の塔 ● 幽玄の美 ● ライトアップ独り占め
  ● 精進料理コース ● 信長こんにゃく ● 湯葉から豆腐へ



◆ 滋賀 3-(1)
 朝のお勤めを済ませ、疎水沿いに琵琶湖に向かいます。
 青空の下、遊覧船で琵琶湖一周島めぐりの旅へ。
 住民はいても自動車のない、小さな島に上陸しました。
  ● 早朝のお勤め ● 朝焼けの琵琶湖 ● 疎水沿いに波止場へ
  ● フェリーターミナル ● 大きな蒸気船 ● びわ湖の島めぐり
  ● 最後の運行 ● フェリーは大盛況 ● 近江八景・浮見堂
  ● 琵琶湖アンダーザブリッジ ● お水はタダじゃない ● 沖島に上陸
  ● 奥津島神社 ● エビエビエビエビエビ・・・ ● 魚屋の飛び出し坊や
  ● 乗用車のない島 ● 最長老のお見送り

 

◆ 滋賀 3-(2)
 琵琶湖の上で、土地の味覚のお弁当をいただきました。
 葦笛の演奏を聴きながら、聖なる竹生島に渡ります。
 長浜に上陸し、お城の上から町を見渡しました。
  ● 湖上の岩 ● ランチ・オン・ザ・レイク ● 葦笛コンサート
  ● 聖なる竹生島へ ● 日本三大弁天さま ● 宝厳寺の観音さま
  ● 波止場へ急ぐ ● 長浜港着岸 ● 長浜のマンホール
  ● パノラマ天守閣 ● 豊公園の紅葉 ● 冬の3サル



◆ 滋賀 3-(3)
 黒壁の建物が多い、落ち着いた長浜の町を散策。
 昔の街並みが保存され、曳山の熱気もありました。
 琵琶湖の夕暮れの景色は、忘れられない美しさでした。
  ● 黒壁スクエア ● タロウかシロウか ● 長浜の曳山祭
  ● 石田三成の里 ● 北国街道 ● グルメが続く
  ● 明治期の建築物 ● BILLという名のビル ● 出会いは長浜
  ● 日本最古の旧長浜駅 ● 名勝の庭園 ● 琵琶湖夕景
  ● 近江牛の夕食 ● 太閤温泉



◆ 岐阜 4-(1)
 4日目は、滋賀から岐阜に移動しました。
 関ヶ原を通り、樽見鉄道に揺られて山の奥へ。
 百観音巡りの最後のお寺を参拝しました。
  ● 朝の北陸本線 ● 関ヶ原駅 ● 一両の樽見鉄道
  ● 淡墨桜と作家 ● 谷汲口駅 ● 大きな仁王門
  ● 台風の爪痕 ● 巡礼最後の満願寺 ● 百観音コンプリート
  ● 栗ぜんざいと鬼饅頭 ● たわわな柿 ● 山の中の駅
  ● 鮎のつり革 ● 織部の里 



◆ 愛知 4-(2)
 芭蕉ゆかりの水路を渡って大垣城を見学します。
 山頂の岐阜城を眺めながら愛知に入り、熱田神宮を参拝。
 名古屋から帰宅。天気に恵まれた楽しい秋の親子旅でした。
  ● 水の郷大垣 ● 大垣のマンホール ● 大垣城ウォーク
  ● アーケードとナンデモヤ ● 愛知入り ● 熱田神宮へ
  ● 巫女さんの鈴祓い ● 3番目の大楠 ● 名古屋のマンホール
  ● レトロなビルヂング ● 帰りは名古屋から ● 旅のおみやげ ● epilogue





紅葉を巡る4県の旅 4-2(Last)

2017-12-21 | 中部(東海)
その1からの続きです。 

● 水の郷大垣

樽見鉄道の終点、大垣駅に戻ってきました。
一両列車に一緒に揺られてきた乗客たちは、ここで電車から降り、それぞれに分かれていきます。
私たちは、駅の周辺を少し散策してみようと、観光案内所にお城への道を聞いて歩き始めました。



途中、お堀から作った水門川を通ると、芭蕉の句碑がありました。
ここは芭蕉が約150日間かけた「おくのほそ道」紀行を終えた場所。
最後にここで詠んだ句は「蛤の ふたみにわかれて 行秋ぞ」でした。

大垣は豊富な地下水が湧き出るところで、町のあちこちに湧き水スポットがありました。
名物の水まんじゅうを食べたかったのですが、夏のスイーツだそう。
もう売られていなくて、残念ー。

● 大垣のマンホール



水都大垣が描かれた、カラーのマンホール。
水門川を渡る船と住吉灯台、手前に市花のサツキがデザインされています。
夢がありますね。

● 大垣城ウォーク

駅からまっすぐ歩いて行くと、じきにお城が見えてきました。
関ケ原の戦いで、西軍・石田三成の本拠地になった場所です。
東門から城内に入ります。



旧国宝に指定されていたかつての大垣城の天守は、昭和20年に戦火で焼失してしまいました。
現在のお城は昭和34年(1959年)に再建されたものです。



4層の天守があるのは全国的にも珍しいのだそう。
ほかには大洲城や尼崎城。
尼崎城は、来年の夏に復元されるそうですよ。



ここから東軍が陣をおいた勝山(岡山)までの距離は約5キロ。
かつては天守閣からお勝山を見ることもできたそうです。



お城の横にあったのは、ビリヤード会館。
向かいの建物には、猿岩石の出した歌のポスターが貼られていました。(いったい何年前のもの?)
なんかもう、全てがレトロ。

商店街のあちこちに「城と城を結ぶおおがきハーフマラソン」のポスターが貼られていました。
もうすぐ、お城 to お城のマラソンが行われるようです。



大垣には大垣城と墨俣一夜城と二つあって、いいですね。
お城がない横浜に、ひとつ分けてほしーい。

● アーケードとナンデモヤ

駅前は大きなアーケードなのに、ほとんどがシャッター街。
アーケードを向かい側から見ると、屋根の上に階段がついていました。
なぜ?点検用にしては数がたくさん。ひなたぼっこでもするの?



ナンデモヤというお店がありました。
金物を中心に、お店には商品がぎっしり。
たしかにナンデモ売っているようでした。

駅に戻り、東海道線の豊橋行き快速電車に乗りました。
前はムーンライトながらなどの夜行電車があって、大垣まで来れたんですよね。
青春18きっぷを使わないでいるうちに、ムーンライトながらは定期便ではなくなってしまいました。
臨時列車として出ているようなので、まだチャンスはあります。
でも、なにごとも、やれるときにやっておかないといけませんね!

● 岐阜城は山のてっぺん

途中、岐阜城が見えました。
「あそこにあるわよ」
「え、どこ?」
「ほら、山の上」



母に教えてもらって、ようやく気が付きました。
あーんな山の上に!
絵に描いたような、トップ・オブ・ザ・マウンテン。
昔の人はよーくあんな不便なところに建てたものですね~。びっくり。

かなり拡大してみましたが、それでもちんまり。
母に教えてもらわなければ、気づかずに通り過ぎてしまっていたことでしょう。



3歳くらいの頃に家族旅行で訪れましたが、金華山のロープウェーのところにリス園があったことと、お城帰りに疲れて父におんぶしてもらったことしか覚えていません。
あそこまで登ったなんて~。下から見上げてあらためて驚きました。

● 愛知入り

東海道線で、岐阜から愛知に入りました。
この旅4つ目となる県です。
名古屋駅で東海道線の普通電車に乗り換えて、3駅目の熱田へ。

「名古屋では何を見る?」と母に聞いたら、リクエストされたのが熱田神宮。
名古屋城かと思いましたが、「お城には前に行ったから」とのこと。
たしかに私が小さい頃のお正月の家族旅行で、岐阜のほかに名古屋を訪れ、どちらのお城も訪れました。
金のしゃちほこが怖くて、泣きじゃくったことを覚えています。(今でもなんか怖い)

その時にも、母は熱田神宮に行きたかったそうですが、父に「お正月の参拝客で娘がつぶれるよ」と言われてあきらめ、その後ずっと機会がなかったそう。
私も初めてです。
思えば、名古屋にはほとんど縁がありません。
そのため旅の印象もあまりなく、静岡の次は三重になっちゃいます。
きしめんもういろうも好きなのに、どうしてかしら~?

● 熱田神宮へ

JR熱田駅を降り、車道に出ると、すぐに神宮の敷地が見えます。
でも、門がある場所まで10分ほど歩く必要があります。
ここもシャッター買いが続くアーケード。
旅の最終日ともあって、母も私も結構疲れがみえてきており、言葉少な目に歩いていきます。



駅寄りの東門から境内に入りました。
敷地の広さと荘厳な雰囲気は、京都御所や明治神宮のようです。



11月の晴れの休日なので、境内はきれいに着飾った七五三の子どもたちが大勢いました。
初参りの赤ちゃんもいて、にぎやか。



とうとう参拝できました。
母も感激しています。



● 巫女さんの鈴祓い

巫女さんが紅白幕の中に立っていました。
鈴を鳴らしてお祓いをしてくれるようです。
金額は志納。



初めて見るので、元巫女として興味津々。
かつて鳴らす側でしたが、鈴祓いは神楽舞で行われ、こんな風に参拝者と直接対面してお祓いすることはありませんでした。
独特の風習を持つといわれる名古屋なので、参拝法もなにか違うのかしら?
それとも天下の熱田神宮だから?もしくは今のトレンド?



遠巻きにして見ていると、結構大勢の人がお祓いしてもらっていました。
特に若目の人が多かったです。

● 3番目の大楠

参道の横に、しめ縄をつけた大きな木がありました。
弘法大師のお手植えといわれる御神木のクスノキ。
熱田神宮には、大楠が7本あり、これはそのうちの3番目の大きさなんだとか。
幹周7.70m、樹高20mだそうです。

そばには桜が咲いていました。十月桜でしょうか。



熱田神宮境内に生えている木々は常緑種が多く、紅葉している木はあるものの、それほど多くはありませんでした。
まあ、その代わりに秋の桜が見られたから、よしとしましょう。
三種の神器の一つ「草薙の剣」の神様をお参りできて、ほっとしました。

● 名古屋のマンホール

名古屋のマンホール。これは下水道供用開始100周年記念デザイン。
この橋は堀川にかかる納屋橋だそうです。



もっと気になるのは、このデザイン。
虫?あめんぼう?笑ってる~。



あとで調べたら、やっぱりアメンボ(ミズスマシ)でした。
水道局のキャラクターだそうです。



四角いのにはお城とシャチホコがついています。
ようやく名古屋城デザインのものがありました。

● レトロなビルヂング

再びJRの熱田駅まで戻ります。
途中、怪しげな建物を見つけました。



「電波学園 メディアセンター」と書かれています。
かもし出される昭和感。ウルトラマンセブンの舞台に使われそう。
でも、画像検索すると、きれいな建物の画像ばかりヒットして、ここまでレトロなものは出てきません。
おかしいなあ。本当にこんな感じだったんですが。その瞬間、私だけ昭和にスリップしたのかしら。

● 帰りは名古屋から

熱田から名古屋駅へ向かいます。
少し早めに行って、構内の売店でお土産と駅弁を購入。
夏に三沢に滞在した時には、八戸で在来線から新幹線に乗り換えるのがギリギリになってしまい、何も買えずにおなかがすいたので、今回はその教訓を生かしました。

4時半に名古屋を出発。帰りの新幹線では、指定席が満席だとのアナウンスが入りました。
秋の連休最終日の夕方なので、どの線も混んでいます。
食事にもお茶にも半端な時間帯ですが、ランチを食べ損ねた私たちは気にしません。
さっそくいただきまーす!
母はわっぱめし、私はとろとろ玉子とカツのお弁当。
うまうまでした。



次の停車駅がもう新横浜。名古屋からノンストップで着くため、あっという間です。
4日ぶりに新横浜に戻ってきました。
なんだかずいぶん留守にしていたような気分。
そこからは車でしたが、4日間歩き続けていたため、帰宅した時には、足が棒のようになっていました。

● 旅のおみやげ

今回は、滋賀と岐阜メインでお土産を買いました。
なんといってもヒットは、沖島の「えび豆」。
まずは、琵琶湖遊覧船のお弁当に出たものをご覧下さい。



「まめまめまめまめまめ、えび」ですね。
ほかで売られていたエビ豆も、すべてが豆豆豆豆・・・エビ。
ほとんど豆しか見えませんでした。

そしてこちらが、沖島で買ったもの。



中身は、じゃーん。
海老ばっかり!



こちらは「えびえびえびえびえび、まめ」ですね。
これは嬉しいえび豆です。
二つが同じ名前の食べ物とは、とても信じられないくらい。

「ガイドさんが熱心に勧めるだけあって、買いの逸品だったね~」と、母子でニコニコ。
えび豆を知る滋賀出身の人にあげたら、驚かれてとても喜ばれました。



長浜では、堅ぼうろというお菓子。
TVで「日本一堅い食べ物」の一つとして紹介されていました。
「すごく堅い」「本当に堅い」と売り場に必ず書かれているので、どれほどなんだろうと気になりながらも、あちこちに持っていき、結局自分の口には入りませんでした。
なので堅さは謎のまま~。どれだけ歯が立たないんでしょうね~。



あとは名古屋で、母はゆかり、私は栗ういろう。
トランクがパンパンになりました。

● epilogue

紅葉を見ながら京都・滋賀・岐阜・愛知と東進して、4日間で4つの県を訪れた今回の旅。
予想はしていたものの、毎日かなりの距離を歩くことになりました。
普段あまり歩かない母の体力が心配でしたが、旅から帰った母はいたって元気。

逆に私の方が、旅程を無事に終えたという安心からか、どっと疲れにおそわれました。
百観音巡りを終えた気の緩みからか、風邪気味になった私をしり目に、翌日いそいそとボウリングに出かけていった母。
「筋肉痛?どこもないわよ」
あれ、おかしいな~。
まあ元気で何よりです!

紅葉を見ながらの移動の旅は、思い出深いものでした。
天気がよくて元気なら、楽しい旅になりますね。
また旅に出るためにも、これからも健康第一でまいりましょう。
今年の旅はこれでおしまい。冬は丸まって家でのんびり過ごしまーす。


紅葉を巡る4県の旅 4-1

2017-12-20 | 中部(東海)
3日目からの続きです。 

● 朝の北陸本線

11月26日。旅の最終日になりました。
6時に起床。宿坊ではないので、朝のお勤めはありません。
朝温泉に入りに行くと、先客が2人いました。

この日は岐阜へと向かいます。
朝食をとり、8時半にチェックアウト。
いい天気。青空を背に長浜城がそびえていました。



シックなステンドグラスが埋め込まれた長浜駅から北陸本線に乗り、南へ向かいました。
東側の窓から朝日が射し込み、車内がまぶしく輝きます。
電車からヤンマーミュージアムの建物が見えました。

ほどなくして、湖畔に立つ巨大な銅像が見えてきました。
こういう場合、湖を眺めていそうですが、その像は湖に背を向けて、こちら側を向いています。
高さ28mの、長浜びわこ大仏だそうです。
120mの牛久大仏にははるかに及びませんが、18mのガンダムよりはずっと大きいです。

次に、中華鍋を逆さにしたような巨大なドームが見えてきました。
前日の琵琶湖フェリーから見えた、長浜ドームでした。
湖畔にはいろいろビッグなものがあるんですね。
走る電車の中からだったので、写真は撮れませんでした。

米原で東海道本線に乗り換え、大垣へ向かいます。
東に方向転換したため、朝日の射し込む向きが変わりました。

● 関ヶ原駅

滋賀から岐阜に入り、岐阜県最西端の駅、関ヶ原駅に着きました。
近江の国よ、さようなら~。美濃の国よ、こんにちは~。

いつも新幹線で通りすぎるばかりで、この駅に停車したのは初めて。
関ヶ原といったら、天下分け目の戦い。
戦国ファンが目指す場所です。
この駅のコインロッカーに武将たちの家紋が描かれているというのは、歴史好きにはよく知られるところ~。

ホーム沿いに大きな横広の看板があり、関ケ原の合戦で戦った、東軍西軍の主な武将たちの家紋と名前が一堂に並んでいました。
わあ、これは撮らなくちゃ!



「夏草や兵どもが夢の跡」と芭蕉が詠んだのは、夏の平泉でのこと。
秋の関ヶ原だっていいだろうと、その句を思い出しながら、古戦場をあとにしました。

● 一両の樽見鉄道

大垣駅に着きました。ここから樽見鉄道に乗り換えます。
目指すは華厳寺という、西国三十三所のお寺。
ここからローカル線に乗り、さらにバスを乗り継いで山の中へと入っていきます。

樽見鉄道のホームはどこかなと探すと、JRのホームを間借りするように、端の方にちょこんと停まっていました。
大垣駅のロッカーに荷物を預けるつもりでしたが、改札を出ずに乗り換えになるため、近くにロッカーはありません。
「じゃあ、降りる谷汲口駅のロッカーに入れよう」と母と話していると、発券売り場の人に「無人駅なので、ロッカーはありません」と言われました。
「えー、どうしよう」
発券売り場の人は「平坦な道なので、荷物があっても大丈夫でしょう」と言います。
(そうかなあ。山の中にあるお寺はそんなに甘くないのでは)と思いながらも、発車時間が刻々と近づいているため、そのまま持ち運ぶことにしました。



一両編成のワンマン運転。
母が「車両の中に電光板の料金表示があるのね。バスみたい」と珍しがっています。
「田舎に行けばけっこう見るわよ」
四国の電車を思い出しました。

出発時刻になると、電車の中は乗客でぎっしり埋まり、立っている人も大勢いました。
「次は二子玉川(ふたこたまがわ)~」みたいな駅名のアナウンスがあったので、駅名を確認すると「北方真桑(きたがたまくわ)」でした。
ふたこたまがわ、きたがたまくわ。マイクを通すと、けっこう似て聞こえるんですよ~。

乗客の年代は幅広く、老いも若きもいます。
みんな私たち親子と一緒に華厳寺に行くのかなと思っていましたが、途中の「モレラ岐阜」駅で、乗客の半数が下りていきました。
10代の学生たちは、全員降りました。
駅のそばには、郊外イオンのような大きなショッピングモール。あれがモレラのようです。
まだ朝なのに、みんなここに繰り出して、一日遊ぶんでしょうね。
あたら花の青春をね~。まあそれも青春ですけど。

● 淡墨桜と作家

車両内は、一気にシニア度が増しました。
残っているのは、華厳寺に行く人たちでしょう。
電車は、ますます自然豊かな奥の方へと入っていきます。
「この辺りの桜は、淡墨桜として知られているのよ」と母が言いました。
「伊勢湾台風で桜の木が大被害を受けた時に、宇野千代が働きかけて、復活させたのよ」
へ~、宇野千代が桜が好きで、桜モチーフのグッズを出していることは知っていましたが、実際にそういう活動もしていたとは。
「色ざんげ」の作家と言うイメージでしたが、立派だわ。



単線列車なので、本巣駅でしばし停車し、反対側から来る電車を待って、すれ違いました。
この駅に、樽見鉄道の会社もあるそうです。

電車の外一面に柿がたわわになっています。
岐阜は、日本で5本の指に入る、柿の一大産地だそうです。



本巣駅を過ぎると、ぐっと民家は減り、電車は自然の中へと入りこみます。
「遠くへ行きたい」の素朴なメロディが頭の中を流れ始めます。

● 谷汲口駅

谷汲口駅に到着すると、私達を含め、車内のほとんどの人が降りました。
なにもない無人駅の前に、華厳寺行きのバスが一台、ぽつんと待っており、降りた人は改札を出た順番のまま、全員が乗りこみます。
10分も乗らずに、終点に着きました。
バスを降りてから先の道のりは、事前によくわかっていませんでした。



そこからお寺までは、門前町の通りが続いています。
ゆるやかな坂道を、ガラガラとキャリーを引いていきます。
ほかにもキャリーを引いている人がいて、ちょっと仲間意識。

● 大きな仁王門

門前町の通りはけっこう長く、10分ほど歩いて仁王門に到着しました。
古くて立派です。



仁王像はそれほど大きくありませんが、運慶作といわれているそう。
門を抜けてからも、さらに石畳の道が続きます。



紅葉で黄色や赤に染まった、きれいな参道。
辺りの景色を楽しみながら向かいます。



参道の落ち葉も、黄色と赤が混じってカラフル。



本堂が近くなると、とたんに参道は急な石段となりました。
やっぱりそうですよね。だって山中の古刹ですもの。



ここは、西国三十三所の満願寺であるとともに、私にとって百観音巡礼の最後となるお寺でもあります。
どんなに坂がきつくても、ラストの観音様にお祈りしなくては!
謎のパワーと共に、ハーハー息を荒げながら登り、参拝しました。

● 台風の爪痕

本堂横の鐘楼の前に大木が倒れたままになっていました。
大変な状態のままの光景に驚きます。
先月の巨大台風によるものだそう。



岐阜は、台風があまり上陸しない県と言われていますが、ここまで大きなことになるなんて。
それでも大木が鐘楼に直撃せず、鐘楼の石段が少し壊れた程度ですんだのは、不幸中の幸いです。
倒木の角度によっては、本堂も破壊されていたかもしれません。
きっと観音様パワーですね~。ゴゴゴ・・・。





やはり寺社には秋が合いますね。趣深さ抜群です。

● 巡礼最後の満願寺

このお寺の御朱印は3種類ありました。
本堂(観音堂)・満願堂、笈摺(おいずる)堂を参拝した証で、現世・過去世・未来世の印だそうです。トリロジー。
そんなわけで、本堂で御朱印を頂いてから、満願堂と笈摺堂に向かいます。



西国巡礼最後の満願寺なので、巡礼者たちがこれまでまとっていた自分のおいずる(巡礼用白衣)を脱いで奉納する笈摺堂。
その他にも、金剛杖や草鞋などがびっしりと奉納されていました。
カラフルな色は千羽鶴です。



それからさらに石段を上り、本堂の奥の小高い場所にある満願堂へ。



ここで、参拝の納め札を納めました。

● 百観音コンプリート

これでとうとう、私の百観音巡りが終了しました。
夢の百観音コンプリート。
石段を踏み外さないように気をつけながらも、頭はぼーっとしています。



ここ数年間、こつこつと参拝し続けてきたため、もうその状態に慣れきっていて、全部制覇したという実感はまったく沸きません。
でも、達成感は少しずつ、じわじわと押し寄せてきます。



帰りの参道も桜並木の紅葉がきれい。
どこもかしこも明るく輝いていて、満願を祝福してくれるようです。



西国三十三所の地図。改めて眺めても、やっぱり広いですねえ。
一つ一つ思い出していくと、どっと疲れが出て動けなくなりそうなので、まだポーッとしたままでいます。



ではここで喜びの舞をひとつ(笑)。
この辺りの谷汲踊(たにぐみおどり)の格好。
地元の若人が、4mの竹で鳳凰の羽をかたどった重さ5㎏のシナイ(竹飾り)をせおい、太鼓を叩きながら踊るそうです。
迫力あるでしょうね。見てみたい~!

● 栗ぜんざいと鬼饅頭

途中の茶屋に入りました。
満願祝いだといて、母に栗ぜんざいや鬼饅頭をごちそうしてもらいました。
いただきまーす。右は、西国巡礼用のヒノキの御朱印帳です。



鬼饅頭は、名前の重さとは反比例するような軽い食感の蒸しまんじゅうでした。
私は紫芋、母はヨモギと安納芋。



それでもまだ実感が湧きません。
ただ、参道のお店に巡礼用のおいずるが売られているのを見て、(もう縁がなくなったな)と少し寂しい気持ちになります。

● たわわな柿

参道には、柿がたくさん売られています。
先ほど、鉄道に乗りながら眺めた、広大な柿農園を思い出します。



どれもおいしそうー。でも重さを考えて、買うのはやめておきました。
そろそろお土産も増えてきたことですしね。



揖斐川町のマンホールは、天然記念物のギフチョウ。
子供の頃にまるっと覚えた名前なので、岐阜の蝶だとは考えませんでした。

● 山の中の駅

帰りのバスを待って、乗り込みました。
行きのバスで一緒だった面々と再会します。



途中、車内から谷汲昆虫館と名鉄(名古屋鉄道)の旧谷汲駅が見えました。
旧駅ホームが今ではそのまま電車の博物館になっており、外に赤い電車が保存されています。
昆虫館には、もちろんギフチョウがいるそうです。

● 鮎のつり革

終点の樽見鉄道谷汲口駅に着き、先ほどと逆の下り鉄道を待ちます。
とはいえ単線なので、ホームは降りたところと一緒。
一日5本しかこないため、貴重です。



帰りの車両は、観光列車でした。
何が違うのか、すぐにわかりませんでしたが、よく見るとつり革が鮎の形をしていて、ゆらゆら揺れます。
空飛ぶ魚のようで、かわいいです。



帰りはワンマンではなく、観光列車をPRする社員、老人福祉のパンフを配る人、そして車掌さんのスリーメン体制でした。
本巣駅に着くとそのうち2人が降り、車掌さんのみのワンマンに戻ります。
またもやここで反対の電車と交差するために時間調整が行われ、5分待ちます。

帰りはやはりみんな明るい雰囲気。
巡礼地をひとつ訪れたという達成感があるし、行きとほぼ同じメンバーなので、なんとなく見知った感がでてきたところもあります。

● 織部の里

途中の織部駅に到着しました。
安土桃山時代に信長と秀吉に仕えた茶人、古田織部の出生地(本巣市)です。
へうげもの~。



この駅は「道の駅 織部の里もとす」のためにできたそう。
順序が逆ですが、モレラ岐阜駅もきっとそうだし、まあ気にしない。
織部焼の好きな母は「古田織部ゆかりの地ね」と喜んでいました。

その2に続きます。



紅葉を巡る4県の旅 3-3

2017-12-18 | 近畿(京都・滋賀)
その2からの続きです。

● 黒壁スクエア

長浜駅の観光センターで、お勧め散策ルートを教えてもらいました。
まずは黒壁スクエアへ行ってみます。
わあ、レトロなお店。



黒漆喰塗りの建物が多い、黒壁スクエア。
さすがは滋賀。飛び出し坊やがいましたよ。



このお店は、店先に柿を干していました。
軒先に柿を干している家ならよく見かけますが、店の前だと、目の前に柿がぶら下がっていることになります。
う~ん、アンパン競争みたいに、口を開けて食べちゃいたーい!(でもまだ渋ーい)
しばらく干していたら、おいしい枯露柿になるのでしょう。



分厚い蔵を持つ黒壁ガラス館本館は、旧百三十銀行の建物で、登録有形文化財です。
リノベーション後は、黒壁スクエアの中心的なおしゃれスポットになっています。



● タロウかシロウか

この界隈全体がにぎわっていますが、京都のような殺人的な混雑ではなく、めいめいがストレスなく楽しめています。
等身大に近いリアルなフィギュアが立っていました。
海洋堂フィギュアミュージアム黒壁
世界初のフィギュア専門のミュージアムだそうです。
海洋堂すごいよ海洋堂。



中が気になりますが、今回はスルー。
母になんのキャラか説明しようとしましたが、ケンタロウなのかケンシロウなのかわからなくなってしまい、説明をはしょりました。
だって北斗の拳、知らないんですもの。アタタタ!



● 長浜の曳山祭

通りをさらに進むと、曳山博物館がありました。
長浜の曳山祭は、京都の祇園祭、高山市の高山祭と合わせて日本三大山車祭と言われます。



長浜では、各山組町ごとに曳山(山車)を持っており、曳山は通常、それぞれの町内の山蔵に保管されています。
今回、北町組の青海山(せいかいざん)が、博物館の外に置かれていました。
「飛燕」の胴幕がかかっています。江戸時代に作られたものだそう。
う~ん、大きくて豪奢です。

曳山の舞台では、子ども歌舞伎が上演され、参加するのは小学生の男子のみ。
大人歌舞伎と同様に、少年が女形も演じるという本格派で、祭りの期間中、役者の子供たちは学校も休むそうです。
町をあげての応援体制なんですね。



長浜駅には、曳山祭をモチーフにしたステンドグラスが飾られています。
去年、日本の山車祭33件で構成する「山・鉾・屋台行事」として、ユネスコ無形文化遺産への登録が決定したばかり。
伝統行事の保存に一層はずみがつきますね。



通りのお店がレトロ。
母が「この時期に咲かない花が咲いてる!」と興奮していたので、パチリ。
サフィニァという花ですって。



● 石田三成の里

三成会議のポスターがありました。みっちゃんかっこイイ!
これを見ると、やはり三成は滋賀ゆかりの人なんだなあと思います。
浅井長政同様、石田三成も長浜ゆかりの好きな武将ですが、思ったよりも現地でフィーチャーされていません。

彼の出身の石田町は、割とすぐそばにありますが、やっぱり太閤秀吉がおいしいトコどりしちゃったのでしょうか。



町全体がシックでレトロな雰囲気を保っています。
今ではもう見られないような昭和の道具屋さんなどがあります。



ちょっと中心から外れると、もう人がいなくなるのです…。
写真撮り放題~。ちょっとさびしいけど~。

● 北国街道

通りに「北国(ほっこく)街道」と書いてあり(ここも北国街道なの?)と驚きました。
だってここは滋賀でしょう?前に、長野の上田で歩いたことがありますよ。
それがここまで続いているなんて、長いですね。



あとで調べてみました。
畿内から越後国を結ぶ北国街道は、関ヶ原から越前、金沢、富山、糸魚川と、越後と北陸を横断する北陸道。
加えて、北陸道と中山道を結ぶ旧街道として、直江津から途中の篠ノ井で分岐し、善光寺を通って信濃追分(軽井沢)まで続く山道コースもあり、北国西街道 (善光寺街道) と言われます。
私が上田で通ったのは、どうやら西街道 のようです。

● グルメが続く

石臼が店先に置かれ、雰囲気たっぷりの蕎麦屋、そば八
石臼で挽いたそば粉を打っているんでしょう。
おいしそうですが、宿に戻れば夕飯なので、眺めるだけ~。



女の子たちがずらり長蛇の列を作っている場所がありました。
何に並んでいるんだろうとのぞいてみたら、芋平というお店で、ガラスの向こうで金つばを作っていました。
大きくておいしそう!そしてずっしり重そう!
ドミノごっこをしても、簡単には倒れなさそうです。



● 明治期の建築物

長浜の旧家、安藤家の家屋。
かつては長浜の自治を支える「十人衆」の一員で、賤ヶ岳合戦(1583年)で秀吉に協力したそうです。
今の建物は、明治・大正期のものです。



クラシカルで瀟洒な洋風の建築に、足を停めました。
「これ、昔の学校じゃなかったかしら」
母の言うとおり、明治4年に設置された、県下初の長浜旧開知学校でした。
長浜は昔から教育熱心な町なんですね。



レトロな食堂がありました。
明治30年創業で今年で120年目の中島屋食堂。
このまま続いていって~。



● BILLという名のビル

またレトロな建物がありました。
よく見るとNAGAHAMA TOWER BILLと書かれています。
ん?BILL?見間違いかと、何度も見返しちゃいました。



長浜タワービルだそうです。

見た感じ、上階はゴースト状態ですが、1階のお店は上を気にせず営業中。
これは昭和期の建築。ああ、機会があったら上に上ってみたいなあ。
B級好きのツボを突く、なかなかステキなビル(BILL)です。

● 出会いは長浜

長浜の町をぐるりと一周して、駅前に戻ってきました。
おや、この後姿の2人は、もしや・・・。



秀吉・三成(当時は佐吉)の出逢いの像でした。ボーイ・ミーツ・マン。
佐吉少年が、秀吉を三杯のお茶でもてなした、あのシーンです。



2人はここで出会ったんですねー。
「三杯のお茶」と「三本の矢」はテストに出ますよー。(なんの?)

● 日本最古の旧長浜駅

駅の反対側にある、かつての長浜駅を改築した博物館、長浜鉄道スクエアに行ってみました。
(こちらもスクエアという名前なのね)



ちょうど閉館時間にさしかかるところだったので、駆け込みで入ろうとはせず、外から眺めるだけにしました。
鉄子の母は、ちょっと残念そうでしたが。



こちらは現存する日本最古の駅舎の旧長浜駅舎。
普通の邸宅のような、レンガの窓枠のオシャレできれいな洋風建物。
とてもいい保存状態です。



入口をのぞくと、出札口が見えました。

● 名勝の庭園

向かいにあるのは、国の名勝慶雲館
こちらも、そろそろ閉館時間になるので、ちらっとのぞくだけにしました。



立派な庭園が広がります。ここは市の迎賓館で、毎年、日本一の規模の盆梅展が開催されるそうです。
盆栽ならぬ盆梅って、初めて聞きました。



● 琵琶湖夕景

風が冷たくなってきました。そろそろ日没です。
空がとてもきれい。琵琶湖の夕景に間に合うようにと、湖畔まで急ぎました。
湖面いっぱいに、それはそれは美しい日没が広がっていました。

龍が空を舞っているかのようなダイナミックさ。
その場にいる人々は、誰もが足を止めて、魅入られたように眺めています。
時が止まったひととき。忘れられない光景でした。



手前にある、透明なものが気になって、近寄ってみました。
(氷?にしてはなぜ溶けないの?)と思ったら、なにか文字が書かれています。
これは「琵琶湖周航の歌」の歌碑
一見、それとは分からないモダンなデザイン。今年設置されたそうです。



宿に戻ってからも、湖が暗くなるまで、窓から景色を眺めていました。

● 近江牛の夕食

部屋でお茶タイム。足を投げ出して、のんびり過ごします。
夕食は近江牛のコース。



2日間、宿坊に宿泊して精進料理を食べていたため、そろそろお肉が食べたくなってきた頃合いです。
地元の牛さんを、おいしくいただきました。



● 太閤温泉

食後は、宿の太閤温泉に入りました。
紅葉の季節なので宿は満室でしたが、お風呂は貸し切り状態。
広々していましたが、お湯が熱くて、あんまり長湯できませんでした。
(それでみんなすぐに上がるので、人がいなかったのかも)

この日は一日中、ほとんど船の中にいたので、そんなに歩き回りませんでしたが、大津から長浜と、移動距離が長い日でした。
母は、念願の琵琶湖一周フェリーに乗れたと、喜んでくれています。
私も、予想以上に満喫できて、大満足。
そして湖畔の城下町、長浜は、とても雰囲気のいいところです。
なにより混みすぎていないので、落ち着きます。
滋賀がすっかり好きになりました。

4日目に続きます。


紅葉を巡る4県の旅 3-2

2017-12-15 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

● 湖上の岩

沖島を離れて、再び湖に繰り出しました。



この辺りは近江八幡に近いので、沿岸がよく見えます。



しばらくして、湖面から岩が出ているところに近づきました。
これはなんでしょう。
『ロード・オブ・ザ・リング』の冒険途中に出てきそうな光景です。

これは沖の白石と言われる、4つの岩。
辺りは水深80m。一番大きな岩は、湖面からの高さが20m。
つまり、大岩は100mの高さがあるということです。



船は、岩の周りをぐるっと一周してくれました。
どの角度から見ても、美しい配置です。
これは、琵琶湖の沿岸からは診ることができないそう。
ここで来ないと見られない、レア度の高い岩々です。

岩と岩の間から、竹生島が見えました。
ハッピーになれそう!

● ランチ・オン・ザ・レイク

小さく竹生島が見えてきた辺りで、お弁当が配られました。
地元の料理がいろいろ詰まっている、「湖の恵み尽くし弁当」。



ふたを開けたら、つい「わあ」と声が出ました。
目に華やか~。いただきまーす!



また赤こんにゃくが入っていましたよ。
関東ではついぞ見かけませんが、こっちではメジャーなんですね。
ちなみに、画像の上の方にあるのは「えび豆」です。
あとでまた、話題に出しまーす。

● 葦笛コンサート

おいしくランチを済ませた後、葦笛の演奏会になりました。
このフェリーでのコンサートの折に演奏してくれたという葦笛の先生が、船の最後の運行を惜しんで、今回お弟子さんと乗ってくれたとのこと。
そこで、急きょ演奏会がプランに入ったようです。



吹いている笛は、琵琶湖畔に生えている葦から作ったものだそう。つまり琵琶湖の恵みです。
「琵琶湖周航の歌」や「涙そうそう」や「海の声」などを吹いてくれて、優しいメロディが湖面を渡っていきます。
素朴で温かい音色に、心がいやされました。

● 聖なる竹生島へ

美しい葦笛の響きに耳を傾けている間に、島が少しずつ大きくなってきて、いよいよ着岸しました。
この、神社とお寺のある聖なる島には、前々から訪れたいと思っていましたが、琵琶湖の中という行きづらい場所にあるため、なかなか機会がありませんでした。
今回、ようやっと訪れることができて、感激~。

今まで乗ってきたリオグランデ号は、この島を出てからはUターンし、再び大津に向かいます。
ただ、私たちは大津に戻らず、ここから長浜に向かいます。
長浜行きのフェリーに乗り換えるため、運んできたトランクを船から下ろして、参拝の間、島で預かってもらいました。

● 日本三大弁天さま



山の上のお寺へとまっすぐに続く石段が、目の前にそびえ立ちます。
途方もない長さにめげそうになる私達。
そこでより石段がマイルドな神社の方から向かうことにしました。



都久夫須麻神社(竹生島神社)神社では、海に向かってかわらけ投げができます。
気持ちよさそう~。



竹生島の弁天さまは、江島神社(神奈川県)・厳島神社(広島県)と並ぶ、日本三大弁天のひとつ。
これで、日本三大弁天をお参りできました!嬉しい~!

● 宝厳寺の観音さま

島に鎮座する宝厳寺は、西国三十三所の第三十番札所。
観音堂は工事中で幌に覆われていました。
今回は、この島の弁天様と観音様に会いに来たのです。
持ってきた数珠を取り出して、般若心経を読み上げました。



納経所は、そこからさらに急な階段をのぼりつめた先にありました。
ようやく上ったら、納経所には長蛇の列。
阪急旅行社や、そのほかの西国巡礼ツアーの人たちと一緒になりました。



● 波止場へ急ぐ

ようやく御朱印を頂いた時には、もう長浜便の出航15分前になっていました。
慌てて弁天様に参拝し、気持ちだけ三段飛ばしで、急な石段を駆け下り、下へ降りていきました。



本当は、帰りがけに神社でかわらけ投げをしたかったのですが、その時間はありません。
母は残念そうでしたが、あきらめてもらって急いで波止場に向かいました。
発着所にはすでに長蛇の列ができており、全員乗れるのかと心配になります。
おいずる姿のトラピックスの先達の人がいました。



ガイドの今森さんと葦笛の先生とお弟子さんにお礼を言って、お別れします。
とてもいい時間をくれた方々だったので、帰りもご一緒したかったのですが、旅はまだ続くのです。

順番に長浜行きの船に乗り込んでいくと、心配なくちゃんと全員乗船できました。
こちらは港と島を往復する連絡船のようなもののため、前のようなガイドさんはいません。
アナウンスのみがかかります。

途中、水陸両用バスとすれ違いました。
見るからにバスでした!
写真を撮り損ねました~。

● 長浜港着岸



竹生島から30分ほど船に乗り、長浜港に到着しました。
琵琶湖の北の方に来たからか、上陸するとぶるっと寒さを感じます。
湖からの冷たい風を受けながら、宿へ向かいました。

この日は、湖畔の宿に泊まります。
チェックインを済ませ、荷物を預けて、町の散策に繰り出しました。



● 長浜のマンホール

地上に降りたら、さっそくマンホールチェック。
見事にひょうたんのデザインです。
ここまで並べなくても…。どれだけひょうたん好きなの~。



資格バージョンも、やっぱりひょうたんづくし。



「千成瓢箪は秀吉公の馬印。ここは彼のおひざ元だったからよ」と母。
そうなんですね~。長浜といったら浅井長政のイメージしかありませんが。
思ったよりも浅井色が残されておらず、長政ファンとしては(あれ~)という感じ。

浅井家が敗れた後に入った秀吉に、住民はなかなかなじみませんでしたが、秀吉はさまざまな便宜を図って、とうとう信頼を勝ち取ったそうです。
まあ、当時の天下人にはかないませんね。。。

● パノラマ天守閣

豊公園の中にある長浜城に向かいました。
豊公園の豊は、きっと豊臣からきているんでしょうね。

湖畔に立つ長浜城は、秀吉の出世城と言われています。
家康の出世城の浜松城にも行ったことがあります。
ほかにどのお城に行けば、私も城持ちになれるの?(盛大なカン違い)



お城は、今は歴史博物館になっています。
天守閣に登って、一国一城主の気分になります。

湖畔なので風が強いですが、快晴の日ですこぶる見晴らしがいいです。
東西南北、360度のパノラマを満喫します。

<東> もう雪をかぶっている、滋賀県最高峰の伊吹山(標高1,377m)が見えました。(下の画像)



<北>下の画像の一番左に切れて見える山は、山本山。
本当にそんな名前の山があるとは!海苔じゃなかった!
その右側と四角い建物の間に見える高地は、賤ヶ岳合戦場。七本槍が活躍した場所です。

     槍は折れても心は折れない~♪(戦国鍋)



<西> 遠くにかすかに、先程の竹生島が見えますが、ちょっと画像ではわかりづらいですね。



<南> 湖畔の彦根城が見えるそうですが、湖面の反射がまぶしくて、よくわかりませんでした。



● 豊公園の紅葉

お城から降りてから、湖畔の豊公園を散策しました。
紅葉が真っ盛り。



京都の紅葉は、盛りを過ぎた頃でしたが、こちらの方が気温が低いのか、よりきれいです。



絵の具で描いたかのような鮮やかさ。



どこを見てもうっとりする美しさ。
なのに、ここもまた、人が少なめでのびのびできます。
京都のあの混雑は、クレイジーでしたからね。



● 冬の3サル

公園内に、大きな檻がありました。
のぞいてみると、3匹の猿がいました。



2匹のサルは、のんびりノミ取りをしています。
モフモフで暖かそう!



1匹だけ離れて、床にうつむいている猿がいました。
見るからに孤独感たっぷり。反省してる?たそがれてるのかな?
と思ったら、こっくりこっくり。うたた寝しているようでした。

その3に続きます。