風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

日光栗山はじめてづくし index

2012-10-26 | 北関東(茨城・栃木・群馬)


◇ 1st day 栗山、湯西川温泉
女性だけのツアーに参加。あいにくの雨でしたが、平家落人の里の雰囲気満点。
食事の頃にはみんな仲良くなり、連れだって見学します。
夜は囲炉にあたりながら、平家お狩場焼きをいただきました。



◇ 2nd day 奥鬼怒、川俣温泉
栗山にも東照宮があったという驚き!家康のご神体を拝見できました。
民宿で初めてのそば打ち体験。身体じゅうくたくたー。でもみんなで打ったお蕎麦はおいしい!
紅葉の奥鬼怒トレッキングをした後に入った露天風呂で、気分ほっこり。



◇ 3rd day 瀬戸合峡、霧降高原
下から吹き上げる間欠泉に、地球の息吹を感じました。
川俣ダムの上では、みんなでサンショウウオに挑戦し、サンショウウオガールズという名前をいただきました。
ピザを作ってから涙の解散。気の合う友達ができた、楽しい旅でした。




2012-10 日光栗山はじめてづくし3-2(終)

2012-10-25 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
3-1からの続きです。
○ 土呂部キャンプインドロブックル・ピザつくり体験
○ 霧降高原・大笹牧場
○ お別れ・アンド、アゲイン


○ 土呂部キャンプインドロブックル・ピザつくり体験

バスの中で、次の行き先はキャンプインドロブックルと聞き、「なんだか下を噛みそうな、カッコイイ名前だね」と言ったら、「土呂部だからね」。
ああ、土呂部ックル!



コテージが並ぶキャンプ場で、ピザつくり体験をします。
ピザ生地から作るのは、初めて。
石釜があり、勢いよく炎を上げて燃えていました。



みんなで生地をこね始めます。
つい昨日のそば打ちのように伸ばしたくなってしまうのは、みんな同じ。
トッピングするものは、まいたけやコーン、大根など、地場地産のものばかり。
大根は、昨日見たままの大きさでしたが、まいたけも巨大でした。
みんなで生地を1枚ずつ伸ばし、そこにトッピングをしていきます。
それを順々に窯で焼いていきます。





今日がクマちゃん、昨日がアオヤマさんの誕生日だったと聞いた私たち、みんなでこっそりバースデイピザを作ることにしました。
彼らに、とっておきのニコニコピザを作ります。
みんな、二人への愛あまって顔を盛りすぎ、おかまメイクのようになってしまったので、笑いながらヒロコさんと私で「やりすぎー」「福笑いみたいー」と、シンプル形に戻しました。



焼きあがりに合わせてどんどんピザをいただいていきます。
野菜がメインのヘルシーなトッピングですが、素材の味がよく出ていて、おいしい。(photo:ミクさん)



最後に、お待ちかねのニコニコピザが出来上がったので、クマちゃんとアオヤマさんを呼んで、みんなで歌を歌ってプレゼントしました。
あっけにとられて驚く二人の表情が、新鮮。
男性二人で、ケーキならぬピザ入刀をしてもらいました。愛の共同作業を激写するガールズ。
撮る・撮られるの立場がいつもと逆になっています。
二人とも、おいしいと喜んで、全部食べてくれました。よかった!



外で食べていたため、おいしさも格別ですが、日が陰ると風が冷えてきます。カメムシも飛んできて、みんなでキャーキャー。
気象庁のアメダス土呂部観測所がここにあり、「栃木で初降雪」といったらここの辺りを指すと教えてもらいました。

○ 霧降高原・大笹牧場

おなかいっぱいになって、バスに乗りました。
もう全ての行程は終了。最後に大笹牧場でのアンケート記入時間が用意されています。



子供の頃から素敵な響きだと思っていた霧降高原に行けるなんて、うれしい。
霧が降りる高原ですからね。ファンタジックだわ。
でもこの日は快晴で、霧は全く出ていませんでした。



牧場に着き、まずは近くを散策してみました。
牧場といえば牛!ですが、牛の姿はなく、顔の黒い羊しか見ませんでした。
さらに牧場といえば牛乳ソフトクリーム!ですが、まだピザでおなかがいっぱいだったし、車酔いしていたため、食べられませんでした。





これまでも、細かくアンケートを記入してきましたが、分厚い分量である上に、バスの中ではガイドさんのお話をメモしたり、酔いそうになると休んでいたりしたため、仕上がっていません。
全てにおいてとてもよくしていただいたので、こちらもきちんと書き上げなくては。
終わらないうちに時間が来て、バスは動き出しました。



「シカがいますよ」とガイドさんに言われて、窓の外を見ると、何頭もの鹿が膝を折ってくつろいでいました。
あれ、どうして柵の中にいるの?餌がもらえるの?
「もう、鹿牧場ですね」とサイトウさん。とってもシュールな光景でした。

○ お別れ・アンド、アゲイン

バスは一路東武日光駅へ向かいます。
日光市広報の方に、グッズをいただきました。わーい、日光仮面だ~!



一生懸命アンケートを書いて行ったら、クネクネ道カーブが続いたため、すっかり酔ってグロッキーになってしまいました。
呼吸も苦しくなって、身動きが取れなくなり、バスから降りるのも一苦労。山が多いとこうなってしまいます。
迫りくる別れの寂しさも、車酔いに拍車をかけていたようです。
深呼吸を繰り返しながらようやく降りた時には、2班の人たちはもう解散してしまっていました。
アンケートを提出し、お世話になった皆さんにお礼を言って、見送ってもらいながら、私たち1班は、方向が同じ人たちと一緒の電車で東京まで帰りました。



少しずつ日が傾いていく様子を、車窓から眺めます。
とてもいい天気だったので、美しい夕焼けが見られました。
旅の間、WIMAXは全く機能しませんでしたが、宇都宮辺りから繋がるようになり、日常へと近づいていることを実感します。
すっかり仲良くなったため、ガールズとの別れがつらかったのですが、いい友達と知り合えてよかった。
サラマンダー・ガールズとして、これからもどうぞよろしくね!(えっ)
また、今回は主催者の方々に至れり尽くせり、懇切丁寧に対応していただいて、とてもありがたかったです。
おかげで、日光栗山の良さをじっくりと知ることができました。
ガールズ全員、栗山の観光大使になれそうですよ!
またぜひ遊びに行きたいです。栗山の素敵な人々とご神体とサンちゃんが待っている、かの土地に…。

・この旅行記には、ミクさんの素晴らしい写真を掲載させていただきました。どうもありがとう!

この日のことは、日光市栗山 旅サイト「5秒でくりやま」にも掲載されています。
<Monitor Tour 3日目>

2012-10 日光栗山はじめてづくし3-1

2012-10-25 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
2日目からの続きです。
○ 朝湯と紅葉
○ 川俣温泉 間欠泉
○ 瀬戸合峡の渡らっしゃい吊り橋
○ 見晴茶屋のサンショウウオガールズ


ツアー3日目。6時半に頑張って起き、露天風呂に行ったら、隣の部屋の人たちはもう入っていました。
みんなけっこう飲んだのに、「おはよう!」と爽やかな顔をしています。
露天風呂から眺める景色が素晴らしく、まさに絵になる光景でした。
山の紅葉にそばを流れる川、遠くに橋も見えます。
「のぞき橋だね」・・・見えるかなあ?



朝食を済ませて、8時半に出発。
とってもいい天気で、朝の日光を受けた紅葉が、キラキラと輝いています。
今日もいい日になりそう。



2班の宿に着き、メンバーが乗りこんできます。
「宿はどうだった?」とお互い聞き合う中で、カメムシ登場の話をしたら「うちの宿にも "カメムシが出ます"って張り紙がしてあった」と言われました。
お宿に関係なく、この辺りは出るんですね、カメちゃんが。

○ 川俣温泉 間欠泉

まずは近くにある間欠泉へ。馴染みのない言葉ですね。イエローストーンやNZのものを、写真でしか見たことがありませんが、あんな風にまっすぐ噴き出すものなんでしょうか。
前は40~50分間隔だったのに、今では20分間隔で吹き上がるとのこと。
地下のマグマ活動が盛んになっているということかしら。
待つ身にとってはラッキーですね。



すぐ横には足湯もあって、待ち人に優しい場所になっています。
「8回来て8回とも見られたことがない」というおじい様が来ました。
ええっ、それはアンラッキーというよりは、待ち切れなさすぎでは…?





みんなでカメラを構えていたら、おもむろにプシュワ~ッッ!と大きな音を立てて、水が真上に噴き出してきました。
20~30mの大きな噴水です。でも噴水と違って、天然なんです。
「何度か続けて出ますよ」と教えてもらったため、なおも見入りました。
すごい勢い。(↓photo:ミクさん)



インターバルの間に、より近い橋の上に移動し、そこから見おろしました。
間欠泉は木の小屋の天井から噴き出すようになっており、地表からの噴出光景を見ることはできません。
画像右の方に、木小屋の上の穴が見えます。



木の覆いは、保護のためだそうです。
「いつ噴き出てくるかわからないから、あれを取り付けるのは大変だったようですよ」とサイトウさん。
そうですよね。噴出口の近くで水圧を受けたらとても危険そう。作業した人の苦労を知りました。



○ 瀬戸合峡・渡らっしゃい吊り橋

バスはくねくね道を進みます。乗り物に弱い私は、たまらず目を閉じて休みました。
途中「平家塚」を通ったそうで、「バスの前の方ではリカさんを探して"歴女、歴女"とひそひそ言ってたよ」と降車後にエリさんに教えてもらいましたが、歴女は車酔いで気づかずじまいでした。

やってきたのは瀬戸合峡。前日の新聞の一面には、ここの紅葉写真が見ごろだとカラーで載っていました。
まさに今が、紅葉シーズンなんですね。なんてラッキーな私たち。





全員で、記念写真を撮りました。(photo:ツチヤさん)



ここから歩いて渡らっしゃい吊り橋を目指します。徒歩でしかアクセスできない橋だそう。
橋から戻ってくる人とすれ違うたびに、みんな悲愴な顔つきをしていましたが、そのわけはすぐにわかりました。
距離はそれほどありませんが、階段を一旦下がってからどんどん上っていく、結構きついアップダウン。
ハーハー息が上がり、歩き始めは寒かったのに、すぐ暑くなりました。
あいかわらずマタギのサイトウさんは、身軽で健脚。都会のガールズは太刀打ちできません。



途中に釣り鐘がありました。「天使の鐘」と書いてあります。(photo:アオヤマさん)
奥深い山の中なので「天狗の鐘」と言った方が合っていそうですが、天狗が吹くのは法螺貝ですし、鐘はたしかにロマンチック。
一人ずつ鳴らしていきました。
アオヤマさんに「自分の願いを大声で叫びながら鐘を鳴らすと、願いが叶うんですよ」と言われたテルさん、紐を握りしめて、「えーっ、どうしよう」と悩んでいます。
「お、お、」と言うので、(「お金持ちになりたい」かな?「お嫁さんになりたい」かな?)と思ったら、
「おいしいものをいっぱい食べた~い!」
願いは風に乗って、谷底へと響いていきました。
さすがあ(笑)!私もよー♪





目の前にそびえ立つのは川俣ダム。ここでもダムカードをいただきました。
2枚目ゲット~!



ここは、縦長のアーチ式ダム。幅はそう広くありませんが、117mもの高さが合って引きこまれそう。
狭く高い、桶の中に入ったような感じです。
湯西川ダムは雄大でしたが、こちらは優美さを感じます。(photo:ミクさん)



なにより、このダムを吊り橋の上から眺められるという贅沢さ。
橋の片側には迫りくるようなダム、もう片側には紅葉に染まった渓谷という景色を楽しむことができます。
吊り橋は頑丈で、ほとんど揺れなかったため、みんなで跳ねて揺らしてみました。



見わたす限り、美しい光景。贅沢です。
遠景から見ると、吊り橋がいかに高い場所にあるかがわかります。(photo:広報の方)



橋の上から、山頂近くに家を見つけて「あんなところに住んでる人がいるなんて、すごいー!」とツチヤさんに言ったら、「今からあそこまで行きますよ、フフ」と言われました。
ええっ、あそこまで上るのー?
完全な登山です。



ふうふう言いながら登って行きました。
今の私たちは、さっきすれ違った人たちと同じへとへとの顔つきをしているはず。
ほとんど観光客と出会わずにきた今回の旅ですが、ここでは大勢の人たちが集まって、カメラを構えています。
やっぱり新聞効果でしょうね。
それにしても、どこへ行ってもご年配の方々ばかり。
「私たち、なんだか目立っているような」
「だってみんなくらいの年齢層を呼び込むために、今回のツアーが企画されたんですから」
なるほど、ごもっともです。

○ 見晴茶屋・サンショウウオ

ハーハー荒い息を吐きながら、見晴茶屋へとたどり着きました。
茶屋の横の「峠の串焼き」小屋では、すごくレアな焼きジビエが売られていました。
かも・きじ・いのしし・いわな・しか・くま・山椒魚・・・?
その網の上で焼いちゃうんですか?そしてそれを食べちゃうの?
メニューを見て驚いた私たち、初めは遠巻きにしながら、少しずつ近寄っていきます。



「だるまさんがころんだ」式にじわじわとにじりよっていく中で、ユキコさんが先陣切って山椒魚を頼んだので、「わ~、いったぁ~!」と、勇気ある彼女を取り囲みました。
ユキコさん、ほんとにほんとに、食べちゃうの?
みんなで網の間近まで行って、しげしげと覗きこみます。
ご主人は猟師で、焼いているのは自分で仕留めた獲物なんだそう。これぞ野趣!



クマもイノシシも気になりますが、やっぱり私たちの視線の先にあるのは、サンショウウオ!
だって初日から、干物の彼らと衝撃の出会いを果たしていたのですから。
(どうする?)(どうしようか?)と互いに目でさぐり合っている中、マタギのご主人が
「5人で分ければいい。おまけするから」と言ってくれました。
山椒魚は、5匹まとめて串刺しされているのです。(photo:ミクさん)



確かに、5匹を一人で食べたら、しっぽが生えてもう里には帰れなくなりそうですが(笑)、みんなでシェアするのなら、いけそう…。いっちゃおっか…!
というわけで、思い切って挑戦してみました。



サンショウウオに選ばれし勇者は、マリさん・トモコさん・ヒロコさん・リョウコさん・そして私の5名!
ここで一句。「山椒魚 みんなで食べれば こわくない!」



アオヤマさんのカメラに向かってポーズをとったら、「サンショウウオガールズ」としてweb上で認定していただきました!
英語だとサラマンダー・ガールズ!うれしい!・・・かな?(笑)

サンちゃん(サンショウウオ)の気になるお味は、シシャモのよう。触感は少し堅めで、大きさはシシャモの半分ほどです。
滋養強壮によいそうです。
おとうさん、おかあさん、驚かないでね。娘はこの旅で、混浴露天風呂に入り、サンショウウオを食べました…。



この地を舞台に、映画『セイジ -陸の魚-』が撮影され、今年公開されたたそうです。
監督は伊勢谷友介、出演は西島秀俊、森山未來。演技派俳優さんの作品なので、観てみたいわ。





お茶屋の上からは、吊り橋と川俣湖が間近に眺められ、もう言うことなしでした。
最高の季節に極上の景色を堪能しながら、土地のジビエに舌鼓を打つ。これぞ旅の醍醐味!
ドラマチックなほどにすばらしい紅葉に、感激しました。



3-2へ続きます。

2012-10 日光栗山はじめてづくし2-2

2012-10-24 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
2-1からの続きです。
○ 奥鬼怒トレッキング
○ 加仁湯
○ 川俣温泉郷「御宿こまゆみの里」
○ お座敷夕食
○ 丸太風呂温泉


○ 奥鬼怒トレッキング

おなかもいっぱいになったところで、次の予定はトレッキング。
バスはさらに奥の方へと向かっていきます。





見所がたくさんあって、のんびりしていると、カメラを構える間もなく、車窓の景観は過ぎ去ってしまいます。
右に左に、そしてアンケート記入に、なかなか忙しい私たち。





ふつうは車両が入れないところを、特別に女夫淵の上の方までバスで連れていってもらいました。
みんな身軽な恰好に支度をととのえ、細い山道を一列になって歩き始めます。
標高の高い山の中に入ったため、歩き出しは寒く、冷えないように上着を着込みました。
すれ違う人は、誰もがちゃんとした登山スタイル。足もとの気合いが私たちとは違います。ストック率が高いです。



途中に吊り橋があって、心が弾みます。
ガールズに「吊り橋だね♪」と言ってもらいます。すっかり覚えてもらって、ありがたいわ。



はじめはみんなまとまって歩いていましたが、少しずつ間があいていきます。
先頭集団から遅れないようがんばりましたが、そのうち(いいやー)とあきらめました。



だって気持ちのいい緑の中にいるんですもの。
無理せず、テルさんとプレスのモリヤマさんと3人でのんびり歩いていくことにします。
そうすると、前の人の背中を追うだけでなく、周囲を見回して自然を楽しめるようになって、爽快。



箇所箇所に「落石注意」の看板が立っています。「クマに注意」はありませんが、山には生息しているみたい。
クマよけの鈴をチリチリ鳴らして歩いている人もいました。



鬼怒川沿いの遊歩道を歩いていきます。川のせせらぎの音が心地よく耳に響きます。
おしゃべりをしながら歩いていたら、気づけば前も見えず後ろも見えず。
緑深い自然の中、見渡す限り私たち3人きりになっていました。
繰り返しますが、私たちは昨日会ったばかり。しかもお二人とも、別の宿の宿泊組でした。
でも、だからこそ、それぞれの話が新鮮で、トークがはずみました。



テルさんは、デイケアの仕事でノルディックウォーキングを勧めているんだそう。
ノルディックといったら、雪山を歩くイメージがありますが、「違うよー」と言われます。
アルペンとごっちゃになりますが、やっぱり「違うよー」と言われました。
イマイチよくわかっていませんが、テルさんは専用ストックも持っているとのこと。
通りすぎる人たちのストックを見ては「あれ?」「ああいうの?」と聞きましたが、どれも「違うー」と言われました。
うーん、結局よくわからずじまい。奥が深そうです。

モリヤマさんは、さすがプロで、この辺りの土地に詳しく、いろいろな話をしてもらいました。
昨日ポスターを見た、オカミ30ならぬ日光女将の会の話など。



途中、「コザ池の滝」のところで休憩して、さらに先に進みます。
小ぶりながら、澄みきった水と苔むした岩から、自然のオーラを感じました。



結構アップダウンがあるルート。さらに昨日から今朝まで降った雨で、足元がぬかるんでいたため、思ったよりも大変なトレッキング。
歩き慣れている私でも、けっこう脚にきたなあと思いました。
でもトレッキングって、ハイキングではありませんからね。
心して始めないと、途中リタイヤはできないので大変。慣れている人こそ準備を万端に整えているものです。
それでも、マイナスイオンをたくさん吸って、フィトンチッドをたくさん浴びて、気持ちよくリラックスできました。(photo:ミクさん)



途中のログハウス風の八丁の湯のところで、再び休憩。ここで先頭集団と合流して、後から来る人たちを待ちます。





ガールズは全員脱落せずにたどり着きました。
今、女子の間で登山が流行っていますから、みんな体力あるんですね。
山ガールファッションのマリさんも、楽しそう。



○ 加仁湯

それから奥鬼怒大橋の下を通って、堂々とした風格の加仁湯へ。足湯があります。(photo:ミクさん)



ここがトレッキングのゴールとなりました。
名前の由来は、もともとこの辺りに沢蟹が多かったところからだそうです。
みんなでここのお湯へ入りました。



まずは、宿の若旦那の御挨拶を受けます。
「とちぎ にごり湯の会」会長だとのことで、「ここのお湯はかけ流しの源泉で、特に5種類の源泉から引いた温泉を入り比べできる<ロマンの湯>がお勧めです」とのこと。
(利き湯ができるなんてすてき。ロマンの湯なんて名前もすてき。入りたいわ~)と思ったら、「ただし混浴です」と言われて、ウッ、、と詰まりました。
これはハードルが高そうです。
いろいろなお風呂があるとのことで、まずはツチヤさんに案内してもらいます。
古式ゆかしき湯どころといった感じで、入っているのは年輩の方ばかり。
ほとんど露天風呂ですが、混浴が多いわー!
かといって、内湯はあまりにも普通っぽくて、つまりません。

(消去法でいくと、入れるのは女性専用露天風呂しかない)ということになり、そこの脱衣所に入りました。
山の中なので、服を脱ぐととたんに寒くなり、鳥肌が立ちます。
ブルブル震えながらお湯に入ると、すぐにぽかぽかに。
これは気持ちいいわ~。
しかも青みがかった乳白色のにごり湯で、身体のすみずみに効きそう。

ガールズ数名とほっこりしているところに、一眼レフを構えたツチヤさんが微笑みながら忍びよってきました。
「あの~、写真いいですか?」
「え~、温泉写真?」とびっくりしながらも、すっかり極楽気分になっている私たちは「まんま "いい旅夢気分"だね~」「お湯、にごってるから、いっかー」と、二つ返事でカメラに向かってにっこりしました。

ふと気がつくと、同じお湯に二人連れのマルちゃんが一人でいました。
「あれ、お友達は?」と聞いたら、「すっごい温泉マニアで、一人で混浴に行っちゃったの」とのこと。
なんと、混浴に行ったガールズがいるんですか!う~んすごい。
質のいいお湯にめろめろの私たち。ほかのお湯もがぜん気になり出しています。
いいお湯と混浴を天秤にかけ、さらにメンバーが混浴に行ったという話も加味して…。
「せっかくだし、自分たちも行ってみる?」「よし、行ってみよっか!」と、一大決心しました。

マリさんとミクさんと3人で、こわごわ混浴露天へと向かいます。
脱衣所の入り口には短めののれん1枚がかかっているきりで、廊下から覗けば簡単に中が見られてしまいます。
さらに、露天風呂からも脱衣所はかなり丸見え。
どっちからも、ほとんど見え見えじゃないー。レベル高すぎ~!

くじけそうになりましたが、ちょっと外の様子をのぞいてみた私たちは、そこにテルさんを発見しました。
すでに混浴露天の中で、見知らぬおじいさんたちと仲良くお話ししています。
すごいわー。さすがはデイケア務め。おじいちゃん慣れしています。
私たちも、彼女に勇気をもらって、入ることにしました。

が、そこでハタと気付いた私。
(タオルが一枚足りないんだった!)
実際には、タオルの枚数はみんなと一緒ですが、髪ピン代わりに手ぬぐいを巻いて髪を押さえているため、一枚足りないことになります。
バスタオルはありますが、女性は混浴露天にバスタオル着用で入れるため、混浴で使ってしまうと、もう身体を拭くタオルがなくなってしまうのです。
(うーん、私は混浴に一度しか入れないわ)
となると、やっぱり気になるのは、ロマンの湯。
じゃあ私はそちらに行こう~っと。

すでに露天に入っていったガールズ2人に声をかけて、ロマンの湯へと向かいました。
でも、一人きりだと、不安が高まります。
混浴風呂ってこれまで入ったことがない私。知らない男の人がいたら、どうすればいいの!

おどおどしながらロマンの湯に着いたら、ちょうど上がってくる女性がいました。
さっきのマルちゃんのお友達、ユキコさんでした。
「あっ!」
ほっとした私。出ようとしている彼女を「もう一度入らない?」と甘く誘って(笑)、再び付き合ってもらいました。
ユキコさん、ありがとう!
通の人だけに、入りながら5種のお湯を説明してくれます。
二人しか入れないくらい小さな湯船ですが、シロウトの私にも、はっきりと違いがわかるほど、全く違う質のお湯でした。
いいお湯だったわ~。
川向こうには紅葉の山々。眼福なり~。
一人だったら、男性が来ないかと気になって、おちおち入っていられなかったと思いますが、ユキコさんのおかげで、利き湯を堪能することができました。

途中、おじいさまが、5つのお湯の一つに入ってきたようですが、私たちの気配を察して、お互い会わずに済むよう、出るタイミングを見計らってくれたようです。
そのうちにマリさんとミクさんがやってきました。
ユキコさんは「私はあと一つ、下に見える混浴露天にも入ってくるわ」と、出ていきました。
すっかりロマンの湯が気に入った私。今度は二人とキャッキャ言いながら入ります。

その声が聞こえたのか、男性脱衣所からおじいさんが「ここ、混浴だよね?」と顔を出して聞いてきました。
もうすっかり慣れてしまった私たちは、「はい、そうでーす!」と明るく答えます。
最後まで、男性と鉢合わせせずに楽しむことができました。

お風呂ごとに体を拭いて着替えて、すべての荷物を持って移動するのはなかなか大変。
身体を拭いて、ユキコさんの後を追って下の露天に向かったら、もう彼女は出てきたところでした。
温泉通は、のぼせないよう、長居しないものなのね。

そんなこんなで、女子専用風呂にしか入らないはずが、すっかり混浴も満喫した私たち。
湯上りに、コーヒーをいただきました。



休憩どころには、囲炉裏を囲んでクマやカモシカ、鹿や猿などの剥製がずらりと並んでおり、(触っていいの?)と思いながらも、触る勇気が出ずにいました。
畳には熊の毛皮が何枚も敷き詰めてあったので、足にはクマの毛の感触を感じました。
こんなディープな秘湯は、初めて。いつまでも忘れないでしょう。
いい体験ができました。



ちょうど今出ている「TOBUMARCO(トウブマルコ) 11・12月号」の表紙が、加仁湯の混浴露天風呂です。
リンクの前ページには、若旦那が写真付きで掲載されています。
本当にこんなお湯の色なんですよ~。
別府の「海地獄」のような美しい青色でした。
海地獄では(ああ、このきれいなお湯につかりたいわ~)と思っていたので、関東は栗山でその念願が果たせたというわけです。

今回、私たちはバスでここまで来ましたが、自力で来るとなると、女夫淵から歩くしかないようです。
宿のバスは宿泊客のみ。なかなか簡単にはたどり着けないハードルの高さですが、だからこそ秘湯なのでしょう。

○ 川俣温泉・御宿こまゆみの里

若旦那に見送ってもらい、急カーブをぐるぐるぬけて、この日の宿である川俣温泉へと向かいました。
私たち1班が泊まったのは「御宿こまゆみの里」。2班は「一柳閣」です。

建物全体が木でできているような、ウッディ感あふれるお宿。木の彫刻と、動物の剥製がまたずらり。
さすがに目の前の剥製にも慣れてきて、今度はシカのひたいを撫でてみました。
意外にゴワゴワした触感でした。
前日の華やかな宿とはがらりと違う、秘湯の宿と行った風情で、「ひなびた感じが奥地っぽくていいね」と好評です。



今回も、トモコさんとヒロコさんと一緒。
部屋は「ひめこの間」でした。
(女性だから、姫子にしてくれたのかしら、うふふ、プリンセス~☆)と思ったら、あとでご主人に「うちの部屋はみんな植物の名前だよ」と言われました。
ヒメコって木の名前のようです。(ま、そうですよね…)



「この部屋、カメムシの匂いがする!」「どこかにいるに違いないわ!」とトモコさんとヒロコさんが言いました。
カメムシの匂いなんて、すっかり忘れてしまった私は一人反応が遅く、ぼーっと二人を見守っています。
小学生の頃、その匂いのせいで、カメムシは大の苦手になったはずなんですが、どんな感じだったかしら?
「青臭い感じよ」
私がトラウマを思い出す前に、二人はカメムシを発見し、なかったことになりました。
部屋備え付けのリセッシュ。「煙草の臭いを消すためかな?」と思っていましたが「おそらくカメムシ対策だね」と3人で納得します。

昨日のお返しにと、今日はお茶を淹れてくれるという二人。
は~い、こっち向いて~。愛の共同作業ね。

  


「今日、1万歩歩いたよー!」と万歩計を見せたら、ヒロコさんに
「リカさん、時々渋いよね。なんで万歩計持ってるの?」と聞かれました。
「ケータイについてるのじゃなくて?」とトモコさん。
えっ?子供のころから、コンパスも持っていますが、なにか…?
「吊り橋好きだっていうし」…いえいえ、吊り橋に年は関係ありませんって!

そう否定しながらも、座卓の上にあった長細い陶器の灰皿を見て、
「なんか、煙管をカン!ってやりたくなる感じね」と言ったら、「渋いっていうか、歴女…」と落とし所をつけられました。
イメージは花魁じゃなくて伊達政宗ね!

○ お座敷夕食

さすがに加仁湯に入ったばかりなので、温泉には入らず、着替えだけして夕食の席へと向かいました。
今回も、私たちだけの座敷に通されましたが、部屋にある緞帳が気になります。
ステージでは、宿の人が松ケンサンバとか歌って踊ってくれるのかしら。



そんなことはなく、お膳に料理が並んでいきます。
今回は昨日のメンバーにテルさんとツチヤさんが加わりました。
鹿のたたきが出ました。天ぷらも。食べきれない量です。



女性9人で座敷に通され、お膳を囲むというのも、なんだか不思議な光景。
ここでも瓶ビールを出していただき、みんなご機嫌で無礼講になりました。

この日の日中、バスの窓からサルを時々見かけて、みんなで歓声を上げましたが、「実はサルは害獣で、しとめたら報酬金5千円がもらえるんですよ」とツチヤさんに聞いて、ガールズびっくり。
鹿も同じ値段だそうです。イノシシは倍の1万円。
「ク、クマは?10万円かな?」と聞いたら、驚きの0円でした。しとめるのは大変そうですが、害獣ではないからだそうです。
「サイトウさんは、狩猟時期になったら、オレンジのベストを着て、マタギのように熊撃ちするんですよ」と教えられて、ガールズさらにビックリ。
確かにトレッキングでも、先頭切って身軽に歩いていたのは彼。私たちは脱落してしまったほどの体力でした。
どんどん主催者側の人たちのこともわかってきて、おもしろいです。

「こっちの人って、お茶を出してくれる時、コーヒーか紅茶の二択じゃなくて、コーヒー一択なんですか?」と質問しました。
今日、みっちゃんのスナックでも加仁湯でも、迷わずコーヒーを出してもらったからです。
「そうですね。人をもてなすときは、コーヒーかお酒ですね」と聞いて、「ここには暮らせない~!どっちも飲めないの~」と悲しんだら、「大丈夫、すぐに飲めるようになりますよ、フフ」とツチヤさん。
かなりザルのようです。

ツチヤさんは、質問に何でも答えてくれますが、土地の人ではなく、静岡出身だとのこと。
アオヤマさんともども、特命助っ人として勤務しているそうです。(正確には総務課)
サイトウさんは土地の方。マタギだし。(すっかり私たちの間でマタギ認定)

「今日のトレッキングはハードだったから、明日のトレッキングは無理かも~」と音を上げるエリさん。
たしかに、なかなか体力を使ったので、慣れない人にはこたえたかも。
ツチヤさんは「いくらでもマッサージしますので、できれば参加して下さい」と言っていました。
そんな殊勝な発言に「担当者は大変ね~」と一同ぐっときます。「そこまで言われるなら出ますー」とエリさんもがんばる宣言をしました。

テルさんとマリさんが、秘湯の会のスタンプを集めていたという話で盛り上がりました。
「あれ、すごく集めにくいよね。なかなかたまらないし」
私も、一度秘湯の宿に行ったのに、楽天から予約したため、NGだと言われたことがあります。
「ここでもらえないかな~」
食後、みんなでお願いしてみましたが、御主人は首を縦には振ってくれませんでした。
ツアー客はだめなんだそうです。ざんねーん。

食後、今日8時からの「いい旅夢気分」で、タイミングよく日光・湯西川を紹介すると教えてもらい、部屋の3人で観ました。
まだ中禅寺湖の辺りしか紹介されていない時に、隣の部屋のマリさんが「みんなで温泉に行かない~?」とやってきました。
「あれ?みんなTV観てないの?」
「紅葉がイマイチだから、いっかな~って話になって」
まあ確かに、私たちが今見ている紅葉の方が格段に美しいのですが。
どうやら真面目に観ているのは、私たちだけのよう。みんななんて自由人。

20日に撮影されたもので、紅葉は少し色づいている程度でした。
昨日訪れたばかりの湯西川の町並みが映し出されます。それを近くにいながら観るというのが、おもしろい感じ。

○ 丸太風呂温泉

そのあと温泉に向かったら、すでにつかってほかほかになっているみんなに「おそーい」と言われました。
いえ、みんながTVを消すのが早すぎなのよー(笑)。
昨日の宿の、きれいに造りこまれた万人向けの温泉とは違って、まさに「野趣あふれる」という表現がぴったりの温泉。
自然と一体化したような野性的な雰囲気さえありますが、どのお風呂にも湯の華が浮いていて、お湯の濃さを感じます。



写真で見て、とっても気になっていた丸太風呂に入りました。(photo:ミクさん)
ちょうど一人が入るにいい大きさ。
いくつもあり、みんなでめいめいに入ると、なんだか森の小人のよう。
直径1mのトチの木を宿のご主人が手彫りしたそうです。

そのご主人に「今日はほかにおじいさん二人だけだから、混浴風呂も大丈夫だよ」と言ってもらっていたので、はじめはおそるおそる、それからのびのびと、広い混浴風呂を楽しみました。
この日一日でかなり混浴の経験値が上がったなあ。まあ、男性には会わずに済んでいますが。
最近では、女性が混浴風呂に入ると、男性の方が遠慮して出てしまわれるそうです。女は強し…。



外が寒いため、のぼせずにかなり長い間お湯を楽しみました。(photo:ミクさん)
だってこの日が最後の夜。みんな少しでも長く思い出作りをしたいという気持ちは同じです。
空を見上げると、満天の星。今にも落ちてきそうで、突然目がよくなった気がしました。

お風呂から上がり、身体を冷ましながら、みんな時間を惜しむようにおしゃべりをしました。
隣の部屋からマリさんが来て、飲み口のヒロコさんとビールを乾杯しているところに、ツチヤさんが来ました。
「マッサージをしにきましたよ」とツチヤさん。
ええっ、さっきの話は、しゃれじゃなくて本当だったんですか。
みんな驚きますが、「まあまあどうぞ」と言ってもらい、一人ずつお願いしました。
ツチヤさんのプロテクに、みんなびっくり。ああ極楽~。
足をほぐしてもらい、明日も快調に歩けそうです。

みんな酔っぱらっていて、いい感じにごきげん。
12時半に就寝しました。

この日のことは、日光市栗山 旅サイト「5秒でくりやま」にも掲載されています。
<Monitor Tour 2日目>

3日目に続きます。

2012-10 日光栗山はじめてづくし2-1

2012-10-24 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
1日目からの続きです。
○ 朝湯と朝食
○ 湯西川ダム
○ 蛇王の滝
○ 野門家康の郷・栗山東照宮
○ 民宿福冨士・蕎麦打ち体験
○ 民宿スナック


○ 朝湯と朝食

ツアー2日目。
前日は12時に寝て3人とも熟睡し、6時に起床。眠い目をこすりつつ朝風呂へ向かいます。
露天風呂で隣の部屋の人たちと会い、お湯の中で「おはよう」とあいさつしました。
ガールズ全員が朝湯につかっています。みんな温泉好きね。



大ホールで、朝食の陶板焼きウインナを食べながら、ぐるりと見回すと、私たちのテーブル以外、周りは親のような年代の方々ばかり。
「女ばっかりで泊まるなんて、私たちはどう見られているんだろうね?」「いい宿だから部活じゃないし」「温泉女子の会・・・?」などと話しました。

8時半に迎えのバスに乗りこみます。
外は少し小雨が降っていたけれど、みんなで「もういいかげんに止んでちょうだい」とブーブー言っていたら、そのうちに止みました。
昨日、下野新聞の人が同行していると思ったら、今朝の新聞にこのツアーのことが写真付きで掲載されていました。仕事が早いわ!

○ 湯西川ダム

初めに、宿から近い湯西川ダムを訪れました。
10月6日に完成式を行ったばかりだという、ブランニューのダム。
管理センターもピカピカです。建物内に入れてもらい、担当者に説明してもらいました。
実はダム好きの私、ひそかにテンションがあがっています。

昭和57年から着手し、30年間、総工費1840億円をかけて昨年完成した、栃木で4番目の最新ダム。
重力式コンクリートダムで、ここの水は茨城や千葉に送られるそうです。
「なにか質問はありませんか?」と聞かれたので、「はーい!」と手を挙げました。
水没した集落について伺いました。138戸が移転したそうです。
旧栗山村は全2500戸だったそうですから、20軒に一軒が家を離れたことになります。けっこうな割合だわ。



ここで、待望のダムカードをもらいました。ダムカード、前から欲しいなと思っていましたが、そうそうダムを訪れる機会もないし、行ってもカードをもらえたことがなかったため、これが初めて。うれしいわ。
「うふふ。写真撮って~」とカードを持ってポーズをとる私を、周りは「へ~、ダム~」と、ぬるめの視線で見守ってくれます。
ナカーイさんが、係の人に「ご自身でもダムカードを集めていますか?」と聞いたら、「自分は仕事なので…(カードは集めてない)」という答えだったので、みんなで「あれれ~」とちょっとがっかりしました。
いえ、彼のせいじゃないんですけれどね。







外に出て、ダムを上から眺めます。堤高119m。はるか下を、ものすごい勢いで水が放出されています。
1秒に10トンの放水だったかしら?すごい勢いで、見ていると気持ちがすがすがしくなります。
反対側は、紅葉が映える静かな湖面でした。

○ 蛇王の滝

バスに乗りこみ、五十里湖、川治湖ぞいに進んでいきます。
すっかりいい天気になり、空も緑も紅葉も湖も、きれい。
ちょくちょく橋が見えるのが、またいいですね。





雨が上がって、大きな虹が出ました。まさに空の架け橋です。



「遠くにダックツアーが見えますよ。みんな後ろを振り返って!」とバスガイドさん。
「ほら、どんどん湖に入っていく」
揺れる車内で何度も木にさえぎられながらも目を凝らすと、たしかに白いバスがゆっくりと川治ダム湖の中に入っていくところでした。
この光景を知らずに見た人は、「バス入水!?」とビックリ仰天しちゃうでしょうね。
うまく撮れませんでしたが、こんな感じ。今度乗ってみたいわ~。



次に、蛇王の滝へと向かいました。
ダムにおとらず、ここもすごい迫力。紅葉に映えてきれいです。



茶屋の中には、四季折々の滝の写真が飾られていましたが、どれも華厳の滝のようにまっすぐ。
これまではまっすぐな流れで、「そうめんの滝」とも言われていたのに、今年5月の台風で、土砂が崩れて流れが変わったとのこと。
その分、うねる感じができて、より蛇っぽくなりました。
そうめんよりは、蛇王の方がカッコイイですもんね。
中禅寺湖の龍頭の滝を連想させる名前ですが、もともとこの土地にある蛇の王の伝説が由来となっているそうです。



とっても冷え込んできて、滝を見ながらみんなでブルブル震えます。
茶屋ではもうストーブをつけていました。
アオヤマさんが私に「ブログ拝見しました。とてもすばらしくまとめてあって」と言ってくださり、恐縮することしきり。
目を通していただいたんですね~、いやはや。まあ、だからこそ今回のメンバーに入れていただけたのかもしれません。

朝までの雨はすっかりあがり、キラキラとした日光がこぼれる快晴日和。
紅葉が山に映えて、すごくいいタイミングに来れたねと、みんなで喜び合います。





○ 野門家康の郷・栗山東照宮

それから野門家康の郷へ向かいました。
ここに栗山東照宮があるといいます。日光東照宮のすぐそばなのに、こちらにもあるなんて。



現地に着くと、民宿一乃屋さんのご主人が東照宮まで案内してくれました。
石段を上がっていき、ユニークな顔の狛犬を眺めながらなおも進むと、そこにあったのは古めかしい祠。
これが、東照宮・・・?



想像していたものとはかなり違う、ぐっと小ぶりで雨風にさらされた感の強いものだったので、驚きました。
さらに、ご主人がお堂の中に入り込み、おもむろに木の観音扉を開けたので、さらに驚きました。
木の扉の向こうには…シャッター!ビックリが続きます。
そのシャッターの向こうには、いったい何があるんだろう?
みんな気になって、息を止めて見守りました。



私は、迫力のある恐ろしい何かを想像して、ドキドキしていました。
封印を解いたら、煙がドロンと立ち上って、私たち全員お婆さんになってしまうんじゃないかしら?(それは浦島太郎!)

ガールズの中から「御神体って、ミイラですか?」という声が上がり、(ちょちょ、違うでしょー)と内心つっこみながら、力が抜けて緊張がゆるみます。
そんなあんまりな、いえストレートな質問は恐らく受けたことがないだろうご主人は、少したじたじのご様子でした。
シャッターの奥にはさらに木の扉があり、それを御開帳すると、二段になった台座に雛人形のような人形が四体、鎮座していました。
その光景を、みんな(はぁ~・・・)と、言葉もなく見入ります。



とてもお上品で、かわいらしくさえ見えるご神体。
上段が「徳川家康公の御神体」、下段が「男体山三社ご神体」。下段左から、女峰神・男体神・太郎神です。
これが日光東照宮の御神体なのですね。
ごしんたい、を拝観すること自体、初めてじゃないかしら。
尊すぎるものを直接見てしまって、私たち、どうにかなってしまわないのかしら?
天海大僧正の呪いにかかっちゃう、みたいな?でも代々の守り主に見せていただいているのだから、大丈夫でしょう。

それにしても、なぜあのきらきらしく絢爛豪華な日光東照宮の御神体が、この人里離れたような秘境の地に?
ザ・グレート・ミステリーです。
明治時代の戊辰戦争の折、彰義隊の残党が立てこもったとされる日光山に、官軍の総攻撃がかけられることになりました。
日光東照宮が混乱に巻き込まれて、焼失する危険にさらされたため、大切な御神体に大事があってはならぬと、ひそかに持ち出されたのだそうです。
会津松平藩主肥後守容保(つまり松平容保)からその密命を命じられたのが、野門村の小栗久右衛門という人物。
彼は、家康公のご神体と男体山三社のご神体を、会津若松城(鶴ヶ城)へと運ぼうとしていましたが、その途中で、鶴ヶ城も戦火に包まれてしまったことを知ります。
行くも戻るも叶わなくなった彼は、自分の出身である野門集落に御神体を運びこみ、それからかの地の人々によって、ひそかに守られ続けてきたのだそう。



うーん、なんてドラマチックな話なんでしょう。
話を聞いているだけで、クラクラしてきそう。歴女な私は、かなり胸をドキドキさせて話に聞き入りました。
ただ歴史に特に興味がない人は、イエヤスまではわかっても、「ぼしん戦争?しょうぎ隊?」と、ちんぷんかんぷんだったかもしれません。

この栗山東照宮は、昭和45年に有志の方々によって建立され、一般に公開されるようになったとのこと。
それまでずっと、村の人々は秘密を守り続けていたのです。
ご主人は、御神体を保管していた名家の方で、子供のころから「それを見ると目がつぶれる」「触ると手が腐る」などと言われて、厳しく接触を禁じられてきたそうです。

では、このご神体を取り出した日光東照宮には、もうご神体はないのか、ということが気になります。
実際、この話が世間に公表されてから、人々の間にかなり混乱があったようですが、日光東照宮にもきちんと御神体はあること、そしてこちらもまぎれもなく本物であるということが、日光東照宮から発表され、お墨付きがもらえたそうな。

それにしても、と思います。
有志が建てた小さなお社は、村の鎮守のようで、とても御神体を内包しているものとは思えません。
村人たちに、必死に大切に守られ続けてきたのですから、日光東照宮も敬意を表して、もっとこちらに予算をかけてもよさそうに思うのですが。
日光東照宮の美しくも過剰すぎる装飾と比べると、あまりにも素朴で対照的でした。



普段は年に一度、家康の誕生日(10月26日)近くの日曜日に一般公開されるそうです。
今回は、特別に御開帳していただきました。ああ、私、今回参加できて、心からよかったと思うわ。
本当は、保存が痛むので、ガラスケースにでも入れないとそうそう公開できないとのこと。
(と言いながらも入っていないということは、やはり予算の問題でしょうか?)
栗山村(旧野門村)だった頃には、栗山東照宮のお祭りがあったのに、日光市に合併されてからは、その予算がおりなくなったそうです。
それは残念。合併もいいことばかりじゃないんだわ。

○ 民宿福冨士・蕎麦打ち体験

野門地区は、とても静かな山村。民家の軒先に干している大根が、ずらりとどれも大きくて、みんなで「なんだかやけにビッグな大根じゃない?」「育ちがよすぎるね」「たくあんどれだけできるかな」とささやき合いました。



お昼時になり、二軒の民宿に分かれて、そば打ち体験をしました。
誰も経験者はいませんでしたが、もんぺ姿の女将さんにてきぱきと教えてもらいます。
女将さんの名前はみっちゃん。温かい響きの方言でどんどん喋りかけてくれたので、すぐにみんな打ち解けました。



まずはそば粉をこねてまとめていくのですが、こねるのがとにかく大変でした。
初心者には難しいからと、2-8よりも少し多めに小麦粉を混ぜているそうですが、それでもなかなかまとまりません。

みんなでかわりばんこにこねまくりました。ときどき水を加えながら、丸くしていきます。
そば作りって、思ったよりも体力がいる、大変な仕事なんだわ。
私たちが難儀していても、みっちゃんの手にかかるとそば粉はどんどん丸くなっていきます。
「みっちゃんすごーい」とみんなで尊敬のまなざしを向けると、「みっちゃんだって二十歳で郡山からお嫁に来た時には、大変だったんだぁ。姑のアイちゃんが厳しくてねぇ。でもそのおかげで一人前になれたんだぁ」と、昔語りをしてくれました。



丸まったそば粉を、今度は打ち棒でどんどん引き延ばしていきます。
薄く薄く。でも途中で穴があいてしまいます。
どうしてもみっちゃんのように、手際よく上手にはいきません。

薄く伸ばした生地を重ねて、それを細く切っていきます。
こね終えた段階で、みんなかなりへとへと。
慣れない作業に、腕も腰も悲鳴を上げていましたが、隣の民宿の2班はもう茹で終わったと聞いて、かなり巻きでがんばりました。
姑さんのアイちゃんも御健在。厨房でお湯を沸かして、スタンバッてくれていました。



そうしてできた、私たちが初めて作った手打ちそば。そばのほかにキノコご飯、ジャガイモのにつけ、ふきなども出してもらい、自然の恵みをいっぱいにいただいた昼食となりました。
バスガイドさんとドライバーさんも呼んで、一緒にいただきます。
う~ん、おいしい!太さはかなりまちまちだけど、それもまた手作り感満載で、いい感じ。
大満足です。

○ 民宿スナック

「食事が終わったら、スナック来てね~。コーヒー淹れて待ってっからね~」とみっちゃん。
ん?スナック?
聞き間違いかと思ってみんなで目を合わせますが、方言は関係なく、はっきりスナックと言っています。
でもここは民宿でしょう。民宿にスナックがあるの?そんなの聞いたことないけど!

…ええ、ありました。民宿にスナックが。
みっちゃんハウスはフリーダム。
しかも、かなり本格的な空間で、がらりと雰囲気の変わった空間に、入るなりみんなで歓声をあげました。
和の雰囲気はどこへいったのー?



壁中にポラロイドの写真がびっしりと張られています。全部お客さん。
四方の壁ではもう飾りきれなくなって、天井にまで張られ始めていました。
「この人知ってる。誰だったかな」とトモコさん。
それは、池内万作(伊丹十三の息子さん)でした。撮影で訪れて、その後プライベートで再訪したんだそうです。
ほかに板東英治も来たことがあるんだそうな。



オレンジの椅子が小粋。テーブルは、インベーダーゲーム!
うわあ、キョーレツ~。今がなんの時代かわからなくなって、くらりときます。
もんぺ姿のままカウンターに入って、コーヒーを出してくれるみっちゃん。
いろんな意味で、濃いというか豊かというか、なんだかとにかく満ち満ちた気分になって、まあ幸せだからいっか、とコーヒーをいただきました。(photo:ミクさん)



そんな楽しいみっちゃんとのお別れは名残惜しく、歩きながらもみんなで振り返って手を振り続けます。
軽トラが私たちを追い越していきざまに、運転席のおじいちゃまが、満面の笑みで私たちにブンブン手を振り返してくれていたので、みんなでわあっと笑いました。



2-2へ続きます。