風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 3-2

2020-02-27 | travel

その1からの続きです。

● ガイドツアー

ひとしきり自分たちで周った後、13時半からのガイドツアーに参加しました。
学芸員さんが、来館者に選ばれた去年の人気ベスト10の作品を紹介してくれるといいます。
この膨大な作品数の中から選ばれし10枚って、どんな絵なのか、気になる~!

先ほどのシスティーナホールに集合し、ぞろぞろとガイドさんについて出発します。

だだっ広い館内を効率的に周るため、ランク順の紹介ではありませんでしたが、ここでは1位から発表します。

● ゴッホのひまわり

栄えある第1位は、ゴッホのひまわり!
(ふーん、みんなゴッホ好きなんだなあ)と、ちょっと薄い反応で向かいました。
でも、ひまわり部屋に一歩入ると、完全にその場に圧倒されました。
そこにはゴッホが描いたひまわりの絵が、ずらりと並んでいたのです。
壮観・・・圧巻!
ダントツの人気というのも、うなずけます。

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館に常設展示されているひまわりなら、訪れるたびに観ていますが、ほかのひまわりはほとんど見慣れていません。
ゴッホの全ひまわりの全体的な解説を受けるのは、これが初めてでした。

ゴッホのひまわりが全作揃う機会なんて、現実ではもうありえません。
7枚のうちの1枚は、すでに現存していないからです。
なんですって? いったいどこで? どうして?
なんと、それは日本でのことでした。

2番目に描かれたひまわりで、武者小路実篤の依頼で購入し、芦屋の山本顧彌太邸にありましたが、阪神大空襲で焼失してしまったそうです。
残念ですが、人命第一。空襲ならば、やむをえませんね。
失われた幻の1枚を含めた7枚のひまわりに囲まれた部屋。
強烈な黄色に吸い込まれそうになって、クラクラしてきます。


原画焼失したひまわり

ひまわりを4枚描いた後の作品3枚は、4枚目の模写なんだそう。
4枚目までは背景が青、それ以降は黄色い背景に変わっています。
ゴッホがひまわりを描いたのは、アルル時代のこと。
ゴーギャンを黄色い家に招くためだったそうです。

そばにいた参加者の一人がガイドさんに「何か香りがしませんか?」と尋ねました。
「柑橘系の香りです。よく気がつきましたね」とガイドさん。
そうなの?
それを聞いて、母と鼻をヒクヒク。
たしかに、ほのかにライムのような爽やかな香りがします。
ただ、言われなければ気が付かないほど、かすかなものでした。

この美術館では、展示に合わせて香りを流したりしているのだそう。
五感で美術鑑賞ができるようにしているんですね。すごいことです。

● 叫びとモナ・リザ

同率2位の2作は、ダ・ヴィンチの【モナ・リザ】とムンクの【叫び】。
時代もタイプは違えど、どちらも知らない人がいない名作です。



ムンクの叫びは、”夕焼けを観て「きれい」ではなく「空が血まみれになってる」と思い、恐怖で髪が抜け落ちた様子”と解説してもらいました。



ムンク自身も絵の説明をしており、あながち外れてはいませんが、かなり大胆な表現。
いつもガイドをしている方ならではでしょう。

● 真珠の耳飾りの少女

3位が飛んで、第4位はフェルメールの真珠の耳飾りの少女。
人気が高いですよね。アートコスプレの作品でしたが、なりきりたい方々が男女を問わず列を作って並んでいるのを見て、やめておきました。



フェルメールの描く絵は、ほとんど左から右に光が入っているのだそう。
ほかの作品も、注意して観てみよう!

● 最後の晩餐

第5位は、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐。
乾いた漆喰にテンペラで描かれた壁画のために損傷が激しく、一人の女性修復士が20年間、こつこつと修復しました。
部屋の壁2面に、修復前と修復後の両方が再現されており、比較して観ることができます。


『最後の晩餐』・修復前

私は修復前のオリジナル作品を、イタリアのミラノに見に行きました。
全体的に薄暗くて、目を凝らして見ても細部はよくわからなかったなあ。
当時の人が塗りつぶしてしまったそうです。


『最後の晩餐』・修復後

修復された作品から、ダ・ヴィンチが描いたオリジナルの様子がようやく判明しました。
キリストの口が開いており、何か話している最中だったとわかります。
きっと「この中に私を裏切った者がいる~」というシーンですね。
キリストや弟子たちのテーブル下の足が見えるようになりました。
ユダは財布を持っているので、弟子の中から見つけやすくなりました。

実際には、一人一人の表情や手の動きまで描き分けられ、テーブルクロスのたたみ跡の凹凸までも表現されていたんですね。
修復後に判明した、ダ・ヴィンチの精密さに、ため息が出ました。
オリジナル作品は限られた時間しか見学できませんが、ここでは心ゆくまで間近で見ることができます。

● モネの大睡蓮

クロード・モネの大睡蓮は、屋外エリアに設置されている環境展示です。
モネの「作品を自然光のもとで見てほしい」という願いをかなえる形をとっているとのこと。
額に入らない大きさのものを「大睡蓮」というのだそう。
パリのオランジュリー美術館地下の大睡蓮を外に出したような感じです。


モネは1867年のパリ万博で日本庭園が気に入り、自分の家の庭に池をこしらえました。
当時、持ち歩きできるチューブの絵の具が登場し、画家たちは外で描けるようになりました。
それがきっかけで、彼の睡蓮シリーズは誕生したと言えます。
つまり、時代が生んだ名作というわけですね。

● ピカソのゲルニカ

パリ万博のスペイン館に展示する絵を依頼されたピカソ。
全く違うものを描く予定でしたが、スペイン内戦中のドイツ空軍によるゲルニカ爆撃を知り、この題材に着手したそうです。
内戦中、この絵は外国を渡り歩いて展示され、内戦後にスペインに戻されましたが、その時には、ピカソはもう亡くなっていたそうです。


マドリードのプラド美術館別館に展示されていた時に、観に行きました。
当時もなお破壊したがっている人が多い取り扱い危険作品という扱いで、入るまでの手荷物チェックが厳しく、ガードマンが目を光らせる中で緊張して鑑賞しました。

今はソフィア王妃芸術センターに移されていますが、先日観に行ったという友人に聞いたところ、今でも手荷物検査はとても厳重だそうです。

普通、戦争画といったら血の色を連想させる赤を多用しますが、この作品では全く用いずに、戦争の怖さを描いています。
モノクロだからこそ、押し寄せる恐怖と虚無感。
絶望的な絵ですが、アネモネが咲いていると、ガイドさんに教えてもらいました。
花言葉は「希望」。ピカソの思いが込められていたんですね。

● システィーナ礼拝堂

第8位にランクインしたのは、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂。
この美術館の顔ですからね。
ミケランジェロは30歳で天井画を手掛け、30年後の60歳になってから壁画『最後の審判』に着手したそうです。
そんなにタイムラグがあったとは。すべて30歳の時に作り上げたのだと思っていました。
だって、見るからに重労働ですからね。かつての60歳は結構な高齢。よく仕上げたなあと思います。

● クリムトの接吻

第9位に、クリムトの接吻が入りました。



クリムト作品は、ゴージャスなタイルを埋め込んだように見えますが、イタリア・ラヴェンナのモザイク画を元にスタイルを確立させたそうです。
接吻にうっとりとする恋人たち。足元には楽園の花が咲き乱れていますが、二人は崖っぷちにいる、どこか不安感のある絵です。

● ミレーのオフィーリア

第10位となったミレーのオフィーリアは、初めて人気ベスト10入りを果たした作品だそう。



「先日亡くなった樹木希林のエッセイの表紙のモチーフとなったのが原因ではないか」とガイドさんは推測していました。
姫が溺れいく哀しいシーンですが、緑に囲まれた水面の女性という構図は美しい仕上がりになっています。
郊外でスケッチした自然の景観に、人物を描き加えて仕上げたそうです。

というわけで、ベスト10は、以下の作品でした。
第1位 ゴッホの【ひまわり】
第2位 ムンクの【叫び】とダ・ヴィンチの【モナ・リザ】
第4位 フェルメールの【真珠の耳飾りの少女】
第5位 ダ・ヴィンチの【最後の晩餐】
第6位 モネの【大睡蓮】
第7位 ピカソの【ゲルニカ】
第8位 ミケランジェロの【システィーナ礼拝堂】
第9位 クリムトの【接吻】
第10位 ミレイの【オフィーリア】

● 男性が選ぶ美女

番外編として、ガイドさんに「男性が選ぶ美女第1位」を教えてもらいました。
みんな、特に男性陣が、興味深々で耳を傾けます。

それはムリーリョの【無原罪の御宿り】でした。
たしかにこの画家の描く聖母さまは、少女のようなあどけなさと清らかさに満ちていて、私も好き~。

● 女性が選ぶハンサム

もちろん「女性が選ぶハンサム第1位」も教えてもらいました。

(イケメンかあ、どの絵かなあ?)と考えます。
でも、いまいちピンときません。イケメンの絵、あったかなあ。
どうも、ルイ14世のゴージャス感のインパクトが強くて、あの王様しか思い浮かばないのです。
美脚だけど、顔はどうかしら~(←失礼)

答えは、リヴィエールの【エデンの園】でした。
ん? ちょっとまって。どんな絵だったかしら。
絵の前まで連れて行ってもらわないと、わからない、それほど有名ではない作品です。
でもこの絵、男性の顔が見えないわ。
なのになぜ、ハンサムってわかるのー?

 

「たしかに男性の顔は見えませんが、男性を見つめる女性の顔がとても明るく幸せそうですよね。それで、女性にそんないい表情をさせているこの彼は、とてもかっこいいに違いないと、想像してのことだそうです」

確かに、この女性、本当に彼を愛してやまないと伝わってくる、素敵な笑顔をしています。
なるほど~。なんて小粋な選び方なんでしょう。
これぞ、大人のチョイスだわ。

ガイドさん、おもむろに「私も50年前は、夫に向かってこういう顔を見せていたんだろうなと思いますが、もう今は・・・」と語りだしました。
ちょ、ちょっと、どうなさったんですか(笑)? 大丈夫ですよ!

そんなこんなで、楽しくためになるガイドツアーでした。
最後に、展示作品の額縁について、教えてもらいました。
基本的に、陶板画にしてもいいとの許可をもらったときの額を再現しているそうです。
ルイ14世の額は、3000万円もするそうですよ!
たっか!! すべてゴージャス!!!

● 私のお気に入り

押しも押されぬ名画10選は、それは満足度の高いものでした。
どの作品も迫力満点だったので、逆にささやかな絵が観たくなり、ツアーの後に、自分の好きな絵のところに行きました。


サージェントの『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』。
夕暮れ時、白い服を着た2人の少女がランタンに火を灯しています。
少女たちの周りには、淡い色の花々が咲き乱れています。

かわいらしい、夢の1シーンのような光景です。

● ミュージアムカフェ

美術館に着いてから、ランチをとばしてずっと歩き回っていたので、さすがに足がくたびれてきました。
母も、よく体力がもっていると思います。
好きなものを前にすると、謎のパワーが出るものですが、それでもそろそろひと息つこうと、カフェに向かいました。

館内にはレストランやカフェが何軒もあります。
入ったのは、池の側にある「カフェ・ド・ジヴェルニー」。

季節限定という「おいしぃぃぃ~と叫ぶ ムンクのどら焼きセット」が気になります。
そんな叫びなら、してみたーい!
寒い日だったので、お茶とどら焼きがいいかなと思いましたが、メロンパフェも気になり、悩んだ末に二人ともパフェをチョイス。

モネの絵画のようなスイレンの池を眺めながら、パフェをいただきました。
「おいしい!!」 「これにして正解!」

白い壁の向こう側は、モネ【大睡蓮】の作品になっています。
ここだったら、どら焼きよりパフェの気分になりますよね~。


絶品パフェ

肌寒い日だったので、周りは、ムンクどら焼きにした人たちばかり。
でも誰も、おいしさを叫んではいませんでした。

ここでほっと一休み。
名画のオンパレードをひたすら無我夢中で観まくってきたので、頭が飽和状態になっています。

● 信楽の陶板画

陶板画は、普通の絵画よりもはるかに保存期間が長く、後世に残ります。
絵画に比べて取扱いも楽で、触っても痛みません。
ただ、やはり発色の限界はあるようで、オリジナルとは色が違う作品もあります。
また、性質上、光沢があり、光って反射します。
まあ、陶板画の技術も、今後どんどん上がっていくことでしょう。
いずれにしても、名画を後世に伝えるという人類の壮大なミッションを担う大塚国際美術館の姿勢には、敬服する限りです。

陶板画は、信楽で作ってもらっているとのこと。
昨日滋賀で観た、朝ドラ「スカーレット」のポスターが、ここにも貼られていました。
さて、観たい名画も鑑賞で来たし、休憩のあとは、ふたたびアートコスプレしましょう。

● 民衆を率いる自由の女神

女神さまになれるの? と思ってやってみましたが…

どう見ても、抵抗軍のパルチザン! なんだか帽子もそれっぽいし。

女神は片胸出しているのですが、さすがにその格好をする人はいません。
私も、首だけ出したら、こんな仕上がりになっちゃいました。
笑ってやってください。

● ラ・ジャポネーズ

クロード・モネの、ラ・ジャポネーズ。
これは、モデルというよりも、着物の刺繍を見せることが大切ですが、なかなかうまくいきません。
さらに、モデルが持っているはずの扇子が行方不明。小道具どこにいったの~?
そこで、背景のうちわを持っている風にしてみました。
でも、そこに気を取られていたため、結局着物の柄はうまく撮れませんでした。
そして・・・なんといっても、モデルに比べて背が小さく、着物を着こなせていない感バリバリ。ジャポネーズなのに・・・。

● 笛を吹く少年

マネの【笛を吹く少年】。
これならやれそう!と思ってトライ。
でも意外と難しかったです。
黒いベストの下は白シャツだと思っていたら、白いたすきだったとは。
ポーズを決めたつもりが、何かが違う・・・うーん、コスプレって奥が深いわ。

● モナ・リザ

通常展示のモナ・リザの絵画とは違う、撮影用の特設コーナーが設けられていました。
そのためなのか、モナ・リザの絵はやけに巨大で、しかも2枚並んでいます。
どうしてかしら?衣装がおとな・こども合わせて4着あったので、大勢で撮るためかしら?

よくわからなかったので、2枚の巨大画の間でポーズを取りました。

● セーヌ川の舟遊び


ルノワールの【セーヌ川の舟遊び】は、女性2人が舟遊びをしている絵なのですが、母は入らないというので、寂しく一人ボート。

両方の女性の真似をしてみました。
、もう一人の女性はブルー系のドレスでしたが、次に並んでいる人がいたので、別のドレスに着替えるのはやめました。

けっこうコスプレしまくりましたね~。
それでも、館内には28着のコスプレ用衣装が用意されていたとのことです。
きちんとした衣装だと思ったら、そうち12着は京都造形芸術大学芸術学部の学生さんが製作したそうです。

「ガチでルイ」キャンペーンに参加できて、ガチで嬉しい!

● ここにない名画って?

この美術館には、名作と言われる名画は、すべて揃っているような気がします。
ここにない名画って、あるかしら~?
ウンウン考えて、ひとつ思い付きました。
ルノワールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ )』 がありませんでした。



万人好みの作品だと思いますが、著作権などの問題かもしれません。
今でもコレクションは増えているということなので、いずれ所蔵作品に加わるかもしれません。

● 帰りのバス

5時間ずっと美術館の中にいて、外に出た時には、もう夕暮れ時でした。
帰りのバスも人でいっぱい。不便な場所にあるので、車がない人にはバスがたよりです。

瀬戸内海にかかるきれいな夕焼けを観ながら、一路本州へ向かいます。

● 淡路島へ

ふたたび大鳴門橋を超えて、鳴門市から淡路島に入ります。

帰りは、鳴門の渦巻きはそんなに見えませんでした。

● 淡路島夕景

室津PAで休憩タイム。夕焼けがあかあかと見えます。

一日曇りがちの日でしたが、きれいな夕焼け空でした。
神戸の夜景も見たかったのですが、寝落ちしてしまって見逃しました。

● 電車と接触放送

大阪駅でバスを降り、新大阪駅構内で早めの夕飯を食べて帰ることに。
先ほどパフェを食べて、それほどおなかが空いていないため、そば屋で軽くすませることにします。


クリスマス仕様のビリケンさん

駅の構内では、「お客様が電車と接触したため、JR阪和線は運転を見合わせています」とずっと放送されています。
阪和線といったら、大阪と和歌山を繋ぐ路線。けっこう長いですね。
「電車と接触した」というので、てっきりホームで乗客が車体に触れた程度だと思いましたが、JR西日本では人身事故のことをそう表現すると、あとになってから知りました。
思っていたよりはるかに深刻ー! それじゃあ運転見合わせになりますね。

● エビ天うどん

よくわからず浪花(新大阪?)ナントカといううどんにしたら、全のせレベルの具だくさんのものがきました。
母も、「よくわからずエビ天を2つ頼んだら、なんかすごいことに…」ととまどった様子。
それでも完食しました!

● 鳴門のワカメ

この日は旅行3日目。あっという間に最後の夜です。

ミュージアムショップにはたくさんのグッズが売られており、レジには長い列ができていました。
そんな中、バスの時間前に母が急いで買ったものは何かというと…
鳴門のワカメ!
「おいしいのよ~。それに鳴門は、三陸の次にワカメが採れるんだから」
「あ、そうなの」
「お友達へのお土産にね。だってほかに買うところ、なかったじゃない」
確かにそうですが、美術館で買うものではないような…。

最終日に続きます。


2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 3-1

2020-02-26 | travel

2日目からの続きです。

● 大阪駅ビギナー

3日目の朝も、母につられて早起き。寝不足が続きます。

新大阪駅からJRで大阪駅に移動します。
人がいっぱいいますね~。
新大阪駅にはそこそこ慣れてきましたが、大阪駅の改札を出ると、右も左もわからずにうろうろ。

JR大阪駅西側高架下からバスが出ます。そこに行こうと、桜橋口改札に向かいましたが、 階段しかなく、立ち尽くしました。
脚が弱い母が極力階段を使わずに済むように、いつもエスカレーターかエレベーターを探していますが、そのどちらもありません。
私だけ先に階段を降りて、改札の駅員さんにエレベーターがないかと聞きましたが、中央口改札以外、近くのほかの改札にもないとのこと。
えっ、本当に? 大阪一大きな大阪駅なのに...。古い駅だから?
とはいえ、それほど長い階段ではなく、母もまだ疲れていなかったので、手すりにつかまりながら、一段ずつゆっくり下に降りました。

後で調べたところ、どうやら皆さん、デパートのエレベーターを使っているようです。
でも駅の構造もわかっていない旅行者には、そうした抜け道はわからないんですよね~。
駅員さんがそういうルートを教えてくれるのかは微妙だし…。

● 徳島行きのバス

駅横のALBiの前に、徳島行きの高速バス停留所があります。
予定時刻10分前に大型観光バスが到着しました。
予約したときには、まだ2席しか埋まっていなかったので、(乗客は4人だけだったりして)と思っていたけれど、車内は満席でした。
時間ピッタリに発車。座席が高い場所にあるため、振動がほとんどなく、すべるように動いていきます。

バスは大阪の中心部を抜けていきます。
高い目線から、中之島公園の重厚な建物を眺めて、ミニ市内観光気分。
そこから海沿いに抜けると、独特の建物が見えました。

● USJ?



「あれって、ユニバーサルスタジオじゃない?」
と、母とキャッキャッと話していましたが、なんとゴミ処理工場だったと判明。
大阪市環境局 舞洲工場と舞洲スラッジセンターの塔だそうです。
夢の国とゴミ処理場の区別がつかない大阪。さすがです。
東京にも夢の島という名前のゴミの島がありますが、こんなにドリーミンではありません。

● 日本酒の樽

海沿いの道を、神戸方面に走っていくと、巨大な日本酒の樽酒が見えてきました。
剣菱の酒造の工場です。
灘の辺りにきたんだなあとわかります。


剣菱酒造工場

高速道路上にほかの車が走っていない時もありました。
最前列なので、気分爽快です。

● 海のキリンさん

神戸の臨海工業地帯にさしかかりました。
たくさんのキリンさんたちが水を飲みにやってきています。
京浜工業地帯クルーズでよく見た、ガントクレーンです。

ポートアイランドの辺りにさしかかりました。赤いポートタワーが見えます。
反対側は六甲山。
横浜港に似ている地形ですが、こちらの方が山の高さがハンパありません。
だって、ロープウェイもあるくらいですからね。

● 明石海峡大橋

いよいよバスは瀬戸内海を渡り、淡路島へ。初めてなのでワクワクします。
本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋~!

橋好きなので、もう大興奮。
美しいですね。機能性と芸術性が組み合わさった建築美に見とれます。
最前列の座席からよ~く見えて、ああ幸せ。
この橋は4キロ近くもあるので、存分に鑑賞できます。

この主塔の海面上の高さは298.3 mあります。ほぼ300m!
横浜ランドマークタワー(296.3 m)よりも高いんですね。圧倒されました。

途中の小さな室津PAで休憩タイム。
島に自分の足で上陸しようと、バスを降りてみました。

● 大鳴門橋

淡路島を超えて、淡路島と鳴門市を結ぶ大鳴門橋。
橋の長さは1629m。淡路島は明石よりも徳島の方に近いんですね。
なのに兵庫県なんですねー。

調べてみると、淡路島はもともと徳島藩が収めていたものの、「庚午事変(こうごじへん 稲田騒動ともいう)」 という独立騒動が起こったため、政府が兵庫に所属を換えたのだそう。
淡路島と徳島は、仲が悪かったようです。徳島の民が、淡路島の民を、島モンだと差別していたのだとか。
どっちも島なのにね~。
この辺りは、いつかじっくり歴史をひもといてみたいです。

● 鳴門海峡

鳴門海峡にさしかかりました。わー、海がぐるぐるうねって、渦ができてる。
これが噂に名高い、鳴門のうず潮ね~!

母は以前、夫婦旅行でうずしお観潮船に乗って近くから覗いたそうです。
30分ほど前がピークだったようで、少し小振りでしたが、瀬戸内海のあちこちに渦ができてぐるぐると回っていました。

この目で見られて嬉しい! 写真にうまく撮り切れなかったのが、残念!


● 大塚国際美術館

大鳴門橋を渡りきると、そこは四国徳島。
渡ってすぐのところに、目指す美術館はありました。


大阪から2時間少しの距離。高速バスはずっと飛ばしてきましたが、やはり距離があります。
入り口を入ると、巨大なエスカレーターがずーーっと上に続いていました。
ビル5階分くらいはあるかしら?



入り口はかなりシンプルですが、入るといきなりのゴージャス感に圧倒されます。
上まで上がって行くと、そこは地下3階でした。
どういうこと?よくわからず混乱します。
バス停は海面上の平地にあり、1階と考えるのが普通ですが、山の中にできているこの美術館としては、地下6、7階くらいの場所になるようです。
展示室は5階分になっており、上部の1階、2階以外は山にすっぽりと覆われているので、山すその正面玄関を入り、エスカレーターでグーッと上った場所が地下3階になるのです。
(詳しくは公式サイトのフロアマップをご参照ください)

● 陶板画ミュージアム

大塚国際美術館では、陶板画となった世界中の名作絵画を観ることができます。
陶板画とは、画作品を陶器の板に原忠実に再現したもの。
ここは日本最大級の常設展示スペースを持つ陶板名画美術館で、世界26カ国・1000点以上の陶板名画が展示されています。
変色などの劣化に強く、色や姿を2000年以上保つといわれる陶板画。
ここでは、名画の写真撮影もOKですし、触ってみることだってできるのです。
 

● システィーナ礼拝堂 

正面玄関からエスカレーターで地下3階に上がります。
すぐのところにシスティーナ礼拝堂がありました。

これはすごい・・・!高い天井で展開されるあまたの聖書のドラマ。
度肝を抜かれました。


最後の審判

かつてバチカンでオリジナルを見たときのようなめまいを感じます。


アダムの創造


デルフォイの乙女

大きさを示すために、デルフォイの乙女の部分が下に展示されていました。
人間よりも大きな一枚でした。

● Lemonの絵


システィーナ・ホールの『Lemon』スペシャル陶板

去年、米津玄師がこの場所で紅白に出場し、「Lemon」を歌ったことで話題になりましたが、礼拝堂の片隅には、その記念に、彼が描いた檸檬の絵が飾られていました。
うーん、多彩!

● 鑑賞開始

到着したのは11時半。帰りのバスは16時半。美術館で5時間過ごせます。
一つの美術館にそんなにいたら飽きてしまわない?と思うでしょう。
でも、ここには2日かけても足りないほどのたくさんの、世界中の名作の陶版画があります。
5時間あっても、おそらく足りないでしょう。
なにもかもわからないため、ガイドブックの地図が頼り。
モデルコースに沿って見ていくことにします。
観たことがある絵画がたくさん。すべてオリジナル作品と同じ大きさです。
以前見たことがあるオリジナルの記憶も曖昧になっており、ダ・ヴィンチの『モナリザ』は記憶よりも大きく、レンブラントの『夜警』は小さく、正方形に近くなっているように感じました。

● 環境展示

一つのフロア面積がとても広く、細かな展示室に分かれています。
B3階には“環境展示”といって、古代遺跡や礼拝堂の壁画を空間ごとそのまま再現する展示が多くみられました。


『スクロヴェーニ礼拝堂壁画』

北イタリアの『スクロヴェーニ礼拝堂』の内部を再現した空間。
すべて手作業でなされたであろう、繊細な壁画に圧倒されます。

「聖母マリアの生涯」の12場面や「キリストの生涯」の25場面が描かれており、時が止まったかのような静けさ。
美しい青い天井が印象的でした。

● 西洋美術史の流れ

館内は、古代から現代まで年代順に作品が並び、西洋美術史の変遷が分かるようになっています。
古代・中世期のB3階からB2階へ上がり、華やかなルネサンス美術やバロック美術の時代へ。
親しんだ絵が増えてきました。
B1階は印象派メイン。1階と2階は現代とテーマ展示。


ルーベンスの『キリスト昇架』 

『フランダースの犬』でネロが死の間際に観たキリスト降架の祭壇画がありました。
見上げていると、私もネロの気持ちにシンクロしてきました。
パトラッシュ、もう疲れたよ…。


ベラスケスの『ラス・メニーナス』

全体をざっくりと一周して、おおよその美術館の大きさをつかみました。

● こっそりタッチ

絵に触っていいなんて、初めて聞きますね。
触ってみたーい!
でも、意外とみんな、触らないんです。(本当にOKなのかな?)と心配になってしまうほど。
もしダメなのに触ってしまったら、大騒ぎですからね。
子どもでさえ、触っていません。

心配になってきますが、せっかくなので触れてみましょう。
周りの様子を見ながら、さりげなさを装って、こっそりちょっと絵に触ってみました。
すると、母もそれに続いてちょっとタッチしていました。
「お母さんも同じだったんじゃーん!」
フェルメールの陶板名画は8点、展示されています。
世界に散らばっている彼の作品を一度に観られるなんて、すばらしいことです。

● アートコスプレ

今は館内でコスプレ期間中。
ここのコスプレ企画は、なかなか本格的でいいと、いつもお世話になっている「青い日記帳」の管理人さんが教えてくれたので、今回の楽しみの一つとして、やる気満々でやってきました。

昨日はちょうど、TMレボリューション(西川貴教)がやってきて、一大コスプレイベントを行ったそう。
あの人、なんでも似合いそうだわ~。

まだその熱気冷めやらずといった感じで、館内には熱さが残っています。
合い言葉は「ガチでルイ」! ガチって・・・。本気モードですね。


ルイと笛吹少年になったレボレボ

● ガチでルイ!

ということで、さっそく私も挑戦しました!
扮するのは、太陽王ルイ14世です!

ルイがお手本。彼は美脚が自慢だったんでしょうね~。
実際にやってみると、これがなかなか難しいです。
見本があるのって、楽なようでしばりが多くなりますね。
角度が違うと雰囲気も変わってくるため、身体の向きや角度にまで注意をする必要が出てきます。


なりきりルイ!

カツラがもじゃもじゃで、笑いながらかぶりました。
この衣装、一着だけではないんです。
大人用が2着、子供用も2着ありました。
私が撮影を終えて衣装を脱ごうとした時には、もじゃもじゃの髪の別の女性が、ほぼルイになりかけていました。

その人は、白タイツまではいて、本格的!
私はとても見せられない脚なので、ジーンズで誤魔化してしまいましたが、美術館も、白タイツ推奨なんですよね。
本当にガチです!

● なりきりぶらんこ


フラゴナールの『ぶらんこ』

ロココ美術の代名詞、 『ぶらんこ』です。
女性のふんわりとした、空を飛べるようなドレスがすてきですね。
この格好ができるなんて、すごい~!


なりきりぶらんこ!

思い切り漕ぐと、せっかく雰囲気を出している後ろの壁紙を破壊してしまいます。
そのため、オリジナルのように宙は舞えませんでした。

ポーズをとっているときは、とても恥ずかしいのですが、あちこちにいろいろな衣装が準備されており、なりきっている人は結構います。
笑う人なんて誰もいないので、まったく悪目立ちしません。
なんといっても、美術館が勧めているんですからね!

やっているうちに、どんどん楽しくなって、ノリノリになります。
撮影してくれた母も、笑いながら楽しんでいます。
着てみて実感しましたが、衣装は分厚くてなかなか本格的。
これなら、写真映えしますね!

その2に続きます。


2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-2

2020-02-21 | 近畿(京都・滋賀)

その1からの続きです。

● 竹生島上陸

遊覧船に乗り、1日かけて琵琶湖の島を巡っています。

お次は竹生島。前回乗った時には、私たちだけここで船を降り、長浜行きの定期船に乗り換えました。
長浜に行く旅程を組んでいたからです。
途中で下船したため、琵琶湖一周はしていません。

船にトランクを持ち込んだため「竹生島の入り口で荷物を預ってもらわなくては」とか「西国三十三観音の御朱印をいただきたい」など思っていた、せわしないフリータイムでしたが、今回はそんな悩みもなくて、とても気楽。

● 日本五弁天

都久夫須麻神社の本殿横に、招福弁財天が祀られていました。
カラフルで美しい弁天像です。


招福弁財天

この神社のご祭神は市杵島比売命ですが、こちらは仏教の弁天さま。
神道の市杵島比売命と仏教の弁財天は同じ神様とされており、竹生島は、神仏習合の聖地なので、一緒にお祀りしているのでしょう。

弁天様の横には、「日本五弁天」の立て札がかかっていました。


 ・ 安芸国(広島県宮島)   厳島大神 [厳島神社、大願寺]
 ・ 大和国(奈良県天川村)  天川大神 [天河大辨財天社(天河神社)]
 ・ 近江国(滋賀県竹生島)  竹生島大神 [宝厳寺、都久夫須麻神社]
 ・ 相模国(神奈川県江ノ島) 江島大神 [江島神社]
 ・ 陸前国(宮城県金華山)  黄金山大神 [黄金山神社]

日本三大弁天といったら、宮島・竹生島・江の島。
ただ諸説あるので、五つだと公平感があります。
ありがたいことに、五弁天、全てをお参りできた私。
ここ竹生島大神へのご挨拶が、一番最後でした。

紅葉が色づく島。向こう岸が見えます。
長浜の方面です。

● かわらけ投げ

母は前回、タイムオーバーでここでかわらけ投げができなったことを、ずっと残念がっていました。
今回は、ぜひやっていただきましょう!

小さな素焼きの皿の一枚に自分の名前を、もう一枚に願いごとを書いて、龍神拝所から湖に面した鳥居へ向けて思いっきり投げます。
見事下をくぐると、龍神様が願いを叶えて下さるのだそう。


そーれっ!

「1枚は入ったけど、1枚外しちゃったわ」
ちょうど一週間前、ここで「竹生島かわらけ投げ世界選手権」が行われたそうです。世界規模とは・・・。母よ、ひと足遅かったわね!

● 工事中 

目下、宝厳寺は6年かけての唐門・観音堂・舟廊下(渡廊)の修理保存中です。
前回訪れた時にも、お寺には足場が敷かれていました。
ヘルメット姿の人々がぞろぞろと見学する様子を、外からお坊さんが見守っていました。
来年の春には、すべて完成することでしょう。


宝厳寺観音堂

かわらけ投げの望みを叶えた母は、あとはゆっくり石段を降りて、時間まで桟橋で待つと言います。
そこで、さらに上にあるお寺の本堂を、一人でお参りすることにしました。
この島の石段は、急勾配で長いため、一番上りやすい階段はないかなあと思いましたが、ぬけ道はなさそう。
観念して登ります。

● 七本槍のもちの木
 
御本堂の弁天堂を参拝し、前回時間が足りなくなって寄れなかった、一番上部の場所にも上がります。


もちの木

1602年に植えられた、樹齢400年以上のもちの木がありました。
枝振りの美しさに見とれました。

豊臣秀頼の後見役、片桐且元(かたぎりかつもと)の手植えだそう。
「賎ヶ岳の七本槍」の一人じゃないですか!
 🎵ウィーアー・ウィーアー・七本槍!

● モチモチの木

ところで、モチの木といったらモチモチの木を思い出しますよね。
滝平二郎の切り絵の影響で、モチモチの木はこわいイメージがありますが、この木に怖さはまったくありません。
モチの木とモチモチの木は、同じもの?
調べてみたら、別ものでした。
モチの木はモチノキ、モチモチの木はトチノキだそうです。
まぎらわしい~!

● 帰り道

前回は、滑り落ちそうになりながら、大急ぎで石段を駆け下りて港に戻りましたが、時間に余裕がある今回は、ゆっくりと降りて行きます。
途中の「ぼけ封じ 諸病封じ 楽寿 観世音菩薩」 像に、しっかりお祈りしてきました。

今回は、長浜行の船に乗り換えることはせず、ふたたび遊覧船に戻ります。
竹生島が今回のクルーズの北端。ここからは、大津港への帰り道になります。

● 白髪神社を海参拝

2000年以上前に創建された白髪神社。
全国に300社以上ある白鬚神社の総本社。”近江の厳島”と呼ばれるということで、海に建つ鳥居は、本当に厳島神社のようです。
ここを海からお参りします。船に乗っているからこそできる体験。

船は少しずつ速度を落とし、ゆっくりと鳥居に近づいていきます。
SUP(サップ)に乗った人たちが、鳥居の下を通っていきました。

デッキに出て眺める私たち、ドキドキが高まります。
正面まであと少し…!

ぴったりと鳥居の正面で停まってくれました。
ここのご祭神は、旅と導きの神、猿田彦。
ここまでやってこれたことに、お祈りしました。

● 船内の乗客

船内に戻り、瀬田のしじみでアクセサリー作りをします。
のんびりした時間の中、一日同じ船内で過ごす乗客の方々を見回します。
相席のお上品な女性二人は、年が離れており、お互い敬語で会話をしているので、お嫁さんとお義母さんだろうと推測。

隣のテーブルは、おひとり様参加の男性が2名。会話はまったくありません。
勇気あるなあと思いますが、スゴイカメラがテーブルに乗っているので、写真の撮影が目的でしょう。

反対側の隣のテーブルには、まだ授乳期の小さな赤ちゃんを抱えた若夫婦。
この赤ちゃん、クルーズ中、一度も声を上げて泣き騒ぐことがなく、とても静かないい子だったで、最後には司会者の人にも褒められました。
船が大好きなのかも~。

帰りはずっとよし笛のコンサート。
ヒーリング~。

● 滋賀県の抱える問題

地元出身のガイド、今泉さんが琵琶湖について語ってくれました。
「これまで滋賀県民は、琵琶湖の上にあぐらをかいてここまできました」
滋賀県は、色々な問題が山積みだそうです。
琵琶湖の西側、彦根や近江八幡のある湖西エリアは平らな土地ですが、比叡山のある湖東エリアは山がちで、あまり栄えていないそう。
大津市役所は山の上にあって利用するのに不便だし、草津などでは、人の流出が続いているのだそう。

マック、ケンタ、ピザ屋は、琵琶湖大橋より上にはないそうです。
「中華屋やラーメン店しかありません」
本当に? 長浜は結構大きな町でしたが、それでもないのね!?

そもそも、滋賀県の特産がなくて、探している状態なのだとか。
(滋賀の名産ってなんだろう?)と考えます。
近江牛と鮒寿司?ほかにはあったかな?
有名なお菓子って、なんだったかしら?
・・・たしかに、あんまり思い出せないものですね。

交通網も不便で、すべての乗り入れラインがうまく接続していないのだそう。
ガイドさんは、モノレールでつなげる案を推したいそうです。
「問題が山積みの滋賀。コンサルにとって穴場です!」
たしかに、よくもわるくも琵琶湖なしには語れないのが滋賀県。
京都の隣なので、もっと観光客がいってもよさそうに思います。
朝ドラ効果も期待しましょう!

● 湖の駅浜大津

船はひたすら南に戻り、琵琶湖大橋港に着岸します。
朝に下をくぐったびわ湖大橋。遠くから見ても、絵になるわ。



湖の駅浜大津でお買い物をします。
道の駅ならぬ、湖の駅もあるんですね。でも、ほかにはないようです。
初めて入りました。貴重だわ!
「みずうみ」ではなく「うみのえき」と読むんだそう。読めない…。

信楽焼のコーナーには、目下放映中の朝ドラ『スカーレット』のチラシが貼られていました。

● ギガ団子

ギガ団子!? 文字も巨大ですが、中身もほんとうに巨大サイズでした。
直径が約7㎝、重さが300g だそうです。もはやこれ、団子じゃない…!
まんじゅう? 大福?
「近江米の新名物」だそうです。さっきのガイドさんの「名産がない」という話を思い出しました。

いろいろな野菜が売られている中で、和歌山みかんとキクラゲを買いました。
みかんは、旅行中のビタミン摂取のために。

わたくし、キクラゲに目がありません。天日乾燥の国産、いいですね~。
帰宅したら、さっそく食べようっと。

船に戻ると、となりに「うみのこ」号という船が停泊していました。
母「湖なのに海の子って」
私「うみのことツチノコって、似てるけど違うんだ」
こんな会話、船のオーナーはいやでしょうね。
県内の子どもたちを対象とした学習船だそうですが、廃船が決まっているそうです。

● 琵琶湖の残照

出航までの間、デッキに立って、空がピンク色からオレンジ色に変わり、輝きが少しずつ薄らいでくのを眺めていました。

船が動き出してからも、きれいな夕焼けは、しばらく湖上にとどまっていました。


● 下船

一日ゆったりと湖上を巡った琵琶湖クルーズも、大津港で解散。
ガイドの今泉さんと、船の運転士さんにご挨拶して船を降りた時には、辺りはもう暗くなっていました。

もと来た道を戻るので、楽です。
母に、関西では駅のホームと直角にベンチが置かれている話をします。
「自殺防止ですって」
帰りのJRは空いていましたが、京都駅でやっぱり大勢の人が乗り込んできて混雑しました。
外国人旅行客が圧倒的に多く、英語や中国語が飛び交う車両内は一気にインターナショナルになりました。

新大阪で電車を降ります。
土曜の夜はどこもお店が混んでいるため、ホテルで食べることにしました。


大阪城カラーマンホール

新大阪駅の構内は大きく、初心者にとって複雑な構造になっているので、ホテルのシャトルバス発着所への行き方に悩みます。
間違えてメトロの乗り場の方へ行ってしまい、御堂筋線の改札駅員さんに、教えてもらいました。

● ホテルのツリー

無事にホテルに戻ってきました。
クリスマスツリーのデコレーションが暖かく迎えてくれます。
シャンデリアもゴージャス!

ホテル内の和食料理店、和食堂 花綴へ。
この日のオススメ、高知産の取れたて魚介類を頼みましたが、お上品すぎる量でした。
確かにおいしかったんですが、もっと豪快にお願いしまーす!

下は母の御膳。一皿分けてもらいました。

食後、私がツリーを撮影していると、近くで待つ母のもとに、ホテルの人が近づいていきました。
「売店の人から飴をいただいたわ」
さすが大阪! 飴ちゃん文化!


飴ちゃん

● 大阪おこし

部屋に戻ってくつろぎます。
一日船に揺られていたので、そんなに歩いてないと思いましたが、2万歩越えしていました。
どうりで眠いはずです。
この日もいい一日でしたが、昼過ぎには充電がもう30%しか残っておらず、またヒヤヒヤしました。
こんなに早くなくなるのは、画像を撮るから?

この日のパンフレットを読み返します。
右上は、葦で作ったマスコット、右下は船上で作った瀬田のしじみのアクセサリー。

大阪の粟おこしや岩おこしって、浅草の雷おこしとどう違うんでしょうね?
食べ比べしようと、買ってみました。
ところでおこしって「粔籹」って書くそうですよ。読めなーい!
紀州みかんを食べて、眠りにつきました。

3日目に続きます。


2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 2-1

2020-02-20 | 近畿(京都・滋賀)

1日目からの続きです。

● 町なかの公園

2日目の朝。
早起きする必要はありませんが、母につられて6時に起床。
まだ寝ていたいのに~。

部屋の窓から外を眺めると、かわいい小さな公園が見えました。
上から眺めると真四角。周囲を木々が取り囲み、中央には赤いすべり台が見えます。
住宅が立ち並ぶ中で、ここだけポッと開けているので、ほっとします。
「宮原公園」というのだそう。


しかし、周囲には誰も歩いていません。
新大阪駅から徒歩10分ちょっとの場所なのに。
こんなに家があるのに人がいないなんて、不思議な光景。

● 京都行きのラッシュ

関西の朝といったらモーニング。新大阪駅のカフェでモーニングセットを食べるつもりでしたが、母は早く現地に行きたそう。
駅構内でサンドイッチとサラダを買って、JR京都線に乗りました。
平日の朝、車内は出勤者と観光客がごたまぜになって、すごく混んでいる息詰まるような車内。
京都で、大勢の人達と一緒に降りました。
紅葉のこの時期、京都は例年通りに大混雑でしょうね。

ここでJR琵琶湖線に乗り換えますが、快速と新快速とで乗る位置が少し違います。
「新」のあるなしの違いがわからず、どちらに立つべきか迷いました。
まあ、聞き慣れた京浜急行の快速特急も、よく分からない言葉ですけどね。

京都からはのんびり座っていけました。
大津駅で下車。去年、比叡山ホテルのシャトルバスに乗った駅と勘違いして、(記憶よりもずいぶん大きいなあ)と思ったら、去年降りたのは浜大津駅でした。
ビギナーは間違えそう~。

● カラーマンホール

駅を出てすぐの道で突然立ち止まった私。
カラーマンホールがあったからです。
慣れている母は驚かず、少し先で待ってくれています。


大津市制100周年記念デザイン

平成10年10月の市制100周年記念のマンホール鉄蓋。
花火、琵琶湖、琵琶湖大橋、ミシガン船、レガッタが盛り込まれている、 楽しくにぎやかなデザインです。


大津市制100周年記念マンホール リニューアル

こちらは上のデザインに、100周年記念キャラクターを取り込んだリニューアル版。
観覧車が「ホールまん蔵」、犬が「おおつ光ルくん」になっています。

● 逢坂の関

湖に向かっているつもりが、「逢坂」の表示が出て、立ち止まりました。
逢坂と言えば、坊主めくりでおなじみの蝉丸。

~これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 (蝉丸)

山城国と近江国の境の逢坂の関は、まさにこの辺りにあったのでしょう。
わ~、越えてみたいわ。
いやいや、母に逢坂越えはさせられません。

なんだか変だと思い、そばの駐車場でバイクに乗ろうとしていたお兄さんに聞くと、「逆方向ですよ」と道を教えてもらいました。
港に行くはずなのに、あやうく坂越えをするところだったわ。
逢坂に背を向けて、緩やかな坂をずっと下っていきます。

● 道路を走る電車

道路の線路を見て「あれ、この辺り、市電が走っていたっけ?」と話していたら、私たちの横を、ガタゴトと京阪京津線が通っていきました。
そういえば石山寺に行った時に乗ったんだったわ。
車がすぐ横を通るので、驚いたんだっけ。江ノ電の腰越付近と一緒です。


京阪京津線

大津駅周辺には、古めかしい建物がまだ結構残っています。
滋賀で一番大きな都市のわりには、とても静かで落ち着いています。

● 琵琶湖

坂を下りきると、視界が開けて湖に出ました。

2年ぶりの大津港旅客ターミナルで入船手続きをとります。
この日、私たちが乗るのは、琵琶湖汽船の「ぐるっとびわ湖島めぐり」クルーズ。
不定期催行のため、早めに予約が埋まります。
去年、予約を入れようとした時には、すでに満席で取れませんでした。

● 信楽キャラ

待合室でサンドイッチを食べます。
目の前には、信楽焼のタヌキがたくさん。
そういえばここは滋賀。ご当地キャラクターなんですね。

来年のNHKの朝ドラ『スカーレット』は信楽が舞台。
滋賀に入ってから、あちこちでポスターを見かけています。

また別のご当地キャラクターもいました。
こちらは信楽町観光協会のマスコットキャラクター、ぽんぽこちゃん。
おなかに信楽の「楽」が見えます。
でも信楽は、琵琶湖よりもっと内地の、大津と伊賀の間あたりの町。
ここまでプロモーションしにやってきたんですね。

男の人が2ショットを撮ってもらっていたので、私も撮ってもらいました。
子供が少なかったこともあり、大人に大人気のぽんぽこちゃんでした。

● 遊覧船

大津港に停泊している船の中で、一番人目を引くのが、このミシガン号。
定員800人クラスの大きさで、美しい形をしています。
以前、ニューオーリンズで見かけた蒸気船そっくりです。


ミシガン号


乗ったのは、ミシガン号の横に泊まっていたmegumi号。
以前とは違う船で、定員200人。女性2人連れの方とテーブルをはさんで相席になりました。

司会は、前と同じ今森洋輔さん。
天気は快晴。上機嫌で出港。

● 琵琶湖大橋

琵琶湖大橋の下をくぐる時には、デッキに出て上を見上げます。
ベイブリッジやレインボーブリッジの下を通る時と同様、テンションが上がります。
しかもここは、道路が二本ありますからね。二度おいしい!

 

いい天気。湖岸には赤い紅葉もちらほら見えます。

● 浮見堂

前回、浮見堂をうまく撮影できなかったと残念がる母の気合が入っています。
あっ、浮見堂だわ。いいえ、これは違いました。

こちらが琵琶湖に突き出た満月寺の浮御堂。
絶景をまとめた近江八景「堅田の落雁」 で知られています。

● 沖島

このクルーズでは、びわ湖に浮かぶ4つの島のうち、上陸可能な「沖島」「多景島」「竹生島」を巡ります。うーん、楽しみ~!
出港してから20分ほどで、沖島が見えてきました。

大きい船になったため、以前の桟橋に入れなくなったそう。
少し遠くに接岸して歩く必要ができたため、島での自由時間が少なくなりました。
前はカフェでのんびりいお茶する時間もありましたが、今回はちょっと難しそう。

島に降り立ちます。
天気が良くて、湖の水面がキラキラと輝き、まぶしい~。

風のない、穏やかな日。たくさんの水鳥が水面に浮かんで、羽を休めていました。

道すがら、司会の今森さんとおしゃべりします。
「前も乗って、楽しかったので」「えび豆買います!」と話すと、喜んでくれました。
イラストレーターの彼は、今は絵本図鑑の「びわ湖の動物」シリーズ・パート4に取り組んでいるとのこと。
とても精密なイラストを描く方なので、制作には膨大な時間がかかることでしょう。

● えびえびえび豆

まずは漁協に行き、えび豆をゲット。
えび豆は滋賀で知られる食べ物ですが、この島のえび豆はすごいんです。

前回、今森さんに「普通のえび豆は"豆豆豆豆豆豆豆・・・えび"ですが、ここのえび豆は"えびえびえびえびえび・・・豆"ですよ」と勧めてもらったら、まさにその通りでした!


えびえびえびえびえび・・・豆!

すっかり沖島のエビ豆ファンとなった母と私。
今回は、4つ買いました!しばらくハッピー!

● とび太くん

滋賀県に来ると、道路のあちこちで見かける、飛び出し防止の少年パネル。
「とび太くん」と言われている飛び出し坊やだそうです。
車が走っていない沖島にも、飛び出し坊やがいます。
漁師の格好をしたレアバージョンで!


沖島の飛び出し坊や

● 島民にご挨拶

フリータイム中、ガイドさんは島の案内すると言いましたが、前回参加している私は、別のルートを取ることにしました。
母は、えび豆と一緒に漁協でお茶していると言うので、一人で散策に出かけます。
前の日は雨で今日は快晴なので、島の人たちは、洗濯物を大々的に干しています。

大量の洗濯ものがたなびく前で、3人のおばあちゃんが椅子を外に出してひなたぼっこをしていました。
見知らぬ顔が珍しいのか、おばあちゃまたちは3人とも、私の顔をじーっと見ています。
それに気づかない振りもできず、通りすがりに「こんにちは」と挨拶すると、ちゃんと返してくれました。

● 突然の現代アート


RYUBOKU HUT

時が停まったような沖島に、突然現代アートを発見!?
おどろいてそばに寄ってみました。
木でつくられたドームのような場所。ざっくりとした白い網で覆われて、中には気のベンチがあります。
あずま屋みたいな場所なのかしら?

ここは「RYUBOKU HUT(リュウボク・ハット)」という休憩施設。滋賀県立大学の学生たちが流木から作ったそうです。白い網は魚網だそう。
島の景観にマッチしていました。

● 落ち武者の島

ここのような人が暮らす湖上の島は、世界的にも珍しいのだそう。
沖島には124世帯・320人が暮らしています。
1156年・59年の「保元・平治の乱」の時の源氏の落ち武者7人がここに逃れて住み着いたのが始まりで、今でもその子孫たちがいます。名字でわかるそうです。

「落ち武者イコール平氏」のイメージですが、初めのうちは、源氏が平氏に負けていたんでしたね。

船が停泊したのは、沖島小学校の前。
ここの校章「笹りんどう」は、源氏関係者しか使うことを許されないもの。
歴史は今も息づいているんですね。

● 近江のお弁当

再び乗船したら、ランチタイム。

赤こんにゃく、近江牛すじ煮込み、近江米など現地の名産が入った、地元の名産づくしのお弁当です。
でも、えび豆は、豆の方が圧倒的に多く、沖島のものとは違いました。

● 沖の白石

船は沖の白石にさしかかりました。
大小4つの岩でなる大岩で、琵琶湖4番目の島とも言われますが、上陸はできません。

このクルーズは、この日が今年最後。
船内ではよし笛奏者によるリサイタルが行われました。
お抱え奏者の中でも一番上手な方だということで、前回と同じ方でした。

「里の秋」「小さい秋見つけた」「ふるさと」などがノスタルジックな音色で流れます。
おなかいっぱいのところに、うっとりとした気持ちになります。

琵琶湖がどれだけ大きいのか、ほとんどの人が実感はないと思いますが、日本最大のだけあって、ここは本当に巨大。
移動するのに、とにかく時間がかかります。

● 多景島

お次は多景島(たけじま)。
周囲約600mの小さな島で、 この島全体が日蓮宗の見塔寺の境内になっています。
前のツアーの時には寄らなかったので、初めて上陸することになります。

船から見えた大きな「題目岩」は、なんと去年の夏に自然崩落してしまい、「南無妙法蓮華経」の彫り文字が見られなくなっていました。
そんなことって、あるんですね~。


文字がない状態の題目岩

目下修復中とのことですが、10m以上の大きさなので、直すのには時間がかかりそう。
でも、文字がないのは、レアな状態ですね。よく見ておこう。

神聖な島に上陸しました! まずお参りします。

● 湖越しのお城


乗ってきた船

双眼鏡で湖の向こう岸をのぞいたら、彦根城が見えました!
わ~、天気のいい日でラッキー。
ここは彦根城の裏鬼門の役割を果たしているお寺です。

彦根城のすぐそばに、光秀ゆかりの佐和山城址も見えました。
来年の大河ドラマを見るのに、理解が深まりそう!


石造七重層塔

小高い場所には、高さ8メートルの巨大な石造七重層塔がありました。
彦根藩三代目藩主の井伊直澄が、父の供養のために建てたものです。


誓いの御柱

五角形の面に五箇条の御誓文が刻まれている、高さ20mの誓いの御柱。
大正13年の建立です。
五箇条の御誓文って、歴史の教科書で習った、明治政府の方針ですよね?
初めて文言を見ました。

● 巨大な題目岩

「題目岩に向かう道は大変なので、行くのはお勧めできません」と言われましたが、「行ってはダメ」ではなかったので、(もちろん)行ってみました。


横に建っているのは1.8mの日蓮上人像。
10.8mの岩がどれだけ巨大かわかります。
このお寺を開いた日靖が、かつて命綱にぶら下がって「南無妙法蓮華経」の文字を刻んだと言われる題目岩。
どうやって修復されるのか興味津々ですが、以前の題目文字のデジタルデータが残っているそうなので、おそらくテクノロジーを使って前と同じようなものが再現されるのでしょう。

島を離れる時には、お寺のおかみさんが手を振って見送ってくれました。
その様子は、まるで岸壁の母のようでした!

その2に続きます。


2019秋の南紀・徳島・滋賀巡り 1-2

2020-02-19 | 近畿(奈良・和歌山)

1の1からの続きです。

● イルカのショー

じっくりパンダファミリーを見たあと、ブリーディングセンター近くの「ビッグオーシャン」に移動しました。
ここでイルカやアシカのショーが見られるので、お弁当を食べながら開始を待ちます。

始まりました!イルカがたくさん泳いでいます。
すごい数いるんですね。指を折って数えていたのに、それだけでは足りません。
全部で11、12頭いました。調教師さんも7人います。
これほど大勢の大編成を見るのは初めてです。


イルカの輪くぐり!


いっせいにドルフィンジャンプ!


尻尾でボールをキック!


僕たち、頑張りました~!

ダイナミックで大興奮!
私が子供の頃に一緒に観たきりだという母は、久~しぶりのイルカショーに、とっても感激しています。
1年ぶりくらいに見る私も、やっぱり感激~!

● アニマルランド

続いて「アニマルランド」に移動し、動物たちのショーを見ました。
背後でバサバサと羽ばたく音が聞こえると、ワシが観客の頭上すれすれを飛んでいきました。


愛嬌たっぷりのアシカ

ヤギが、水際の高い場所を、トコトコ難なく歩いていきました。
人ならぐらついて水中に落ちてしまいそう。思わぬバランス感覚を見て、会場は沸き返ります。


トコトコ歩くヤギ

● 歩くカピバラ

芸達者な動物たちがいろいろと登場するところに、カピバラがやってきましたが、なんの芸もせず、舞台の上手からのっそり下手に去っていきました。
今のは何だったんだろう…友情出演かな?

パンダは笹の好みにうるさい動物。手当たり次第食べているように見えても、実は細かくより分けています。
パンダが残した大量の笹を、ここアドベンチャーワールドではカビパラが食べているそう。
ありがとう! わがままなパンダたちのせいで、故郷から遠く離れたアジアの植物を食べさせられるなんてね。
まあ、本人たちはまったく気にしていないんでしょうけど。

ショーが終わると、登場した動物たちと一緒に写真撮影タイム。
子どもたちは、お目当ての動物のところへわっと向かっていきます。
小ぶりのペンギンも、慣れた様子。
カラフルなオウムもいました。 

● パンダゴーランド

プレイゾーンにあるメリーゴーランド。
お馬さんが周っている中に、パンダがいました!
ほかにはユキヒョウもいましたよ。
ちなみにジェットコースターもパンダでした。
その名も「パンダフルコースター」!

どこもかしこもパンダづくし。
来た人はみんな、その日の夜はパンダの夢を見そうですね。

● ケニア号

そうだ、アドベンチャーワールドで生まれたばかりの、アミメキリンの赤ちゃんを見に行こう!
一番奥の「サファリワールド」に向かおうと、敷地内を一周するケニア号に乗り込みました。
列車の車両を連結したような形のケニア号。
オムニバスやウエスタンリバー鉄道といったディズニーランド内の乗り物のようです。


● 草食動物エリア

ケニア号はゆっくりと進みます。
はじめは草食動物のエリア。
キリンのいる場所に差し掛かったので、「ベイビーはどこ?」とキリンのように首を伸ばして探しましたが、赤ちゃんは見つけられませんでした。
少し肌寒い日なので、中に入っていたのかなと思いましたが、まだ公開されていなかったと後で知りました。なんだ~。


キリンとホテルと観覧車

次々にいろいろな動物を見られます。
いつも通るケニア号がゆっくりと横を通っても、動物たちは驚きません。
のびのびした姿を楽しめます。


エミュー


アカカンガルー 

● 肉食動物エリア

草食動物を見てから、肉食動物のエリアへと移動。
弱肉強食はサバンナの掟。(大丈夫なの?)と草食動物たちの命が心配になります。
草食動物と肉食動物のエリアは、二重の堅固な入口で仕切られており、動物が移動することはないそうです。


ホワイトタイガーを後ろから

草むらに横たわっているのは、ホワイトタイガーやユキヒョウ、そしてライオン。
いよいよサファリカーに乗っている気分になってきました。

● 熊が車に接近中

危ない! 熊が車を襲おうとしてる!
と思いましたが、車も熊も静かでほとんど動きません。
どういうシチュエーションなの?


息を飲んで、なおも見ていると、ドライバーが窓から手を出しました。
それを見て、熊は頭を動かしました。
餌を投げてもらい、それを上手に口でキャッチしていたんですね~。
おやつタイムだったみたい。

そう思って見直すると、カワイイくまさんに思えてきました。
熊の餌やりなんて、すごい体験だわ。今度、私もやってみたーい!

ふたたび二重構造の出口を抜けて、サファリ号は元の場所に戻りました。
サファリワールド、見がいがありました。

サファリ号を降りたときには、雨が降っていましたが、敷地内には屋根のあるところが多いので、すぐに軒下に駆け込み、さほど気になりません。

● ふたたびパンダ

また、パンダのブリーディングセンターへ。
またもや永明の部屋の前を通りました。

結浜は、あいかわらず壁のそばに行っては、「餌をちょうだい~」アピールをしています。
見ていると、すきまからサッとフルーツなどが出されていました。

あっ、結浜の足元のマンホールにも、パンダの絵が描かれてるー!
外にはママの良浜がいました。

● ラッコの餌やり

16時になり、ペンギン王国にラッコの餌やりを見にいきます。

「ラッコ=貝」のイメージが強いため、貝をおなかの上に置いた石でコンコン割るのかと思ったら、違いました。

飼育員さんが、バケツに入ったイカの切り身をガラスに投げると、それをラッコが撮って食べます。
壁の高い場所に張り付いたイカを、水中からジャンプして伸びあがって取ると、ガラス越しに見ている私たちの目の前に、ラッコのフサフサしたおなかが!

飼育員さんは、私たちに見せてくれるために、わざわざ人垣のできている場所めがけてイカを投げてくれます。


ラッコと飼育員さん

(思ったより大きいのね)(手を使って食べて、かわいいなあ)
と思いながら、飼育員さんの解説に耳を傾けると、
「ラッコは、日本の水族館に8頭しかいません」と言っていました。

えっ、聞き間違いじゃない? ラッコって、そんなに稀少動物だったの?
年々数が減っている絶滅危惧種だそうです。なんと、知らなかったわ。


息の合った名コンビ 

飼育員のサインを読んで、別れ際にこちらにバイバイしてくれたのが、とってもキュートでした。

● 絶滅危惧種

ここアドベンチャーワールドで見られるパンダは6頭。
対して、日本中で見られるラッコは8頭。
そっちの方が希少じゃない!

(これまでラッコを観たのって、どこだろう?)と考えました。
現在、ラッコのいる国内水族館は、この8館です。
  • 【北陸】新潟市水族館マリンピア日本海
  • 【北陸】のとじま水族館
  • 【東海】鳥羽水族館
  • 【関西】神戸市立須磨海浜水族園
  • 【関西】アドベンチャーワールド
  • 【九州】マリンワールド海の中道
  • 【関東】アクアワールド茨城県大洗水族館
  • 【関西】海遊館
かつてラッコがいたマリンピア松島水族館は、震災で閉館してしまいました。
関東唯一のアクアワールドには、「海のこどもの国大洗水族館」という名前だった頃に行っています。
あとはカナダのバンクーバー水族館でラッコを見たことがあります。
でも、そのくらいかもしれません。

水族館に行ったら会える動物だと思っていましたが、全然違ったんですね。
海外から輸入できず、国内での繁殖がうまくいかないのが原因だとか。
う~ん、心配だわ。ラッコのことはこれから気にしていこうと思います。

● パンダラブ再び

雨はまだ降っているため、建物から建物へと伝って、再びパンダラブに行きました。
外には桜浜とチェンジして、桃浜がいました。
うーんかわいい。

彩浜も遊び中。くるくると目が離せません。
なにをしてもかわゆい~!身体がやわらかーい!
子どもなのに、さっきから眠らずにずっと起きています。
上野のシャンシャンは、たいてい寝ているのに!何が違うんでしょう?

こちらは桜浜。起きているのかな?と思いきや、コテンと寝ていました。

● パンダグッズだらけ

そろそろ帰りの時間が近づいてきたので、お買い物をしようとグッズ売場へ。
お店に入る前に、びっくりして立ち止まりました。
ショウウィンドウや部屋の中、見える限り全てがパンダグッズ!
埋もれる~。こんなにたくさんのパンダグッズ、見たことないわ!


買い物を済ませて、出口へ向かうと、パンダの帽子をかぶったスタッフがいました。
先ほど、ショーの前に流れたビデオで、「パンダ帽スタッフに"ハッピーパンダ!"と言ったらシールをあげるよ」と言っていたことを思い出して、パンダシールをもらいました。ラッキー!

予定通りの帰りのバスに乗車。
大満足のアドベンチャーワールドでした。
4時間滞在しましたが、聞きしに勝る広さで、全部はとても回れずじまい。
そういえば、東京に住んでいながらここの年間パスを持っており、年に3回は飛行機で訪れるという人に会ったことあったなあ。
気持ちは分かります。ここの広々とした環境を見たら、また来たくなりますもの。

入園料はなかなかハイプライスですが、動物たちの毛並みの良さを見ると、環境がきちんと整備されているとわかるので、納得のお値段です。

● 白浜の駅弁

駅の売店をのぞいたら、夕方ということもあり、お弁当はもう少ししか残っていませんでした。
前に食べたことがあるパンダ弁当は、あと1個のみ!

「このお弁当を買って、電車で食べていきましょうよ」と母。
「私は紀州てまり弁当にするわ」

丸い器に入った、紀州てまり弁当。下の五目ごはんが見えないくらい、中身がぎっしり!

パンダべんとうも負けていません。もちろんパンダは入っていません。
サブタイトルは「紀州うめどりの唐揚げ丼」 。おいしそうですね。
紀州といったら梅。南高梅の高校を見て、梅干しが食べたくなっていたところでした。

ご飯の上には、鶏そぼろが載っています。さらに、ご飯の間には、ゆかりが挟んであり、丁寧に作られているなあと感じます。
名前から、子供向けと思われるなかれ。
大人が食べても充分満足度が高いパンダべんとうです!

● 帰りのくろしお

帰りの特急くろしおは、とても空いていました。
指定席でなくてもよかったくらいガラッガラです。一車両に5,6人しかいません。

海沿いの辺りは真っ暗でしたが、大阪に近づくにつれ、少しずつ明かりが増えてきました。
アベノハルカスや通天閣も夜空にこうこうと輝いています。

新大阪駅に着き、ロッカーから荷物を取り出し、地図を見ながらホテルのシャトルバス乗り場へ。
金曜日の夜8時頃だったためか、駅の構内は殺人的に混んでいました。

● 駅ちかホテル

今回宿泊するのは、新大阪駅そばのホテルガーデンパレス。
12階の部屋に3泊します。
荷物を置いて移動できるのって楽でいいですよね。

部屋もまずまず。お風呂が長方形でなく、真ん中が広がったオーバル系なのが気に入りました。
パンダ体型のぽっちゃりな人でも問題なし。
さっそくお湯を沸かして、スマホを充電して。

一息ついた母は「スマホのアラームの設定法を教えて」「血圧計、重いから持ってこなかったので、血圧を測定できるアプリがないか調べて」「どうやったらビデオじゃなくてテレビ番組を見られるの?」「なんかこの部屋、乾燥してない?」と、怒涛の質問責め。
「ちょっと待って、加湿器つけて、まず順番にね」

白浜駅の記念スタンプと、アドベンチャーワールドからのパンダグッズ。

買ってきた和歌山みかんを二人で食べました。
「今日はすべてうまくことが運んだ、いい日だったわね」と母。
旅の1日目は、充電のアクシデント以外は、まずまず予定通りにいきました。
2日目に続きます。