風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

新緑の津軽ひとり旅 index

2019-07-31 | 東北

2019.5.20-23

◆ 青森 1-1 ←旅行記
 GWも過ぎた5月下旬に、青森を訪れました。
 白いりんごの花を見たかったのですが、間に合わず。
 辺り一面、緑一色のりんご園が広がっていました。
  ● prologue ● 新幹線のエンジェル ● はやぶさ3号
  ● こまち分離 ● ヌマクナイ ● 新青森着 ● タクシー来ない
  ● 歓迎モノいろいろ ● 今見られる花 ● りんごジュース販売機
  ● さみしい時刻表 ● しかへる君 ● 八甲田丸
  ● 切れたラブリッジ ● ワ・ラッセ ● 品種ごとのりんご味
  ● 弘前行きの電車 ● 静かな発車 ● 浪岡のりんご園

 

◆ 弘前、大鰐 1-2
 3年ぶりの弘前駅には、大きなリンゴがありました。
 咲き誇るつつじを見に、大鰐温泉を訪れます。
 山の上から、四方にそびえる峰々を眺めました。
  ● ビッグアップル ● 弘前の町 ● りんご公園
  ● 岩木山 ● kimori工房 ● ためのぶ号
  ● 大鰐温泉駅 ● ピンクのワニ ● 茶臼山公園
  ● つつじの花盛り ● そびえる山々と尾根 ● ひなびた温泉街
  ● 帰宅ラッシュ ● 青森着



◆ 黒石、碇ヶ関 2-2
 五所川原から弘前経由で黒石へ。
 レトロなこみせ通りを散策します。
 碇ヶ関温泉につかり、夕焼けを眺めながら青森に戻りました。
  ● 駅の待合室 ● めやぐだじゃ~ ● 車窓の岩木山 
  ● 弘前乗り換え ● 白雪つばさ ● Bunkamuraつり革 
  ● 黒石駅 ● こみせ通り ● ランチ難民 
  ● 華やかな盛りカゴ ● 不思議な屋根飾り ● 碇ヶ関温泉郷へ 
  ● 無人の駅 ● 美しい夕焼け ● 食は二の次

 

 

◆ 十和田湖、奥入瀬 3-1

 念願ののっけ丼を食べて、みずうみ号に乗りました。
 残雪の残る八甲田を超えて、山の中の十和田湖へ。
 オフシーズンの奥入瀬をゆったりと散策しました。
  ● 魚菜センター ● のっけ丼 ● ホタテとヒラメ 
  ● 横浜町の菜の花 ● みずうみ号 ● 八甲田山 
  ● 萱野茶屋 ● 地獄沼 ● 5月の残雪 
  ● 春の蔦温泉 ● 十和田湖 ● 令和最初の御朱印 
  ● 手水舎は御神水? ● 湖畔の乙女像 ● 奥入瀬散策

 

◆ 蔦温泉、青森 3-2

 蔦温泉を取り巻くブナ林を散策。秋に賑わう蔦沼も静けさを保っています。
 旅館の庭には、雪解け後の春の花が一斉に咲いていました。
 青森駅もまた、切ない旅立ちの歌が似合う場所です。
  ● 蔦温泉 ● 一面のブナ林 ● 蔦沼ひとりじめ
  ● 春は一度に ● 野犬に注意 ● 八甲田を横に 
  ● 青森駅ソング ● 北の中華 ● 青森の弁慶 
  ● ご当地フード ● 決め手くん ● おにぎりとパン


 

◆ 奥入瀬、青森 4

 最終日、始発バスに乗って再び奥入瀬渓流に向かいました。
 青森に戻ってからは、親と親戚宅へ。
 あちこちを訪れた、充実した4日間でした。
  ● 朝のみずうみ号 ● お茶汲みシステム ● アジア人女性ひとり旅 
  ● 春の豪雪ルート ● 北国の春 ● 再びの奥入瀬 
  ● 阿修羅の流れ ● 酸ヶ湯温泉 ● 山の恵みの水 
  ● 三内丸山遺跡 ● プチ法事 ● 帰りのはやぶさ ● epilogue

 


新緑の津軽ひとり旅 4(奥入瀬、青森)

2019-07-31 | 東北

3日目からの続きです。


● 朝のみずうみ号

最終日の4日目になりました。
母と親戚宅を訪ねるのが午後になったので、午前中は十和田湖に再び行ってこれそうです。
迷わず、のっけ丼を食べる時間をあきらめて、朝イチのみずうみ号に乗ることに。

みずうみ号の乗客は、昨日は欧米人、今回はアジア人が多い印象ですが、(アジア人の割に?)みんな総じて静かです。
朝早い便なので、まだ半分寝ているのかもしれません。

● お茶汲みシステム

萱野茶屋での休憩時間。
今日は、バスの外に降りてくる外国人がほとんどいません。
英語のアナウンスでは、ここでお茶を飲めるということがわからないんですよね。

そしてここは、自分で茶釜の蓋を開けて、柄杓でお茶を汲み、茶椀を洗って戻すシステム。
日本人でさえ、見よう見まねです。
ここも英語の説明がないため、お店の前で人がなぜお茶を飲むのか、外国人はわからないでしょう。
まだみずうみ号で外国人用JRパスが使えるようになったばかり。
他国の人が増えるにつれて、少しずつ変わっていくことと思います。


● アジア人女性ひとり旅

ここから見える八甲田山を写真に収めようと、見晴らしのいい場所まで少し歩いていきました。
すると、後ろからついてくる足音が聞こえます。
私と同じ場所で停まり、同じアングルを撮影。


それは学生風のアジア人女性でした。
八甲田をバックに、自分の写真を撮ってほしいと頼まれたので、ついでに私も撮ってもらいました。
この旅で初めて自分が写真に入ったわ。

英語を使って、一人旅をしているようです。
でも「スミマセン」と「アリガトウ」をハッキリ言える人なので、やっていけるでしょう。
それだけ言えたら、優しい日本人は、なんとか手を貸そうとしてくれるので。
八甲田ロープウェイ前で下車した彼女は、私に「アリガトウ」と言って、降りていきました。

● 春の豪雪ルート


なおもバスは進みます。八甲田の先は、猿ヶ京温泉、城ヶ倉温泉など、山の中のザ・秘境が続きます。
冬の間は通行禁止になるエリア。
みずうみ号という穏やかな名前ながら、急勾配を多い大変なルートを通る、タフな登山バスです。
4月の頃は、雪はバスの高さうらいまであったそう。ダイナミック!
立山黒部・大谷にできる雪の壁みたいですね。


木がかしいでいるのは、冬の間中、重い雪に伸し掛かられていたためです。
湿った重い雪は1立方メートルで重さ500kgほどになり、雪の重みで学校の校庭の鉄棒が曲がることもあるそう。
冬の間中、雪にぎゅうぎゅう圧され続けていても、どっこい折れずに頑張っている細い樹々を見ると、生命の強さを感じます。

 

 


明るく美しい緑のブナの森が続きます。
新潟に美人林と呼ばれるブナの林がありますが、ここはさながら、美人森。
散策したら気持ちよさそうですが、どこまでも続くような広い樹海なので、迷い込んでしまいそう。


● 北国の春

蔦沼温泉で休憩タイム。
ずっと雪景色の中を登ってきたため、満開の花が咲き乱れるこの場所は、天国のように思えます。
今回の旅では、ここに4回降り立ち、そのたびに幸せな気分で北国の春にひたりました。


ソメイヨシノは散ってしまいましたが、八重桜が咲いています。
タンポポと桜の花びら。春の訪れ。


池には、スイレンの花が咲き、葉っぱの上にカエルが乘っていました。



● 再びの奥入瀬

奥入瀬にやってきました。とても暑い日ですが、ここまで来るとぐんと涼しくなります。
馬門岩のバス停で下車し、ここから「阿修羅の流れ」まで歩いていきます。


昨日の奥入瀬散策路は、ほとんど無人でしたが、ここにだけ大勢の中国人グループがいて、ワサワサしていました。
お互い邪魔にならないよう、立ち止まらずに通り過ぎたため、あらためて訪れたかったのです。

● 阿修羅の流れ

今回は、人はほとんどおらず、じっくり眺められました。
ここは奥入瀬を代表するスポット。急流がごうごうとうなりを上げて、流れていきます。

 
 
 

あたりを散策してから、帰りのバスに乗りました。
次の予定があるため、ちゃっちゃと移動します。

● 酸ヶ湯温泉

帰りのバス休憩は、酸ヶ湯温泉。
名湯なだけに、強い硫黄のにおいがバスの中までやってきます。
ここまでの道はカーブに続くカーブで、毎回ここに着いた時はバスに酔っており、ぐったりして降りずにいました。
でも今回は酔っておらず、硫黄のにおいも気になりません。
そこで、初めて降りてみました。

いい天気。軒下に巣をつくったツバメが、ピチュピチュとさえずりながら飛び回っています。
子ツバメが飛ぶ練習をしているのかしら。
10数羽いるようですが、素早すぎてカメラに収めきれません。


酸ヶ湯は日本一の積雪量を誇る場所。
まだ階段の上まで行けません。ようやく半分まで見えてきたところです。


● 山の恵みの水

この辺りはまだまだ雪が残っており、水が湧き出ているところもあります。
硫黄の匂いが立ち込める中、温泉水かな、と多少覚悟して、エイッと飲んでみたら、水でした。
八甲田山の伏流水。冷たくておいしかったです。


後ろの山に向かって「ごちそうさま~!」


八甲田ロープウェー入り口のバス停から、乗り込んできたのは、さっき降りたアジア人女性でした。
3時間後のあっという間の再会。
「ロープウェイに乗ったの?八甲田山はどうだった?」と聞きましたが、それには答えず「次に行きたいのはここ」と地図の三内丸山遺跡を指さします。
うーん、英語で聞いたのに伝わってない。まあいっか。

● 三内丸山遺跡

ここで彼女は降りていきました。縄文時代の大規模集落跡で国の特別史跡。
今年から有料化したんですよね。東京にもある青森県産品ショップの「北彩館」が隣接していました。

 

● プチ法事

うつらうつらしながら、終点の青森駅に到着。
ここから歩いて、父の実家に向かいます。
青森銀行本店そばにあり、なんと家からねぶた祭りを見られます。

ひさしぶりに会った親戚たちと話をして、法事を済ませました。
ここ数年、リサーチを重ねている家系図や家紋について聞いてみましたが、わかることは限られている様子。
うーん、調査はここまでかしら~。
帰りは、従兄に新青森まで車で送ってもらいました。

● 帰りのはやぶさ


駅まで来て「あ、弘前のいがメンチを食べそこねた!」と気づきます。
駅で探しましたが、売っていませんでした~。
残念!
早めに駅に着いたので、一便はやいはやぶさに変更します。
座席はほどほど埋まっていますが、ほどほど空いていて、のんびりできます。

はやぶさ内で、別行動だった4日間について、母と報告し合います。
10年ぶりくらいの帰省だった母は、人と会う予定が詰まっており、時間刻みで動いていたそうです。
会う人会う人みんなに再会を喜んでもらい、とてもいい日々を過ごしたとのこと。

次の停車駅は七戸十和田かと思いきや、一気に盛岡まで行きました。
往路便は、岩手内の駅に細かく停まりましたが、復路便でははしょるようです。
快適に関東に入りましたが、東京駅で信号機故障が起き、大宮ー東京間の新幹線が詰まっているとのことで、予定時間よりも遅れての到着となりました。

● epilogue

車がないと圧倒的に周りづらい青森。
ちょうど盛りの横浜町の菜の花畑を見られなかったのが残念でしたが、それ以外は満足のいく旅になりました。
もう市街の桜は咲き終わっていましたが、山間部にはまだ雪が残っており、雪解け水の流れる奥入瀬渓流は、夏よりも激しい流れだったのが、みずみずしく印象的でした。

でも、ヒラメのお刺身といがメンチを食べ損ねたのが心残り。
次回は忘れずにいただこうと思います!


新緑の津軽ひとり旅 3-2(蔦温泉、青森)

2019-07-29 | 東北

その1からの続きです。


● 蔦温泉

帰りのバスに乗りましたが、途中の蔦温泉で下りました。
長い歴史を持ち、日本百名湯にも選ばれている蔦温泉には、古めかしくどっしりした構えの旅館があります。


大正時代の重厚な建物


温泉は、十和田樹海と呼ばれるブナの原生林に囲まれており、「蔦の七沼」と言われる沼が点在しています。
その中の蔦沼を見に行きました。
散策路にはチップが埋め込まれており、3年前に訪れた時よりもきちんと整備されていました。


● 一面のブナ林

ブナ林の中へ。辺りは美しく、静か。
ところで、石川啄木の「はてしなき議論の後」という詩の一節に  

われらは何を為すべきかを議論す。
されど、誰一人、握りしめたる拳に卓をたたきて、
‘V NAROD!’と叫び出づるものなし。

とあります。
小学生の時に読んだ私は、この‘V NAROD!(ブナロード)’を「ブナロード(=ブナの道)」だと思って、「なぜ叫ぶの?意味不明」と思っていました。
正確には、ロシア語で「人民の中へ!」という意味だそう。
中学の歴史の授業を受けるまで、「ナロードニキ運動」のことも知りませんでした。

豊かな自然の中にいると、そうした忘れていたことも、ふっと記憶の淵に浮かんでくるものです。

 

奥入瀬渓流が「動」なら、この辺りは「静」です。
静謐な空気がたちこめています。


まだ山道は、積雪のため閉鎖中


● 蔦沼ひとりじめ

蔦沼を囲む山々の奥に、雪が残る頂が見えました。
標高1298mの赤倉岳でした。

 
動くのは、ゆっくり流れる雲と、時折そよぐ木々の枝だけ。


私一人きりの、贅沢な時間です。



ああ、こんな時、自分が詩人だったら…もしくは絵心があったら…と思います。
この感動を、きれいな形にすることができるのに。
私はただ観ているだけ…あああ…。

 

旅館を挟んで、蔦沼とは反対側のひょうたん池も訪ねます。
静かな水面をのぞくと、時間をかけて水中に堆積していった木の葉がきれいに見えました。
透明のカプセルの中に閉じ込めたかのようでした。

● 春は一度に


旅館の方が手をかけているだろう、さまざまな花が咲き乱れる敷地内。
その場にいるだけで、ほのぼのと幸せな気持ちになります。
タンポポや八重桜が咲いている横で、水芭蕉も咲いていました。
春が一気にここにやってきた感じ。

 
太宰治が、小説『津軽』の中で
「津軽では、梅、桃、桜、林檎、梨、すもも、一度にこの頃、花が咲くのである。」
と語っていたことを思い出しました。


● 野犬に注意

ところで、「熊や野犬に注意」の看板を見かけました。
熊はまあわかりますが(!)、野犬ってー!
この令和の時代に、野生の犬っているんでしょうか?


時代が進んで、野良犬はもういないと思っていましたが、最近では飼い主に棄てられたペットの犬が野生化して、山犬になるパターンがあるとのこと。
そういう意味だったとは。
人間の起こした行いが、人間に帰ってきたというわけですね。

● 八甲田を横に

2時間ほどブナ林の中でゆっくり過ごし、存分に森林浴を満喫して、青森行きのバスに乗り込みます。
帰りは、茅野茶屋ではなく、酸ヶ湯温泉で10分休憩。
それにしてもいい天気です。



帰り道、再び急勾配のカーブ坂を上り、八甲田のそばを通ります。
みずうみ号のルートは、なかなかアップダウンの大きなワイルドコース。
運転手は、市内の整った道路を走る路線バスよりもはるかに運転技術を必要とするでしょうね。
運転時間も長く、疲れてしまうので、ところどころに休憩をはさんでいるというわけです。


その分、乗客はバスの中からダイナミックな光景を楽しむことができます。


5月後半にして、まだこんなに雪が残っているとは。
かなり標高が高い場所まで来ました。
日が照っていても、少し肌寒くなっています。



● 青森駅ソング

18時に青森駅前に到着。
駅のホーム連絡通路で流れている、爽やかな「なごり雪」風青春ソングのことを思い出します。
駅の人に尋ねると、マニ☆ラバというバンドの歌だと教えてくれました。
タイトルは、その名も「青森駅」。
もう解散した地元のミュージシャンなのに、この歌のために集まってくれたのだそう。

別れの季節の3月、東京は少しずつ花が咲いてくる頃ですが、青森はまだ雪の中。
歌詞に「3月の解けぬ雪のよう」と出てきます。つまりまだ根雪状態!
いっそう寂しさが募るのでしょう。

● 北の中華

19時に、イトコのマキちゃんと待ち合わせ。
国際ホテルに連れて行ってもらいました。
小学校の頃、従兄の結婚式に参列した時以来です。
なつかしいなあ。


ここの中華レストラン「吉慶(きっちゅん)」で、彼女お勧めの五目焼きそばと片焼きそばをオーダー。
おいしかったし、なにより量の多さにびっくり。


大皿からあふれそう!

うーん、これが青森クオリティ?
海鮮も野菜も、地元産のものでしょうか。
日々、横浜中華街に鍛えられた舌を持つ(かは別にして)私も、満足のお店でした。


素材のうまみ!

● 青森の弁慶

おなかがいっぱいになっていて、もうなにも食べられませんが、まだまだ話足りません。
そこで、場所を変えて近くの居酒屋へ。
八戸を中心に青森展開している、弁慶というお店です。
お通しをおつまみに、乾杯しました。


青森、東北の銘酒

青森で弁慶とはこれいかに?
と思いますが、青森には三厩(みんまや)から竜の馬に乗って北に渡ったという「義経北行伝説」があるため、弁慶が青森に来たといっても、おかしいことはありません。
イトコとヘベレケにならない程度に楽しくおしゃべりをして、お別れしました。

● ご当地フード

この日買った、ご当地フード。
昨日食べた、クドウパンの「太宰生誕110年コラボパン」がおいしかったので、売っているのを見つけて再び購入。
相変わらずのインパクトの強さです。

そして、安定の「スタミナ源たれ」。
かくみつ食品の「玉子とうふ」が、具がいろいろ入っていて茶碗蒸し風だと聞いて、さっそく食べてみました。
たしかに具だくさんで、リピートしたくなるやさしい味でした。



● 決め手くん

イトコからは、シャモロック入りの「せんべい汁」。
青森地鶏のシャモロック、おいしいです~。
パッケージに乗っている相撲の行司風の「決め手くん」は、青森のゆるキャラの中でもお気に入りです。
農林水産部総合販売戦略課に所属し、県産品のイメージアップに努めているそう。


● おにぎりとパン

ご当地味の、「十和田バラ焼きおにぎりサンド」。
厚みがあって持つとずっしりと重く、砲丸投げ選手になった気分。(食べものなので投げませんよ)
食べがいがありました。

青森のご当地パンはクドウパン、盛岡はシライシパンです。
どちらも東京では売っていません。
クドウパンは「イギリスフレンチトースト(ピザ風)」など、どこの国なのかわからない攻めた商品を出していますが、シライシパンの「いぶりがっこ」パンや「スタミナ源たれ」パンにも、ネットがざわついています。
今回入手したのは、おとなしめの「抹茶&黒豆パン」でした。


明日はいよいよ青森最終日。
別行動中の母と落ち合ってプチ法事に行くはずですが、いつまでたっても母から連絡がきません。
いろいろな人と忙しく会っているからだと思いますが、まさに糸の切れた凧状態。
こちらのプランを立てる必要があるため、私から催促して集合時間を決めました。
女学校時代の友達と再会して、すっかり独身気分に戻っようです。
娘がいることも忘れちゃったのかも~。

4日目に続きます。


新緑の津軽ひとり旅 3-1(十和田湖、奥入瀬)

2019-07-29 | 東北

2日目からの続きです。

● 魚菜センター

3日目。今日こそは朝食にのっけ丼を食べようと、7時の開店を待って、魚菜センターに行きました。
市場のように多くの店が、新鮮なお魚を並べており、活気があります。



まずチケットを購入し、ご飯だけ入ったどんぶりを手に、それぞれのお店に並ぶ具を見て回ります。
その中から食べたいものを選んで、白米に載せてもらうと、自分だけのオリジナルのっけ丼のできあがり。
お金ではなくチケットと交換するため、値段ではなくチケットの必要枚数が描かれています。
「これ、おいしいから食べてって~」という威勢のいい呼び声が、あちこちからかかります。

● のっけ丼

どの具も大きくてつやつやしていて、プリップリ。
なににしようと迷いながらも、真っ先にホタテのところに向かいました。
きれいに並べてありますね。



最後に、エビをもらったお店のおじいさんが、
「じゃあサービスで、ずわいがにも持って行っていいよ」と言ってくれました。
わあうれしい。チケット2枚分なのに、太っ腹!
写真を撮らせてもらいました。


私が選んだのはホタテ、えび、ずわいがに、イクラ、八戸前沖さば、本マグロのトロ。
どれも好物ばかり~💛


● ホタテとヒラメ

う~~ん、おいしかった~。
特にホタテが最高!ホタテのひもラブ💛💛
肉厚で食べがいがありました。本当に青森のホタテは絶品です。

しかし、ホタテに気を取られて、うっかり青森の誇るヒラメを食べ損ねてしまいました。
いつも完璧にいかないのが、私クオリティですが…。
心残りでござる!次回はぜひに!

美味しいものを食べるとそれだけで元気になれます。
軽い足取りで青森駅に向かいました。

● 横浜町の菜の花

予定では、横浜町に行って、目下シーズンの菜の花を見る予定でした。
陸奥横浜駅に着けば、菜の花畑が広がっているものと思っていましたが、違うんだそう。
菜の花畑まで行くには、陸奥横浜駅から1時間、歩かなくてはいけないそうです。
隣の有畑駅の方が近いそうですが、それでも徒歩40分。
公共バスはなく、シーズン中には、菜の花畑へのマイクロバスが出ているそうですが、土日のみの運行とのこと。
観光案内所の人に聞いても、小さな駅なのでタクシーがいるかはわからないそう。
車がない人が平日に行くのは、この上なく大変な場所のようです。

● みずうみ号

そこでぐっとあきらめて、逆方向の十和田湖に行くことにしました。
2日間パスを買って乗り込むと、十和田湖行きみずうみ号の始発には15人ほど乗客が乗っていました。
そのほとんどが外国人で、日本人は私ともう一名のみ。



(いつの間にかすごい人気ね)と思っていると、みんな降りるときにJRパスを見せています。
外国人専用の、JR線乗り放題のジャパン・レール・パス。
それが、去年からみずうみ号に使えるようになったそうです。それで外国人が、大勢利用するようになったわけですね。
羨ましい限り。私達日本人は往復6000円、2日間パスだと5000円かかります。

それにしても、青森に来るたびに外国人が増えてきているなあと思います。
まさか八甲田越えのバスの中で、英語や中国語の会話を聞くとは思いませんでした。

● 八甲田山



昨日までは弘前近郊から岩木山を眺めていましたが、この日は青森近郊にいるため、見えるのは八甲田山連峰。
右側に見えるこんもりとした山は、標高553メートルの雲谷(もや)です。


学生の頃、せっせと通って秘密のスキー特訓をしていたモヤヒルズの前を通っていきます。
どんどん高地に登っていくと、八甲田のすそ野まで見えそうなほど広々とした高原になりました。



● 萱野茶屋

バスは萱野茶屋(かやのちゃや)で、10分の休憩時間を取ります。
木陰の多い、とっても気持ちのいい場所。子供の頃、ここに親戚みんなでハイキングをしに来ました。
ここではお茶の接待を受けられます。
英語のアナウンスがなく、見慣れぬ光景に外国人がとまどっていたので、ここでのお茶の飲み方を教えてあげました。


どうすればいいか、外国人にはわかりませんよね

バスの中で、次に停まるバス停については日本語と英語のアナウンスが流れますが、その他の解説は、日本語のみ。
このバスでは、毎回行き帰りに雪中行軍の説明が流れるので、そのたびに悲しい気持ちになりますが、外国人はその悲劇を全く知らされないまま「ワッハッハ」と爆笑したりしています。
せっかくここまで来ているのですから、もっと外国人への情報があってもいいのにと思います。

ここからは本格的な山の中。とたんにカーブが増えます。
もともと乗り物酔いしやすいのに、先程食後すぐにバスに乗ったため、のっけ丼がお腹の中で動いているようです。

● 地獄沼

地獄沼は、いつ見てもキレイ。
別府の地獄めぐりと比べると、全然地獄ではなさそうですが、ここは泉温98度と、見た目に寄らず高温です。
さらに付近には、今でも硫黄を多く含んだガスや温泉が噴出しており、ハイキングコースにはなっていますが、立ち入り禁止地域の多い、要注意地帯です。



● 5月の残雪

八甲田を登っていくと、まだまだ雪は残っていました。
これまで夏にしか来たことがなかった十和田湖。新鮮な風景です。

 



● 春の蔦温泉

十和田湖までは長距離なので、途中2回休憩が入ります。
2回目の休憩は、蔦(つた)温泉。
先ほどの八甲田よりも少し標高が低くなったため、辺りは一面花が咲き乱れる、春の楽園でした。


外国人が運転手に「ネノクチ~?」と聞いていました。
結構日本に詳しいようで、連れに「ネノクチとかイシゲドとか、意味が分からないよ」と英語で喋っているのが聞こえました。
子ノ口と石ヶ戸のことですね。大丈夫、私もよくわかりません。
ゲドというと『ゲド戦記』しか連想しませんが、"小屋"という意味だとアナウンスで流れました。
"石小屋"バス停だと、なんだか迫力がないので、やっぱりイシゲドの方が雰囲気ありますね。

● 十和田湖

奥入瀬渓流を通って、終点の十和田湖に到着したのは、10:30。
標高が高い八甲田を超え、約3時間かけて到着しました。



さっそく湖畔を歩きます。波のように水が寄せては引いています。
とても澄んでいて美しい水。山の奥の神秘の湖だけあります。


人はあまりいません。こんなに空いている十和田湖は、初めて。
夏以外に来たのは、初めてだからかもしれません。午後の方が人が増えそうですしね。



この小島、形が良くて、いつも撮っちゃうんですよね。
恵比寿大黒島といいますが、実は恵比寿島と大黒島の二つに分かれています。
それぞれに、恵比寿様と大黒様のお社があるとのこと。
横から見ると二つの島に見えるそうですが、緑深くてよくわかりませんでした!



● 令和最初の御朱印

十和田神社の前につきました。
手水舎のところには、ペットボトルを並べてせっせと水を汲んで入れている女性がいました。

最近、パワースポットとして知られるようになりましたが、この神社はとても迫力があります。
ズンとくる感じです。


参拝し、ここで、私にとって令和最初の御朱印をいただきました。
お寺の御朱印のように迫力ある筆跡です。ありがたや~。



● 手水舎は御神水?

神主さんに「手水舎の水は飲めるんですか?」と聞きました。
先ほど女性がたくさん汲んでいたので、湧き水の御神水なら、私も一口いただこうと思ったのです。
すると神主さんは
「飲めますよ。水道水ですから」と言われました。
水道水・・・!?(゚〇゚;)
えーーっ?
ビックリしながら神社を後にし、手水舎のところまで戻ってきました。
まだ先ほどの女性がおり、ペットボトルに水を汲み続けていました。



ええと、この人は、これが水道水って知っているのかしら…?
知っていて汲んでいるということもありえるかも…?
わからなかったので、あとは天に任せることにして、そっとその場を離れました。

もしも心当たりのある御方がこの文章を読んでらしたら、気づいてくださいね。
あれ、御神水じゃないようですよ。

● 湖畔の乙女像



高村光太郎の湖畔の乙女像。見るたびにふくよかになっている気がする…。
春なので、道端にはたんぽぽなどが咲き乱れていて、きれいです。
桜の花びらも落ちているので、少し前までは咲いていたんだなあと思います。

● 奥入瀬散策

湖畔を散策したのち、ふたたび11:20のバスに乗りました。
11:36に、銚子大滝前のバス停で降りました。
ここからしばらく、奥入瀬渓流を散策します。


銚子大滝


とてもいい散策路。一番好きかもしれません。
雪解け水でいつもよりも速さが増している気がします。

まだ雪が消えたばかりのこの辺り。
平日なのでとてもすいており、水の流れのほかは、かすかに虫と鳥の声が聞こえるのみ。


ゆっくり歩いていきます。
ふと、(もしかして私、死んでるんじゃないかな?)と思いました。
それだけ心地よく、なんの辛さもありません。


時々人とすれ違い、挨拶を交わし合うので、私の姿は見えているようですが、わかりません。
相手だって死んでる人かもしれないし。


生きてるのか、死んでるのか。たわいもないことですが、よくわからなくなってきます。
「胡蝶の夢」みたいなものですね。

そんな、ふわふわしたとても心地よい気分で渓谷沿いを散歩。
銚子大滝から馬門岩までの6キロを、てくてく歩きました。

 

 

 



馬門岩から13:42発のみずうみ号バスに乗ります。
行きのバスと同じ運転手と見習いさんが乗っていました。


その2に続きます。


新緑の津軽ひとり旅 2-2(黒石、碇ヶ関)

2019-07-26 | 東北

その1からの続きです。


● 駅の待合室

五所川原駅前に戻りました。
JRの駅は大きいですが、隣接している津軽鉄道の駅は、小ぢんまりとしています。


その向かいにあるのは、細長~いバス乗り場。
以前、津軽半島の旧・市浦村の海辺に、一週間ほど避暑滞在したことがあります。
青森空港から五所川原までバスで来た友人とここで合流して、現地に向かいました。
その時も、イトコのマミちゃんに車で連れて行ってもらいました…マミちゃん、お世話になってます!


カラカラと引き戸を開けて、バスセンターの中に入ります。
昭和のままの、レトロ感な待合室でした。


JR駅の待合室をのぞいてみると、座布団つきの椅子がストーブを囲んでいる、雪国仕様。
いる人みんなが知り合いになれそうな、アットホーム感。
5月といっても、こちらは少し前まで冬だったんですね。


駅に隣接した津軽鉄道本社の建物も、昭和のまま。
メロス号に同乗してくれたアテンダントさんと、ばったり鉢合わせしました。
「先ほどは、どうもありがとうございました」とお礼を言いました。

● めやぐだじゃ~

駅に、津軽弁のポスターが貼られていました。


発音記号まで書かれているのは、初めて見ます。
これ、外国語の辞書に載っているものじゃないですか。よその言葉扱い!
これだと、勇気を出して発音できますね。さあ、みんなで言ってみよう。
「わい~、めやぐだじゃ~!」

● 車窓の岩木山

雨がやんで、晴れ間が見えてきました。
夕方までずっと降り続けるという予報が、ずれたのかな。まあ嬉しいことです。
14:32発の五能線に乗り、終点の弘前へ。


途中の車窓から、ずっと岩木山が見えました。
陽の光を受けて輝いています。

 

やはり岩木山はきれい。
弘前の人たちの心の支えになっているというのが、よくわかります。
旅先で眺める私も、力づけられます。
美しい山は、人を惹きつけますね。


● 弘前乗り換え

弘前に15:24着。50分くらい乗っていました。
弘前ー五所川原間は、思ったよりも距離があるんですね。
次の電車まで、乗り換え時間が6分しかありません。
急いでJRの改札を出て、弘南鉄道の乗り場へと移動し、15:30発の黒石行きに乗り込みます。

弘南鉄道の乗り場は、初めての人にはちょっとわかりづらい場所にあります。
3年前に乗った時には迷いましたが、今回はまっすぐたどり着けました。


鉄道スタッフはみんな、東北楽天イーグルスのロゴの入った服を着ています。
5月29日に、沿線の「はるか夢球場」で東北楽天ゴールデンイーグルス VS 埼玉西武ライオンズの試合が開催されるそう。
それまで、職員が東北楽天ゴールデンイーグルスのユニフォームを着用しているとのこと。
ちょうどその期間だったんですね。

● 白雪つばさ

車両前面の丸いパネルに、なにやらイラストが描かれています。
「文豪ストレイドッグ」とのコラボ列車かと思いきや、「路娘MOTION(ろこモーション)」でした。
路娘とは駅にいそうな女の子…じゃなくて、鉄道車両を擬人化した女の子だとか…エ?


弘南鉄道株式会社の「キ100形車両」は、路娘「白雪 つばさ」だそうです。
つまりこれから乗る列車が、つばさちゃんなんですね。
うーん、多様な世界。

● Bunkamuraつり革

3年前、この電車に乗って田舎館村の田んぼアートを見にいきました。
その時に、元東急電鉄の車輛だと気がつきましたが、今回もつり革に「Bunkamura」の宣伝が入っていました。
乗客のみんなは(Bunkamuraって、なに?)とか思わないのかしら?


渋谷ではない光景

田んぼアートの会場はどうなっているのかと、駅を通過する時に目を凝らしました。
まだ茶色の土壌のまま。
5日後の26日に、田植えが始まるそうです。今年も楽しみですね。


車窓から、岩木山が見えます。先程とは少し角度が違います。
場所によって形が変わって見えるので、青森の人でも、心に思い描く岩木山の姿は、それぞれ違うよう。
どこから見ても、形のいい山ですけれどね。

● 黒石駅

30分ほど乗り、15:59に終点の黒石駅に到着。
これから黒石の街を散策します。
古い建物が保存されているという、こみせ通りに行きたいのですが、駅前に地図表示がなく、行き方がわかりません。

通りすがりのおばさまに聞いて「3つ目の信号を右に曲がってね」と教えてもらいました。
信号待ちをしていたら、「間違えた~!」と大声が聞こえて、先ほどのおばさまが小走りで現れました。
「信号、3つ目じゃなくて4つ目ね!」
行きずりの旅の者のために、わざわざ戻って訂正してくれたんです。どうもありがとう!


古いですが、しっかりした作りの建物


駅前から信号を数えていきますが、統一性のないわかりにくい道が続きます。
さらにこみせ通りの表示は相変わらずみあたらず、行き方の手がかりがつかめません。
地元のおばさんでも3つ目か4つ目かと、混乱する理由がわかります。

4つ目の信号は、片道車線のような細道。
これで合ってるのかな?と不安になりながら右折。
じきに道は太くなり、古めかしい街並みが見えてきたので、当たっていたようだとホッとします。
黒石は、こみせ通りへのアクセス誘導ツールをもうちょっと増やしたほうがいいですね。

● こみせ通り


統一感のあるシックな木造の建物が並ぶ、往時の雰囲気満点の静かな通り。
大きな杉玉が下がっている、老舗の造り酒屋がありました。中村亀吉酒造店です。


中村亀吉酒造店


お店の前には「いのち」と書かれた板がありました。
NHK大河ドラマ「いのち」のロケに使われた場所だそうです。
あれって黒石が舞台だったの?
お店は通常営業しており、働いている人が見えました。


高橋家


重要文化財の高橋家。
黒石藩御用達の商家で、藩政時代の面影が残る江戸時代の建造物です。
今は喫茶店になっています。

映画「津軽百年食堂」のロケに選ばれたお店、すごう食堂もありました。
原作は、3代にわたって津軽そばを作り続ける武骨な津軽人を描いた、感動的なストーリー。
いつか映画も観たいなあ。


車通りに面して、屋根のある木造りのアーケードが続きます。
これを「こみせ」というんだとか。味があっていいですね。


● ランチ難民

今日は、まだランチを食べていません。
金木の隣の芦野公園の元駅舎で食べるつもりでしたが、雨降りだったので行けずじまいでした。
五所川原ではじっくり立佞武多を鑑賞して、口にしたのはりんごソフトのみ。

そこで、ここで食事にしようと、黒石つゆ焼きそばの元祖「すずのや」に行きました。
でも、定休日で閉まっていました。残念!
青森駅の魚菜センターも定休日で、朝食にのっけ丼を食べるあてが外れました。
食べ物についていない日だわ。(単に調査不足)


黒石市消防団第三分団第三消防部屯所

一通り散策して、駅に戻ります。
大正13(1924)年に建てられた、洋風レトロな木造の黒石市消防団第三分団第三消防部屯所がありました。
歴史的建造物かと思いきや、今でも現役で使われているそうです。

● 華やかな盛りカゴ

さてクエスチョン。これはなんでしょう?

 
正解は、「お葬式のお供え用盛り篭」です。
青森のお葬式では、缶詰をこんな風にデコレーションして贈ります。


ド派手だと言われる青森のお葬式。
(そうかな~?)と、あまり実感はありませんが、巨大なお葬式のお供え用盛り篭がずらーっと会場に並ぶ光景は、確かに圧巻。
盛り篭の華やかさを見ていると、お葬式なのかお祭りなのか、わからなくなりそうです。

子供の頃から見慣れているため、これが日本のお葬式のスタイルだと思っていましたが、関東のお葬式では見ない光景です。
独特の風習なんですね。


黒石のマンホールは、ウエストがくびれたナイスバディな温湯こけし
リンゴと稲穂が描かれた、豊かなデザインです。

● 不思議な屋根飾り

駅に戻り、16:50の弘前行き上り電車に乗ります。
途中で、ギザギザの屋根の家を見かけました。
再びクエスチョン。このギザギザの飾りは、いったい何でしょう?


正解は、「雪が滑り落ちるのを防ぐもの」です。
雪が深い青森では、トタン屋根の家が多く、雪が積もるとその重みで軒下にドサッと大雪が落ちます。
下を人が通っていたら、埋もれて命に係わるため、一気に落ちないように、こうしてストッパーをつけているのです。
しかしここまでギザギザなのを見たのは初めて。鳥が屋根の上を歩きにくそうです。


コイン精米機は地方の風物詩ですが、こんな大きなタンクがついているのを見たのは、初めてです。
これまで気づいていなかっただけかしら?
タンクは籾(モミ)の精米機だそう。ほかの場所で、利用している人も見ました。

 

窓の外のあまりの神々しさに、声が出ません。
神様が降臨してくるところでしょうか。
17:19に弘前着。雨はすっかり上がり、いい天気になりました。

● 碇ヶ関温泉郷へ

ここで再びJRの改札に入り、今度は17:29発の秋田行きの奥羽本線に乗りました。
青森と秋田を結ぶ長い距離を走る電車に、20分間乗ります。
昨日訪れた大鰐温泉駅を過ぎて、碇ヶ関に着いたのは17:49。
駅のそばにある「道の駅いかりがせき」のはなれ、「関の庄温泉」に向かいます。

子供の頃、親戚たちと「あいのり温泉」という宿に行きました。
ウォータースライダーなどがあり、とても楽しく遊んだ思い出。
「あ~いの~りお~んせん♬」というCMもありました。
今はもうないようですが、それが碇ヶ関温泉郷にあったと知って、懐かしくなり、訪れてみたのです。

ここに陸奥国津軽藩の関所があったため、碇ヶ関という地名になっています。
温泉も、隣接する道の駅も、関所風の建物。


お湯は熱くて、少しずつ身体を慣らしながらつかりました。
やっぱり温泉、いいですね。身体に効く~!といった感じ。
空いていたし、とても気持ちよかったです。

● 無人の駅

ほかほかになって、駅に戻ります。
昨日の夕方、大鰐温泉駅から弘前に向かう乗客が多かったので、ここからも仕事帰りの人が結構乗るだろうと思いましたが、駅には誰もいません。
駅員の姿すらありません。さっき降りた時にはいたので、奥にいるのでしょうけれど。

無人の改札を抜け、連絡通路を渡って青森行きホームへ。
ここにも誰もいません。


だれもいない~

まさか私が温泉につかっている間に、パラレルワールドに入り込んじゃったのかしら?
不安になって、なんども時計と時刻表を確認し直します。
数分後に、電車がやってくるのが見えて、ホッとしました。


私一人が迎えた電車

停車しても、ドアが開かないため、(そうだ)と「開く」ボタンを押して、自力でドアを開けました。
車内もかなり空いています。

● 美しい夕焼け

黄金に輝く夕日が山間に沈み、綺麗な夕焼けがあたりを包みました。


あまりの美しさに、写真を撮りまくります。
しかし、乗客たちは、誰ひとりとして窓の外に目を向けません。
もったいなーい!

 

奥羽本線は、時々汽笛を鳴らします。ボーツと鳴り響く音は、郷愁をかきたてます。

先程、碇ヶ関に向かう電車の中で、職場の同僚たちと連絡を取り合いました。
うまく食事にありつけていないと伝えたら、色々とお店を調べて、教えてくれました。
ありがたいわ~。その間、私はのんびり温泉につかっていたなんて、言えませんでした!

弘前駅に着いてからは、ようやく大勢の人が乗ってきました。
温泉後の身体は眠たがっており、気がついたらウトウト。
もう乗り換えの必要はなく、電車が終点の青森まで連れて行ってくれるので、気が楽です。
1時間以上乗るので、眠って行きましょう~zzz。

● 食は二の次

19:57に青森着。昨日定休日で入れなかった「郷土料理 おさない」への再チャレンジのため急ぎます。
ただ、お店は8時閉店で、入口はもう閉まっていました。
まだ中にお客さんがいるのが見えて、切ないわ~。

やっぱり今回は食についていません。
食より移動を優先すると、こうなります。
でも、食欲よりも強いのが睡魔。
とっても眠かったので、お店には入らずにお弁当を買ってホテルに戻り、一休みしてからいただきました。

予定通りのプランで動けた一日。
どの路線も、時刻表通りに運行しました。
それってすごいことですよね。青森では電車の遅延がないんでしょうか?

本数が少なく、数時間に1本の便などもあるためか、みんな「待つ」ことに寛容だと思います。
人も電車も分刻みで動く都心とは違う時が流れているため、混乱が起きないのでしょう。

3日目に続きます。