風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

日光雪景色 index

2014-12-22 | 北関東(茨城・栃木・群馬)


◆ その1(行きと日光) ←日記へ
  クリスマスの少し前に、日光にドライブに出かけました。
  目指すは中禅寺湖。いろは坂を上った先は、真っ白い雪景色でした。
  雪に埋もれたお寺で、なんとも神秘的な仏像を拝観しました。
   ○ prologue ○ 上馬と下馬 ○ 鬼平じゃない羽生PA
   ○ 雪山いろは坂 ○ 中禅寺湖畔の中禅寺 ○ 車を降りるとスケートリンク
   ○ お寺の雪だるま ○ 凍った延命水 ○ 根っこが付いた観音様 ○ 旧イタリア大使館



◆ その2(日光と帰り)
  二荒山神社も雪の中。足を滑らせながら氷が張った道を移動しました。
  お参りを済ませていろは坂を下りると、もう雪のない世界。
  足湯で温まり、帰り道で鬼平江戸処に寄り、2014年最後の旅を終えました。
   ○ 二荒山神社中宮祠 ○ 雪山登山閉山中 ○ ランカトルグカフェ
   ○ ゆず湯の足湯 ○ 鬼平江戸処 ○ epilogue




日光雪景色-2

2014-12-21 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
  ○ 二荒山神社中宮祠 ○ 雪山登山閉山中 ○ ランカトルグカフェ
  ○ ゆず湯の足湯 ○ 鬼平江戸処 ○ epilogue

その1からの続きです。

○ 二荒山神社中宮祠

それから、二荒山神社に向かいました。
山のふもとの方は訪れたことがありますが、中禅寺湖畔はいつも鳥居だけ見て素通りしていました。
ここにあるのは中宮祠。
二荒山神社は、ご神体が男体山そのもので、ここから奥宮への登山道が続いています。



駐車場はやはりスケートリンク状態。画像からわかって頂けるでしょうか。
降りたその場所から危険なアイスバーン。2人で細心の注意を払いました。
そろそろと拝殿の方へと足を滑らせていきます。(もはや歩いていない)
雪をかぶった社殿はきれいですが、雪解け水がポタポタと垂れつづけて、水滴のタイミングを避けて中に入るのに一苦労でした。



いつも麓の二荒山神社ばかり参拝して、ここは赤い鳥居を横目に通り過ぎるだけでしたが、こちらの方がメインだとのこと。それは失礼しました。



神社の軒先には、つららが下がっていました。



○ 雪山登山閉山中

奥宮へと続く道があったので、行ってみましたが、扉が固く閉ざされています。
登山は10月で終わり、今は閉山中でした。



扉の隙間から、奥を眺めると、そこには冬の間、誰も通らない階段が。
風情がありました。



「雪山登山する人って、なにがいいんだろう?」とアコリンがぽつり言います。
確かに、森林浴はできないし、フィトンチッドも少なそう。
「う~ん、わからないわ」
彼女は夏限定の山ガールでした。



中禅寺湖は、かつて見たことがないくらい空いており、美しい自然を満喫できました。
湖畔のお寺と神社を参拝して、心がすっきりします。



「あ、忍者ラーメン!」「家康ラーメンだって!」
2人で同時に声をあげます。同じ店でした。
「家康の忍者っていったら、服部半蔵じゃない」
「半蔵ラーメンの方がよさそうなのにね~」
と、勝手なことを言いながら、なんだかおなかがすいてきました。

「そろそろ、お昼にしようか」
銀世界はいいのですが、今回は車で来ているため、安全第一で、あまり長居はしないことにします。
ゆっくりといろは坂を降りて行きました。



帰り道の天狗さん。なかなか写真に撮れないのですが、振り返りながら、なんとかパチリ。

○ ランカトルグカフェ

坂を下りると、雪は全くありません。
町は一気に観光客であふれかえっています。
すてきな英国風の教会がありました。日光は、寺社ばかりかと思っていましたが、ちゃんとキリストさまも祀られているんですね。聖地です。



今までの記憶が夢のようですが、雪道を歩いてかじかんだ足のつま先は、まだ冷え切ったまま。
普通のカイロは持参しましたが、足指カイロも持ってくるんでした。

お店はアコリンが選んでくれた、ランカトルグカフェ。
店名を覚えきれなくて、すぐに探しだせず、ウロウロきょろきょろ。
何語だろうと思ったら、造語のようです。



眠り猫のオブジェの置かれた小さな門構えですが、センスの良さが伝わってきます。
階段を上って行くと、あたたかみのあるリノベーション空間が広がっていました。



ここでランチにします。
私はとろ湯波ごはん、アコリンはカチャトーラ。



湯葉をひき肉と半熟卵と混ぜ合わせて、ご飯に載せていただきます。
出汁飴をかけた湯波を鶏そぼろと温泉卵と混ぜ合わせて、雑穀ごはんに載せていただきます。
クリーミーな味わいの創作丼ぶりでした。



ここは東照宮の西参道そば。
道を行きかう人々ウォッチングをしながら、ごはんをいただきました。

○ ゆず湯の足湯

それから益子焼の工房をチェックし、鬼怒川方面へ。
日光と鬼怒川は、一緒の枠のイメージですが、実際に車を走らせると少し距離があるものですね。
川を見下ろす「鬼怒子の湯」に入りました。



はじめ、「きぬこの湯」と耳で聞いて(シルクみたいなお湯なのかな)と想像していましたが、絹子じゃなくて鬼怒子でした。川の名前からだったのね。
ここは公共の足湯。手湯もあります。
素足になって両足つかりました。う~ん、いい気持ち!



ずっとかじかんだままだった足の指が、あたたまってほぐれていきます。
ようやく足の指を動かせるようになりました。
アコリンの足は親指が長いエジプト型、私は人差し指が長いギリシア型。
お互いの足の指を比べてみます。オリエンタルな異文化交流(?)です。



ゆずが浮いていてゆず湯になっており、ほかほかに温まりながら、さわやかな香りを楽しめます。
明日は冬至。一日早くゆず湯を楽しめました。



アコリンは、先ほど雪上で転んだ打ち身を癒します。
眼下には、ダイナミックな岩場を流れる川が見えました。



足湯を出た時には4時半になっていました。
5時には暗くなってしまうため、帰途につきます。
帰り道に、鬼平PAにも寄りたいし!
その前に、鬼怒子とパチリ。きぬこは牙が生えていたけど、別に怒っていませんでした。



○ 鬼平江戸処

帰り道、忘れずに羽生PA(上り)に寄ることができました。
わあ、初めての鬼平江戸処です。



前々から来たかったので、テンション上がりまくりの私。
以前取材で訪れたというアコリンに、いろいろ詳しく解説してもらいました。



江戸の町並み風の概観に、柳や松が植えられていて、ムードたっぷり。
京都もしくは明治村に来たよう。



中に入っている店舗は、原作に登場する店名になっているそうです。
数巻読んでいますが、店名をチェックするほどは読み込んでないわ~。





ちょうど開業一周年だそうで、殺陣などの記念イベントが行われていました。
お土産コーナーには、埼玉なのに、伊勢辰とか榮太樓などの商品が並び、お江戸っぽいものがたくさん売られていました。福助どんがキュート!



鬼平のコアなファンが周りに数名いますが、これほどまでに日本国民に人気なんだなあと、あらためて思います。
そういえば、鬼怒子の湯のあとに鬼平PAに寄っているので、なんだか鬼づいています。



こういうザ・ジャパンな場所は、外国人に爆発的に人気が出そうですが、外国人ツーリストはなかなか訪れる機会がないのがパーキングエリア。
こういうテーマパーク的なPAがほかにも増えたら楽しいなあと思います。



やっぱり水戸は黄門様、静岡は次郎長でしょうね。
伊賀や甲賀が忍者屋敷になったら、そのためにだけでも行きたくなっちゃいそうです。
満足して、羽生をあとにしました。



都内について、解散です。
華麗なハンドルさばきで結局最後まで運転をしてくれたアコリン、どうもありがとう。
羽生PAで、いろいろお土産を買いましたが、気づけばみんな食べ物だったー!



○ epilogue

もともとは気分の浄化のために、日光の強力なパワーに触れてこようと思った今回の旅。
中禅寺湖を訪れるたびに(いろは坂の上は別世界だ)と思いますが、今回は雪に閉ざされかけた世界になっており、いつにも増して非日常感にあふれていました。
忘れていた雪の白さと冷たさを思い出して、温泉で温まって。
皮膚感覚を通じて冬の刺激を受けて、気持ちがしゃんとします。

多分これが、今年の旅おさめ。
今年もあちこちに、思い出深い旅ができました。
来年も健康でいられますように。


日光雪景色-1

2014-12-21 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
  ○ prologue ○ 上馬と下馬 ○ 鬼平じゃない羽生PA
  ○ 雪山いろは坂 ○ 中禅寺湖畔の中禅寺 ○ 車を降りるとスケートリンク
  ○ お寺の雪だるま ○ 凍った延命水 ○ 根っこが付いた観音様 ○ 旧イタリア大使館

○ prologue

年末の押し迫った日、アコリンと日光へ出かけました。
かつて紅葉を観に出かけて、いろは坂渋滞にはまり、大変な目に遭ったことがあるため、秋の混雑を避けて季節の変わり目辺りに行こう…と思っていたら、寒波が押し寄せて、日本列島は一気に冷え込んでしまいました。

前日に大雨が降ったので、いろは坂の凍結を恐れて、スタッドレスタイヤをつけたアクアで出発です。
特急スペーシアも好きですが、今回は都心から車で向かいます。
早朝起きると雨はすっかり上がり、きれいな冬晴れの日でした。
お互い晴れ女だものね、レッツゴー!

アクアはプリウスの小型版なので、とても静か。
そういえば、前はスペーシアを降りてから今市でプリウスに乗り換えて中禅寺湖に行ったなあと思い出しました。
あの辺りは低公害バスも通っていて、自然保護のためにエコカーを推奨している一帯です。今回の車も低公害車。たまたまですけどね。

○ 上馬と下馬

上馬から高速に入りました。
「そういえば、下馬っていう所もあるよね」と話します。
「東京の地名は"シモウマ"だけど、宮城に住んでいた時、隣の駅が同じ字で"ゲバ"と読んだから、ついゲバって読んじゃって」
と言うと、アコリンは「ゲバってー!」と笑いました。

昔、塩竈神社に参拝をするお殿様がそこで馬を下りた場所だからですが、響きだけ聞いたら妙ですもんね。
仙石線に乗っていると「エー、次はゲバ~。ゲバゲ~バゲバ~」とアナウンスがかかって、引っ越ししたての私たち家族は、笑いをこらえるのに必死でした。

でも世田谷のシモウマの方は、上馬(カミウマ)もあるので、馬を降りるという意味ではなさそう。
どんな由来なんでしょう。
後で調べてみたところ、もともとこの辺りは上馬引沢村・下馬引沢村と呼ばれており、それが簡略化されたものだそうです。かつては中馬引沢村もあったそうな。
この辺りは駒沢もある、馬ゆかりの地名が多い場所。
源頼朝が遠征途中に訪れ、この辺りの沢で「馬を曳いて渡れ」と命じたのが由来だそうです。

高速はすいています。車はとても少なく、スーイスイ。
いつもこんなにすいていたかしら?前の日が大雨だったから、みんな動き出すのが遅いのかしら?



ピッカピカのタンクローリーの後ろについたら、大きな鏡のようで、私たちが映って見えそうでした。

○ 鬼平じゃない羽生PA

車は東北自動車道へと入ります。
「もしかして、羽生を通る?鬼平PAに行ってみたーい!」
「あそこいいよ~、じゃあ寄って行こう」
勇んで向かいましたが、着いてみると普通の外観です。アレ?
鬼平PAは、反対側の方でした。あらら、じゃあ帰りに忘れずに寄らないと。

羽生つながりで「今年はフィギュアスケートの羽生君が活躍したね」という話になります。
ついでに『ビルマの竪琴』の話をしようかと思いましたが、やめておきました(→埴生の宿)。
年末なので、今年活躍した人の話題になったものの、どうも悪名がとどろいた人ばかり出てきて、輝いた人はあまり思いだせません。
チバットマンくらい?(えー)
年末の「今年はこんな年だった」特集を見なくちゃ。



快調に車は進み、清滝ICに滑り込みました。
天気はいいし、道はすいているし、アコリンの運転は上手だし、アクアも快適。
「これからいろは坂だねー。よし!」
アコリンは気合を入れています。
助手席の私も、なぜかおなかに力が入ります。



だんだん、雪をかぶった山が見えてきました。

○ 雪山いろは坂

いよいよいろは坂です。
少しずつ登って行くと、景色はだんだん雪景色に変わりました。
「道路は凍結してないね」「よかったー」



除雪車が通った後らしく、舗装道路が見えています。
いくらスタッドレスタイヤでも、私たちは雪道に慣れていない都会っ子(?)。
この道が通れないと、中禅寺湖一帯は孤立してしまうので、除雪はきちんと行われるのでしょう。



この道もスイスイです。ほとんど車通りがありません。
途中で自転車で登って行く人を見かけました。す~ご~い~。



途中の見晴らし台で、数台の車が停まっていたので、私たちも降りてみました。
歩き出そうとしたら、足元がつるつるですべりそうに。
薄く積もった雪が氷になっていて、危険です。降りた人たちは、みんなすべり気味に歩いており、記念写真を撮るのにも一苦労でした。



いろは坂、よく見ると、右側車線が少し凍結しています。
「これ、帰り道、完全にアイスバーンじゃない?」「ブレーキきかなそう」
2人で恐怖にひたりかけましたが、考えてみればここは一通道路でした。
こんな時には右側は使わないんでしょうね。



「猿はいるかな~♪」とアコリン。
残念ながら、一匹も姿を現しませんでした。
「寒いから、きっと温泉につかっているんだよ」
猿どころか、鳥もいません。
熊も冬眠に入っているのでしょう。
生物の姿が見えないと、いっそう荒涼とした冬を感じます。



ロープウェイが頭上を通って行きました。
乗客が見ているのは、一面の雪世界でしょう。

ようやく坂を上り終えると、雪は一層分厚くなっており、まさに北国でした。
「あれ、ここ、関東だよね?」
ここまでとは予想しておらず、スノーブーツで来るんだったと後悔する私たち。
道路以外のところは雪が深くて、歩けなさそうです。



ナビに従って曲がろうとしたら、「冬季閉鎖 一般車通行止め」と書いてありました。
えー、ここから先には行けないの~?
「だからといってここから歩いて行くのも無理そうだね」と途方に暮れる私たち。
大回りできるか、別の道を通って行くことにしました。

○ 中禅寺湖畔の中禅寺

長い坂をのぼると、雪国であった。
坂の下にいる時には想像もしていなかった辺り一面の真っ白な光景にあぜんとしましたが、「そ、そうだ、まずはお寺だっけ」と、気を取り直します。
そろそろと車を動かして、まず訪れたのは、中禅寺。



子供の頃から中禅寺湖のことは知っていたのに、このお寺のことはつい最近まで知りませんでした。
考えてみれば、湖にはこのお寺の名前がついているわけなので、たいそうな場所のはず。
なのに「中禅寺に行った」という話を聞きません。
日光のお寺といえば、どうしても東照宮になってしまうからでしょうか。

○ 車を降りるとスケートリンク



お寺の前に広い駐車場がありますが、そこも凍っており、降りたとたんにふらつきます。
運転手側のドアから下りたアコリンが、見えなくなったと思ったら、バランスを崩して転んでしまいました。
「大丈夫?」と車の反対側に向かおうとしますが、自分も足元がツルツルなので走り出せず、よたよたと、車体をつたってそばまで行きます。
まるでスケートリンク上にいる時のよう。



プロ仕様の一眼レフカメラを首から下げていましたが、本人もカメラもとりあえずは無事のようでした。
とにかくかなり足元注意。半分滑りながら、時間をかけてようやく受付まで辿り着きます。
中にいた女性に、慈愛の目で「境内は雪かきをしていますが、十分注意してくださいね」と言ってもらいました。

○ お寺の雪だるま

「海抜1,269m」という表示を見て、驚きます。
「そんなに高いところにあるんだ。どうりで雪に覆われているはずね」
「標高8~900mの高野山よりも高いのね」とアコリン。
あそこもかなりの高さ。そう考えると、なおさらすごいなあと思います。
ちなみに中禅寺湖は、日本の湖で一番標高が高いところにあるそうです。
それで非日常感たっぷりなんですね。



お寺の入り口には、雪だるまがいました。
かわいい!
ニンジン鼻です。
遊び心がありますね~。
後ろの仁王様には見向きもせず、2人でキャッキャッと雪だるま撮影をしました。



○ 凍った延命水

手水舎には、つららがついています。
こんな時には、手を清めるのにも覚悟がいります。
うーん、水に触りたくなーい。(軟弱者)



「延命水」と書いてあるだけで、飲用可能かはわかりませんが、勇気あるアコリンが飲んでみたので、私も口に含んでみました。
雪解け水の味がしました。
ところで、勇気ある人って、長生きするんでしょうか?
確率的に、小心者よりもフグの毒に当たりやすそうな気がしますが…。

境内には、大きな瘤のついた木がありました。
人の病気をここに吸い取ってくれるそうです。
私は、身体はいたって健康ですが、気持ち的にパワーがない状態。
それで、今回日光のパワーをもらいにやってきました。
このメロウな気持ちを吸い取っちゃってほしいものです。



○ 根っこが付いた観音様

本殿で、ご本尊の「十一面千手観世音菩薩」を前に、お坊さんに説明をしてもらいました。
解説付きなんて贅沢です。
なんと、開祖のお坊さんが生きている木を彫って、観音像を作り上げたんだとか。
「いまでも根をはっています」と聞いて、びっくりしました。
足元に注目しましたが、段差があって、根のところは見られないようになっていました。
それで立木観音というんですね。
国重要文化財だそうです。大陸風のお顔でした。

すごいですね。これはおいそれとは動かせません。
なにがあっても火事には気を付けないと!

観音像からは五色のお手綱がのびていました。
いつもあるわけではなく、今年が午年の御開帳年だからだそうです。
それに合わせて坂東巡りをしていましたが、なかなか大変で、今年は半分くらいしか周れなさそうです。
今回は、こちらの御朱印をいただきました。やったあ。

奥には五大堂があり、五大明王像がありました。
ここでも、違うお坊さんに解説してもらいます。
天井には大迫力の龍が描かれていました。
これは、東照宮の鳴き龍と同じ堅山南風画伯の手によるものだそうです。
ここでアコリンは赤い小槌、私は御朱印をいただきました。



お寺の前には中禅寺湖が広がります。
紅葉の季節には、さぞかし美しかったことでしょう。
でも今の、凍てつくような荒涼とした風景もまた、いいものです。

○ 旧イタリア大使館

それから、旧イタリア大使館へ向かおうとしました。
徒歩15分とあるため、歩き出しましたが、車道は除雪車が入っているものの、歩道には入っていないため、歩くのにも一苦労。
50mくらいはがんばって進みましたが、
「・・・これってムリかも?」
「やめとこうか」
ということになり、満場一致で(といっても2人)行くのをやめました。



前にもここを訪れましたが、ちょうど閉館したところで入れなかったし、なかなか縁がありません。
でも、無理はしないのが旅を楽しむコツです。
次回にぜひ~。

その2に続きます。


遠くて近い房総へ index

2014-12-15 | 千葉
画像


◆ その1 (房総半島)
   東京湾に阻まれて、神奈川からはなかなか行きづらい房総半島。
   友人と海を渡ってお寺参りをすることにしました。
   空が高い冬晴れの日の、快適なアクアラインドライブです。
    ○ プロローグ ○ 快晴のアクアライン ○ 緑の国、房総
    ○ 東京湾観音 ○ 仁王さんと不動さん ○ 土砂崩れの爪痕
    ○ 真理交差点 ○ 子供の遊び場ならず ○ 真四角の笠森観音

◆ その2 (養老渓谷・みなとみらい)
   養老渓谷散策をしましたが、紅葉はもうほとんど終わっていました。
   食事処が見つからず、車なのにランチ難民になりかけます。
   お寺巡りの後は横浜に戻り、なぜかハードボイルド映画を鑑賞しました。
    ○ 一路半島南下 ○ 橋を渡って渓谷へ ○ 川沿いの遊歩道
    ○ ランチ難民 ○ 思わぬ夜プラン ○ 海ほたる休憩
    ○ 戦車映画鑑賞 ○ お好み焼き焼き ○ エピローグ




遠くて近い房総へ-2

2014-12-14 | 千葉
その1からの続きです。

○ 一路半島南下

次は養老渓谷です。
南下する形になります。
そろそろお昼を食べておきたい時間ですが、渓谷の近くで渋滞ができているかもしれないため、まずはそちらに向かいます。
日が高いうちに散策を済ませておきたいので。

養老渓谷は範囲が広いため、養老渓谷駅に向かいました。
くるり線の小さな駅です。
久留里線!おととし開業100周年で、気になっていたんですが、遠くてなかなかこれずにいました。
電車は、日中は2時間に1本くらいしか通らないそうです。乗り遅れできません。
(あとで確認したら、小湊鉄道線のまちがいでした。鉄子じゃないのよ…)

○ 橋を渡って渓谷へ

駅前でカーナビは終了。ここからの道がよくわからなかったので、道の表示を探しながら進みました。
と、朱塗りの太鼓橋と「出世観音」の表示が目に入ります。
笠森観音を訪れたところなので、気になってここも行ってみることにしました。



白鳥橋という吊り橋を抜けます。車ギリギリ~。
なおも進んでいくと、やがて朱塗りのゆるい眼鏡橋のような形の橋が現れました。



橋好きなので、テンションが一気に上がります。
車を停めて、渡ってみますよー。





この橋の向こうに、観音様がいると聞いて、お参りすることにしました。
歩いて200mとのことですが、これも石段ののぼりが続き、なかなかハード。
黙々と登って、ようやく到着しました。



誰もいない、とても静かな境内。
もう落ち葉焚きは終わったようで、あとはお正月のどんと焼きを待つばかりといった感じ。
出世観音を前にして、「出世ってなんだろうね」と、zimaと哲学めいたことを話しながら、お参りしました。
zimaは、ろうそくを奉納していました。
灯されているろうそくには、一本一本に奉納者の願いが書かれています。
「自分の願いを書くみたいだね」とペンを取ったたのに、ろくそく台に置かれたものには、自分のだけ名前が大きく書かれていたので「願いはいいの?」と笑いました。

細道をまた橋まで戻る時に、先程とは別の旅行者ツアーの一団とすれ違いました。
ここはツアーで訪れる人が多いんですね。



途中で「本多忠勝・忠朝を大河ドラマに」の幟を発見。
おお~。ホンダム忠勝、好きなので、私も大河になって欲しいですね~。
本多忠勝は愛知の岡崎出身ですが、大多喜城の初代城主となった、千葉にも縁の深い武将。
1月の勝浦旅行でこの近くを通った時に、お城のことを知りました。
今回もいつの間にか、大多喜町に入っていたようです。

○ 川沿いの遊歩道



再び車を停めて、今度は中瀬川遊歩道を渡ります。
先程とはまた違う旅行社ツアーの一団と一緒になり、最後尾をついていく形で歩いて行きました。





飛び石のような橋を渡って行きます。
京都の鴨川の亀石のようで、ワクワクします。



外は結構寒いため、水もキリキリ冷たそう。落ちたら、かなり悲しい思いをするため、足元に気を付けます。



紅葉は、期待していたほどはありません。もう落ちてしまったのでしょうか。





でも、川沿いの散策時はすがすがしく、気持ちの良いルートです。





最後に、岩をくりぬいたようなトンネルを通りました。
結構長くて外界の光が遠くなり、(地底に入ったみたい)と別世界気分になりました。



1時間弱歩いて、車道へと戻りました。
地図を見ると、全く方向違いのところに紅葉谷がありました。あれー。
「きっとその辺りは紅葉がきれいなんだろうね」と話しましたが、けっこうしっかり散策をしたので、いいかげんおなかがペコペコの私たち。
なのに、近くに食堂はびっくりするくらいありません。
とりあえず、駅まで戻ることにしました。

○ ランチ難民

養老渓谷駅前に戻りましたが、食事できる処はほとんどありません。
もう時間は3時を過ぎており、地方の食堂はいったん閉める時間帯にさしかかっています。
ランチ難民になっちゃった~。

この辺りでは探せそうにないため、市原の方に向かいながら、道の途中で食事処を探すことにしました。
となると、再び養老渓谷に戻るのは大変になるため、残念ながらもみじ谷はあきらめることにします。
今年はあちこちで紅葉を楽しめたし、渓谷自体は満喫できたので、よしとします。

賑やかな通りに差し掛かったと思ったら、久留里駅前まで来ていました。
今度こそ、久留里線の駅です。
久留里城があるため、商店街にもお城がついています。



さらに少し車を走らせて、目についたレトロな食堂に入りました。
ようやく昼ごはんが食べられるわ~。



おじいさんとおばあさんが切り盛りしている食堂で、住居とくっついているお店。
化粧室を借りたら、「家にあがって」と住居エリアの方に案内されてビックリ。
新そばののぼりに引かれて、ざるそばセットにしました。
素朴な昔ながらの味でした。



TVでは、今日の衆議院議員選挙の特番が流れていました。
ちゃんと、期日前投票してきましたよー。

○ 思わぬ夜プラン

遅いランチを食べて、一息ついた私たち。
食堂を出てから「次はどこに行こう?」と考えます。
4時過ぎていたため、もうお寺を参拝する時間はありません。
「帰りがけに大江戸温泉に行く?」と言われましたが、前日スパに行ってきたばかり。
「そうそう、映画のチケットを2枚持ってるんだった」とzima。
「横浜に戻って、みなとみらいで映画観ない?」



房総半島の平原の中で、いきなり別世界の話を振られて、びっくりしました。



冬は日が暮れるのが早く、昼食直後なのにもう周りは夕焼けの景色。



美しい空の色に見とれますが、もうすぐ日が沈んで、夜になってしまいます。
外は冷えていっそう寒くなるから、屋内で過ごせる映画もいいかも。
zimaは上映中の映画をチェックして「自分が見たいのはこの3つ。この中ではどれがいい?」と聞いてきました。
3つの予告動画も見せてくれます。テキパキ動いてくれて助かる~。

選択肢は『ゴーン・ガール』『フューリー』『紙の月』の3作でした。
どれも私の好み路線ではありませんが、かといってクールなzimaに『アオハライド』は似合わない~。
『ゴーン・ガール』はミステリータッチでクレイジーすぎ、『紙の月』は日本映画であらすじを知っている、との消去法で、『フューリー』にしました。
戦争映画は苦手なのですが、友情に焦点が置かれているそうなので、感動があるかと思って。

「じゃあ、横浜に戻ろう」
でも、アクアラインに乗ったと同時に、渋滞に巻き込まれました。
事故があったようです。
混雑を一旦やり過ごすために、うみほたるに寄ることにしました。
zimaはしょっちゅうアクアラインを通っているそうですが、数えるほどしか来たことがない私は、喜びます。



○ 海ほたる休憩

「なんかつまもうか?」
食べてきたばかりなのに、なんとなく気分でお茶をすることにしました。
ここに来たら、毎回食べるのがあさりまん。
今回もついゲットします。



ボリューミー!
スタバのチャイラテとあさりまんを、日没後のおやつにしました。



もう日は沈んでいましたが、冬なので視界がクリア。
湖風がビュービュー吹いて体温を奪っていきましたが、海の向こうの夜景がきれいでした。



休憩後、再び車に乗ると、たしかに混雑ははけており、スイスイと動けます。



そのままつばさ橋を通り、ベイブリッジを通り、宝石箱のようにキラキラと輝く横浜の街へと戻ってきました。



○ 戦車映画鑑賞

みなとみらいのワールドポーターズに滑り込み、10分遅れで『フューリー』鑑賞。→(鑑賞記『フューリー』
結果は、予想よりももっとずっとハードボイルドな戦争映画で、圧倒されました。
映画が久しぶりということもあり、映像はあまりにも衝撃的でした。

私は、観たい映画があったら映画館に行きますが、zimaはヒマな時間を映画館で過ごすタイプ。
だからいろいろな映画を観ているそうです。
ただ、あまり本気で鑑賞していないので、ストーリーを忘れてしまうことが多いとか。
映画で暇つぶしなんて、大人の過ごし方だわ~。

○ お好み焼き焼き

映画を観終わった時には、もう9時過ぎていました。
館内にもレストラン街はありますが、おなかが空いていないので、そのまま家の方へと向かいます。
zimaのリクエストで、お好み焼き屋さんに入りました。

大きなお店で、にぎやか。
TVでは、今日の衆議院議員選挙の開票速報が流れていました。

これまでお好み焼きを作ったことがほとんどないため、無造作に盛りつけられた具が出てきて緊張が走りましたが、学生時代にお好み焼き屋でバイトをしていたというzimaが、手慣れた様子でスイスイ作ってくれました。



なるほど、混ぜて載せればいいのね。よーし作るわよー。



山芋も頼みます。有能なつなぎ!これからお好み焼きを頼むときには、山芋を忘れないようにしようっと。
焼くのに夢中になっており、はっと気づいた時には、11時近くになっていました。
お腹いっぱいになって、解散です。

海の向こうに渡って遠出をしましたが、一日ずっと運転してもらったので、私は全く疲れませんでした。

○ エピローグ

一人でアクアラインを渡る勇気はなく、房総半島に乗り込むには、東京経由で行くしかないかなと考えていた私。
今回行きたかったお寺はどこも、駅からかなり歩く不便な場所にあり、公共機関を使っていくのは大変ですが、今回は車だったので、大変な思いをせずに済みました。
笠森観音をとても気に入ったというzima。私もあのお寺には感激しました~。
古刹ファンが日本に一人増えたようで、何よりです。