風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2019京都の初春 index

2019-05-30 | 近畿(京都・滋賀)
[2019.3.21-3.25]

◆ 京都 1-(1)(上賀茂、山科) ←旅行記へ
 3月下旬のまだ寒い雨がちの日、京都を訪れました。
 上賀茂神社参拝後、鴨川デルタでふたば豆餅。
 山科に向かい、山の奥の陰陽の巨岩にたどり着きました。
  ● prologue ● 寝過ごして終点へ ● 上賀茂神社へ
  ● 出町ふたば ● デルタ de 豆餅 ● 山科へ
  ● 岩屋神社 ● 奥の院へ ● 陰石
  ● 陽石 ● 川崎大師京都別院



◆ 京都 1-(2)(山科、御陵)
 中臣鎌足、坂上田村麻呂ゆかりの遺跡を訪ねて気分は飛鳥や平安時代。
 忠臣蔵ゆかりの地を訪ねて、気分は元禄時代。
 キンキラのお寺や京都最古の御陵も訪れた、ヒストリカルアワー。
  ● 中臣遺跡 ● 坂上田村麻呂墓 ● 折上稲荷神社
  ● 日本のシンデレラ ● 大石神社 ● ポニーの花子
  ● 男でござる ● メタボ解消祈願? ● 岩屋寺
  ● 山科神社 ● 清水焼団地 ● 山科駅へ
  ● 本圀寺へ ● まばゆい境内 ● 鎌倉から移った大本山
  ● 御陵参り ● こたつ和室



◆ 京都 2-(1)(修学院)
 2日目は比叡山麓の修学院離宮を見学。
 遠くの尾根から続く敷地の広大さに驚きます。
 ガイドさんがダイアナ妃と夏目雅子の思い出を語ってくれました。
  ● 前乗り後降り方式 ● 震える寒さ ● 修学院離宮
  ● 広大な敷地 ● 桂離宮との違い  ● かずかずの雑学 
  ● 美女の話 ● 龍が泳ぐ池 ● 鷺の森神社



◆ 京都 2-(2)(大原、山科、東山)
 午後は大原の自然の中を散策してリフレッシュ。
 前日同様、再び山科へと向かいます。
 とうらぶゆかりの地を訪ねてみました。
  ● 春を待つ大原へ ● のどかな山村風景 ● 再び山科へ
  ● 中臣神社を発見 ● 扇子・仏具団地 ● なるほどザ・ワールド鈴
  ● 粟田神社 ● 鍛冶神社 ● 最後の白川小学校
  ● 六孫王神社 ● 優しい京都の人



◆ 京都 3(京大、四条、錦市場)
 3日目は東山から京都大学まで歩いて行きました。
 日中は大学で過ごし、夜に四条に繰り出します。
 鴨川を行きつ戻りつ、土曜の夜カフェを楽しみました。
  ● 東山通を歩く ● 朝の消防訓練 ● 京都大学吉田寮
  ● 京都大学の時計台 ● カフェ・コレクション ● ポスターセッション
  ● モダンな大学寮 ● 繁華街で遭難 ● インパクトパフェ
  ● ナイトミュージアム ● ディナー難民 ● 玉さま公演
  ● おかるのうどん ● 夜カフェの巨大スコーン



◆ 京都 4-1(京大、吉田) ←旅行記へ
 この日も青空の下、寄り道しながら大学へ。
 吉田山に登りましたが、迷ってうろうろ。
 たどり着いた山荘カフェはとても居心地の良い場所でした。
  ● 東山通ウォーキングふたたび ● 吉田寮 ● 京都大学
  ● 吉田神社 ● 神前結婚式 ● 料理の神様
  ● 吉田山を散策 ● 茂庵でおあずけ ● お菓子の神様



◆ 京都 4-2(七条)
 あたたかい阿闍梨餅を本店でイートイン。
 任天堂の昔の本社にたどり着いたり、道端の大鐘を見つけたり。
 快晴日の締めくくりは、美しい夕焼けでした。
  ● 阿闍梨餅本店 ● 京阪で解散 ● 七条散策
  ● 旧任天堂本社 ● 道端のミステリー ● 豊臣神社の正面
  ● 大仏殿跡の公園 ● 智積院の夕日



◆ 京都 5-(1)(嵐山、東山)
 嵐山は、さまざまな国からやってきた観光客でにぎやか。
 今ではすっかりインターナショナルな人種のるつぼになっています。
 おりしも頃は春彼岸。お寺では著名人のお墓に案内してもらいました。
  ● 嵐山へ ● 外国人だらけ ● 御髪神社
  ● 落柿舎 ● 厭離庵 ● 嵯峨釈迦堂
  ●「ほぁんほぁん」 ● たこ焼きリベンジ ● 法然院
  ● お寺の墓地へ ● R.I.P. ● 九鬼周造
  ● 台風の爪痕 ● 新しい墓地 ● さんしゅうの花
  ● ハイパーぶぶ漬けモード



◆ 京都 5-(2)(北野、祇園)
 インクラインを端から端まで歩いてみました。
 天満宮で焼き筍を食べそこねたことが、この旅一番の後悔。
 定番からネタ系までのご当地スイーツを買いこんで、帰途につきました。
  ● 北野天満宮の縁日 ● 焼き筍の屋台 ● 本殿参拝
  ● 天満宮の梅 ● 魁の桜 ● 御百稲荷
  ● 八坂神社 ● 美御前社 ● 円山公園
  ● 東寺の五重塔 ● 京みやげ ● 衝撃のブラックサンダー
  ● 驚愕の鴨サブレー ● epilogue


2019京都の初春 5-2(北野、蹴上、祇園)[Last]

2019-05-30 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

● 北野天満宮の縁日



引退した市電を見ながら、バス通りに戻り、次に向かったのは北野天満宮。
バスの窓から見える人の多さにびっくり。



「今日は25日だから、縁日だね」と周りから聞こえてきます。
屋台が参道にびっしりと並び、普段はあちこちにある牛の石像も、その陰に隠れています。

ここにも、教えてもらったばかりのさんしゅうの花が咲いていました。
気がつくとわかるものですね。

● 焼き筍の屋台



焼き筍が売られていました。
屋台で筍が売られているのを見たのは初めて。さすが、竹林の多い季節です。
今が季節ですからね~。

かなり気になりましたが、人の流れにのって、そのまま通り過ぎちゃいました。
後で後悔!ああ、珍しいチャンスだったのに。
食べてみるんだったわ~!



縁日だからか、サル回しもやってきていました。
「皆さん、普通に見ていますが、サルは四つ足歩行。
後ろ脚だけで立っているのって、すごいことなんですよ」
確かに、そうでした!



● 本殿参拝

ようやく本殿の前まで来て、お参りします。
3月なので、最後の神頼みをする受験生たちの集団はもう見えません。
この神社にとってのシーズンオフ期間ですね。



四方からお参りできる牛天神さま。
受験期前の大混雑対策でしょうか。
合格祈願の絵馬がびっしりと下がっていました。



● 天満宮の梅

天満宮の梅はきれいでしたが、去年に比べるとあまり咲いていないような感じ。
人の多さの方が気になって、梅の方にあまり目がいきません。


ちょっとがっかりしながら、裏門から出て次には平野神社に向かいました。

● 魁の桜

ここは、京都で一番早い桜が咲く場所。
去年は咲いていなかったので、今年もまだかと思ったら、きれいに咲いていました。
「魁(さきがけ)」という桜です。
わあ、咲いているのね。ここまで来てよかったわ。
桜に引き寄せられた人たちが、周りに集まります。



ただ、去年まであったはずの拝殿がありません。
なんと、この台風で倒壊してしまったとのこと。
かつての写真が飾られていました。



平野神社も台風で大打撃を受けたそうで、今なお当時のひどい有様そのままが残っています。
義援金の箱に、募金してきました。

● 御百稲荷

次に向かったのは、蹴上にあるウエスティンホテル京都。
広いロビーには、東山三条の田中人形による端午の節句の京甲冑が展示されています。



上階から御百稲荷をお参りできるということで、フロントに確認してみましたが、
「申し訳ございません、目下立て直し中で見学を中止しております」とのこと。
再び見られる時期は未定で、そもそも今後一般公開をするのかも決まっていないそうです。

そこは、刀剣乱舞ゆかりの神社ですが、特に刀剣女子ではないため、あっさりあきらめました。
ファンの人が大勢やってきて、ホテルが対応しきれなくなったのかもしれませんね。

● インクラインの端から端まで

そこで、そばを通るインクライン(傾斜鉄道)を散歩することにしました。



ここは全長582mの世界最長の傾斜鉄道跡。
琵琶湖疏水を引いた、高低差約36メートルの急斜面の道です。
いつも決まった場所しか歩いていないため、端から端まで行ってみることにしました。



どんどん下っていきます。
途中には、台車に三十石船(江戸時代の定期船)を乗せて、往時の姿を再現していたりもします。
まだ桜は咲いていませんが、開花時はさぞきれいだろうなと思います。



着物姿の女性たちやカップル、友達同士など、めいめいに歩いています。
線路レールに座り込んで写真を撮ったり語っている人たちもいます。
ただ、下から登ってくる人は誰もいませんでした。

● 疏水の噴水

線路沿いに、道をどんどん下っていくと、最後に行きついたのは、噴水のある場所。
横にある琵琶湖疏水記念館はもう閉まっていました。



ごうごうと音を立てて、白い水が流れていきます。
すごい量。こんなに流れて、琵琶湖の水はなくならないのかしら?と気になりますが、海のように広大なあの湖は、これくらいでは全く動じないのでしょう。



この大きな噴水は、電気などの動力を使わず、琵琶湖疏水の高低差による水圧だけで噴き上がっているそうです。



この道、いいわあ。ゴロゴロ石なので歩きづらいけど。
お花見季節なので、十石舟も出ていました。



● 八坂神社

そろそろ夕方になってきました。



平安神宮の前を通って、次に向かったのは祇園。


桜のきれいな南楼門


八坂神社をお参りします。


四条通に面した西楼門


外国人観光客であふれかえっています。
人気のエリアの中心地ということもありますが、ちょうちんが飾られた境内の雰囲気がエキゾチックだからでしょう。


本殿と舞殿


● 美御前社

境内にある美御前社にもお参りします。
宗像三女神をお祀りしています。



悪王子社もありますが、女性はやっぱりこちらですよね。
美容水も湧き出ていました。



● 円山公園

京都の花見の場所として名高い円山公園にも行きましたが、桜はまだでした。
一本だけ咲いている桜の周りには、大勢の人が集まっていました。



ここも外国人でいっぱい。むしろ外国人がほとんど。
辺りに集う人々はエキゾチックで、パリのリュクサンブール公園ですかといった雰囲気です。

● 東寺の五重塔

それからねねの道を歩いて八坂の塔に行こうとしましたが、急に陽が落ちて暗くなってきたため、そろそろバスに乗ることにしました。
京都駅行きのバスは、観光客で身動きが取れないくらい混んでいるため、駅から来た202系統に乗り、逆方向にぐるりと京都の町を一周します。

八坂の塔の代わりに、東寺の五重塔をバスの中から見上げました。
ライトアップ中でした。



バスで大周りをして宿に戻り、預けていた荷物を持って夜の京都駅へ。
これで今回の京都の旅はおしまいです。

● 京みやげ

一大観光地、京都のお菓子は、定番のものから新しいものまでさまざま。
今回は気になるスイーツを買ってみました。
・聖護院八ッ橋総本店nikinikiの上用饅頭「バル」
・井筒八ッ橋本舗の「鴨サブレ―」
・有楽製菓の「京都ビッグサンダー抹茶味」
・鼓月の「千寿せんべい」
・小倉山荘のチョコあられ「春 想ひそめしMitsuiro」 

「nikiniki」は、聖護院八ッ橋総本店の女性社長が立ち上げた新ブランド。
ニッキだからニキニキね。
かわいらしい感じになっています。



八つ橋ではない、上用饅頭「バル」にしました。
6種類の味がでており、バニラ味と黒糖味をチョイス。
ひとくちサイズの、お上品な優しい味でした。

● 衝撃のブラックサンダー

去年11月に登場した京都版ブラックサンダーは話題になり、売出し直後は品切れ状態が続いていました。
宇治抹茶味という緑のフレーバーもなかなかですが、何よりコピーのインパクトが大きいです。

"応仁の乱以来の衝撃!"
パワーワードとはまさにこのことなり。



"雷神どすう" とさりげなく書いてあるのもツボです。
戦災を受けていない京都では「先の大戦」といえば応仁の乱を指すというので、それを踏まえてのコピーなのかも!?

● 驚愕の鴨サブレー

いや~、京都のことは好きですし、常に敬意を払っていますが、ちょっとこれには愕然としました。
だって奥さん、鴨サブレーですってよ。
鴨サブレー!!!
いくら片目をつぶってみても、いっそ両目をつぶってしまっても、鎌倉が誇る鳩サブレーのパクリ、いえ類似品であろうことは否定できませんよね…?

さらにこれを出しているのは、井筒八ッ橋本舗だという驚き。
由緒正しいお店ではありませんか~。なぜなぜどーして。
正直、ブラックサンダーをはるかにしのぐディープ・インパクトです。

神奈川県民としては黙っておられず、今回鴨さんを大量に買い込みました。
ここはきちんと、鴨サブレーと鳩サブレーを食べ比べて、公正な判断を下さねばなりません!



この食べ比べについては、今度別の場所で報告するつもり。
そうしたらここにもリンクを貼っておきまーす。

(追記)
日記ブログに、検証の結果を書いたので、ご紹介します。
『検証・鴨サブレと鳩サブレー』(2019.05.31 Friday)

● epilogue

もう何回訪れたのかわからない京都。
神秘的な古都の仕組みが、少しずつわかってきました。
はじめのうちは、夢のように美しい光景にひたすら憧れていたものです。

でも気がつけば、「アレ?」という面やトホホなところが目についてきたような気がします。
今回で言うと、たとえば「なるほどザ・ワールド!」の神社の鈴とか、道端に無造作に置かれたお寺の鐘とか…。
うむむ。でもこれが、等身大の京都を知るということなのでしょうね。

桜には少し早かったのですが、春が近づく様子を楽しんだ、今回の京都の旅でした。



2019京都の初春 5-1(嵐山、東山)

2019-05-29 | 近畿(京都・滋賀)
4日目からの続きです。

● 嵐山へ

京都最終日は一日フリー。
前日までのような快晴ではありませんが、天気はどうにもなりません。



まずは嵐山へ出かけます。
バスと並行して走る嵐電。乗客同士で握手できそうなほど、近いです。



去年9月の台風21号に、嵐山も甚大な被害を被りました。
渡月橋の欄干が倒れたと聞いて気になっていましたが、今では復活して、人も車も渡っていました。



桜にはまだ早く、山の景色はさびしげ。

● 外国人だらけ

それでも観光客はたくさんいます。
特に外国の方々が、観光バスに乗ってワンサカやってきます。
以前は個人で動く外国人がメインでしたが、今ではガイド付きツアーに参加した団体行動の人が多い気がします。



この画像に移っている人は、全員外国の方。



静けさの漂う、美しい竹林。
人力車が駆け抜けていく様子は、とても絵になります。



野々宮神社の苔芝の変わらぬ美しさを見るたびに、いつもほっとします。



でも今では、竹林の道は、とってもワールドワイド。
画像の見えない下の方には、世界の観光客が大勢ひしめいています。
いろいろな国の言葉や歓声が飛び交って、アメリカのディズニーランドに行ったような感じです。



そんなインターナショナルな空間を抜け出して小高い公園に上がり、見晴らし台から保津峡を見下ろしました。
ああいい眺め。喧騒から逃れて一息つきます。

● 御髪神社

大河内山荘前を通って、二尊院の方へと向かうと、御髪神社の横に長い階段ができていました。
数年前まではこの斜面には道がありませんでした。
左側に残っている溝のようなけもの道を、上からおっかなびっくり、滑り落ちないように気を付けて、足を踏ん張りながら降りたものですが、いつの間にか階段ができたんですね~。
毎年京都を訪れていると、少しずつマイナーチェンジしていることに気づきます。



御髪神社は、日本で唯一の髪の神社。
髪に悩む人々だけでなく、美容の道に進みたい人たちもお参りします。
私が行った時にも、髪は問題なさそうな外国人の若者2人が参拝しており、女性2人がお守りを選んでいました。



その前にある小倉池は、水がほとんどなく、底が見えるような状態でした。
こんな小倉池を見るのは初めて。
『池の水全部抜く』のように、かいぼり中でしょうか?

● 落柿舎



どんどん道を歩いて行きます。
二尊院の「紅葉の馬場」と呼ばれる長い参道を眺めます。
今は春なので、紅葉もなく静か。



細道を曲がると、落柿舎が見えます。
おや、前よりもよく見えるようになった気がします。
ここ、以前は畑だったはず。ならしたのかしら?



道の周りも木が伐採されて、全体的に見通しが良くなっています。
観光用にでしょうか?
嵐山の自然が少なくなるのはあまりよろしくないような気がしますが・・・。

● 厭離庵



秋の紅葉の時期にしか公開しない、小さな庵は今日も静か。
中から、人の声が聞こえました。来客訪問中でしょうか。
どの季節にカメラを向けても、ちゃんと絵になる、いつもきちんと手が入ったところです。

● 嵯峨釈迦堂

どんどん進んで、お気に入りのお寺、嵯峨釈迦堂こと清凉寺に着きました。
豊国神社前にある耳塚はかなりの迫力で、おびえてしまいますが、ここには豊臣秀頼の首塚があります。
昭和55年に大坂城跡地から出土された豊臣秀頼の首を、昭和58年にここに埋葬したのだそう。
つまり、本当にここに埋められています。

ここには大坂夏の陣で命を落とした人々の供養塔もあります。
手を合わさずにはいられません。



境内には、八角形の変わった建物もあります。聖徳太子殿だそう。
法隆寺夢殿になぞらえた建築のようですが、特に何の説明もなく、いつも不思議に思って眺めています。



境内の塔頭。きれいに手入れが行き届いた庭です。

●「ほぁんほぁん」

京都の動物園にパンダはいませんが、前に向日町の辺りを歩いていた時に、パンダの絵が描かれた中華料理店があったことを覚えています。
かなりのインパクトで(わあ、パンダ!)と思いましたが、店の名前を思い出せず、その後検索しても見つけられずにいました。
それを偶然、嵐山で発見!



その名も「ほぁんほぁん」。皿うどんのお店だそう。
顔を入れて食べているパンダちゃん。かなり夢中ですね。
お店は向日町と嵐山の2店舗のみだそうです。
旅先で両方見られてラッキ-!いつか入ってみたいなあ。

● たこ焼きリベンジ

嵐山はみんなを引き付ける場所。
時間がたつにつれて、どんどん観光客が増えてくるため、この辺りで嵐山を離れることにします。
バスに乗って、一路四条大宮へ。
降りるとまっすぐ、錦市場に向かいます。

向かったのは、2日前に、あと一歩のところで食べられなかったカリカリ博士のスタンド。
まだお昼時間なので、生地はなくなっておらず、今度はちゃんと食べられました~。
お客さんたちで身を寄せ合ってベンチに座り、焼き立てをはふはふと冷ましながらいただきます。


満足~!


錦市場には、たこ焼きリベンジのためだけに訪れたので、目的を達成した後はサクサク移動します。



なんとなく京都風ののれんがかかった、大丸百貨店の入り口。

● 法然院

バスに乗り、法然院に向かいました。
ここもとても好きなお寺。少しご無沙汰していたため、久しぶりにお墓詣でをしたくなりました。
川沿いの哲学の道は、桜の木が両技師に飢えられていますが、まだ咲いていません。
春になったらさぞきれいなことでしょう。



フランス人旅行者が、道端の標識を見ながら「キンカクジィ、ギンカクジィ」と一生懸命発音している横を通って、法然院坂を上り、山の中腹にあるお寺へ。



山門を入ると、両側に白い盛り砂の白砂壇(びゃくさだん) があります。
あまりの美しさに、目を奪われます。別世界に来たみたい。



水を表わす砂壇の間を通ることは、心身を清めて浄域に入ることを意味しています。
そばで見ると大迫力!



境内には、江戸初期の再興以来「善気水」がこんこんと湧き出ています。



いつ訪れても緑豊かな、みずみずしい雰囲気のお寺です。



● お寺の墓地へ

お参り後に墓地の敷地へと向かいました。
お彼岸期間のため、お花を持ってお墓参りに来ている方々の姿をちらほら見かけます。



文豪・谷崎潤一郎のお墓参りをし、さて次は九鬼周造のお墓にご挨拶しよう、と思いましたが、探せません。
ずいぶん前に来たきりなので、わからなくなってしまったようです。

そこで墓地の清掃をしていた墓守のおじさんに聞いてみました。
すると「こちらですよ」と先導してくれます。

● R.I.P.

墓守のおじさんはとても親切で、途中の道々「これは京大の〇〇先生のお墓」といろいろなお墓を教えてくれました。
例えばこんな方々。場所柄、京大の学者さんが多いそうです。

・三味線の人間国宝、竹本越路大夫四世

・中国人に愛された戦前の東洋学者、内藤湖南

・京都帝国大学教授、同大学の総長になった考古学者の浜田青陵(せいりょう)、1881年2月22日 - 1938年7月25日)

・ノーベル化学賞を受賞した福井謙一の墓

・経済学者で共産主義者の河上肇

・日本画家の福田平八郎

さらに「田宮二郎のお墓もあるよ」と教えてもらいました。
お墓にはもちろん本名が書かれてあり、コカ・コーラのペットボトルがお供えされていました。
 
墓地にはキリスト教のお墓もあります。
「えー?」とびっくり。ここはお寺なのに。
「住職さんが大阪外大の人だから、オープンなんです」と墓守さん。
それ、理由になるのかしら~?

「フランク・ミュラーにお嫁入した人のお墓もあるよ」
フランク・ミュラー!あの高級腕時計のブランドオーナーですね。
奥様は日本の人だったとは。

「だから、スイスから時々TVクルーがやってくるよ」
説明を聞いて、(まさかとは思うけれど...)となぜか少し緊張しながら墓石を見ると、杉山さんの名前が書かれていました。
フランク三浦に訴訟を起こし、敗北したフランク・ミュラー。
三浦さんじゃなくてよかった!

● 九鬼周造

探す九鬼周造のお墓の前まで連れてきてもらいました。
自分一人では探し出せなかったかもしれません。
墓石の揮毫は彼の同僚の西田幾多郎によるもので、側面には西田が翻訳を行ったゲーテの「さすらい人の夜の歌」。
(Wandrers Nachtlied)の一節が刻まれています。
「よ、読めませんね…」「ですよね」

案内していただき「九鬼周造さんの本に感銘を受けて、お墓参りしようと思って」と伝えます。
墓守さんは「そうですか。ちょうどお隣のお墓がよそに移って、今は空いとるので、どうですか?」と勧められました。
いえいえ、とてもじゃありませんが、その辺りは超おハイソなエリア。畏れ多いわ!

● 台風の爪痕

前よりも木が伐採されて、ずいぶん見通しが良くなりました。
「台風21号の影響で、この山の木がかなりなぎたおされてしまったんです」
「えっ、京都市内でもですか」
「大木が折れるくらいだから、卒塔婆はもうめちゃくちゃ。
墓石も倒れてその辺ゴロゴロ。歩けないくらいになりました」
「でも、ここは重機が入れない場所なので、ボランティア30人がかりでひと月かけて、ようやくなんとか人が入れるようなところまで直しました」
大変です。おそらく嵐山でも思った「木がかなり伐採された」というのは、台風の影響でやむを得ずというところだったんでしょう。



「秋に鞍馬山に行ってきましたが」
「ああ、あそこもひどく大変なことになってるでしょう」
「本堂は平気でしたか?」
「それが、奇跡的になんとか無事だったんですよ。安心しました」

山門も無事で、よかったです。
関東の方には、そこまで大変な状況とは伝わっていませんでした。

● 新しい墓地

墓守のおじさんに墓地内をいろいろ案内してもらい、説明もしてもらい、本当に親切にしてもらいました。
たくさん説明を聞いたので、もはや誰のことかもわからないくらいになりました。

もっと下の方にも、新しい墓地が広がっています。
「広いんですね」
「そう、かつて住友(?ちょっと曖昧)があったけれど、返してもらったから」

稲垣足穂のお墓参りまでできるなんて。
奥様と一緒に眠っておいででした。

● さんしゅうの花

「あと1週間たったら、桜がきれいなんだけどね」
そのセリフ、いろんな場所で聞いています。
「でも、あの隅っこのところに早咲きの桜が咲いているよ」



「あと、さんしゅうってわかる?」
「?いえ、わかりません」
「庭のさんしゅうの木って歌あるでしょ」
「ああ、なんか聞いたことある」
「その花が、今ちょうど咲いているから、見ていってね」

宮崎県の民謡で、『稗(ひえ)つき節』山茱萸(さんしゅゆ)
庭の山椒(さんしゅう)の木 鳴る鈴かけてヨーホイ?



黄色い花でした。梅のそばに咲いていました。
墓守のおじさん、親切にいろいろどうもありがとう。
別れ際に「じゃあ、サンショウを見て帰ります」と言ったら、いったん歩きかけたおじさんが振り向いて、「サンシュウ!」と叫びました。
たしかにサンショウだと違う木になっちゃいます。
墓守のおじさんは、木々や花々に詳しいので、聞き逃せなかったんでしょう。



● ハイパーぶぶ漬けモード

京都人は冷たくて、よそモンには「ハイパーぶぶ漬けモード」を発動すると聞いて(なにそれコワイ!)と内心おびえていましたが、こんな風に親切な人も多くて、ありがたいものです。
商売と関係ないところでは、きっとみんな優しいんでしょうね。

その2に続きます。


2019京都の初春 4-2(七条)

2019-05-28 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。

● 阿闍梨餅本店

大学の近くに阿闍梨餅の本店があると聞いて、向かいました。
確かに百万遍交差点からそう遠くない場所にありました。



外観からは想像できない、天井の高い、クラシカルな建物です。
額になんて書かれているのか、はじめは読めませんでしたが、「阿闍梨餅」って書かれているんですね。



おみやげのほかに、阿闍梨餅を単品で頼むと、暖かいお餅にお茶が添えられて出てきました。
暖かい阿闍梨餅をいただくのは、初めて~。


暖かいともっとおいしくなりますね。ごちそうさまでした。

● 京阪で解散

駅に歩いていく途中に、気になる建物を見つけました。
ビルの上にある小屋です。ペントハウス?
見晴らしがよさそうですが、雷が近くに落ちたらさぞや怖いだろうと思います。



出町柳駅から京阪に乗りました。
連れの一人は四条、私は七条、もう一人の連れは東福寺と、それぞれ降りる駅が違います。
そこでホームでお別れしました。

● 七条散策

ひとりになって七条駅で降りると、まだ外は陽が沈む前。
暗くなるまで、辺りを散策してみることにしました。



七条大橋。鴨川に架かる最古の橋です。
こうしてみると、かっこいい橋脚ですね。

● 旧任天堂本社

正面橋というおもしろい名前の橋を渡ってほどなくの場所に、クラシカルな建てものが立っています。



そこは、任天堂のかつての本社でした。



今でこそゲーム会社として有名ですが、昔はかるたやトランプを作っていたんだなあと思います。
そういえば、我が家にある花札も、任天堂のものです。



それにしてもなぜ日本語だけ「たるか」など右から左読みで、「トランプ」だけ左から右読みなんでしょうね?

● 道端のミステリー

正面橋のすぐ近くの電信柱の下に、釣鐘が置かれていて、ビックリしました。



見えますか?これですよ。
道ばたに鐘ってー!なぜ?どうして?



弥生時代期の銅鐸かと思いましたよ!
あまりに無造作に置かれているのに、ビックリです。

誰かが捨てたの?とすると不法投棄!?
謎は深まる一方です。京都では、見慣れた光景なのかしら?

● 豊臣神社の正面

正面橋から眺める鴨川。
渡ってまっすぐ道を歩いていくと、豊臣神社にたどり着きます。



この道も正面通といいます。
もうおわかりでしょうか。「豊臣神社の正面」という意味で、この名前がついているそうです。



ここも刀剣乱舞ゆかりの場所。
御朱印の受付は終了していましたが、とうらぶグッズはまだ配布中で、刀剣女子風の人が、夢中でグッズを選んでいました。



夕日を浴びてなにやら神々しい拝殿。
西向きなので、こうした輝く効果も考えての建築だったのでしょうか。



梅ごしの拝殿。
もう扉は閉まっていますが、夕暮れ時はとても静かです。

● 大仏殿跡の公園

豊臣神社の隣の方広寺へ。



いつ見ても大きい、方広寺の鐘。



お寺の横に細道を見つけて通ってみます。
すると、豊臣神社の裏側の開けた場所に出ました。



「大仏殿跡緑地公園」という名で、かつて大仏殿があった場所だそう。



少し奥まった場所にあり、街並みに溶け込んでいます。
犬の散歩をしている人がいて、のどかでした。

● 智積院の夕日

そこから東山通に出て、智積院の前を通ります。



七条東山の交差点からまっすぐ見える夕日が、とてもきれいに輝いていました。
この日は朝からとてもいい天気でしたからね。



立ち止まって写真を撮る私の横で、帰宅途中の京都女子高の生徒たちが「ちょっと、やたらきれいじゃね?」と口々に言って、スマホを取り出していました。



青春群像に混ざって夕日を眺めるの図。
明日もきっと、いい天気。

5日目に続きます。


2019京都の初春 4-1(京大、吉田)

2019-05-27 | 近畿(京都・滋賀)
3日目からの続きです。

● 東山通ウォーキングふたたび

学会2日目。この日も大学まで歩いていくことにします。
前日、バス通り沿いを思ったより負担なく歩けたので、今回はちょこちょこ横道にそれながら向かいます。



寄り道したくなるような青空。
知恩院の辺りから車道をそれて、白川沿いに歩いてみました。



朝なので人がおらず、人道橋は渡り放題です。



● 吉田寮

京大キャンパス内の吉田寮にふたたび行ってみました。
この日、来年度からの新寮生が発表されるようです。
入寮面接はすでに済んでいるのだそう。
こうしてまた寮の歴史は続いていくんでしょうね。



● 京都大学

それにしてもいい天気です。
目的地に着いたけれど、もっとお散歩したい気持ちでいっぱい。



しかしここはぐっとガマンしなくては。
まずは午前のセッションに参加します。



鹿鳴館かと思うようなクラシックな部屋が会場。
さすがは天下の京大です。



● 吉田神社

ランチタイムになりました。
昨日の2人と落ち合って、大学のすぐそばの吉田神社へ向かいます。



万城目学氏の『鴨川ホルモー』に、重要な場所として登場したこの神社。
撫でられて、胴体がテカテカに光っている神鹿像がありました。
私たちも3人で、せっせと撫でました。
つるつると気持ちよくて、相当なでなでしたため、鹿の口が利けたら「もう十分じゃない?」と呆れられたかもしれません。



● 神前結婚式

お日柄がいいのか、これから結婚式が挙げられるようです。
新郎新婦、そして親族が神主さんの後をしずしずと歩いていきました。



神殿に入り、神主さんは祝詞を朗々と挙げ始めました。



駐車場には、「寿」と書かれた扇のついた、黒塗りの車が停まっています。



慶事用のタクシーかなと思いましたが、宣伝文字が入っていないうえに、カメラマンが運転していたので、ウエディング撮影隊の乗用車のようでした。
祝詞を背中に聞きながら、さらに坂の上の方へと登ります。

● 料理の神様



山蔭神社は、藤原山蔭(ふじわらのやまかげ)卿を庖丁の神、料理の神として祀るところ。
山蔭さんは四条流庖丁式の創始者で、平安時代前期に日本で初めてあらゆる料理に味付けをしたお公卿さまです。



八百万の神々が祀られている大元宮は、お参りすると日本すべての神社を周ったことになるという、太っ腹なお宮です。



さらに山の中へ入っていき、鳥居の続く竹中稲荷神社、宗忠神社を参拝しました。

● 吉田山を散策

目的地は、吉田山中にあるカフェ茂庵ですが、予想に反して全く標識がでておらず、どの山道を通っていけばたどり着くのかわかりません。
土地勘のない者だけだと、永遠に山の中をさまよっていることになりそうなので、地元の人に尋ねました。
「もう少し登っていくと、二股に分かれるから、怪しい方の右側の山道を通るとあるよ」と教えてもらい、歩いてみると、確かに道が二股に。
そして確かに、右側の道はなんだか怪しげです。



地元の人から教えてもらわなければ、右は本能的に避けて左を選んでいたことでしょう。
やあ、助かりました。
ようやく緑に囲まれた、山の中のカフェにたどり着けました。



● 茂庵でおあずけ

11時半の開店に合わせる予定が、少し迷って20分後に付いたら、なんともう満席になっていました。
1階の待合室で待っている間にもどんどん待ち客が増え、十客ほどあった椅子はあっという間にいっぱいに。



不便な場所にあるのに、人気なんだわ~。
前にドラマ『ふるカフェ系 ハルさんの休日』で採り上げられていました。
待っていると、いい匂いが漂ってきて、おなかがペコペコに。切ないわ~。
ようやく番がきて、2階に上がります。



窓が多く、明るく広い部屋。
天井には太い木の梁が渡っています。



山荘をリノベーションしたようで、静けさをうちだした設計。



2階は3面がガラス張りになっており、山の中の環境を生かした開放感があります。
うーん、ただそこにいるだけでも気持ちいいわ~。



大文字山がまっすぐにの位置にあります。
五山送り火の時にはさぞかしよく見えることでしょう。夜だからもう閉まっているかしら。



ランチメニューは2種類のみなので迷いません。
ピタパンサンドランチセットにします。



ゆず茶をつけると、手作りっぽいコースターの上に載ってきました。
可愛い!赤いダルマと大文字山が刺繍されていました。



● お菓子の神様

帰りには、吉田神社敷地内にあるお菓子の神様の菓祖神社をお参りしました。
御祭神は 田道間守命(たぢまもりのみこと)と林浄因命(りんじょういんのみこと)。
田道間守命は不老不死の霊菓(今のミカン)を日本に持ち帰った人で、林浄因命は日本で初めておまんじゅうを作った人だそうです。



石塀に出町柳のふたばの名前を見つけました。
旅の初日にさっそく豆餅をいただきましたよ!



ふたたび大学に戻り、午後のセッションに参加しました。
学会終了後は、百周年時計台記念館内の歴史展示室を見学します。



1930年ごろの京大生の下宿が再現されていました。
わあ、太宰治みたいなトンビコート。着てみたいなあ。

その2に続きます。