風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

深谷にネギを食べに行こう

2013-10-15 | 埼玉
○ 瀧宮神社
○ レンタサイクル
○ つばき橋
○ 稲荷神社(深谷)
○ 冨士浅間神社
○ 瑠璃光寺
○ 楡山神社
○ 古櫃神社
○ あけど農産物直売所
○ プレートガーダー橋(福川鉄橋)
○ 大宮エキュート
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寺社めぐりが好きな純と私。
有名どころのほかに、町の小さな鎮守さまを訪れるのも好きです。

○ prologue

寺社めぐりが好きな純が「こんなの見つけたよ」と教えてくれたのが、「さいたま神さまっぷ」
かみさまっぷというネーミングの良さに引かれます。
場所は・・・深谷と高麗川。
ん?深谷といったら、ネギではないですか。

ネギが大好きな私。「深谷ネギの本場でネギが食べれるね♪」と一気に盛り上がります。
深谷ネギは知っていますが、深谷がどこにあるのか、考えたことがありませんでした。
熊谷の先なんですね。うーん、横浜からだと結構遠い距離です。
利根川を渡ると、もう群馬県!わー北関東。
でも、ネギのためには重い腰もあげちゃうのだ~!

○ JR深谷駅

というわけで、JRに延々乗って深谷までやってきました。
ここの駅舎は東京駅そっくりのレンガ調。印象的です。



実際にはレンガ風のタイル張りのため、東京駅より、なんだか新しい感じがします。
レンガの町の名残だそうです。
この日は雲ひとつないいい天気。青空によく映えていました。



○ 瀧宮神社
    
まずは、駅のすぐそばにある瀧宮神社を参拝します。



神橋があり、由緒ある立派な神社といった風情。
お日柄がいいのか、七五三参りの子どもたちが大勢訪れ、境内はにぎやかでした。



全てが古めかしい神社で、これからの寺社めぐりが期待できそうです。

→ 巡礼ブログ ◆ 瀧宮神社

○ レンタサイクル

深谷はレンガで栄えた町。蔵も多く残っており、古く栄えた名残が町のあちこちに見られます。



酒造跡を改築した「中仙道深谷宿本舗」で、レンタサイクルを利用しました。
普通の自転車と電動のと二種類あり、電動を借りてみます。
二人とも電動に乗るのは初めてで、ワクワク。
平地でも、かなり楽だとわかりました。



はじめは(この辺りは平坦な土地だし、さほど電動を使いこなさないんじゃないかな)と思っていましたが、この日はとても風が強い日だったため、普通の足漕ぎならめげてしまっただろうと思います。
乗りやすかったですが、歩道橋などで引いて上がるときには、重さにヒーヒーいいました。

○ つばき橋

JR高崎線に沿った唐沢川にかかる鉄橋を見に行きました。
つばき橋というきれいな名前の、ポーナル型プレートガーダー橋(全長約15m)です。



レンガタイル製で雰囲気があります。イギリス積み。
橋の下には小さな段差による滝がありました。

○ 煮ぼうとうに迷走

深谷に来た以上は、もちろん深谷ねぎ料理を食べなくっちゃ。
ここでは、ご当地グルメとして煮ぼうとうという料理があるとのこと。
じゃあそれが食べられるお店に行こう、と数件チェックしていましたが、遠かったり夜からの開店だったりと、そばで食べられるお店がありません。
何人かの人に聞きましたが、結局なさそうな雰囲気。

ここでネギと関係ない食事にするか、あるいはお店の側に行くまで我慢するか、ということになり、迷わず「我慢する」を選びました。
でも、朝から何も食べていないため、かなりお腹は減ってきています。我慢できるかしら。

○ 稲荷神社(深谷)



地元の鎮守社に近づいてみると、境内には大勢の人がおり、テントが張られていました。
どうやら村祭り(例祭)が行われている様子。
なんと、ここで、「煮ぼうとう研究会」による煮ぼうとうが売られていたんです!
がぜん元気が出た私達は、食券を買い求めてさっそく煮ぼうとうとお餅をゲットしました。



ご飯に巡りあえずにいた時に、なんてグッドタイミング!
しかも探していた煮ぼうとうをたべられるなんて。大喜びです。



先週、山梨でほうとうを食べなかったので、ここで埋め合わせという感じです。
本場の山梨のものと違って、かぼちゃではなくしょうゆ味。
初めて食べましたが、とても口に合いました。ほうとうより好きかも!
つき餅は、大根おろしときなこもち。こちらもつきたてのやわらかさで、おいしかったです。



テキ屋の出店は一切無く、町内の人たちの手で祭りが運営されているところに、好感が持てました。

◆ 稲荷神社(深谷)

○ 冨士浅間神社





「みかんの花咲く丘」誕生地の標柱がありました。
(えっ、ここが?)と驚きます。
だって・・・と口ずさんでみました。

♪ かすかに見える青い海 お船がぼーと浮かんでる~♪

ここは内陸埼玉県。海なんて見えないよ―!
静岡に住んでいた頃から、静岡のみかんの丘の歌だと思って疑わなかったこの歌。
信じられない気持ちでしたが、歌碑に「戦争でこの地に疎開した作詞者の加藤省吾が、静岡県の郷里に思いを馳せてこの歌を作った」と記されていたので、(なるほど、そういうことね)とスッキリしました。



ここの狛犬はとてもいい感じでした。
昔は、ここからも富士山が見えたのでしょうか。

◆ 冨士浅間神社

○ 瑠璃光寺

深谷城の鬼門除けの寺社の一つ。
大きな杉の木が境内にたくさんあり、古刹然としています。



大きなお寺ですが、誰も参拝者がいなかったので、ゆっくりできました。

◆ 瑠璃光寺

○ 楡山神社

今回、純が一番訪れたがっていた神社。
とても古い時代に創建されたもの。



ざっくりした木の建物に覆われている祠があり、風通しのいい感じが私好みでした。
古さと凛とした存在感に圧倒されました。

◆ 楡山神社

○ 古櫃神社

この名前の神社は全国でここだけ。伝来の武器を刀櫃に入れ社の下に納めたことからそう呼ばれるそうです。
おもしろい由来でした。
鳥居を修復中のようで、上部に毛布が巻かれていました。
なんとなく、直す人の暖かさが見えるような気がします。



ここの摂社の祠の中では、狛犬が左右を守っており、天皇家伝統を引く形をとっていました。

◆ 古櫃神社

○ あけど農産物直売所

サイクリングをしている間、広大なネギ畑をあちこちで見かけました。



そして立ち寄ったファーマーズ・マーケット、あけと農産物直売所には、大量の深谷ねぎが売られていました。
(持ち帰れるかな?)と多少迷ったものの、ここで深谷ネギを一袋買いました。
純は「焼いて食べる」とにんにくを書います。
持ってみると、思った、よりも長くて思いネギ。
でも、せっかく深谷まで来たので、買って帰らないとね。



外でちょっと休憩していたら、買い物を終えて駐車場に戻ってきた人達がかなりの確率で深谷ねぎを買っていました。
やっぱり地元の人にも人気なんですね。

途中、農耕敷地に牛舎があり、牛も結構飼われているなと思いました。
平成になってからブランド認定された深谷牛。これからの新しい名産のようです。

○ プレートガーダー橋(福川鉄橋)

さきほどのつばき橋と同じ形式のポーナル型プレートガーダー橋があるということで、訪れました。
現存する日本最古(1895年建設)のポーナル型プレートガーダー橋ですが、保存されているだけで、人はその上をもう歩けないようになっています。
残念だわー。橋は渡ってこそ橋なのに。



歩行者専用のポーナル型プレートガーダー橋が2橋もあるのは、日本で深谷市のみということ。
貴重ですね。広い意味での橋好きとして、チェックしておきました。

それからは、一路帰り道。
あかね通りをまっすぐ通って駅まで戻ります。
これは、駅と日本煉瓦製造(株)があった場所まで続いていたレンガ運搬用道路を遊歩道にしたもの。
全長5km近くもある、長い道です。
かつて、レンガはこの道を通って日本中の建築物に使われ、日本の近代産業を支えていったんですね。

○ 大宮エキュート 食事

電動自転車の充電がそろそろ切れ、ペダルを踏むのが重くなって来た頃、レンタサイクル屋に行って自転車を返しました。
新聞紙でくるんだものの、自転車で運ぶ途中に包装がほどけて中身が見えていたため、私の抱える包みを見て、おかみさんは「あっ、深谷ネギを買いましたね☆」と言いました。
「はい・・・」なぜかもじもじする私。
それから大宮まで出て、食事にしました。





おいしく楽しく食事を済ませましたが、さて気になるのは帰り道。
そのあと、横浜の家までネギを持ち帰るのはなかなか大変です。
長い長ーいネギ束を抱えて東京を越える勇気がなくなってきた私、家の近い純に、おみやげという名目で委ねようとしましたが、純も必死に断ってきました。
すぐそばなんだから、いいじゃなーい。

純に拒否されたため、こうなったら、根性でお持ち帰りしようと決心します。
でないとネギ魔王(ねぎま王?)として名乗れませんからね!(名乗ってないけど)
新聞紙できっちりくるみ直して、周りに悟られないようにこっそり運んでいくことにしました。
そしてなんとか無事に、我が家に持ち帰りました。
ネギ運びの後日談については、日記ブログに書きました。
 → 日記ブログ 「ミッション(ネギ)インポッシブル」



まだ日差しは強いものの、秋晴れのいい天気の一日。
たまには、サイクリングも気持ちよくてヘルシーで、楽しいものです。
のどかな郊外に広がるネギ畑を眺めて、リフレッシュできた一日でした。
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ぶどうの郷の秘仏に逢いに index

2013-10-11 | 中部(甲信越)
◆ 1st day [新宿→甲府→笛吹→勝沼] ←日記へ

山梨の秋はぶどうの季節。ぶどう寺の秘仏が5年ぶりに拝観できると聞いて、甲斐に出かけました。
信玄お膝元の歴史を感じながら、甲府から甲州へと移動します。
勝沼のぶどうもワインも、おいしくいただきました。



◆ 2nd day [勝沼→甲斐武田→甲府→新宿]

山梨二日目。昨日に続き、この日もレストランが閉まっていたり予約満席だったりと、なかなか食に恵まれない旅でした。
あとになってみれば笑い話ですが、その時は真剣に食に悩んだわ~(笑)!
それでもこの日も、おいしいぶどうの恵みを受けました。



2013.10.6-7

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ぶどうの郷の秘仏に逢いに-2

2013-10-07 | 中部(甲信越)
◯ 朝食
◯ 大善寺(ぶどう寺)秘仏拝観
◯ 諏訪神社(初鹿野)
◯ 町のコンビニ
◯ 甲斐大和駅の先の吊り橋
◯ 大日影トンネル
◯ ランチ難民(定休日に予約満席)
◯ グレイスワイン
◯ 山梨学院大学
◯ 玉緒神社
◯ まるごとやまなし館
◯ フランス人じゃなくてノルウェー人
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1日目からの続きです。

◯ 朝食

朝起きたら、ピチュピチュとさわやかな小鳥のさえずりが聞こえてきました。
(メールの着信音かな?アラームかな?)と思ったら、本物の小鳥の鳴き声でした(ああ悲しい現代人)。

朝食にもまた、ぶどうが出ました。
ここの秘仏様は行基の夢に出てきて「葡萄は百薬に値する」と伝えたんだそう。
宿でも、その教えを守っているのでしょう。
そもそも、甲州葡萄の始まりは、夢のお告げによって行基が葡萄の栽培法を村の人に教えたことがきっかけだともいわれているそうです。
昔のお坊さんって、堤防を作ったり、ブドウを栽培したりと、なんでもできちゃうオールマイティガイですね。

◯ 大善寺(ぶどう寺)秘仏拝観

古めかしい長い石段を上がって、大善寺(ぶどう寺)を参拝しました。
目下、5年ぶりの秘仏拝観期間。たった1週間しか公開しない、なかなか貴重な体験です。



本殿に上がって参拝しました。最古の木造建築物と呼ばれる国宝の薬師堂です。
ここは古い仏像が多く、見がいがあります。
日光菩薩・月光菩薩が両脇に立つ、真ん中の厨子の扉が開かれ、その中に秘仏の葡萄薬師像がおいでになりました。国指定重要文化財の三尊です。



薬師如来像といったら、片手に薬壺を載せているのがお決まりスタイルですが、この如来様は、葡萄を持っていました。
ブドウ=薬、ということですね。
リンゴも医者要らず、と言われるので、長野か青森あたりにリンゴ寺があってもよさそう。

十二神将像がずらりと並ぶ、一番右端には、優美で優しげな文殊菩薩像がたたずんでいました。
これは、最後の武田甲斐家当主、勝頼が、死ぬ時まで手放さずに持っていたという像。
戦国大名武田氏の終焉を見守った菩薩様です。(画像は大善寺のHPから)



とりわけこの像に心惹かれて、ずっと目が離せませんでした。
次第に悲しさが胸にこみ上げて、涙が出てきました。
アッコさんと純が、願いを書いた護摩木を奉納している間も、私はウルウルと感傷にひたっています。
「なんか悲しくて、涙が出てきちゃった」と言ったら、アッコさんは「変な霊に取り憑かれないように」と、きびきびと背後でなにかを祓う動作をし、かすかに芳香を撒いてくれました。
なすがままの私。アッコさんかっこいい!
なんと、友人がエクソシストだったとは!驚いて涙も引っ込みました。
「家族に憑かれやすい人がいるからね」・・・おおぉ、本物でした!

この時は(単にセンチメンタルになっただけじゃないかな)と思っていましたが、あとになって、天正10年(1582年)に織田・徳川連合軍に攻め込まれた武田勝頼が大善寺に戦勝祈願したものの、仲間の離反にあい、天目山で自決したことを知りました。
勝頼が最後に祈りを捧げたお寺だったとは。
さらにその一部始終を目撃した尼の記した武田滅亡記がこのお寺に保管されているそうです。

武田家最期の念が強い場所なんでしょう。
私は霊とかはさっぱりわかりませんが、仏像やご神体など、人が祈りを捧げるものには、なにか力が宿るような気がしています。
だからこそ、秘仏や日光月光菩薩よりも、勝頼の文殊菩薩が気になったのかもしれません。

じっくりと本堂で秘仏を拝観している間、団体さんが何組もやってきました。
観光バスツアーのようです。この一週間は、お寺は目の回る忙しさでしょうね。
堪能して、ぶどう寺を後にしました。
 
◯ 諏訪神社(初鹿野)

今日のドライバーはアッコさん。国道から甲斐大和駅へ向かう途中で、諏訪神社に立ち寄りました。
無人のお社で狛犬はいません。



鳥居が立派ながらも小さめで、もう少しで手が届きそうだと背伸びをしてプルプル手を伸ばしていたら、背が高い純がさらっとタッチしました。
(むむ)と思いながらも、願い石を鳥居の上に載せてもらいました。



拝殿で参拝してから、後ろ側に回って純の好きな本殿チェック。
木製の本殿は鉄骨柵の中にあって、見づらかったのですが、遠くからでも彫刻の素晴らしさが見て取れました。県指定の文化財だそうです。



本殿の裏にはしめ縄で飾られたご神木が、横には「初鹿野の大杉」として巨大な杉の木の切り株がありました。
樹幹の根の周囲は11.5m。樹高31.8mで樹齢371年だったそうですが、すぐ裏を通る蒸気機関車の煤煙と振動で枯れてしまったんだとか。
切り株の上で子どもがおままごとを出来そうなほどの大きさです。
こんなに育った木が枯れて根株だけになってしまったなんて、残念。
ご神木に不敬をはたらくと、祟りがあると言われていると、案内板に書かれていました。
さっき勝頼の文殊像でプチ不思議体験をしたばかりなので、木の神様の怒りに触れぬよう、どちらの木にも近寄らずに見るだけにしておきました。

◯ 町のコンビニ

ドリンクを買おうと近くのコンビニに入ろうとして、入口の表示に思わず足を止めました。
[ 営業時間 AM 7:30~PM 7:00 定休日 日曜日 ]



えー!これコンビニ?(失礼な)
セブンイレブンが日本に上陸した時、すでに開店時間は7~23時だったのに!
いえ、自分のルールで社会を見てはいけませんね。
従業員には働きやすい職場でいいですね!
中のドリンクコーナーよりも外の自販機のほうが品揃えが充実していました・・・

◯ 甲斐大和駅の先の吊り橋

甲斐大和駅を超えて少し行った辺りに、私リクエストの吊り橋があります。
ところが、なかなか見つからず、地図を見て山に向かう細道を通ってたどり着いた場所は、全く違う場所。
地図にチェックしていたマークが、なにかの拍子でずれてしまっていたようでした。

一気に下って、川沿いに出ます。
車を降りると、そこには昨日の祇園滝のような滝がありました。
この辺り、多いんですね。



(吊り橋はたしか、車道のトラス橋と、水道トラス橋が並ぶ、その横にあったはず)と思い返します。
まさに、赤と白のトラス橋が2つ並ぶ場所が見えたため、(きっと吊り橋もあるだろう)と検討をつけて行ってみたら、はたしてありました!
よかったー。
少し遠い駐車場に車を停めて、歩いていきます。

私が来たがった場所なんですが、探すのに時間がかかってしまった上に、女子旅には合わないワイルドな場所。
2人に悪いな~と思いながらも、辿りつけた嬉しさに、大喜びで渡りました。



だって聞いて下さい!橋が3つ、平行に並んでいるんですよ。
それぞれ、車用・水道用・歩行者用と、用途別になっているんです。
なかなかないパターンで、おもしろーい!



頑丈なワイヤーに支えられているものの、歩行部分は木。
隙間から、下の川が見えます。
いいですね~!!
川の水量はそう多くありませんでしたが、橋からは、遠くにさっき傍まで行った滝が見えました。

◯ 大日影トンネル

それから、大日影(おおひかげ)トンネルへと行きました。
JR中央本線のトンネルを再利用した遊歩道で、今は甲州市が管理しているそうです。







近代化産業遺産に指定されたレンガ積みのトンネルは、雰囲気があってすてき。
長いトンネルの中は、どこまでも続く道になっていて、スタンド・バイ・ミーごっこを存分に楽しめます。
全長1.367.8mで、端まで歩くと片道30分かかるとのこと。長いー!
「誰が最初に"もう戻ろう"って言い出すのかな」と言いながらどんどん歩いていき、結局純が真っ先にくるっとUターンしました。



ここを歩いてみたかったので、嬉しいわ。
反対側のトンネルは非公開。こちらはワインカーヴとして使われ、トンネル内にはたくさんのワインが眠っているそうです。

◯ ランチ難民(定休日に予約満席)

そろそろお昼の時間に差し掛かってきたので、チェックしていたお店に向かいます。
この辺りでは一番人気が高いというレストラン。
「勝沼マダムたちで混んでいないといいけど」と言いながら着いた「原茂ワイン」は、駐車場も空いていたし、思ったより静かでした。
あれ、と思って、ワインショップの人に聞くと「今日はレストランは定休日です」と言われました。
まさかの事態が!





ショックを受けながらも、別のお店を探します。
「ここよさそうだね」と、選んでいったのは、勝沼醸造直営レストラン「風」。
自動車が列をなして駐車場に入っていくので、(人気があるのね)と期待を高まらせて車を降りると、入り口には「本日は予約のお客様で満席です」という看板がかかっていました。
うそ~っ!

この日は月曜日。おもいっきり平日だから、レストランはどこも空いていると安心していたのにー。
めげそうになりますが、さらに探して、勝沼ワイナリーのレストランを探しだしました。
今度は事前に電話をかけて、開いていることを確認してから向かいます。

勝沼ワイナリーは広大な敷地で、駐車場に入ると、アッコさんと純がめいめいに「ここ来たことある・・・」とつぶやきました。
私も・・・イエありません!



ここでようやく、三度目の正直のランチができ、ワイン煮込みビーフカレーをいただきました。
窓からは甲府盆地が一望でき、すばらしい景色が広がっていました。



◯ グレイスワイン

食事の後は、アッコさんお勧めのワインセラー、グレイスワインに行きました。
南欧風に土壁を塗った建物がいい感じ。
ワイン好きの二人は念入りにボトルを選び、私はぼんやり窓の外に広がるブドウ畑を眺めていました。





夏のように日差しの強い日。
夏に訪れたことのある、フランスのぶどう畑のことを思い出します。
ボルドーやシャンパーニュ地方を走る電車に乗って、どこまでも果てなく広がる緑のブドウ畑を眺めていましたが、秋のブドウ収穫期に訪れたことはありません。
ボルドーのワイナリーで、日本にはまだ上陸していないヴィノテラピーを申し込んだこともありました。
今度、秋に訪れることがあったら、ブドウがなっている様子を見てみたいなあ。

明るい日差しの中で、ゆっくりフランスに思いを馳せている間に、二人はボトルをチョイスし、試飲を楽しんでいました。

◯ 山梨学院大学

二人がアルコールに手を染めたので(笑)、いよいよ最終兵器、私が最後のドライバーになりました。
明らかに二人よりも運転が下手ですが、なんとかかんとか走れます。

甲府に戻る途中、山梨学院のキャンパスの前を通りました。
駅伝ですっかり名の知れた大学です。
キャンパスの敷地は巨大で、運動施設の充実さを見るに、この大学はスポーツが有名なんだなとわかりました。
ホッケー場まであるなんて、すごいわ~。

と、キャンパス前の通り向かいに、神社の表示がありました。
「甲斐三ノ宮」と書いてあったので、Uターンして行ってみることにしました。



素敵な橋(城東橋)を超えて、ニコニコ。きれいだわ。

◯ 玉緒神社

甲斐三ノ宮は、玉緒神社といいました。
一の宮は、国ごとに設置されている大きな神社ですが、二の宮となると知名度はぐんと落ち、さらに三ノ宮となると、なかなか行く機会もなく、銘打っていない所も多いため、見過ごしてしまうことがしょっちゅうです。



ここは、三ノ宮としてきちんと管理されているようでした。
ここも両部鳥居です。この地域では、かなりこの形が主流のようです。
狛犬がいないため、つい鳥居の方をチェックしてしまう私。鳥居はアッコさん担当だったはずなのにー(笑)
この鳥居ワールドも面白そう・・・いえいえ、趣味は広げないようにしないとね。



無人の神社でしたが、明るく風通しのいい場所でした。
一の宮から三の宮まで巡ることができたのは、ここ甲斐の国が初めて。
貴重な体験です。

◯ まるごとやまなし館

甲府に着き、レンタカーを返す前に「少し時間があるので、お茶しよう」ということになりました。
「駅のそばにすてきな感じのカフェがあるよ」「じゃあそこに行ってみよう」と、向かいます。
建物の2階にあるカフェ。営業中と書かれ、一階の階段のところには、メニューの看板もでているんですが、どうも下から見上げると、2階に人けがありません。
「うそっ」「もしや、まさか・・・?」とあやしみながら二階に行ってみたら、ドアに郵便物が挟まっており、やっぱり開いていませんでした。
えー、営業中って書いてるのにー!



今回の旅は、見事なほどに食にツイていませんでした!
ここまで予定違いなのも、めずらしいほどです。
まあ、後で思えば笑い話ですが、その時は「なぜなの?どうして今回はついてないの・・・っ!」と、3人で途方に暮れてしまいました。



ほかにカフェが見当たらなさそうな駅前でしたが、山梨県産の名産を出すカフェテリアを運良く見つけ、二人はコーヒー、私は貴陽というスモモのジェラートを食べました。
私は普段、旅先でそれほど食にこだわりません。
乗り物に弱いため、電車や車での移動中は、食べられなくてもあまり気にならないし、夜と朝の宿の食事がおいしかったら満足です。
ただ今回は、それほど激しく移動しない、のんびりしたプランだったので、食のプライオリティは普段より高くなっていました。
まあ、こんな時もあるってことですね!笑い飛ばそう、ハハハ!

◯ フランス人じゃなくてノルウェー人

車を返して、早めに駅に着きました。
ちらっと富士山の頂上が見えました。



かいじ120号に乗ったら、途中の大月駅から外国人がワイワイ乗り込んできました。
そのうちの一人が、純の隣の窓際の席に座ります。
私達の前の列に3人が座り、交わす言葉でフランス人だとわかりました。
日本でネイティブのフランス語を聞くなんて、珍しいわ。

フランス語圏に行って言葉を使わないと、知っているかすかなフランス語はどんどん忘れていく一方。
ちょうど、ぶどう畑を見て、フランスの懐かしさを感じていたところです。
純の隣の人は、3人から一人だけ離れてしまっているし、彼とならちょっとおしゃべりできるかも。
寝不足なので言葉が出てくるか不安でしたが、純と席を変わってもらって、男性に話しかけてみました。

すると「???」と怪訝な顔をされます。
どうしよう、私のフランス語、壊滅的?完全に伝わらない?
オーモンデュー!(Oh mon Dieu!)と絶望しかけたら、「アイムノルウェージャン」。
まさかのノルウェー人でしたー!
ええっ、どういうこと?フランス人ではないの?
「あの彼らとは同じグループじゃないヨ」と言われました。
一緒に乗り込んできたから、てっきり仲間かと・・・とほほ。

フランス語会話のブラッシュアップをするつもりで、頭の中をフラ語モードにしていたので、「面舵いっぱーい!」と急いで英語モードに変えます。
ああ~出てこない~
通路向こうでは、二人が「ナンパしてるー」とずっとクスクス笑いながら、私を見ています。
ちーがーうー!
でも、二人に絡んでいたら、ノルウェー人を置き去りにしてしまうので、彼と英語でやりとりをはじめました。

オスロ在住のコンピュータ会社勤務で、2週間のバカンスで初来日した彼はヨハンといいました。
この日は、河口湖まで富士山を見に行ったけれど、「曇りで何も見えなかったー」と残念そうでした。
「でも、行ったことに意味があるからね!」
一人旅をしているだけあって、前向きです。

今度の週末に行われる鈴鹿GPを観戦しに来たとのこと。
わざわざノルウェーから!
すごいですね~。

突然GPの話題になり、あたふたします。
「これもGPの雑誌なんだ」と見せてもらいました。
ええと、私が知っているF1ドライバーは・・・
「セナしか出てこないわ・・・」とがっくりしながら言ったら、「OK! ほら彼だよ」と、雑誌に載っている写真を見せてくれました。

二人に助け舟を求めても「えーわかんないー」・・・女子旅ですからね(笑)!
でも「ハミルトン」という名前がでたので、(助かったわ)と話をつなげました。
「あ、ヴィルヌーヴも知ってる!」と、思い出します。
ほっとしたのもつかの間、「ジャック?ジル?どっち?」と聞かれて、あせりました。
だって私、ヴィルヌーヴは名前がいいなと、響きで覚えていただけなので、選手の顔さえ知らないのです。
(ヴィルヌーヴってフランス語で新町さんっていう意味なんですよ!)

ためらっていたら、「ジャックが父で、ジルが息子の方だよ」と教えてくれました。
「うーん、ジャックの方!(←適当)」「オーケー!」
すみません、二人いるってことをその時知ったの・・・

彼が持っていた外国人用のJapan Rail Passを見せてもらいました。
2週間で4万5千円くらいの、とってもお得なパス。これでひかりとのぞみ以外の新幹線にも乗れます。私もほし~い。
「日本はとてもファニーな国で、言葉がぜんぜん違うね」とヨハン。
「このPassには英語が書かれているけれど、ほかのチケットには書かれていないから、数字を見て自分の座席を推理するしかないんだ」
たしかに、かいじの特急券には、一切英語表記はなく、彼の切符は「大月→新宿」という日本語のみ。
これじゃあ不親切ですね。
JR、国際化めざして頑張ってー!

「レストランに入っても、お店の人は英語が話せなくて、質問しても答えてくれずにメニューを置いてすぐいなくなるし、そのメニューも日本語だけで、さっぱりわからないんだよね、ハハハ」
困難を楽しむタイプの人なので、そんな日本旅行をそれなりにエンジョイしているようですが、首都東京でさえ、まだまだ外国人には住みづらい場所なんだなあと、話を聞いて強く思いました。
タフな外国人しか受け入れられない、日本はまだまだミステリアスな国のようです。
オリンピックの頃までには、改善されればいいんですが。

話し込んでいるうちに電車は終点新宿に到着し、彼の旅の無事を祈ってお別れしました。
そして私達も、ホームで解散。
このくらいの一泊旅行も、気軽に行けて楽しいものですね。
ぶどうの収穫の恵みを受けた今回の旅。なかなかの珍道中で、おもしろかったです。

後日、レーシングカー関係に詳しい友人に鈴鹿GPでのポイントを聞いて、ヨハンに伝えておきました。
GPについていろいろ教えてもらい、自分も気になりだしたので、TV観戦しようっと!
Comment

ぶどうの郷の秘仏に逢いに-1

2013-10-06 | 中部(甲信越)
◯ prologue
◯ 涼しい東京・暑い甲府
◯ 武田菱丸と甲府城
◯ 武田神社
◯ 稲積神社
◯ 甲斐善光寺
◯ 美和神社
◯ 浅間神社(甲斐国一之宮)
◯ 信玄館ランチ
◯ 手作りよもぎ団子
◯ 恵林寺
◯ 松尾神社
◯ 大善寺(ぶどう寺)宿坊
◯ 近藤勇古戦場
◯ 勝沼のぶどう畑
◯ 勝沼堰堤・祇園滝
◯ 太郎橋
◯ 夕食にブドウ
◯ 勝沼ワイン
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◯ prologue

友人アッコさんに「葡萄寺の秘仏を観に行かない?」と誘ってもらった、今回の旅。
まず「ぶどう寺」と言われるお寺があることに驚きました。
山梨にある葡萄のお寺なんて、できすぎだわ。
そこのご本尊は、5年に一度、一週間しか公開されない秘仏。
拝観の貴重なタイミングは逃せません。
せっかくなのでお寺の宿坊に一泊しようということになり、純と3人のワクワク女子旅となりました。
アッコさんも純も、それぞれ私のお友達。
どちらも寺社好きなので、話も合いそうです。

最近、旅するごとに雨続きで、雨女疑惑が出ている私。
それはいやだわ~。
するとアッコさんが「私は晴れ女だから、旅行中ちゃんと晴れるように念を送っておくね」と言ってくれました。

◯ 涼しい東京・暑い甲府

彼女のおかげか、甲府は、この日最高気温が28度という天気予報。
(10月に28度?うそでしょ~)と思いながらも、半袖を着て出発しました。
東京は涼しい朝で、車両内で半袖姿の乗客は私一人だったため、少し恥ずかしくなって、上着をはおりました。

当日は、新宿発のスーパーあずさの座席で待ち合わせ。
みんなそれぞれに忙しく仕事をこなしており、寝不足の顔で集合しました。
それでも、ずーっとおしゃべりを続けて行きます。
「甘い物は別腹」じゃなくて「トークは別ネム」といったところでしょうか。

八王子を過ぎると、一気に車窓は緑が深くなりました。
どんどん空が広くなっていきます。
いつの間にか抜けるような青空が広がって、まぶしいほどの日光がさんさんと電車に差し込んできました。

◯ 武田菱丸と甲府城

甲府駅に降り立つと、大きなぬいぐるみが出迎えてくれました。
武田菱丸というそうです。武田菱というのは、武田信玄の家紋。
家紋が名前になっているんですね。ちょっとキティちゃんぽくもありました。



今回の旅には、トレン太くんを使いました。駅前でレンタカーを借りて、乗り込みます。
交代で運転することにして、まずは純が運転手になりました。
駅を出てすぐ、小ぎれいなお城が見えました。日本100名城の一つ、甲府城です。
写真からだと見えづらいのですが、石垣が見えました。
「人は城、人は石垣、人は堀」・・・まさにここは信玄公のお膝元です。



◯ 武田神社

まず、駅から2キロの武田神社に行きました。
「躑躅ヶ崎館」と呼ばれた武田信玄の居城跡。日本100名城の一つにもなっており、甲府駅前には100名城が2つあることになります。
躑躅(つつじ)の館というきれいな名前なのに、私、どうも躑躅の字が髑髏(どくろ)に見えてしまうんですよね。
ドクロの館・・・おそろしや。信玄公、済みませぬ。



大きな狛犬が社殿入口を護っていました。
そこから眺める参道の長さに見とれます。
ここの祭神は、もちろん信玄公。
社務所には神棚が飾られており、(神社内社務所でも飾るものなんだ)と思いました。

お日柄が良かったのか、結婚式が行われていました。
名水や神楽殿、天神様などがある、広々とした敷地で、明るい空気が漂っていました。



境内のどの建物にも、武田菱がついており、氏子たちの誇りを感じます。
信玄亡き後に建てられたものかと思ったら、創立は大正時代と、かなり近代のことでした。
近代になってもなお、人気がある武将だからでしょう。
謙信も、上杉神社で神として祀られていることですし、やはり信玄と謙信は永遠に平等であって欲しいものです。
水琴窟の竹筒に耳を近づけると、サラサラと流れ落ちていく水の音が聞こえて、落ち着きました。



甲府まで来たら、東京の曇空が嘘のように、とても天気がよくなっています。
暑いくらい・・・というか、暑いです!なにこの真夏日和!
「ちょっと念を送りすぎちゃったかな、エヘヘ」とアッコさん。
たしかに、暑くても雨降りよりはずっといいわ!

→ ● 巡礼ブログ 武田神社の狛犬

◯ 稲積神社

それから、稲積神社に行きました。
遊亀公園の一角にある神社。参道は長く、ずっと石灯籠が続いているようですが、私達は公園口から入って行きました。
遊亀公園というので、さぞかし亀がいっぱいいるんだろうなあと思いましたが、池に亀はおらず、白鳥が羽を乾かしていました。



ここは、お稲荷さんが祀られています。
そこにある御神水は、地下136mから湧き出る井戸水。
お水取りをしました。御神水を飲めるのがいいですね。

● 稲積神社の狛犬



◯ 甲斐善光寺

それから、甲斐善光寺に向かいました。地名も善光寺。
信州の善光寺には何度か行ったことがありますが、ここはなかったので、前から気になっていました。

謙信との度重なる川中島の戦いでお寺に被害が及ばないよう、信玄が自分の本拠地の方に移したのがきっかけだとは知っていましたが、それって開祖が信玄ということになるんですね。
全国に、善光寺は200ほどありますが、本家のご開帳に合わせて秘仏を開帳させる、5つ主要な善光寺のひとつ。
信州の善光寺によく似た寺院建築です。

とても渋い雰囲気の古刹で、僧侶が朗々とお経をあげていました。
信州の善光寺は、天台宗と浄土宗の共存ですが、こちらは浄土宗のみ。
純は、私がアッコさんと行った高野山旅行でのおみやげの、杉の木の御朱印帳を取り出して、御朱印を頂いていました。



境内の池はこわいくらいに澄み切っていて、鯉の影までよく見えました。





夏の暑さに負けそうな私達。参拝後にソフトクリームを食べました。
信玄餅ソフトとぶどうソフトがあり、ぶどうミックスにしました。
暑さをものともせずに、凛とした着物姿の女性がいて、外国人に好評でした。

◯ 美和神社

次に向かったのは、甲斐二の宮の美和神社。
住所も二之宮です。
字が違うのではじめ気が付きませんでしたが、奈良の大神神社を勧請したところ。
大神神社には2月に参拝してきたため、(同じ神様だわ)と嬉しくなりました。



両部鳥居の一の鳥居に、古めかしい木製の社殿。
この辺りは両部式の鳥居が多いように感じます。
木製の大きな鳥居がすてき。アッコさんが鳥居が好きだというので、彼女は鳥居、私は狛犬と、担当を分けることにし、神社で鳥居を見るたびに「これは何?」と純と聞いていたら、彼女に「私、自分が気に入った鳥居しか興味ないみたい」と言われました。
鳥居マニアにはならなさそう。残念だわー。

ちなみに純は、本殿チェックマニアです。
3人とも、神社を訪れたらで気にするところが違うなんて、おもしろいです。
境内には立派な神楽殿がありました。



◯ 浅間神社(甲斐国一之宮)

国道20号沿いにある巨大な朱の一の鳥居を通って甲斐国一之宮の浅間神社に行きました。
辺りは日曜日だというのに人通りがない、のどかな場所でしたが、この辺りが古代甲斐国の中心地だったわけです。
ここで純が取り出した一之宮専用御朱印帳の大きさに、アッコさんがびっくりしていました。



さきほど、二宮の美和神社を訪れましたが、こちらは一宮。
随身門のある立派な作り。狛犬は、武田神社と同じく護国型。
この辺りは、護国タイプが多いんでしょうか。

いつも旅に行くたびに、御朱印帳を忘れてしまうというアッコさんも、ここでいただいていました。
ここ浅間神社の御祭神、木花開耶姫命(このはなのさくやひめ)は、彼女が好きな富士山の女神様。
拝殿前で手を合わせながら「美人だけど、気が強い神様で、夫に自分の子供かと疑われてすごく怒って、火の中で根性出産したんですって」と純に説明しました。
あんな場所でそんなエピソードを話したら、女神様に(そんなこと言わないでいいのに!)と怒られるかな、と後でちょっと心配になりましたが、大丈夫ですよね、神様は心が広いんですから。

境内には十二支ごとの石像があり、その先に成就石がありました。
案内板に書かれている通りに、この石の上に立って御本殿神座を拝みました。
境内には、ぶどうの里らしく、近隣の各酒造所からワインが奉納されていました。

◯ 信玄館ランチ



それから恵林寺前の信玄館前でランチにしました。
前に、バスツアーで恵林寺を訪れた時に入ったことがあります。
その時は、まつたけご飯や土瓶蒸しが出て、季節のメニューがなかなか美味しかったというイメージがありました。

今回は団体ではなく個人なので、レストランで通された部屋が違いました。
お客さんはみんなほうとうを食べていたけれど、外がとても暑いため、「熱いの食べたら汗かいちゃうね」と、私たちは「甲斐鷄のもつ煮」をオーダー。
出てきたものは、お皿に入ったレバー一皿でした。



ええ?想像していたものと違うわー。
あわててライスを注文します。
「甲斐鷄のもつ煮」とは、山梨のB級ご当地グルメだそうで、つまり土地の味を食べたことにはなりますが、「モツって書いてるのに、レバーだけなんてあり得ない!」「ハツとか砂肝とか、もっとコリコリしたものを食べたかったわ!」と3人でブツブツ。
でもそれしかないので食べました。
味が濃くてしょっぱーい。
お酒のつまみ向きかな、と思いましたが、私達のようにご飯と合わせて食べるのが普通で、さらにこの辺りでは蕎麦と一緒に食べるんだそうです。

貧血気味で来週健康診断の私は、がんばって全部食べましたが、二人は残してしまいました。
特に純は「レバー苦手」とのこと。なんてかわいそうなの!
お店のメニューも少ないし、団体向け用の食事処なんでしょうね。

◯ 手作りよもぎ団子

「これなら、ほうとうにすればよかったね」「野菜分が足りないー」と3人でモヤモヤしながら、向かいの恵林寺に行きました。
すると、甘味屋・恵林寺東地蔵堂茶屋の看板を発見。
レバーの気分を変えたいので、デザートに串団子を食べることにしました。
売れ行きが良く、お昼にしてもうよもぎ団子しか残っていませんでしたが、「これも貴重な野菜分!」と喜んでいただきます。



つきたてだとはっきりわかる、柔らかく弾力性に富んだお餅と、すっきりした甘さのあんこ。
おいしくて、みんなの「食べ物の恨みは恐ろしくてよ」モードが和らぎました。



恵林寺西側参道の街路樹は、もう秋らしく、色づき始めていました。

◯ 恵林寺

信玄館に行ったことがある私は、後ろの座席から「恵林寺の向かいにあるからわかるよ」と話しましたが、前の二人の反応がいまひとつ。
さらに「ねぼけてるの?」なんて聞かれて、(なぜ??)でしたが、二人は「えりんじ」を「エリンギ」だと聞き間違えて(何言ってるんだ)と怪しんでいたとわかりました。
ひどくってよ~。



恵林寺は信玄の菩提寺。三門はかつて甲斐武田氏を滅ぼした織田信長に寄って火を付けられ、中に閉じ込められた快川国師が「安禅必ずしも山水を須いず、心頭を滅却すれば火も自ら涼し」という句を残した場所です。(つまりこの門は、そののちに再建されたもの)
信長、ひどい・・・。
彼はその二ヶ月後、京都の本能寺で猛火に包まれて命を落とします。
こういう話を聞くと、戦国時代の苛烈さ、壮絶さに震えを感じます。平和な世の中になってよかった。



◯ 松尾神社

前に恵林寺を参拝した私は、2人が中に入っている間、先ほどのお団子屋さんに道を聞いて、近くの松尾神社に行ってみました。
一人になって、ちょっと寂しい気持ちを抱えながら、誰もいないブドウ畑の間の道を、縫うように歩いていきます。
突き当りを右に左に曲がって行くと、大きな車道に出て、松尾神社の大きな鳥居がそびえ立っていました。
色味が抜けた朱の両部鳥居は、かなりの迫力です。
そばの道端には、古い道祖神の石がいくつもありました。





赤い色が目を引く無人の神社を、一人でお参りしました。
名前のごとく、おそらく京都のお酒の神様、松尾神社を勧請したものでしょう。
本殿の屋根に、割菱の紋(武田菱)が付いていたので、やはりここも武田関係だとわかりました。
近隣なので恵林寺と関係があるかなと思ったら、かつては神社の敷地をお寺に貸していたこともあったそうです。

境内社として、小さな石祠や石碑が点在していました。
参道横の弁天社の中に鎮座されていた弁天様は、とても優美で美しくて、しばし息を止めて向き合いました。

創建は景行天皇41年、つまり西暦111年とのことで、古さに驚きます。
古めかしい社ながら、本殿の彫刻はかなり立派なものでした。

帰りは違う道を通ったら、葡萄畑の中に完全に入り込み、先の見えない細いうねうねうね道を歩いて行きました。
強い日差しが、広がる葡萄の葉の間から、キラキラこぼれてきます。
行けども行けども丈の低いぶどう棚に囲まれて、どこへ行くかわからないような感じ。
「ゆくへも知らぬ 恋の道かな」ですね。
ちょうど純から「恵林寺から出てきたよ」と電話がありました。

◯ 大善寺(ぶどう寺)宿坊

二人と合流し、車で一路大善寺へと向かいました。
近づくに連れて、大善寺の看板をたくさん見かけるようになり、有名な場所なんだとわかります。
着いてみると、たくさんの車がやってきており、お寺の方々が総動員で駐車場の車の整理をしていました。



今夜は、ここの宿坊に泊まります。
宿坊好きの私ですが、京都と高野山以外の宿坊に泊まるのは初めてなので、わくわく。
純は、宿坊自体初めて。
宿坊の部屋は、床の間がある畳敷きだとばかりと思っていたら、なんと洋室ベッドだったので、驚きました。
宿坊というより民宿というのが正解のようです。

布団でないので、なんだかお寺のムードが出ませんが、ベッドだと、いつでも横になれるのが楽なところ。
忙しい時を過ごしてきた三人とも、荷物を置いて、ベッドにしばらく伸びていました。
 
◯ 近藤勇古戦場

でもまだ日暮れ前。歩いていないため、お腹が空いていません。
「散歩に行こう」と誘っても、「え~いってらっしゃーい」とベッドから動かない反応の悪い二人を置いて、近くを散策しに出かけました。
なんだかさっきから、私ばかり一人で行動しています。
ふーんだ、いいんだもーん。

お寺の女将さんに聞いて、この辺りはフットパスが整備されているとわかりました。
地図をもらって、まずは近くの近藤勇古戦場へ行きました。
のどかなブドウ畑が広がる中に古戦場があると聞いて、驚きます。
しかも信玄や勝頼ではなく、ぐっと近世の近藤勇が戦った場所。
新撰組が、この辺りまで来ていたとは思いませんでした。
戊辰戦争における戦闘の一環として、慶応4(1868)年に板垣退助率いる官軍と刀を交わした甲州勝沼の戦いだそうです。



なぜ勝った板垣じゃなくて、負けた近藤勇の像が立っているのかしら?新撰組ファンが建てたのかな?
あとで、彼が率いる甲陽鎮撫隊(新選組改め)がこの辺りに本陣を据えたからだとわかりました。
その辺りの歴史に疎くて、首をひねりながら、道路向こうに渡ります。

◯ 勝沼のぶどう畑



ここは勝沼ぶどう郷。斜面に広がる葡萄畑は、今がちょうど収穫時期。
綺麗に色づいてたわわになっているぶどうを眺めながら、どんどん丘の下へと降りていきます。
実際に摘まれるを待っている最高の状態でなっているぶどうを見るのは、初めて。

いつまでも見ていたい、みずみずしく、すばらしい光景です。
自然の豊かな恵みに囲まれて、感謝の念が純粋に胸に沸き起こりました。
こういった芸術的な自然の光景を見たら、世界は神様が手を加えて念入りにこしらえたものなんじゃないかと思えてきます。

◯ 勝沼堰堤・祇園滝 

近くまで行って、ようやく見えてきたのは、川と堰堤。
かなりの水量の水が段差に落ち、ザーザーと涼しげな音を立てて、滝を成しています。
祇園滝という雅な名前の滝。
勢いのある水の動きにしばし見とれました。



ここは1915年着工、1917年に完成した勝沼堰堤。
1997年に登録有形文化財に登録された砂防堰堤です。
水が流れ落ちる滝でも、砂防堰堤なんですね。(定義がよくわかってない)



そういえばここは甲府盆地、海がない山梨県。
なんだか今日、何かが足りないなと思っていましたが、どうやらそれは水だったようです。
水辺に来て、マイナスイオンを浴びて、リフレッシュできました。



しばらく滝の前に佇んでいましたが、ここは細い階段を降りきった場所にある、見通しの悪い行き止まりの場所。
事件に巻き込まれても、逃げ場がない場所なので、少し緊張して階段の上に目を配りながら、一人きりで滝を向き合って堪能しました。

◯ 太郎橋

滝から再び階段を上がり、国道20号沿いに歩いて、ぶどう寺を超えて今度は太郎橋へと向かいます。
どの細道が橋に続くのかわからなかったので、道路際に腰掛けて休憩しているご夫婦に道を聞きました。
街道沿いには、たくさんのブドウ農園が並び、家の軒先では、家族総出でのぶどうの出荷作業が行われていました。

太郎橋は吊り橋ですが、新しめのコンクリ製で、自分の好みには今ひとつ。
でも、橋から見下ろした川はかなり低い位置にあって流れも早く、遠くには小滝も見えて、なかなかの眺望でした。





(吸い込まれそうだなあ)と下を覗きこんでいたら、先ほど道を教えてくれたご夫婦がやって来ました。
ひとりきりで、夕暮れ時に吊り橋の上から動かない私。
絵的にはかなり怪しいかも。飛び込むつもりかと疑われたらどうしよう・・・
と思いながら、「さっきはありがとうございます」と挨拶をしたら、「我々はこれから祝橋までがんばって行くんだ」と言いながら、通りすぎていきました。

私も(行けるかな)と、ご夫婦の少し後を歩いて行きましたが、見晴らしのいいい場所に出て土地の状態がわかったところで、祝橋までの距離はずいぶんあることがわかりました。
二人に帰ると言った予定時間がそろそろ近づいてきたし、祝橋はモダンなコンクリ橋で私の好きな吊り橋ではないため、無理はしないことにして足を止め、きびすを返してまた太郎橋を渡って宿へと戻りました。

◯ 夕食にブドウ

宿坊とはいっても、民宿スタイルのため、食事は精進料理ではありません。
この日の昼食があんまりだったため、いろんなお皿が出てきたことが嬉しく、美味しくいただきます。
初老のご夫婦が、お孫さんを連れて泊まりに来ており、微笑ましい食卓でした。



デザートにはもちろんブドウ!
いろんな種類のものがひと粒ずつ出てきました。
わーい、うれしいな♪ ひとつぶの青春。(古い)



◯ 勝沼ワイン

このお寺ではブドウ畑を持っていて、自家製ジャムのほか、自家製ワインまで売っています。
食事の席でもワインを出してもらえます。珍しい宿坊だわ。(あくまで民宿スタイル)
純と私は、買い出しに出かけて、ワインとアイスクリームを買ってきました。
途中、暗い車道沿いをマラソンをしている学生たちを見かけて、(なんだろう?部活?)と首をひねります。
お寺の駐車場からは、夜景が見えて、感動しました。



盆地は、夜景が見晴らしよく広がって、宝石をまいたようで、とてもきれい。
うっとりして見つめていたら、黒い影がハーハーと息を弾ませてやってきたので「けもの?」「シカ?」とドキーンとしました。
目を凝らしてよく見ると、先ほど車の中から見かけた、マラソンをしていた生徒の一人でした。
あーびっくりした。彼らもこのお寺に泊まったようです。



コンビニで買ってきたのは気楽なテーブルワインながらも、れっきとした勝沼ブランド。
「地産地消しよう!」と乾杯しました。
おいしかったでーす。

あっこさんが仕事をする横で、純と私はお先に寝につきました。

2日目に続きます。
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