風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

器をさがしに益子まで index

2015-01-31 | 北関東(茨城・栃木・群馬)



◆ 益子旅行記-1
  2015年初めての旅行は、益子。
  すてきな器を探しに、女友達4人でワイワイ楽しく向かいました。
  栃木に入ったとたんに広がる雪景色。寒いんですね~。
  隠れ家のようなレストランで、猫と戯れました。
   ○ prologue ○ 快晴ドライブ ○ 茨城経由
   ○ 水戸のゆるキャラ ○ 雪原の世界 ○ 小さな益子駅
   ○ ランチの隠れ家へ ○ 看板猫の歓迎を受ける ○ 季節のお膳

◆ 益子旅行記-2
  焼き物の町、益子の工房巡りをしました。
  こんなにたくさんの器を見たのは初めてです。
  納屋を改造したカフェの屋根裏に上がって、お茶をしました。
   ○ 山の中の古刹へ ○ 閻魔さまが笑ってる ○ 益子焼さがし
   ○ お気に入りはそれぞれ ○ 麺好きのそばチョコ ○ 納屋の2階でお茶
   ○ またたく星々 ○ 星とネオンは反比例 ○ epilogue




器をさがしに益子まで-2

2015-01-31 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
その1からの続きです。

○ 益子焼さがし

山を下りて、益子の中心街へと向かいます。
メインストリートは、もちろん益子焼のお店が並んでいるところ。
ここでぶらぶらとお店を渡り歩いて、器をチェックしました。
これまで、ほかに観光客らしい人は一切見かけませんでしたが、この通りには大勢人がいて、ちょっとほっとしました。



個性的なお店がいろいろあって、ぶらぶら散策するのも楽しいです。
最近では、若手の陶芸家が趣向を凝らした作品を出しているそうで、おしゃれなギャラリーもありました。

蔦の絡まる建物「こうじんや」の前には、ポストがたくさんありました。
これ、郵便屋さんが取りに来るのかな?とぐるりと回って見てみます。
このうちのどれかが本物なら、入れる人も出す人も毎回悩んでしまいそう。



この辺りから奈良時代の窯跡が発見され、古くから土質が製陶に適しているといわれる益子。
私は常滑・信楽・久谷・砥部がどこなのかもよくわからないレベルですが、親は陶芸好きで、いろいろな窯のものを集めています。

そういえばこの前、実家で持ち手が取れてしまった器があったと思い出しました。
お湯を急須にそそぐ時、熱湯をそのまま入れると茶葉がすぐ伸びてしまうため、沸いたお湯をいったんそこに受けてから、急須に注ぐ中継ぎの役目のもので、楕円形の器に取っ手がついて、注ぎ口があるものです。
なんという名前なのかわかりませんが、あれと似たようなものがないかなと探してみました。
(あとで調べてみたら、単純に「湯冷まし」というようです)
でも、なかなか見つかりません。

ずっしりと重い陶器のお重箱があり、それだけでもおどろきましたが、お重の中身の具材も焼き物で作られているという精巧さでした。

○ お気に入りはそれぞれ

とにかくさまざまな器があります。あれこれ見て、目が疲れてしまい、お茶で一服しました。
器屋さんの店内に「お好きなものでどうぞ」と、さまざまな形の益子焼の湯のみ茶碗が置いてあり、4人それぞれが選んだものは、全くかぶりませんでした。



益子焼は、素朴な日常使いのものというイメージがありますが、益子の土を使った焼き物なら、どれも益子焼と言われるようです。
ピンからキリまであるらしく、個展が開かれるような有名作家の作品ともなると、結構高い値段が付いています。



はにわの店もありました。
店内には、何に使うのかわからないような大きな壺も売られており、「そういえば、新興宗教で売られる壺って、買ったらどうするんだろうね?」と話しました。
単に飾っておくだけなのかしら?
誰も買ったことがないので、詳しく知りませんでした。

「素敵な器だと、よそる料理もおいしそうに見えるものね」とあこりん。
いくつかお皿を買い求めていました。

○ 麺好きのそばチョコ

「決めた、私、そばチョコにしまーす」とちかちゃん。
そばちょこという言葉を知らず、一瞬(そばとチョコ?お菓子?)と思いました。
彼女は、麺が大好きなんだそう。
「一人分の料理だと、ついつい麺にしちゃうよね」という話から、麺LOVEの話に盛り上がりました。

麺類の中では山形そばが一押しだそうで、「リカさんは何の麺が一番好き?」と聞かれました。
うーん、選べない~と思いながらも、とっさに「きしめん」と口を突いて出ました。
この冬はまだ食べていないから、潜在意識がそう言わせたんでしょうね。きしめん食べたーい。



探していた湯冷ましの器はいくつかあったものの、これというものに出会えなかったので、私は結局何も買いませんでした。
それはそれでいいんです。たくさんの器を吟味できたから、目利きになった気分だわ。
でもこんなにたくさんの瀬戸物を根を詰めて見つめたのは初めてで、最後には頭がモウロウとしちゃいました。
慣れてきたら、多くの中からでも気に入ったものを選び出せるでしょう。



○ いちごも名産

「ともちゃんも何か買ったのね。」
「あ、これ、器じゃなくてイチゴ。おいしそうだったから」
栃木のイチゴを一パック買っていました。名産ですからね。



ギャラリーに、先ほど会ってきたばかりの笑い閻魔さまのポスターを発見!
写真で見ても、やっぱりファンキーです。
これは気になりますね~!

○ 夕方にはカフェ店じまい

5時になったので、そろそろお買い物も切り上げます。
「お茶して帰ろうか」ということになりました。

この日はいい天気だったので、夕焼けもきれい。
オレンジ色の光の中をカフェに向かいましたが、到着したカフェは、はやばやと椅子をテーブルの上にあげて閉店準備をしていたので、あきらめました。
閉めるの早ーい、と思いますが、お日様と一緒の業務なんて健康的ですね。
次のカフェには、念のために「これから向かいます」と電話を入れて向かいました。
地方の中心街から離れたところにあるお店には、予約を入れた方が安心ですね。

○ 納屋カフェ

うす暗くなってきました。
町のイルミネーションはなく、道路の街灯も少ないため、暗さが際立ちます。
またもや迷いながら、たどり着いたのは「納屋珈琲 ひなた」というカフェ。



広い敷地内に明かりがともった建物があり、ガラガラと硝子戸をあけて入りました。

天井の高い、仕切りのない部屋。
かつては、タバコの葉を乾燥させる納屋だったそうです。
おかみさんが一人で切り盛りしていました。
「2階の方が温かいから、上に上がったら?」



勧めてもらって上がります。簡易式の細いらせん階段は、体重をかけるとミシミシといって、ちょっとスリリング。
気を付けながら登ると、今度は天井の梁がすぐ近くになりました。



○ 納屋の2階でお茶

納屋の2階に上るなんて、想像していなかったので、秘密基地のようでワクワクします。
たしかに下よりは少しは暖かかったですが、日が落ちると急に寒くなり、底冷えがして、コートを脱げませんでした。



一階にはストーブがついていますが、それでも寒さは消えません。
もともと、住居用に作られたわけではないため、納屋の壁には防寒の断熱材は入っていないように思います。

ハリから階下を見下ろすなんて、忍者になった気分。



ここはフレンチトーストのメニューがそろっており、ちかちゃんと私はミートミールフレンチトーストを頼みました。
少しして、ほかほかの湯気が立ったプレートが運ばれてきたときには、「わあ」と声を挙げました。
メニューは「フレンチトースト・チキンスモーク・ハムステーキ・チェリソ・エッグ・アボガドそして野菜」。ボリュームがあります。





あこりんはマロン、ともちゃんはバナナ。
サニーレタスもふんだんに盛られていて、ヘルシーでした。

○ またたく星々

外に出ると、落ちてきそうなほどくっきりと見える星々。みんなで歓声を上げます。
おかみさんも一緒に外に出て、「次の満月は4日だから、ちゃんとお祈りしてね」と言って、手を振ってくれました。
星が見えるということは、外はほぼ真っ暗なので、車を置いた場所まで、足元に気を付けながら、広い庭の敷石を踏んで行きます。

それから一路、帰途につきます。
納屋カフェは、新鮮体験ができてよかったのですが、身体が冷えてしまったので、みんなコートを着たままで車に乗りこみました。

○ 星とネオンは反比例

水戸の方まで来ると、だんだん光が多くなってきます。
IC近くでは、先程見たイオンモールが煌々とイルミネーションを放っていました。

帰りに寄った守谷PAで、大きなキティちゃんを発見。
自動販売機でした。
でも、売られているのはキティちゃんドリンクではなく、普通の缶だそうです。



東京に入ると、すっかり光の渦です。
星が少なくなりました。



スカイツリーが見えて、お次は東京タワー。
イルミネーションがきれいでした。



この日、後部座席に座っていたゆかちゃんが「こっちのドア、外からだと開くんですけど、内側からだと開かなくって」と、いつも反対側から出ていました。
「故障かな?出る時に、すばやくそっちに周ってドアを開ける?」と言うと、
「そんなお嬢様なことをしてもらわなくても~」と笑っていました。

車を返す時に、その話をすると、レンタカー屋さんは
「あ、それはチャイルドロックがかかっちゃったんですね」と言いました。
チャイルドロック~!
そういえばそういうものがありましたね!
メンバーのだれも、気が付きませんでした。
ちかちゃんに伝えると「もうハタチ過ぎたのにロックされたんですね・・・」と受けていました。

○ epilogue

益子焼で気に入った湯冷ましを探せなかった話をしたら、母からこんな返事がきました。

「湯冷ましを使うお宅は意外に少ないと思いますが、私は父親がお茶にはこだわりを持っている人でしたので、必要なのです。
あれは、お茶の物を作っている萩焼、志野焼きの産地にならあると思います。
今使っているものは、一昨年萩に行った時に、萩焼の工房で買ってきました。
その前の壊れたものも、それより前に姉妹で萩旅行をした時に買ってきたもので、使いやすくてかなり重宝しました。
壊れて残念です。。・゜゜・o(iДi)o・゜゜・。ウワーン」

母のこだわりだったとは。そういえば祖父はお茶の先生でした。

これが、今実家で使っているものです。壊れても困らないようにと、母が買っておいた替えのもの。
前のものは、薄肌地と薄緋色のあたたかみのある器でした。
あれは萩焼だったんですね。



今回は、おしゃれなカフェに寄り、きれいな器をながめた、女性らしい旅でした。
旅先でやりたいことをあれこれ詰め込みすぎると、プラン消化に疲れてしまいますが、あまり予定を入れない、のんびりした、遠出の休日もいいですね。
みんな、旅好きの人たちなので、話も楽しく話題は尽きませんでした。



この日は、あこりんから頼んでおいたローズクオーツの勾玉チャームを分けてもらいました。
始まりを連れてくるような素敵なデザイン。大切にしようと思います。

器をさがしに益子まで-1

2015-01-31 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
○ prologue

2015年初の小旅行は、益子になりました。
益子といえば益子焼。
女性4人で、お気に入りの器がないか探しに行くのです。

○ 快晴ドライブ

朝、あこりんと車に乗り込んで、出発~。
途中でともちゃん・ちかちゃんと合流します。
早朝ですが、車内は花が咲いたように、にぎやかになりました。
前日は雨が降りましたが、この日は快晴のドライブ日和です。



京橋にさしかかると、大きな看板が目を引きました。
・・・ぬ利彦?「創業1717年」とも書いてあります。
300年の伝統を持つ酒類・食品等の卸売会社だそう。
「ぬとしひこ」かと思ったら、「ぬりひこ」ですって。
いかにも江戸っぽい、おもしろいネーミングですね。



おお~、高層ビルの窓ふきの人。
ゴンドラにも乗らずに青空の中で作業中。
永遠の憧れの仕事なんですよね~☆

4人でめいめいに近況報告をしながら都心を抜けます。
首都高中央環状線はいつも混んでいますが、常磐線に入ると一気にスイスイになりました。

○ 茨城経由

益子を目的地にしてナビに入力すると、水戸経由になりました。
電車で行く場合にも、水戸の方から周っていくようです。
栃木なのに、宇都宮からの電車はなく、通っているのはバスだけ。
茨城との関係の方が深いのかしら。

「水戸を通っていくんだね」とあこりんは驚いています。
彼女の出身地の近くですが、これまで益子に行ったことはないそう。
「茨城では、笠間焼が有名だよ」
知りませんでしたが、益子焼はもともと笠間焼から出たものなんだそう。
笠間と益子をはしごする、焼き物好きの女性のことを「かさましこ」と言うそうな。へえ~。
(かしまし娘みたい)と思いましたが、かさましこが聞いたら叱られそうなので、黙っていました。

○ 水戸のゆるキャラ

途中、守谷SAに寄りました。売られているのはもちろん茨城の物産。
「わあ、ご当地ジバニャンがいる~」
水戸のゆるキャラといったら、「ハッスル黄門」様ですが、
「それが、ねばっとしたのが出てるのよ~」
「あ、それ知ってる、ねば~る君でしょ」

なぜみんな知ってるんでしょう。
「どんなのだろう?」と、怖いもの見たさでキャラクターグッズ売り場に行ってみましたが、かわいらしい「みとちゃん」のグッズしかありませんでした。
「茨城県非公認だから、グッズはまだないのかも」
非公認キャラとは、ふなっしー二番煎じの気配がします(笑)。

水戸ICで降りると、巨大なイオンモールがあり、10時を過ぎたばかりだというのに、広大な駐車場は、車でびっしりでした。

今回の目的のもう一つは、益子にある坂東三十三観音の第20番礼所、西明寺を訪れること。
笠間経由で向かう途中で、第24番礼所の雨引観音そばを通ります。
ここもまだお参りしてなーい。
でも今回のプランには入っておらず、素通りします。
またあらためて来まーす。アイルビーバーック。

○ 雪原の世界

道路横に「益子町」の看板がありました。いよいよ茨城から栃木県に入りました。
広大な畑が広がり、その向こうに山々が連なっています。
ぐっと景色が変わりました。



そして、栃木に入ったとたん、辺りは雪野原になりました。
昨日降った雪が、そのまま解けずに残っているよう。
スタッドレスタイヤにしておいてよかった~。

先月、日光ドライブをした時にも、いろは坂の上では雪が積もっていました。
今回は、そんなに標高が高いところには行かないのに、北に来たからでしょうか。
栃木の冬って、寒いんですね~。



「そういえば、栃木って海がないのよね」と私。
群馬も埼玉もありません。
関東は、海なし県が3つもあるんですね。
「そう!だからこっちの人たちはみんな、茨城の海に海水浴に来るのよ」とあこりん。
「海岸に、栃木ナンバーの車がたくさん停まってるもの」

北関東では、海がある茨城のポイントは高そう。
「でも茨城の人たちは、栃木にスキーをしに行くんでしょ?」と聞くと、「その通り!」と笑っていました。
もちつもたれつ、なんだかんだで仲がよさそう。

○ 小さな益子駅

目的地の益子駅に着きました。
とても小さな駅。
でも、風で動く大きなモービルと、益子焼の巨大な壺がありました。



暗くて閉まっているのかと思った駅に併設された観光案内所。
階段に長いもうせんが敷かれて、ずらりとひな人形が飾られています。
去年、勝浦で見ましたが、ここでもこんな風に飾るんですね。



館内には、緋色の色鮮やかな吊し雛がびっしりと飾られていました。
おととし、那須で見たことを思い出しました。
ちょうど次の日から、雛祭りだそうです。



中に入ると、お姉さんが奥のデスクから会釈してくれましたが、特にカウンター対応をしてくれることもなく、自分たちで地図を広げてルートの計画を立てました。
「そろそろお昼だし、ランチにしよっか」
すてきな感じのお店を見つけ、電話予約を入れました。

○ ランチの隠れ家へ

お店駅から車で15分の場所にあるそうですが、どんどんさびしい道になっていきます。
坂を上ってゴルフ場そばまで来てから、今度は山の細道を下っていきます。
あまり除雪されていない、雪深い道で、今はとても車はすれ違えません。
対向車が来ないようにみんなで祈ります。



「本当にこの道でいいのかな?」
表示が全くないので、不安になりますが、ナビに従ってぐいぐいと坂を下りて行ったところに、小さな看板を見つけました。
「わあ、よかった」
みんなで安心しました。



かなり辺鄙な場所まで来ました。
お店の名前は「ごはん屋ギャラリー 猫車」。



入ったところに大きな猫の絵が飾ってあります。
「『アリス』のチェシャ猫みたい」と言うともちゃん。私は『注文の多い料理店』を連想しました。
雪道の中、ここまで辿り着くのも一苦労だったので、化け猫の餌にされてもおかしくありません!?

○ 看板猫の歓迎を受ける

古民家を改造したカフェの庭先には、日当たりのいいテラスがあります。
予約をしておいたので、人数分の席を用意しておいてくれました。
一階の大きな座卓を、まるまる独占させてもらいます。
部屋の中は暖かく、友達のおうちに遊びに来たように、落ち着きました。



急な階段の上には2階があり、ほかのお客さんの姿が見えましたが、天井が高く、会話は聞こえてきませんでした。



外のテラスに、ネコがいました。
じっと景色を眺めています。
「寒くないのかな」とみんなで見ていたら、そのうちに両手を使ってサッシを器用にスライドさせて、中に入ってきました。
ネコって、自分でサッシの開閉ができるのね~。



毛並みのいい猫ちゃん。
1歳半のクウちゃん(メス)だそうです。
とても人慣れしています。
特に私にじゃれついてきて、指を一本一本、はぐはぐと甘噛みしました。
か、かわゆい。こんなに猫になつかれたのは、初めて~。
よっぽど指がおいしかったのでしょうか?





クウちゃんは何度もすり寄ってきて、仕草のあまりのかわいさ、人懐こさに、私たちを萌え死にさせます。
本気でお持ち帰りしたくなりました。
ああ、猫を飼いたくなったわ~。

○ 季節のお膳

ここでは自然素材の食事を出してくれるとのことで、季節のお膳を頼みました。
メニューは「里芋饅頭・大根のステーキ山椒風味・青菜の乾物和え・白菜の中華風サラダ・香の物・黒米のご飯・みそ汁」。
みそ汁は湯葉入りでした。どれも優しい味で、するすると身体に入っていきます。





こんなに雪が残る日に、ここまでやってくる人は、よっぽどのチャレンジャーじゃないかと思いますが、それでもちらりほらりとお客さんはやってきました。
時を忘れる場所でした。

○ 山の中の古刹へ

ここでくつろいでから、益子散策に繰り出します。
まずは、西明寺へ向かいました。
山の上にあり、歩いて行くのは大変そう。
何度も迷いながら、ようやくお寺にたどり着きました。



山の中の雪が分厚く残っているところに日が射して、うっそうとした木々の枝からポタポタと雪解け水が垂れてきます。
注意しながら参道の石段を上って歩いて行きました。



かやぶき屋根の仁王門の中の赤い仁王様。
なんだかたっぷんとした、メタボさんでした。
ふつうはおなかが割れていますが、筋肉質じゃない仁王様もいるんですね。



三重塔もありました。雪をまとって、雰囲気たっぷりです。

○ 閻魔さまが笑ってる

閻魔堂に行きました。このお寺には「笑い閻魔」があります。
地獄の裁きの王、閻魔大王は、とても恐ろしい存在ですが、ここのお寺の閻魔さまは、笑っているんです。
なぜ?普通は怒っているんじゃない?

思ったよりも大きな像でした。私たちょりもはるかに巨大です。
本当に笑っていました。白目をむくほどの大爆笑!
両側にいた、死者の罪状を読み上げる書記たちは、堂々としていたり、筆をグッと握っていたりして、とてもやる気に満ちていました。いい職場のようです。



奥には奪衣婆(だつえば)もいて、こちらは閻魔さまの豪快さとユルさがない、かなりのホラー。怖くてカメラを向けられません。
ほかの子たちが怖がってキャーキャー言っている横で、私は、閻魔さまの書机の猫足が気になって、ひとりしゃがんで違う写真を撮っていました。

本堂も古く、屋根の下には十二支の木彫りがぐるりと飾られています。
堂内には入れませんでしたが、お坊さんが修行中なのか、中で人の気配がして、閻魔さまと奪衣婆を見たあとだけに、ちょっとヒヤッとしました。

その2に続きます。