風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

りんご王国おためし暮らし 4-1

2016-10-08 | 東北
3日目からの続きです。

○ 朝はのんびり

連日の飲み会で毎晩就寝時間が遅く、とうとうこの日は早く起きられませんでした。
無理せずゆっくりの朝にします。青森ブランド、クドウパンのイギリスパンで朝食。

デグチ先輩とtomさんが帰宅してしまいます。
2人ともいなくなっちゃうなんて、不安だわー。
ハウスからお見送りしますが、事務所のコワーキングスペースでギリギリまでお仕事をするそうです。IT戦士だから!
この日は、ヒヤマさんと田舎館村の田んぼアートに行くことにしました。
午前中、ヒヤマさんはコワーキングスペースで、私はハウスで作業。
昼に駅で待ち合わせます。

○ お城の公園をさまよう

天気もいいし時間もあるので、駅まで歩いていくことにしました。



先日おまわりさんに教えてもらったルートが一番わかりやすい道ですが、車道沿いなので、少し遠回りになっても静かな弘前公園を通っていくことにします。
初日に歩いた道をたどれば着くはず。
記憶をたどりながら、西壕まで快調にたどり着きました。



公園内に入り、さらに初日のルートをたどろうと思いましたが、似たような光景でわからなくなっていました。
別の道へと行ってしまっては(この道知らない)と、何度も引き返します。
地図を見てもよくわからないので、もう土地の人に聞くしかなさそう。
でも会社員風の人に聞いても、犬を連れた人に聞いても「地元の者じゃないのでわかりません」と言われました。
犬を散歩させていても旅行中なんて、見分けがつかないわ。
今日びの旅行者は、みんな地元民化しているのかしら?



アイスを売っていましたが、やはり「チリンチリン」ではなく「カランカラン」。
うーむ、この違いはいったいなんだろう?
まだ状況視察中なので、今回も深入りはやめておきます。

○ 遅れられません

公園の中を彷徨っていたので待ち合わせ時間ぎりぎりに着くことになりそうだと、急ぎ足で向かっていると、駅前のあたりでヒヤマさんが後ろから走ってきました。
青森市からすると、田んぼアートはちょっと遠くて(あー行くの億劫だなあ)という印象ですが、弘前からだと電車一本で行けます。
ただその電車は、1時間に1本しかこないため、それを逃すと大きなダメージが。
自分たちが間に合わせるしかありません。



無事予定の電車に乗りこんで少し行くと、両側にリンゴ畑が広がりました。
弘前は青森よりもリンゴ畑が街に近くて身近です。

○ 出張合間の観光

向かいはスーツ姿の男性2人。年齢もかなり離れており、いかにも上司と部下といった感じ。
仕事だと思っていたら、おもむろに年配の人の方が立ち上がり、私たちの肩越しの風景を撮影しだしました。



なんだろうと振り返ると、そこには岩木山。
私たちも撮り出します。連れの部下も撮り始めます。4人とも無言の撮影大会です。



この2人は、よその人なのかな?
じきに田んぼアート駅に到着。
田んぼアートのためだけに作られた駅で、停車するのは開催期間中のみ。
たしかにすぐに撤去できそうな、簡易な作りです。

二人もここで一緒に降りて、そそくさと会場の方へと向かいます。
ちょっとした空き時間を使ってのことかもしれません。
私たちは彼らの後姿を見ながら、ゆっくりとタワーの方へ。



ネットに「田んぼアートには行列ができていて40分くらい待つ」と書かれています。
話題が話題を呼び、年々訪問客が増えていると聞いています。
あまりに並ぶことになると、どちらか一つしか見られないかもしれません。

行列はなく、そんな心配はいりませんでした。
待たずにすんなりタワーの上に案内されます。もうシーズンオフなんでしょう。

10月2日には1300人体制で、一斉にここの稲刈りを行うんだそう。
その前に滑り込みセーフです。

○ 巨大なゴジラ

まずは第2会場に上りました。
田んぼアートのためだけに造られた展望台の上に上って見下ろすと、眼下にシン・ゴジラが現れました。
『わあ!』声が上がります。大迫力です。



○ ストーン・ケンそしてユウジロウ

その横には、高倉健と石原裕次郎を石で作った巨大な絵が。


健さん!



ユウジロウ!


上から見下ろすときっちり平行線で作られていますが、下から見ると長方形はかなり歪んでいるのがわかります。
上の展望台から完璧な形で見えるよう調整しているためです。

見下ろしていると、下の道を先ほどの2人が駅に戻っていくのが見えました。
さくっと見て、再び駅に戻った彼ら。出張の合間に(おい、ちょっと田んぼアート見に出かけるぞ)(はい、課長)と言って来たのかしら。
上司の方がノリノリで、部下はやれやれと付き合っているという感じが、背中から漂っています。
電車に乗って弘前に戻っていったデコボココンビ。さよーならー。



○ ノマドは場所を選ばず

ここでヒヤマさんがごそごそと荷物からMacBookを取り出しました。
「今回の旅の趣旨に沿うよう、ノマドワーカーの写真を撮ろうと思って」
「え、ここで?」
「デグチ先輩、いろんなところでのPC画像を残してましたよね」

確かに彼は(なぜそこで?)というような海岸などで仕事をしていました。
「後に残った者として、僕らも彼の姿勢を継がなくては」
「ラ、ラジャー!」
こうやって謎の伝統が受け継がれていくのですね。

いろいろ撮っているうちに、ありえない様子がなんだか楽しくなってきて、私も同じ構図で撮ってもらいました。
明らかに変な二人でしたね!

なぜか馬がいました。孔雀も数羽。牧場なのかしら?
ちょっと人見知りのようで、呼びかけてもピクリともしませんでした。



○ 田んぼアートの稲

上からの作品を堪能した後で、下に降りて絵を構成している稲の様子を観察。



何種類もの色が違う稲が育っていました。
こんな風になっているんですね。



○ Ta Survey Go

見るのにそれほど時間がかからなかったので、第1会場にも行けそうです。
両会場をつなぐシャトルバス「たさあべ号」に乗りました。
たさあべってなんだろう?
車体には「Ta Survey Go」と書いてあります。なんだかおしゃれ。
でもこんな英語ありませんね。
いくら考えても意味が分かりません。気になる~。
 
こちらの人は、一見(しゃべりかけるな)オーラが出ているように感じるけれど、それは少し人見知りなだけで、実際には暖かい人たち。
運転手は無口な感じですが、勇気を出して意味を聞いてみました。
「田んぼさこいへ。って意味さ」

わー、人の名前かと思った(田佐安倍さんとか?)ら、やっぱり津軽弁ー!
聞いてよかったです。



この近くから、古代の水田跡が見つかったそう。
そのせいか、マンホールの柄は古代チックです。



○ 天守閣つき第1会場

第1会場は天守閣つきの役場ですよ!
話には聞いていましたが、水田の前に立っていると、本当に一瞬タイムスリップしたような気になります。
代官様、今年は日照り続きで年貢は納められねえですだ!



第1会場の絵は真ん中から二つに分かれているため、第2会場の方が迫力があるのかと思いましたが、第1会場の方が総面積は広く、どちらも絵が飛び出て迫りくるようです。



青天の霹靂じゃー!いえ、真田丸のセリフじゃなくてお米の銘柄です。



遠方には彼らを見下ろす岩木山。



観覧場からさらに上の天守閣展望台もあります。
でも、この観覧場から見た時が完璧になるような遠近法で作ってあるとのことなので、上には上りませんでした。



○ 青天の霹靂入り

ここでもノマドワーク撮影会。
こんな感じで。こんなリアルノマドはきっといない・・・(笑)。



満足して下に降り、またもや稲のところに近づいてみました。
興味があるのは、鳴り物入り特Aクラスの「青天の霹靂」です。
おお、君たちがおいしいお米なんだね。



○ 黒石つゆ焼きそば

会場向かいには、特設屋台コーナー。
黒石つゆ焼きそばを頼み、出来上がるまでそばの足湯につかっていました。



つゆ焼きそばは、視覚的にも味覚的にも、さほどカルチャーショックを感じませんでした。
まあ黒石のそばで食べられたので、地元グルメを食べたとしましょう。



ここでもカランカランアイスが売っていましたが、少し肌寒く、食べる気分ではありません。
なにより、やっぱりカランカランなんだなあと思います。
弘前はカランカランの町なのかも。まだ調査は続きますよ。

○ さびしいノマド

畑が広がる駅前。岩手山が良く見えます。
ここでもノマドワーク撮影会をしたら、ぼっち度半端ない写真ができました。
見てるだけでさびしくなるー。



○ うっかり黒石へ

やってきた電車に乗ったと思ったら、終点のアナウンス。
帰りは弘前まで早いなと思ったら、そこは黒石でした。
単線で、黒石行きに乗ってしまったのです。
車掌さんに申告して、切符を変えてもらいました。
車体には、行先は書いていなません。これはビギナーには難しいわー。



まあ、急ぐ旅でもないので、予定外に来た黒石駅を見学。
レトロな構内です。



切符切りの人が、私たちが改札を出るのをさりげなく待っていてくれたようですが、運転士さんが事情を説明したらしく、少しするといなくなっていました。
すると周りに人けがなくなります。乗客はあまりいないのかしら。



○ ほのかな懐かしさ

「あの電車に乗って」と言われた車両に乗ります。
車内を見まわして、なにか感じます。
なんだろう、このデジャ・ビュ感・・・。
どこか懐かしいような・・・。

そこで、黙って車両内を探し出しました。
見つけたー!



嬉しさのあまり、ヒヤマさんに説明します。
「この電車、前は東急線だったんですよ!」
「なるほど、ここは第二の人生なんですね」
「そう、前に南海高野線でも東急の車両を見つけました!」
昭和39年のもの。どうりでレトロなはずです。
改めて見回すと、北国で長年頑張っているいとしさがこみあげてきました。

ヒヤマさんも同じらしく「鉄っちゃんじゃないんだけど、なんか撮りたくなってきたー」と、車内撮影会になりました。



東京から遠く離れた雪国で、これからも人々の足になっていってねー。



しばらく撮影会をしても、まだほかに人が乗ってきません。
「今がチャンス!」
またもやIT撮影会をし、またもやぼっち感満載の写真ができあがります。



じきに人がわらわらと乗り込んできたので、そこで謎の撮影会はおしまい。
後になって考えるに、出発の少し前まで、改札が閉じていたようです。
乗客はそこが開くのを待っていたのでしょう。

ただ私たちは、そのまま車両にいたので、その間貸し切り状態でいられたというわけです。

近くに女子高があるらしく、女子高生がたくさん乗り込んできました。
でもにぎやかにはならず、みんな静かにスマホを見ていました。
これは日本どこでも変わらない光景です。外にはきれいな岩木山が見えているんですけれどね。

その2に続きます。



最新の画像もっと見る

post a comment