その2からの続きです。
○ 大正浪漫喫茶室とスタバ
お寺の立ち並ぶ新寺町から、お城の方へと向かいました。
駅に向かう道にあり、よくよく目にする、藤田記念庭園の大正浪漫喫茶室。この日もすてき。
その角を曲がってすぐのところにある、美しいと評判のスタバをチェック。
国登録有形文化財の建物を改装しており、確かにクラシカルな外観です。
こんな場所からコーヒーの香りがしてきたら、たまらず入っちゃいますね。
あれ、でもこの建物、今見たばかりの大正浪漫喫茶室に似ていませんか?
あれれ、誰もそう思わないのかしら。
場所も近いし、私だったら間違えますよ!(なぜ自信たっぷりなのか)
落ち着けるゆったりとした店内でした。
○ ねぷたと為信公
次に市立観光館を訪れました。
中には立派な山車が飾られています。立体的なねぷた。
弘前ねぷたといったら平面扇形のものだと思っていましたが、青森ねぶたのように人型をしたものもあるんですね。
後ろに周ってみました。表は勇ましい武者絵で、後ろ側には必ず美女が描かれているんです。
なぜでしょう。みんなが喜ぶから?
おや、あなたは先ほど文化センター前で会った為信さんではありませんか。
こちらはレプリカでしょうか。先ほどのような高い台に乗っていないので、目線が近くてやっぱりひるみました。
為信像の隣にはねぷたがありますが、扇形をしているのは、津軽為信の幼名が扇丸だったためと言われているそうです。
なーんだ、彼も地元の人たちに愛されてるじゃないですか!
ちょっとほっとしました。扇丸ってかわいい名前ですね。
大阪に帰ったヒヤマさんとやりとり。
さっそくアニメ『ふらいんぐうぃっち』を見ているそうです。
行動が早ーい。
事務所経由で、かだれ横丁へ向かいました。
○ 最強毛豆決定戦
「いよいよ本番ですね」と連絡をくれたヒヤマさん。
そう、これから「最強毛豆決定戦」が行われるのです。
代表と担当さんに声をかけてもらい、二つ返事で参加表明しました。
一体どんなイベントなんでしょう。ワクワクします。
yumさんと、この日からの新メンバーも来るそうですが、私が一番乗りしました。
担当さんに「自由席なので、一緒に座るなら二人の分も取っておいてください」と言われ、二つの空席の間に陣取ります。
じきにyumさんが登場。
この日はレストラン山崎でランチをして、奇跡のりんごのスープを味わったそう。
それはおいしそうだわ~。
「単品ではなくコースになっていて、3000円くらい。ちょっとお高めランチでした」
私が食べた三忠食堂の津軽そばは、600円弱。5分の1・・・。
次第に会場内の人が増えてきました。
前日に青森空港でお別れした、コバヤシさんと元CAさんたちの姿を見かけます。
「わあ、再会できましたね」
あれから七戸に宿泊して、予定通り弘前にきたそうです。
テーブル向かいには、真面目そうな表情のスーツ姿の男性3人。
友達というには年齢がそれぞれ離れています。
毛豆業界の方かな?と思ったら「直接ではないけれど、いくつかの農園に肥料をおろしています」とのこと。
お得意様の勝負の行方が気になって、毎年参加しているそうです。
テーブルの上には、番号付けされた毛豆がありました。どれも弘前近郊の農園で採れたものばかり。
どうやら参加者の私たちが審査員になって食べ比べをし、自分の舌で美味しい毛豆を選ぶようです。
隣のテーブルは、弘前大学の学生さんたち。
陸上部のパーカーを着ており(毛豆サークルじゃないんだ)と思いながら話を聞きました。
園芸農学科の3,4年生で、去年も参加しているとのこと。
「毛豆は好きだし、卒論のヒントになるかと思って」
参加費4000円は、学生には結構大きな金額でしょうけれど、それでも10人以上はいました。
時間になり、いよいよ会が始まりました。
毛豆のかぶりものをした司会者が口火を切ります。
客席にいたりんご飴マンと並ぶと、かなりしっくりきていました。
毛豆は枝豆よりも遅めのちょうど今の時期、9月終盤が収穫期だそう。
栗のようなホクホクの味がたまりません。
なぜ今まで、こんなおいしい食べ物を知らなかったのかしら。
「それは、ほとんど県外不出だったからです」
なんと!青森人のひみつだったのね。
78人の参加者全員で毛豆クエスチョンを行いました。
勝ち抜いた人の商品は、当然毛豆!
結構難問で、歯が立ちませんでした。毛豆~。
○ 新入りさんの災難
クエスチョンが終わり、毛豆選手権が始まりました。
まずは予選から。みんな神妙な顔をして投票し、決勝に進む候補豆が選ばれました。
ただ予選が終わっても、まだ今日からの新入りさんがやってきません。
事務所で仕事をしているそうですが、そろそろ来ないと本選が始まってしまいます。
迎えに行こうかと思って、受付の担当さんのところに行くと、彼女は
「新入りさんは来ません」と言いました。
「え?」
「いえ、さっきここまで来たんですが、血だらけだったんです」
「はい?」
「来る途中で頭から転んで全身打撲したとかで」
「えーっ?」
事務局からこのかだれ横丁まで一本道で200m、徒歩3分の道のり。
全く大変な行程ではありません。
そのどこで、そんな怪我をする要素があるんでしょうか?
「手足を出血して、歯も折れたかもしれないとのこと。"とても参加する気分じゃないので今日は不参加で"とのことです」
「じゃあ今、ハウスにいるんですか?」
「そう。私も受付だし、代表も会長として壇上挨拶をするから、動けなくて」
なんてこと!
驚きのあまり、ムンクの叫び顔になりましたが、すぐに決勝戦となるので、さしあたり席に戻りました。
yumさんに伝えると、彼女もやっぱりムンクシャウト顔に。
でも、会場ではいよいよ今年最高の毛豆が決まる、真剣な時が始まろうとしています。
ひとまずこちらに集中することにしました。
○ いよいよ決勝戦
毛豆研究会会長でもあるコンシスの代表がスピーチをしました。
代表、いろんな顔を持っているのね。
予選勝ちした毛豆を試食する参加者たち。
テーブルの後ろで順番を待っていましたが、みんな真剣に吟味しているためか、なかなか回ってきません。
これではらちが明かないと、こちらから混ざって行きました。
毛豆は無くなるとすぐに補充され、いくらでも試食できます。毛豆天国です。
自分の舌を信じて投票。すぐに開票され、結果が発表されます。
会場の誰もが緊張するひととき。
○ 結果発表!
1位から3位が選ばれ、栄えあるグランプリには、yumさんと私が票を入れた57番の毛豆が選ばれました!
グランプリ 長内農園
1位 クローバー農園
2位 プレミアムじゃが太郎
3位 JIJI農園
2位と3位に選ばれた人たちは師弟関係にあるそうで、互いの健闘をたたえ合っていました。
会長から表彰されるグランプリの長内農園さん
会場から祝福を受ける受賞者の方々
おめでとうございまーす!おいしい毛豆を作ってくれて、ありがとう!
最高の味を選べて、我ながらなかなかの味覚があるんだなあと自画自賛。
よかったわ~。
○ ほおずきは食べるもの
それからはやんややんやと宴会タイム。
見たことがある料理もあります。先日もかだれ横丁で食事をしていますからね。
1位のクローバー農園さんが、客席を周ってひとりひとりにほおずきを手渡してくれました。
わあ、ほおずき、かわいいな。
手のひらの上に載せて眺めていると、向かいの肥料会社の上司らしき人が
「飾りじゃなくて食べるんだよ」と言いました。
「えっ、食べるんですか?」
「そう、食べるの」
ほおずきを食べるって、考えたこともありませんでした。
中の種をのぞいて、フーッと息を入れて風船のようにふくらませて遊んだことはありますが、これって食べ物だったの?
驚いて躊躇しているのは私だけで、みんな嬉々として口に運んでいます。
内心の葛藤をおさえて、初めて食べてみたほおずき。
おいしいのか、半信半疑でしたが、おいしかったです。ハイ。
帰りのお土産ももちろん毛豆。いくらでも食べられちゃう。
○ りんご飴マン
弘前滞在を始めたころから「必ず会うよ」と言われていたりんご飴マン。
会場内で、すごく目立っていますが、思ったよりも人に囲まれていません。
もう弘前市民にはおなじみの存在なのでしょう。
彼はハウスの名目上の管理人だと聞いていたので、yumさんとご挨拶に行きました。
「ああ、今あそこで暮らしているんですね」
もともと彼は、高円寺からこちらに移住してきた人。
「三茶からです」「横浜からです」と言うと、「なつかしい地名!」と盛り上がりました。
3人で記念撮影を撮ることに。それまでは両手を前に合わせて実直かつ丁寧に話をしてくれていた彼が、カメラを向けられると突然シャウト顔になったので、二度見した私たち。
これが設定キャラなんでしょう。私たちもそれに乗ったので、ゾンビ調の仕上がりになりました。
近くで見ると、ますます赤いです。実に赤い。
「でもこのかぶりものは、じつはリンゴじゃない」と教えられました。
実はカニ。脚は取ったそうですが、目はまだそのままついていました。
なんてシュール!そして安上がり!
○ 黒 meets 白
なおも彼との会話を続けようとしたら、yumさんが突然「アーッ!」と声を上げました。
勢いよく指をさす方に視線をやると、そこには一人の女性が。
たくさん毛豆が詰まった袋を持っていたので(毛豆がほしいのかな。あれだけ食べたのに)と思ったら、指さしていたのはそれではありませんでした。
「ファッキンキャット!」
見ると、その女性の手には白いスマホが。
たしかに、ネコのカバーです。
yumさんのと並べてみると、きれいに色違い。
こんな偶然って、あるんですね~。
女性の方も「うわ、おどろいた」とびっくりしています。
二人とも唖然として固まっているので「じゃあ写真、撮りますね」と動きました。
この驚きの瞬間を、切り取らなくては。
ん?女性、何やら指を作り始めました。
これはアカンやつではないですかー!
でも、わざわざポージングしてくれているので、撮っておきましたよー。
そんなこんなで、一瞬りんご飴マンのことを忘れていたら、彼は静かにその場を去っていました。
とても目立つのに、場の空気を読める人でした。
○ 新入りを追う
宴会もお開きになり、みんなめいめい二次会の場所に移動し始めましたが、この日はそもそも新入りさんの歓迎会。
その主役がこの場におらず、しかもひどいケガをしているということなので、yumさんと私は、急いでハウスに戻ることにしました。
弘前に来たばかりで大変な目に遭い、食事どころではなかったかもしれないと思い、毛豆をたくさんもらって帰ります。
大阪のヒヤマさんから「毛豆決定戦、どうでしたか?」とメッセージが届きましたが、この夜の怒涛の展開は、そう簡単には説明できません。
これまでは一緒の滞在でツーカーだったので、もどかしーい。
○ 満身創痍のニューカマー
「歓迎会だし、お酒もいるよね」「でも怪我してるなら飲まない方がいいのかな」
悩みながらも、念のためにと急いでお酒を買ってハウスに帰宅。
新入りの彼がいました。ヌマさんというプロのイラストレーター。
想像通り、不幸を背負った顔をしています。
徹夜して仕事を済ませてフラフラ歩いていたら、うす暗い道で何かにつまづいて転び、顔から強打してしまったそう。
顔や手足の出血は収まっていましたが、歯も欠けてしまったそうです。大変!
二つ折りのケータイも、見事に二つに分解されていました。
あらら・・・。
でも、話を聞いているところにその電話が鳴り、普通に会話できたので、通じてはいることが判明。
不幸中の幸いです。
しかし初日からこれって、メンバーの誰よりもすごい伝説を作った人ですね。
案の定、食事どころではなかったとのこと。
お土産の毛豆とむいたリンゴを、喜んで食べていました。
○ 掛布団消滅事件
ひとしきり話をした後で、そろそろ寝支度をしようと2Fに上がったら、なんと私の使っていた布団がなくなっていました。
え、どうして?
隣の部屋には、二式あったものが一式のみ残っていました。
どうやら業者の人が、去ったメンバーの使用布団を回収していったようです。
私たちが一部屋ずつ使っていると思い、各部屋から一式ずつ使用布団を持ち去ったようですが、yumさんと私はまだ一緒の部屋に寝ているので、布団がひとつなくなってびっくり。
隣の部屋の布団を引っ張ってきましたが、掛け布団がありません。
なぜかというと、昨晩雨が降って寒かったので、私が隣部屋から掛布団を持ってきて、一枚多めにかけて寝たからなんです。
それごと回収されちゃうなんて~。
ヌマさんの1F部屋にも、彼の分の布団しかありません。
「布団一式を巻いていたシーツなら余ってます」と言われ、無いよりはましだと、それをもらいました。涙・・・。
ヒーターが入るのは1Fのみ。2Fはフローリングで寒いのです。
1Fに寝ることも考えましたが、使い慣れないヒーターを一晩つけっぱなしにするのは、換気面でちょっと不安。
ということで2Fへ。寒いよ~。yumさん、温めて~。
そんなことを言って、彼女がドン引きして隣の部屋へ行ったらもっと寒くなってしまうので、おとなしくシーツ1枚に丸まって寝るしかなさそう。
自分の上着などをかけて、少し布を増やしました。
新入りさん大ケガ事件で相当ビックリしましたが、こんなトラップもあったなんて…!
でもシャワーで身体をポカポカに温めてからすぐ寝たので、すぐに寝入ることができました。
8日目に続きます。
○ 大正浪漫喫茶室とスタバ
お寺の立ち並ぶ新寺町から、お城の方へと向かいました。
駅に向かう道にあり、よくよく目にする、藤田記念庭園の大正浪漫喫茶室。この日もすてき。
その角を曲がってすぐのところにある、美しいと評判のスタバをチェック。
国登録有形文化財の建物を改装しており、確かにクラシカルな外観です。
こんな場所からコーヒーの香りがしてきたら、たまらず入っちゃいますね。
あれ、でもこの建物、今見たばかりの大正浪漫喫茶室に似ていませんか?
あれれ、誰もそう思わないのかしら。
場所も近いし、私だったら間違えますよ!(なぜ自信たっぷりなのか)
落ち着けるゆったりとした店内でした。
○ ねぷたと為信公
次に市立観光館を訪れました。
中には立派な山車が飾られています。立体的なねぷた。
弘前ねぷたといったら平面扇形のものだと思っていましたが、青森ねぶたのように人型をしたものもあるんですね。
後ろに周ってみました。表は勇ましい武者絵で、後ろ側には必ず美女が描かれているんです。
なぜでしょう。みんなが喜ぶから?
おや、あなたは先ほど文化センター前で会った為信さんではありませんか。
こちらはレプリカでしょうか。先ほどのような高い台に乗っていないので、目線が近くてやっぱりひるみました。
為信像の隣にはねぷたがありますが、扇形をしているのは、津軽為信の幼名が扇丸だったためと言われているそうです。
なーんだ、彼も地元の人たちに愛されてるじゃないですか!
ちょっとほっとしました。扇丸ってかわいい名前ですね。
大阪に帰ったヒヤマさんとやりとり。
さっそくアニメ『ふらいんぐうぃっち』を見ているそうです。
行動が早ーい。
事務所経由で、かだれ横丁へ向かいました。
○ 最強毛豆決定戦
「いよいよ本番ですね」と連絡をくれたヒヤマさん。
そう、これから「最強毛豆決定戦」が行われるのです。
代表と担当さんに声をかけてもらい、二つ返事で参加表明しました。
一体どんなイベントなんでしょう。ワクワクします。
yumさんと、この日からの新メンバーも来るそうですが、私が一番乗りしました。
担当さんに「自由席なので、一緒に座るなら二人の分も取っておいてください」と言われ、二つの空席の間に陣取ります。
じきにyumさんが登場。
この日はレストラン山崎でランチをして、奇跡のりんごのスープを味わったそう。
それはおいしそうだわ~。
「単品ではなくコースになっていて、3000円くらい。ちょっとお高めランチでした」
私が食べた三忠食堂の津軽そばは、600円弱。5分の1・・・。
次第に会場内の人が増えてきました。
前日に青森空港でお別れした、コバヤシさんと元CAさんたちの姿を見かけます。
「わあ、再会できましたね」
あれから七戸に宿泊して、予定通り弘前にきたそうです。
テーブル向かいには、真面目そうな表情のスーツ姿の男性3人。
友達というには年齢がそれぞれ離れています。
毛豆業界の方かな?と思ったら「直接ではないけれど、いくつかの農園に肥料をおろしています」とのこと。
お得意様の勝負の行方が気になって、毎年参加しているそうです。
テーブルの上には、番号付けされた毛豆がありました。どれも弘前近郊の農園で採れたものばかり。
どうやら参加者の私たちが審査員になって食べ比べをし、自分の舌で美味しい毛豆を選ぶようです。
隣のテーブルは、弘前大学の学生さんたち。
陸上部のパーカーを着ており(毛豆サークルじゃないんだ)と思いながら話を聞きました。
園芸農学科の3,4年生で、去年も参加しているとのこと。
「毛豆は好きだし、卒論のヒントになるかと思って」
参加費4000円は、学生には結構大きな金額でしょうけれど、それでも10人以上はいました。
時間になり、いよいよ会が始まりました。
毛豆のかぶりものをした司会者が口火を切ります。
客席にいたりんご飴マンと並ぶと、かなりしっくりきていました。
毛豆は枝豆よりも遅めのちょうど今の時期、9月終盤が収穫期だそう。
栗のようなホクホクの味がたまりません。
なぜ今まで、こんなおいしい食べ物を知らなかったのかしら。
「それは、ほとんど県外不出だったからです」
なんと!青森人のひみつだったのね。
78人の参加者全員で毛豆クエスチョンを行いました。
勝ち抜いた人の商品は、当然毛豆!
結構難問で、歯が立ちませんでした。毛豆~。
○ 新入りさんの災難
クエスチョンが終わり、毛豆選手権が始まりました。
まずは予選から。みんな神妙な顔をして投票し、決勝に進む候補豆が選ばれました。
ただ予選が終わっても、まだ今日からの新入りさんがやってきません。
事務所で仕事をしているそうですが、そろそろ来ないと本選が始まってしまいます。
迎えに行こうかと思って、受付の担当さんのところに行くと、彼女は
「新入りさんは来ません」と言いました。
「え?」
「いえ、さっきここまで来たんですが、血だらけだったんです」
「はい?」
「来る途中で頭から転んで全身打撲したとかで」
「えーっ?」
事務局からこのかだれ横丁まで一本道で200m、徒歩3分の道のり。
全く大変な行程ではありません。
そのどこで、そんな怪我をする要素があるんでしょうか?
「手足を出血して、歯も折れたかもしれないとのこと。"とても参加する気分じゃないので今日は不参加で"とのことです」
「じゃあ今、ハウスにいるんですか?」
「そう。私も受付だし、代表も会長として壇上挨拶をするから、動けなくて」
なんてこと!
驚きのあまり、ムンクの叫び顔になりましたが、すぐに決勝戦となるので、さしあたり席に戻りました。
yumさんに伝えると、彼女もやっぱりムンクシャウト顔に。
でも、会場ではいよいよ今年最高の毛豆が決まる、真剣な時が始まろうとしています。
ひとまずこちらに集中することにしました。
○ いよいよ決勝戦
毛豆研究会会長でもあるコンシスの代表がスピーチをしました。
代表、いろんな顔を持っているのね。
予選勝ちした毛豆を試食する参加者たち。
テーブルの後ろで順番を待っていましたが、みんな真剣に吟味しているためか、なかなか回ってきません。
これではらちが明かないと、こちらから混ざって行きました。
毛豆は無くなるとすぐに補充され、いくらでも試食できます。毛豆天国です。
自分の舌を信じて投票。すぐに開票され、結果が発表されます。
会場の誰もが緊張するひととき。
○ 結果発表!
1位から3位が選ばれ、栄えあるグランプリには、yumさんと私が票を入れた57番の毛豆が選ばれました!
グランプリ 長内農園
1位 クローバー農園
2位 プレミアムじゃが太郎
3位 JIJI農園
2位と3位に選ばれた人たちは師弟関係にあるそうで、互いの健闘をたたえ合っていました。
会長から表彰されるグランプリの長内農園さん
会場から祝福を受ける受賞者の方々
おめでとうございまーす!おいしい毛豆を作ってくれて、ありがとう!
最高の味を選べて、我ながらなかなかの味覚があるんだなあと自画自賛。
よかったわ~。
○ ほおずきは食べるもの
それからはやんややんやと宴会タイム。
見たことがある料理もあります。先日もかだれ横丁で食事をしていますからね。
1位のクローバー農園さんが、客席を周ってひとりひとりにほおずきを手渡してくれました。
わあ、ほおずき、かわいいな。
手のひらの上に載せて眺めていると、向かいの肥料会社の上司らしき人が
「飾りじゃなくて食べるんだよ」と言いました。
「えっ、食べるんですか?」
「そう、食べるの」
ほおずきを食べるって、考えたこともありませんでした。
中の種をのぞいて、フーッと息を入れて風船のようにふくらませて遊んだことはありますが、これって食べ物だったの?
驚いて躊躇しているのは私だけで、みんな嬉々として口に運んでいます。
内心の葛藤をおさえて、初めて食べてみたほおずき。
おいしいのか、半信半疑でしたが、おいしかったです。ハイ。
帰りのお土産ももちろん毛豆。いくらでも食べられちゃう。
○ りんご飴マン
弘前滞在を始めたころから「必ず会うよ」と言われていたりんご飴マン。
会場内で、すごく目立っていますが、思ったよりも人に囲まれていません。
もう弘前市民にはおなじみの存在なのでしょう。
彼はハウスの名目上の管理人だと聞いていたので、yumさんとご挨拶に行きました。
「ああ、今あそこで暮らしているんですね」
もともと彼は、高円寺からこちらに移住してきた人。
「三茶からです」「横浜からです」と言うと、「なつかしい地名!」と盛り上がりました。
3人で記念撮影を撮ることに。それまでは両手を前に合わせて実直かつ丁寧に話をしてくれていた彼が、カメラを向けられると突然シャウト顔になったので、二度見した私たち。
これが設定キャラなんでしょう。私たちもそれに乗ったので、ゾンビ調の仕上がりになりました。
近くで見ると、ますます赤いです。実に赤い。
「でもこのかぶりものは、じつはリンゴじゃない」と教えられました。
実はカニ。脚は取ったそうですが、目はまだそのままついていました。
なんてシュール!そして安上がり!
○ 黒 meets 白
なおも彼との会話を続けようとしたら、yumさんが突然「アーッ!」と声を上げました。
勢いよく指をさす方に視線をやると、そこには一人の女性が。
たくさん毛豆が詰まった袋を持っていたので(毛豆がほしいのかな。あれだけ食べたのに)と思ったら、指さしていたのはそれではありませんでした。
「ファッキンキャット!」
見ると、その女性の手には白いスマホが。
たしかに、ネコのカバーです。
yumさんのと並べてみると、きれいに色違い。
こんな偶然って、あるんですね~。
女性の方も「うわ、おどろいた」とびっくりしています。
二人とも唖然として固まっているので「じゃあ写真、撮りますね」と動きました。
この驚きの瞬間を、切り取らなくては。
ん?女性、何やら指を作り始めました。
これはアカンやつではないですかー!
でも、わざわざポージングしてくれているので、撮っておきましたよー。
そんなこんなで、一瞬りんご飴マンのことを忘れていたら、彼は静かにその場を去っていました。
とても目立つのに、場の空気を読める人でした。
○ 新入りを追う
宴会もお開きになり、みんなめいめい二次会の場所に移動し始めましたが、この日はそもそも新入りさんの歓迎会。
その主役がこの場におらず、しかもひどいケガをしているということなので、yumさんと私は、急いでハウスに戻ることにしました。
弘前に来たばかりで大変な目に遭い、食事どころではなかったかもしれないと思い、毛豆をたくさんもらって帰ります。
大阪のヒヤマさんから「毛豆決定戦、どうでしたか?」とメッセージが届きましたが、この夜の怒涛の展開は、そう簡単には説明できません。
これまでは一緒の滞在でツーカーだったので、もどかしーい。
○ 満身創痍のニューカマー
「歓迎会だし、お酒もいるよね」「でも怪我してるなら飲まない方がいいのかな」
悩みながらも、念のためにと急いでお酒を買ってハウスに帰宅。
新入りの彼がいました。ヌマさんというプロのイラストレーター。
想像通り、不幸を背負った顔をしています。
徹夜して仕事を済ませてフラフラ歩いていたら、うす暗い道で何かにつまづいて転び、顔から強打してしまったそう。
顔や手足の出血は収まっていましたが、歯も欠けてしまったそうです。大変!
二つ折りのケータイも、見事に二つに分解されていました。
あらら・・・。
でも、話を聞いているところにその電話が鳴り、普通に会話できたので、通じてはいることが判明。
不幸中の幸いです。
しかし初日からこれって、メンバーの誰よりもすごい伝説を作った人ですね。
案の定、食事どころではなかったとのこと。
お土産の毛豆とむいたリンゴを、喜んで食べていました。
○ 掛布団消滅事件
ひとしきり話をした後で、そろそろ寝支度をしようと2Fに上がったら、なんと私の使っていた布団がなくなっていました。
え、どうして?
隣の部屋には、二式あったものが一式のみ残っていました。
どうやら業者の人が、去ったメンバーの使用布団を回収していったようです。
私たちが一部屋ずつ使っていると思い、各部屋から一式ずつ使用布団を持ち去ったようですが、yumさんと私はまだ一緒の部屋に寝ているので、布団がひとつなくなってびっくり。
隣の部屋の布団を引っ張ってきましたが、掛け布団がありません。
なぜかというと、昨晩雨が降って寒かったので、私が隣部屋から掛布団を持ってきて、一枚多めにかけて寝たからなんです。
それごと回収されちゃうなんて~。
ヌマさんの1F部屋にも、彼の分の布団しかありません。
「布団一式を巻いていたシーツなら余ってます」と言われ、無いよりはましだと、それをもらいました。涙・・・。
ヒーターが入るのは1Fのみ。2Fはフローリングで寒いのです。
1Fに寝ることも考えましたが、使い慣れないヒーターを一晩つけっぱなしにするのは、換気面でちょっと不安。
ということで2Fへ。寒いよ~。yumさん、温めて~。
そんなことを言って、彼女がドン引きして隣の部屋へ行ったらもっと寒くなってしまうので、おとなしくシーツ1枚に丸まって寝るしかなさそう。
自分の上着などをかけて、少し布を増やしました。
新入りさん大ケガ事件で相当ビックリしましたが、こんなトラップもあったなんて…!
でもシャワーで身体をポカポカに温めてからすぐ寝たので、すぐに寝入ることができました。
8日目に続きます。
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