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風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

ルーツサーチと里帰り、はるかなる黄金山へ(平泉) 1-2

2017-04-20 | 東北
その1からの続きです。

● 平泉中尊寺へ

一関は平泉の近く。ということで、中尊寺に連れて行ってもらいました。
平日なのに駐車場はいっぱいで、ようやくあいている場所を見つけて滑り込みました。
世界遺産効果?



表参道入り口にある月見坂が結構きつくて長くて息が切れて、登山している気分。
「俺、革靴で底がつるつるなんだよね」とかっちゃん。
スーツに合ったピカピカの靴が、ちょっと土ぼこりを受けていました。



伊達藩が植えた杉並木の参道を、さらにぐぐっと登っていくと、木立の合間から見晴らしの良い景色が望めます。
標高130mまで上ってきたのです。天気がいい日で、遠くの山の方まで見渡せました。

● 最澄のともしび

奥州藤原氏初代の清衡が造営した中尊寺。
ここは天台宗の東北大本山で、比叡山延暦寺の「不滅の法灯」が分火されているそうです。
最澄が1200年前に灯した火が、この本堂にもあるんですね。



普段は秘仏のご本尊、丈六釈迦如来坐像が、世界文化遺産登録五周年・東日本大震災復興祈願として、ちょうど御開帳中でした。 
新しいなと思ったら、700年近く本尊がないままで、数年前に新本尊の開眼法要が行われたそうです。



参拝ルートを辿っていたら、途中にスズメバチの巣があるらしく、大回りして迂回路を通りました。
世界遺産も、ハチには勝てないようです。



● 境内散策

ここには、境内のお堂の数がたくさんあります。
何度か訪れたことがありますが、いつも数えきれません。
目の病気が治るとされる峯薬師堂。
ここの目のお守りを、父に渡したことがありました。



手前にある池には、天然記念物のモリアオガエルが生息しているそうです。



うっそうとした杉木立に護られるようにして姿を現す、国宝の金色堂。
中はきらきらとまばゆい極楽浄土の世界です。



塔頭の大長寿院の山門。
趣があります。



金色堂の向かいにある、茅葺屋根の弁財天堂。



雰囲気のいいお堂が並びます。
阿弥陀如来と歓喜天がご本尊の阿弥陀堂。



● 山の中の弁慶

弁慶堂は、地蔵菩薩を祀る愛宕宮ですが、堂内に弁慶像があることから、弁慶堂と呼ばれています。
横には甲冑姿の義経像もいますが、なぎなたを手に立ちはだかっている大迫力の弁慶の方にばかり目が行ってしまいます。
だからやっぱり弁慶堂なんでしょうね。



こんな木の根が張っているので、足元に注意しながら歩かないとつまづいてしまいます。
革靴のかっちゃんが根っこ道を歩くのは大変そう。
牛若丸が修行をしたという京都の鞍馬山の根っ子道を思い出しました。



弁慶堂のそばには、弁慶の顔はめパネルがありました。
山道で、こんな人に会いたくないわ~。
かっちゃんをモデルにしたら、目力が強くて弁慶にぴったり。様になりすぎました!



● 古戦場レストラン

参拝を終えて、再び車で走り出します。
途中「ファミリーレストラン 古戦場」という看板を見かけて「!!!」と思いました。
少し前に川中島を訪れてきたところ。
古城レストランならロマンチックですが、古戦場レストランって、どんなテンションで食事をすればいいの?
しかも、なんとお風呂付ファミリーレストランなんだそうです。
気になる~!

そういえば中尊寺駐車場前レストランには「ずんだコロッケあります」と書いてありました。
「なんかすごい名前だねー」と笑って通り過ぎましたが、食べてみるんだったなあ。
といっても先ほどのお餅御膳がまだずっしりとおなかの中に残っており、まだ全然おなかは空いていません。。

● げいびけいとげんびけい

この辺りには「げいびけい(猊鼻渓)」と「げんびけい(厳美渓)」というややこしい2つの渓谷名所があります。
一関から見て東が猊鼻渓、西が厳美渓だそうです。
2人とも初めてなので、違いが判らず、とりあえず猊鼻渓に行ってみることにしました。



かなり郊外に入っていきます。
「すごい、こんな何もない田舎があるんだなあ」と驚くかっちゃん。
多賀城の人が見ても、確かに驚くでしょうね。

● 猊鼻渓に来たものの

ナビに案内されて、猊鼻渓に到着。
何の前知識もなく来てしまった私たち。
さーて、美しい景色はどこかな~?と思ったら、ここから小舟に乗り換えて船上遊覧する場所だとわかりました。
船旅の所要時間は1時間半。時間が足らないため、乗り場まできておきながら、今回はやめておくことにしました。



でもせっかく来たし、駐車場に車を停めたので、辺りをちょっと散策して、休憩することにします。
川のほとりに「第3回全国川下りサミット記念」の碑があり、川下りを行っている年の名前が羅列されていました。





名を連ねているところで川下りをしたことがあるのは、京都の亀岡、和歌山の熊野川や高知県の中村市、徳島の山城町、福岡県柳川市など。
どれもよかったわあ。ここも乗りたかったなあ。
いつか、古戦場と込みで!



● 猊鼻渓のマンホール

ここのマンホール、かわいい!!



川沿いには、どなたかの胸像。
猊鼻渓というここの名前のもととなった佐藤猊巌(げいがん)という人でした。



そのすぐ隣には手形プレート。これだけ近いと、猊巌さんのものだと思いますよね。
ブブー、違います。きんさん・ぎんさんの手形プレートでした。
お誕生日にここを訪れていたんですねー。
なぜわかるかというと、私も同じバースデーだからです!



● 古巣の多賀城へ

それから車を飛ばして県境を越え、一路宮城の多賀城へ。
一関と仙台は、新幹線でも30分はかかるように、近いようで結構距離があり、車だと2時間近くかかります。
その間、なんども眠くなって、意識を失いました。

とうとう、かつて暮らしたことがある多賀城に着きました。
今回の旅の間お世話になる、友人さっちゃん宅へと向かいます。
かっちゃんもさっちゃんも中学つながりの友人で、同窓会以来となる2年ぶりの再会。
久しぶり~。

● 友人のお店

荷物を置いてから、かっちゃんと彼女の出勤についていきました。
近くの飲み屋街でママさんをやっている彼女。
友人がお水のママって、初めてだわ~。



さっちゃんの(本当の)ママから引き継いだというお店は、その名も「さっちゃん」。
昭和レトロたっぷりの店内が懐かしい感じ。
中学の時からおっとりのんびりしている彼女ですが、お店を一人で切り盛りしているというので、すごいなあと思います。
接客業の全てを一人でやるって、大変なことですよね。
はじめはにぎやかにお喋りしていましたが、その後お客さんがやってきたので、静かにしていました。



● 同業種交流

なにか料理の食材が足りなかったようで、どうするのかなと思ったら「ちょっと待ってて」とお店を出て、すぐに戻ってきました。
「買ってきたの?」
「ううん、隣の店から借りた」
そのお店のお客さんが「さっちゃんにも」とことづかったという、大量のネギをもらっていました。
同業者同士で助け合って、みんな仲がいいんですね~。江戸時代の長屋づきあいみたい。



お客さんが途切れた合間に、いろいろとおしゃべりします。
久しぶりなので、話題はたくさんあるのです。
けれど、日中めいっぱい移動した私は途中で眠くなり、奥の座敷を借りてひと眠り。

再び目を開けた時には、すでにかっちゃんの姿はありませんでした。帰ったのね~。
代わりに近所の病院で看護師をしているという常連さんの女性がおり、ねぼけまなこで挨拶をしました。
真夜中すぎにさっちゃんはお店を締め、常連さんと一緒に3人で隣の飲み屋へ移動。
リアル親子のママさんとチーママさんを紹介してもらって、ここでもごあいさつ。

一杯飲んでから、タクシーを呼んでもらって、3人で帰りました。
常連さんは、近くのコンビニで途中下車。
さっちゃん宅に着いた私たちは、シャワーを浴びてまったり。
さらにおしゃべりをしてから、遅めの就寝となりました。

2日目に続きます。


ルーツサーチと里帰り、はるかなる黄金山へ(一関) 1-1

2017-04-19 | 東北
● prologue

2か月前の夏休みに、青森市役所に行って祖父のルーツを探しました。→「みちのく津軽ひとり旅」
その時に、曽祖父(ひいおじいさん)が、岩手の一関から青森に引っ越していたことが判明。
ご先祖様は、岩手出身だったのかしら。別の親戚もいるのかしら。
その先の手がかりを知るため、今回は一関でルーツ探しをすることにしました。



● 早朝の仙台駅

早朝に降り立った仙台駅。
澄んだ青空が出迎えてくれました。さいさき良さそう。



伊達男、独眼竜!やはりカッコイイ!
竹に雀のモチーフは、伊達家の家紋です。知っている人はわかるんですよ~、ふふふ。



仙台にくると、むすび丸君の単管バリケードがあるんですね~。
よく見ると、カラーではないグレーの部分にも、むすび丸の顔が描かれています。



仙台に来るたびに、いつもほれぼれと見とれる、駅前タクシーの整然とした整列。
シンクロナイズドスイミングを連想する並び方は、この日も健在でした。



仙台の朝焼けを見ながら、このままのんびりしたい気持ちになりますが、まだ移動途中。
電車を乗り換えて、一関に移動します。

● 一関のマンホール

一関に降り立つのは、初めてかもしれません。
まずはマンホール。いいデザインですね。
厳美渓に浮かぶオシドリ夫婦でしょうか。オシドリは市の鳥だそうです。



ハデハデな運転席のトラックが停まっていましたよ。
夜桜お七ならぬ、夜桜銀次郎!
これは、トラックの名前でしょうか?
トラック夜桜銀次郎(機関車トーマス的に)?それとも持ち主の通り名?



● ひいひいおじいさん情報

開庁時間を待って、一関市役所へ。
ご先祖代々の土地に住む人は、一生で一つの市役所しか行かないのでしょう。
でも私は転勤族だったので、小さい頃から母に連れられていろいろな市役所、町役場に行っていました。
だから、自分の戸籍のない、アウェイの市役所でも大丈夫。



前回、青森市役所での依頼の仕方を思い出しながら、直系の証明となる何通もの戸籍を係員に見せて、調べてもらいました。
すると、この市役所には高祖父の戸籍がありました。
ひいひいおじいさん!あなたのやしゃごが戸籍を見に来ましたよ~。

ここでびっくりの事実が判明。
家督を継いだ、曽祖父の兄は、なんと、青森に戸籍を移していたのです。

その際に、自分の父親である高祖父のお墓も、一緒に青森に移したようなんです。
ほかの曽祖父の弟も、移住のタイミングは違いましたが、やっぱり青森に移っていました。
そしてそれより以前の戸籍は、もう存在していませんでした。

「えー・・・?」
事情を話し、一緒に調べてもらった窓口係員と、思わぬ記録内容に、絶句します。
「みんな青森に移っちゃったってことですか?もうここには、親戚は誰もいないということですか・・・」とため息をつく私。
「もともと青森のご出身だったのかもしれませんねえ」と係員。

● ここではなかった

この一関の地には、もう一族の名残は何一つ残っていないということになるのです。
かつて先祖たちが住んでいた辺りは、いまではならされて広大な畑になっており、もはや住んでいる人はいません。
一関まで来たのに、収穫なし…。
いえ、なかったわけではありません。「もう一関には消息は残っていない」ということがわかったわけですから。

うーん、次なるステップは、再び青森に赴いて、高祖父の墓を探すことでしょうか。
できるかなあ。ちょっと自信がなくなってきました。
短期間にすぐには探せない足取り。じっくりと追っていくしかなさそうです。

こんなにご先祖様の消息を追うのが大変だとは思いませんでした。
うちの一族、移動しすぎでしょう。
武家出身だと聞いていたし名前の世襲もしているのに、こんなに一族大移動をしているなんて、名家じゃないどころか、遊牧民みたい。
ああ、タイムマシンがあれば、そのわけがわかるのに。

とりあえずこれで今回の調査は一段落。
一族の末裔の存在を知るか、お墓参りができるかと思っていたのですが、何もできないのが残念です。
友人と会う約束をしているお昼それまでの間、することがなくなってしまいました。
辺りを散策するには、なかなか衝撃が大きくてシビれていたので、休憩室でおとなしく過ごしました。



休憩室の壁には、かまど神の木像がかかっていりました。
どことなくポリネシアン風で、こわいぃ~。
災難除けとか魔除けの神さまって、悪しきものに打ち克つために、見かけが悪の化身のようなこわさなんですよねー。

● 建部清庵

敷地内には、書物を片手にすくっと立つ男性像がありました。
江戸中期の建部清庵(たてべ せいあん)という一関藩医で、名医の誉れ高かったのだそう。
江戸の蘭方医学者の杉田玄白とも親交を結んでいた人だそう。

  一関に 過ぎたるものが 二つある 
            時の太鼓に 建部清庵

と謡わわれていたそう。
ちなみに時の太鼓というのは、当時京都御所・将軍家・御三家に限られていた時を告げる太鼓を、一関藩は幕府から特別の許可をもらって使っていたため、他国から羨ましがられ、郷里の自慢だったそう。
たった3万石の小さな藩に幕府の特別待遇があったのは、藩主田村健顕が坂上田村麻呂の後裔とされていたためと言われているそうです。



● 友人との再会

昼近くに、友人かっちゃんが車で迎えに来てくれました。
スーツ姿がやけに迫力のある彼。
見た目の気迫はすごいですが、とてもいい人なんです。

この日、ちょうど宮城県北部で仕事をしていたとのことで、その仕事を終えて、隣の県の一関まで来てくれました。
わざわざどうもありがとう~。
白いプリウスには、生まれ年のナンバーがついていました。

● 世嬉の一

お昼なので、ランチにしようと、蔵元・世嬉の一(せきのいち)に行きました。



ここは大正7年に創業した、東北最大級の造り酒屋。
今はクラフトビールいわて蔵ビールも造っているそう。
かつて精米蔵だった石蔵を改装したというホールがありました。



古めかしい建物が並ぶいい雰囲気の敷地内。
お酒の民族文化博物館があり、酒蔵見学も行っています。



元は蔵だったため、直売所も天井が高く開放感があります。



● 蔵元レストラン

窯場を改築したレストランは、すべて木で統一されたシックな店内でした。
名前は「せきのいち」。
あ、世嬉の一って、一関を逆にしていた名前なんですね。(ようやく気がついた)





席に座ると、まずお酒の仕込み水がでてきました。
日本酒の味を決めるお水の味を確かめます。
柔らかい口当たりでした。



一本芯が通っていて、とてもゴマをすりそうにない友人が、ゴリゴリとごまをすっている様子は、見ていてなんだか楽しいものがありました。
香ばしい香りが辺りに漂います。



● 餅文化の町

一関では餅料理が有名なんだそう。
なんと、300種類もの食べ方があるそうです。
ということで、一関もち御膳をチョイス。
搗き立てのお餅に、お雑煮のついたお膳がやってきました。



いくつもの味を楽しめる一口餅は、あんこ餅、ずんだ餅、ごま餅、きのこおろし餅の4種類。
どれもつやつやと、おいしそう。
中央にあるのは、箸休めの甘酢大根です。



お正月以外にお雑煮を食べるなんて、なんだか新鮮。
ハレの日の料理ですね。



どの味付けもおいしくて、きれいにいただきました。
食事を終えて、立ち上がろうとしたら、ずっしりと重くなっている身体。
よっこらせっと。さすがはお餅、おなかにたまるわ~。

その2に続きます。


みちのく津軽ひとり旅 index

2017-02-24 | 東北
[2016.8.11-16]

◆ 八戸 1-(1) ←旅行記へ
 お盆休みに、青森に向かいました。1日パスを使って青い森鉄道沿線を巡ります。
 三沢でミス・ビードル号を知り、浅虫で朝風呂に入り、野辺地で防雪林を見学。
 沿線の小さな駅に見慣れた目に、新幹線停車駅八戸の大きさが圧倒的でした。
  ● prologue ● お盆渋滞 ● 三沢はこけしとミス・ビードル号
  ● 青い森鉄道一日パス ● 日本最古の鉄道防雪林 ● 浅虫温泉の朝風呂
  ● 大きな八戸駅 ● 小さな目時駅 ● おんでやぁんせ
  ● 黒にんにくサミット ● 八戸三社大祭の人形山車 ● 八戸のマンホール



◆ 小川原湖 1-(2)
 野辺地で北前船貿易の名残を感じ、青森さんや東北町の名前にウキウキ。
 しじみすいとんの旨味にしびれて、小川原湖畔を散策します。
 浅虫の龍神をお参りし、きれいな夕陽を眺めて、一日が終わりました。
  ● 野辺地と京都と北前船 ● 青森の青森さん ● 東北の東北町
  ● 限定のしじみすいとん ● ゲートの上に立つ人形 ● 恵みの湖
  ● もうひとつの壺の碑 ● 白鳥のいない夏 ● 高橋竹山の顔はめパネル
  ● 御家中の松 ● しらないまち ● 加藤こうじ君
  ● ふたたび浅虫へ ● 急勾配の八大龍神宮 ● サンセットビーチあさむし
  ● 青森サンセット ● 小学生デザインのミニねぶた



◆ 八甲田 2-(1)
 2日目はまず市役所に行きました。曾祖父の戸籍謄本を得るためです。
 あっさりダメで、この日の予定がきれいに白紙に。
 そこで十和田湖に向かいました。湖までは緑の景色が続きます。
  ● アウェイな青森市役所へ ● 戸籍謄本申請ミッション ● いけてる?ポスター
  ● 急きょ十和田湖へ ● 萱野高原 ● 萱野茶屋
  ● いまだトラウマ ● 地獄沼と酸ヶ湯温泉 ● 蔦温泉と猪木 



◆ 奥入瀬 2-(2)
 十和田湖に行く途中の奥入瀬渓流でバスを降りました。
 緑に包まれた水辺の散策をはじめます。
 ここは本当に美しくすてきな場所。心身ともにリフレッシュできました。
  ● 雲井の滝で途中下車 ● 奥入瀬渓流散策 ● 生と死があること
  ● 自然の赦し ● 帰りにも雪中行軍話 ● 八甲田・八海山・八方尾根
  ● A-factoryと青森ベイブリッジ



◆ 十和田湖 3-(1)
 この日も十和田湖行きのバスに乗りました。
 蔦温泉で途中下車して、七沼巡り。
 朝の森林はすがすがしい空気に満ちていました。
  ● 十和田湖フリーきっぷ ● 茶屋の延命茶 ● ヘブンリーな地獄沼
  ● 蔦温泉の沼巡り ● 緑の蔦沼 ● 眠れる湖沼 ● 十和田市のマンホール



◆ 奥入瀬 3-(2)
 前日辿り着けなかった十和田湖に到着しました。きらきら輝く夏の湖。
 おごそかな雰囲気の十和田神社をお参りし、湖水が渓流に変わる地点へ。
 2日続けてこの日も奥入瀬渓流散策。森林浴をしながら水際を歩いていきました。
  ● 光り輝く十和田湖 ● 鮎焼きとじゃがバター ● おごそかな十和田神社
  ● 奥入瀬渓流の始まり ● 銚子大滝 ● 青森のメモリアルシップ ● 終着駅・青森 



◆ 恐山 4-(1)
 この日は旅の目的のひとつ、恐山へと一人で向かいました。
 本当はとてもこわくて腰が引けていますが、行く理由あってのこと。
 荒涼とした地獄めぐりをし、浄土ヶ浜で亡き人を悼みました。
  ● いよいよ恐山へ ● 津軽の横浜 ● 本州最北の駅
  ● 霊場行きのバス ● 恐山の冷水 ● 俗世と霊界との境界
  ● 菩提寺の門をくぐる ● 禅宗の板木の言葉 ● 霊場の中にスパ
  ● 死者を導くお地蔵さま ● 地獄めぐり ● かざぐるまが周る



◆ 恐山 4-(2)
 地獄巡りをすませた後は、気合を入れて霊場内の温泉に入りました。
 霊場アイスを食べて、精進落とし。
 下界に戻り、下北半島から青森経由で津軽半島まで、カーブを描いて行きました。
  ● 恐山霊場スパ ● もう一人の単身女性 ● 合掌...霊場アイス
  ● イタコはいない ● 恐山は畏れるところ ● 下界へのバス
  ● てっぺんの終着駅 ● 帰りの大湊線 ● 下北半島から津軽半島へ
  ● 蟹田のカニ駅長 ● 風の街 ● ワンミッションクリア



◆ 青森 5
 市役所を再訪し、前回もらえなかった曽祖父の戸籍謄本をとうとうゲット。
 その後、県病近くにある祖母のお墓参りをしました。
 途中に寄った公園で、チリンチリンアイスを堪能。ポケモンGOで大賑わいでした。
  ● ミッションリベンジ ● ご先祖様は同姓同名 ● ミッションクリア
  ● 古い住所は辿れない ● 下閉伊郡と一関 ● 青森銀行本店
  ● レアねぶたマンホール ● タバコ税23億 ● 生れて墨ませんべい
  ● 日本一おいしい水 ● 善知鳥神社 ● 青森市発祥の地
  ● 奥州街道終点記念の碑 ● 人だらけの合浦公園 ● 青森のアイス
  ● お墓参り ● 帰りはずぶぬれ



◆ 蕪島 6-(1)
 旅行最終日。先祖がいたかと思われた三陸海岸を目指します。
 途中、ウミネコだらけの蕪島で、拝殿のない神社を参拝。
 リゾートうみねこ号に偶然乗れて、ワクワクしました。
  ● 一関か三陸か ● 「わ」の鉄道 ● サメ・ステーション 
  ● 鮫駅のジョーズ ● 八戸のマンホール ● ウミネコ・アイランド 
  ● 拝殿がない神社 ● 拝殿がない理由 ● ウミネコの楽園 
  ● リゾートうみねこ ● 種差海岸


  
◆ 久慈 6-(2)
 八戸線の終点、久慈に着きました。三陸鉄道を眺めて、町を散策します。
 すっかりあまちゃんタウン、そして不思議の国の北リアスでした。
 再び海の景色を楽しみながら青森に戻り、充実した旅を終えました。
  ● 北三陸に到着 ● あまちゃんワールド ● 寺社と山車
  ● 不思議の国の北リアス ● 帰りは海と向かい合い ● 目の前の種差海岸
  ● 癒やしの湯の島 ● よぐきたねし ● epilogue


みちのく津軽ひとり旅 6-2(Last)

2017-02-24 | 東北
その1からの続きです。

● 北三陸に到着

八戸からリゾートうみねこ号に乗って1時間半あまり。終点の久慈駅に着きました。



青森を出発したのは早朝でしたが、なにやかにやで久慈駅に着いた時にはすでに午後の2時になっていました。
ずいぶん遠かったなあ。青森県を縦断しましたからね。



そのため、あまり時間は残っていません。
1時間後に八戸に戻る電車に乗りたいので、てきぱきと街を散策することにします。



当初の予定では、ここからさらに三陸鉄道に乗り換えて、龍泉洞近くにあると思われた祖先の家を探すつもりでしたが、その行程はどうがんばってもできないことがわかりました。
青森からの往復日帰りは、時間的に無理でしたねー。
計画倒れで旅が終わらずにすんだので、こっちに先祖の家がなくて、良かったわ。

子供の頃に青森の親戚たちとの三陸旅行で久慈を訪れたことがあります。
青森といっても、父も母も市内の便利な場所の出身。
皆さん、東北はだだっ広い地の果てというイメージがあるかもしれませんが、青森の中心は東京の郊外よりもはるかに賑やかですからね。
祖母の家と比べても、三陸沿岸は、とてもとても想像の及ばないくらいに田舎だったというイメージでした。(失礼)
どこかの灯台でバスを降りたら、次のバスが2、3時間後にならないと来なくて、みんなで途方に暮れたことがあったのです。

● あまちゃんワールド

今ではすっかり「あまちゃん」の町。
町じゅうに、あまちゃんのポスターや人形がたくさんあります。シャッターにもあまちゃんの絵。大人気ですね。
暦の上ではディセンバー!


あまちゃんハウスがあったり。



北限の海女の顔はめパネルがあったり。


● 寺社と山車

駅前を散策して、あまちゃんワールドが現実世界に色濃く反映されている様子を確かめてから、久慈大神宮まで行ってみることにしました。
途中にあった長福寺という禅寺。気持ちのいいまっすぐな参道が、ずーっと奥まで伸びています。
吸い込まれるよう。



さらに進むと、目指す神社がありました。
大神宮というからには、どれほど大きいんだろうと思いましたが、そこそここぢんまりとした大きさ。
木がコンクリがためされていました。



途中の道の駅には、勇壮な山車が飾られていました。
秋祭りの時に練り歩くようです。



北限の海女さんが獲ったウニを食べたかったんですが、そろそろ時間がせまってきたため、駅へ戻りました。
この辺りは、東日本大震災の時には巨大津波をかぶって壊滅的な状態になりました。
それでも今ではここまで復興しているのですから、それだけ人々ががんばったことがわかります。



● 不思議の国の北リアス

JRとつながっている三陸鉄道の駅の方には
「ようこそ、不思議の国の北リアスへ」と書かれていました。



じぇじぇじぇ?なにそれ?「北リアス」っていう言い方があるの??
そっちに気を取られて、意味がわかるのに時間がかかってしまいました。
ああ~、「リアス」と「アリス」ね!!







● 帰りは海と向かい合い

帰りの電車も、行きに乗ってきたリゾートうみねこでした。まあラッキー!
なんとこの電車、さっきは気がつきませんでしたが、車両ごとに席のパターンが違っていたのです。





今度は一人席に乗ってみました。
この座席、方向を動かせて、横向きになって窓の光景を正面から見ることができるんです。いいわー!
でも、完全に窓の方に椅子を向けると、後ろの人が落ち着かないでしょうから、ほんのちょっとだけ斜めにしておくに留めました。
リクライニングも聞きます。行きのボックス席ではできなかったのですが、助かります。
なにせ、朝からほとんどずっと電車に揺られてきたので、ちょっと背中がくたびれています。
青春18きっぷの旅は無理そう!

八戸までの電車の旅を、とても心地よく過ごしました。
ただ、目下日本に台風が近づいているためか、空の雲がなんだか厚くたちこめてきて、行きのようなきれいな水平線は、帰りには見えなくなっていました。



目の前に、波しぶきを上げる海。
東映映画のオープニングを見ているように、迫力満点!ザッバーン!



● 目の前の種差海岸

多くの芸術家に愛された、風光明媚な種差海岸。
今度ゆっくりこの辺りをハイキングしてみたいなあ。



本当に、緑も波もすぐ目の前にあるんですよね。
ライオンバスで動物園内を巡っているような臨場感です。





外の景色になんとなくメロウになったりして、旅情と旅愁にひたれます。



緑に囲まれた種差海岸駅のホーム。
ローマ字で書くと、単語が多いですね~。



再び蕪島の前を通りました。
ウミネコは、雨をよける場所に落ち着いたかしら。



● 癒やしの湯の島

そうして八戸に到着。快適な電車から降りて、青い森鉄道で青森方面に戻ります。
5時過ぎになり、仕事帰りの人で電車内は少し混んでいました。
浅虫の丸々としたかわいい形の湯の島が見えると、ほっとします。
もうすぐ温泉に入れるというサインだし!



浅虫温泉駅で途中下車。ホームを歩いてそのまま改札に向かおうとしたら、運転席から顔を出した運転士さんに「お客さん、切符を見せてください」と言われました。
そういえば車内放送で「降りるのは1号者の一番前のドアのみ」と言っていたのは、このことかあ、と思って、パスを見せました。
改札のシャッターは閉まっており、駅員は誰もいませんでした。だから、運転士が改札係もしたのね。

時間は夕方6時半。ちょうど夕日が沈む時間です。
最後の日だし、温泉に入りながら、有名な浅虫のサンセットを見ようと思ったのですが、雨がぱらついてきて、夕焼けもなしに辺りは薄暗くなっていました。
残念だわ。日の入り時刻に湯入りしたのに、あいにくの雨で景色を楽しめませんでした。

こういう時に日ごろの行いが反映されるのね…。
いえいえ、また来ればいいしね!ネバーギブアーップ!

● よぐきたねし

さっくりとお湯につかった後は、新青森駅に向かいました。



「よぐきたねし~。」帰る時になって迎えられるなんて、遅いわー。
帰りは東北新幹線で一路東京まで。
わあ、都会は暑い。ヒートアイランド!



青森で、県民に人気の工藤パンのイギリスブレッドを買って帰りました。
つぶさないように気を付けていたのに、バッグから取り出したら、若干のひねりができていました(笑)。
青森のヒット商品、イギリストーストのパン。
これで私も青森人!

● epilogue

もともとは父の新盆に合わせて、恐山に行きたいと思ったことから計画した今回の青森旅行。
それに、ルーツを探すという目的も加えました。

青森を訪れるとなると、いつも親戚たちがこってりと面倒を見てくれるため、今回は、お盆で忙しいみんなには会わず、私一人で動くことにしました。
そのため、いつもの私らしい(?)、振り幅大きめの旅になりました。
自分で旅程をあれこれ考えたため、青森の地理にちょっと詳しくなった気分。

暑い暑い都会を抜けだして、自然の中で涼めたのも良かったです。

ひとりで青森を満喫できた、楽しい旅でした。
一関に行く予定も立てようっと。
来月は弘前に滞在します。今からそちらも楽しみです。


みちのく津軽ひとり旅 6-1 蕪島

2017-02-24 | 東北
5日目からの続きです。

● 一関か三陸か

青森の旅も最終日になりました。
当初の予定では、戸籍謄本をゲットし、そこに記された三陸地方の曽祖父の住所を訪ねるつもりでした。
でもグレートグランパは、実際には三陸ではなく一関にいたことが判明。
なのでもう三陸まで行く必要がないといえばないのですが、もともとプランに入れていたことなので、先祖を辿る目的はおいておいて、久慈を目指すことにしました。

青森から一関まで新幹線で移動し、そこから家に帰ると無駄がありませんが、一関は宮城県のすぐそばにあります。
かつて住んでいた多賀城がある宮城。
それなら、改めて多賀城の友人を訪れることにして、その時に一関にも足を延ばそうと考えたのです。
また旅に出る理由ができました~、ふふふ。

朝、早めにホテルをチェックアウトし、駅へ向かいました。
一関よりも近いとはいえ、三陸は青森ではなく岩手県。乗る電車は全て本数が少ないので、気をつけないといけません。

● 「わ」の鉄道



まずは初日と同じく、青い森鉄道で八戸まで向かいます。
ちなみに「わ」と言ったら、普通は「輪」や「和」を連想しますよね。
青森では「私」のことです。いろいろな意味をかけているんでしょう。



浅虫温泉止まりの電車が来て、それに乗ると、車両内は通学の高校生でいっぱい。
途中の駅でみんな降りていったので、ほぼ学生通学用の便だったんだと気が付きます。
浅虫温泉駅前の足湯につかって次の電車が来るのを待ち、今度は八戸まで直行。

● サメ・ステーション

八戸駅から、JR八戸線に乗り換えます。
途中の鮫駅で降りました。サメ駅なんて、インパクトがある駅名ですね。



鮫駅の跨線橋から、キハ40系を眺めた写真。
ガタン、ゴトン、昭和の音。



けっこう海のそばにある駅なので、八戸の沖合には鮫がいるのかなあと思い、ジョーズの映画を思い出してひんやりした気持ちになります。
この辺りの地名なんだそう。ジョーズはいません。ひと安心。

● 鮫駅のジョーズ

駅前には口を大きく開けた鮫のオブジェがありました。
わあ、やっぱりジョーズだー!見事なギザギザ歯。食べられるー!
口の中から顔を出して、食べられちゃったショットが撮れるようですが、一人でトライする勇気はありません。
こういう時には残念な一人旅。ぐっとがまんしました。



動物の名前の駅名って好きなんですよね。
蕨(=ワラビー)駅とか、燕駅とか、テンションが上がります。
弘前の方には、大鰐駅もあります。
サメとワニの対決、それはすなわち弘前対八戸、ひいては津軽vs南部(大げさ!)。
どっちが強いんだろう?とぼんやり思いながら、歩きはじめました。

● 八戸のマンホール

この前八戸で見たものとはまた違うデザインのマンホールを発見。
蕪島に向かっているので、かぶの花かな?と思いましたが、違いました。
市の花の菊の花でした。



● ウミネコ・アイランド

少し歩くと、蕪島が見えてきました。
前々から訪れたかった場所。鳥好きですからね。
小さな島ですが、ここを目指してやってくる車もたくさんいます。みんなウミネコ好きなのね!



遊覧船の周りを飛び交うウミネコ。のどかな光景です。



近寄るほどに、たくさんのウミネコがいることに気付きました。
日本野鳥の会も、カウントしきれず途方に暮れるほどの数です。
ブラックアンドホワイト。シーソーごっこでもしているんでしょうか。

● 拝殿がない神社

蕪島ということから、海に浮いた島だと思っていましたが、陸と繋がっていました。
その昔、埋め立て工事を行ったそうで、今では岬という方が近い地形になっています。
島にある神社をお参りしようと鳥居をくぐりました。
青空にくっきりと映える朱色。



石段を登り、手を清めてさあ本殿へと思ったら、お参りする先には何もありません。
ただ簡素な造りのお賽銭箱だけが置いてありました。
みんなそこでお祈りしています。



え、そういうものなの?
神社の建物がない、がらんとした光景に、びっくりしました。



神様は、いずこに?
お賽銭箱の向こう側には、岬が見えます。
この土地そのものがご神体ということでしょうか?



蕪島から眺める海岸。
こちら側は海水浴場になっており、みんな泳いでいました。
青森の人は海好きねー。夏が短いからかしら。



NHK朝の連続ドラマ小説『花子とアン』に登場した歌人、柳原白蓮の詠んだ歌が石に刻まれ、石のカモメたちに囲まれていました。


「大神の み使いかこれ うみねこの 姿のあまり うつくしければ」


● 拝殿がない理由

島から降りたところに、巫女さんがいるお守りお授け所がありましたが、白いプレハブ建築だったのが、これまた予想外。
え、そういうものなの?
ここはウミネコがメインということかしら?

後になってわかりましたが、蕪嶋神社の拝殿は前年の秋に火事で焼失してしまったそう。
なんということでしょう。言われてみれば確かに、新聞でその記事を読んだ記憶がおぼろにあります。
それで、島の上にはなにも無かったんですね。早く再建されることを願うばかりです。

● ウミネコの楽園

ウミネコはのびのびとしています。
この島が繁殖地ですからね。土地の主といった風情です。
ウミネコ様の縄張りにお邪魔している気分。



いつも港や川沿いで見かけるウミネコが芝の上にいるのって、なんだか珍しいです。
キミたち、陸を歩くのも平気なのね。
ウミネコが堂々としているのはいいことですが、その分こちらは彼らの落し物をうっかりもらわないように、頭上と足元に注意しながらそろそろと歩きます。



ウミネコが群れている場所がありました。
その真ん中にはおじさんがいて、餌を撒いていました。
トリジだわ。「TORIDGE & LISBAH(トリジとリスバ)」といったら、ドリカムファンはピンときますよね。



茶色い羽の鳥が多く、ヒナに大もてのトリジ。
サタデーナイトフィーバーのポーズで決めていました(笑)。



再び鮫駅へ。このまま、さらに久慈方面に進みたいところですが、電車は2時間後でないと来ません。
そこで一旦、八戸に戻りました。
次の久慈行きに乗ろうとホームで待っていると、なにやら新しい車両がやって来ました。
「リゾートうみねこ」という電車でした。

● リゾートうみねこ



この電車で向かいます。さっき乗った古い型とは全く違います。
先ほどは冷房装置もなく、昔の扇風機がけだるげに回る昭和レトロな電車だったのに、こちらは車両内がキンキンに冷えています。



和風のボックス座席が、とっても新鮮。
正座をして「ほう」とか言いながらお湯のみでお茶したいわ~。



快適に発車。先ほど降りた蕪島を通ると、一瞬で通り過ぎ、あっという間に小さくなりました。
途中下車してみてよかったなあ。





● 種差海岸

ほどなくして種差海岸に入ります。

風光明媚なこの辺りは、文化人たちに好まれた場所。海岸近くまで緑の草原が続き、童話の世界のよう。
電車は海沿いに続くので、見ていて飽きません。



これはなんでしょう。マルティプルタイタンパー?(私が知っている洋語のうちでかなり長い単語)
よくわかりませんが、車両を乗せるナントカなんでしょう。



種差海岸の波打ち際を通っていく感じ。
かなり海に近くて、臨場感たっぷりです。
八戸線、いいわあ。





きれいな駅名の陸中夏井駅に到着しました。駅舎は車両を模したプレハブのよう。
夏暑く冬寒ーい。でもこぎれいさに惹かれます。



その2に続きます。