風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

ルーツサーチと里帰り、はるかなる黄金山へ(多賀城) 2-1

2017-04-21 | 東北
1日目からの続きです。

● 瞠目の再会

今日は、中学時代の親友れーちゃんの車でドライブ。
さっちゃんの家の近くの駐車場で、待ち合わせをします。
ウキウキと向かったら、彼女は一足先に着いており、大きな車の前に立っていました。
「れーちゃん!」と声をかけると、黙って大きく見開いた目をこちらに向けます。
(懐かしい再会に、そんなに感激してくれるのかしら)と思ったら、久しぶりの挨拶そうそう「車止めに気付かなくて、ギリギリだったの」と言う彼女。



大きな車の後ろ側に周ると、駐車した車が、壁とぶつかる直前のところで止まっていました。
「うわっ!」と、私も目を見開きます。
きわどいところでセーフ!

そういえば中学生の頃って、お互いのんびりしていた反面、加減を知らずにこんな風にエッジがきいてた毎日を過ごしていたような気がするなあと、ぼんやり思い出します。
そんなところ、変わっていないわー。
驚きが収まったところで、大きな車に乗せてもらいます。
エッジがどうであれ、仲良しの友と一緒ならいいんです。

● 被災5年後の町並み



大きな白い建物の前を通りました。
「ここ、去年新しくできた水族館。」
東日本大震災の津波で大きな被害を受け、惜しまれながら閉館した松島マリンピアに代わってオープンした、仙台うみの杜水族館です。
連休だからか雨だからか、入口には人がいっぱいで行列ができています。
「いつでもすっごい人気なんだよ」

その近くには、大きなキリンビールの工場が。
ハッとして思い出しました。
「そういえば、大震災の時に、缶ジュースやビールが工場からプカプカとたくさん流れてきたんだよね」
「そう、この工場から。突然モノがなくなっちゃった時だったから、みんな助かったんだ」
何も言えなくなります。



いつしか車は、果てしなく大きな畑が道路の両側に広がる道を通っていました。
アメリカのハイウェイのようだと思ったら「この辺は畑じゃなくて、全部流されちゃった所」とポツリと言う彼女。
はっとして見回すと「若林区」の看板が立っていました。
津波の被害が大きかった辺りです。
平地の中に、ぽつんとお社が立っていて、胸を打ちます。



目の前にはうず高く盛られた土。津波対策として、あそこまで土地を上げるという計画でしたね。
でも、見るからになかなか進んでいません。
土地はそのままになっているようです。

彼女は、私に被災地の現状を見せているわけではありません。
ランチをしようと、おすすめのお店に向かっているところなんですが、町が流されてしまい、以前とは違う光景になったためか、なかなか曲がる道を見つけられずに、だだっ広い畑の中を走り続けます。
「ランチのお店が今日やってるか、確認してこなかったなあ。開いてなかったらキリンのレストランに行こうね。
いや、その前にたどり着けるかが問題だけど」と孤軍奮闘しながらハンドルを握っています。
助手席に座っているだけで、力になれずごめんねー。



震災から5年がたちました。その後、1年後と3年後にここを訪れ、震災の爪痕がくっきりと残る町をまのあたりにしています。
当時に比べると、かなり町は落ち着いてきていますが、町全体がなくなってしまった場所もあり、まだまだ復興途中。
減ってきたとはいえ、まだ仮設住宅は残っているそうです。
前は、私たちの卒業中学校の校庭にも、被災した人々が住んでいましたからね。

「ゴエちゃんが猫を飼い始めたんだよ」と、共通の友人の話題になりました。
「聞いたわー。メスなのに名前がニャンタだって」
「どうしてニャンコにしないんだろうね(笑)」

メールでは「また引っかかれた」「腕がボロボロ」などとブツブツ言っていますが、「あの猫、震災猫を引き取ったんだって」と教えてくれたれーちゃん。
ゴエちゃんは優しいのです。

● 風と手と土

すこし雨が降ってきましたが、とうとう道を発見したレーちゃん。
到着したお店は、彼女お気に入りの「風と手と土」という、すてきな一軒家です。
ウッド調のお店はナチュラルな雰囲気。





こ小屋はなんだろう?と気になってのぞいてみたら、コーヒーの焙煎室でした。



● 草刈り部長ユキオ

「わー、なんか白い子がいる」
「ここね、ヤギがいるんだよ」
「ユキちゃんね!」ハイジを思い出しました。



名前はちょっと違いました。「草刈り部長ユキオ」だそう。
これはもしや、草刈正雄を意識したネーミング?

小雨の中、小屋の中にいるユキオを眺めていたら「その子は雨が嫌いなんだよ」と声がしました。
トラックに乗ろうとしているお店の旦那さんらしい方が、こちらを向いていました。
するとユキオは、すぐに小屋の外にとび出て、一目散にその男性のそばへと駆け寄っていきました。



「雨が嫌い」より「旦那さんが好き」の気持ちの方が強いんですね。



男性にじゃれ付き、トラックが去ると、ユキオはまた小屋の中に入ってしまいました。
そっけなーい。もしもし、こっちにも人はいますよー。
お客さんへの愛想は振りまかないのね。

● 手作りパスタに有機野菜



お店の中に入ると、とても居心地がよさそう。木に囲まれると、人って落ち着きますね。
運転から離れてほっとしたれーちゃんと話し始めたら止まらなくなり、注文も忘れて話し込みました。
お店の人が何種類もの手打ちパスタを見せてくれて「どれにしますか?」と聞かれます。



畑で採れた有機野菜のサラダが食べ放題。いいわ~。



私は、クリームエビとワタリガニトマトのソースにしました。
パスタの色が濃くて、味もざらつく食感。手作り感がたっぷり詰まっており、とても噛みごたえがありました。



● 17歳のわたし

おいしくいただいてから、追加でデザートも食べようということに。
かぼちゃモンブランを選んで、さあ食べ始めようという時に、彼女が
「今日はこれ持ってきたんだ」と何かをテーブルの上に出しました。
「リカがくれた手紙だよ」
「!!?」
見ると、私が高校生の頃に送ったものでした。

多賀城には、中2と中3の時を過ごし、中学卒業後に横浜に引っ越したのです。
ウワ~~~!
「読み返すと懐かしくてね。見てみて♪」
そういわれても、私にとっては恐ろしいものが仕込まれている爆弾のようにしか見えず、まったく取り出す勇気がありません。
「まあけっこう面白いから、見てみて♪」

何度も言われて、おそるおそる手に取ります。
たしかにこれは私の字。かつての私です。



でも、でも・・・!
これは近年まれにみる破壊力!
たった一通で、私を見事に打ちのめす最終兵器です。
レーちゃん、あなたはなんと殺傷能力の高いものを持ってきたのデスカ…!

それでも、何度も言われたので、しぶしぶ手に取り、手紙を取り出しました。
うっ、ずっしりとした重みを手に感じます。
最近は、手紙も書かなくなっちゃったなあ。

確かに、17歳の私がそこにいました。
呼吸が浅くなります。かなりパワーゲージは下がっています。
いっそひとおもいに殺ってくれれば!

自分の中で、時空を捻じ曲げるようなかなりの抵抗感覚がありましたが、読み始めてみると懐かしい自分の文字、そして文章に、吸い込まれそうになりました。
17歳の頃の自分と、黙って向き合います。

「ねー。いきなり渡されても困っちゃうよね」
レーちゃんはよくわかっています。わかってて渡したのね。
でも私も同じ。ほかの手紙は無くしても、彼女からの手紙はどうしても捨てられずに、まだ大切に保管してあるはず。
だから、家に帰ったら私も反撃できるのよ~。フフフ。

読み終える頃には、すっかり懐かしさでいっぱいになっていました。
タイムマシンに乗った気分になりました。



が、それにしても、突然過去の自分と向き合うことになったため、心の動揺が激しすぎて、せっかくのカボチャモンブランの味は全くしませんでした。
残念すぎる!食べてから見せてほしかったわ(笑)!

それからも、たくさん話をしました。レーちゃんはお子さんたちが小さかったので、2人きりで過ごす時間は、長いことなかったなあと思います。
中2の時ぶりの2人きりの時間。相変わらず濃密でした。

● 部長のおやつ



お店を出る時、レジのところにニンジンが入ったボウルがあり、「部長のおやつ」と書かれていました。
「これなんだろ?」と笑って見ていたら、それはユキオのものでした。
そうか、草刈部長だったわ。
「どうぞ、あげて下さいな」とお店の人に言ってもらったので、一切れずつもらって外に出ます。
雨が小やみになったからか、ユキオは、外に出ていました。



「ユキオ、おいで、おやつをあげるよ」



夢中で食べるユキオ。ヤギってかわいいなあ。



渋谷にあるヤギカフェが前から気になっていましたが、ここでユキオと戯れられたので、すっかり満足しました。



● 大きなかぼちゃ

庭の手押し車には、大きなかぼちゃが乗っていて「どうぞ」と書かれていました。
昨晩、お客さんから大量のネギをもらってきたさっちゃんに持って行こうと、形のいいものをひとつもらいました。
ずっしり重いわ~。

ドライブ中、モダンなデザインの橋に差し掛かります。



「この橋、なんていうの?」
「わかんない」
「長年住んでいても、興味を持っていないと全く分からないことが多すぎてー」と言っています。
まあ、そんなものですよね。

● 雨の陸奥総社宮

それから、彼女のお勧めの陸奥総社宮に連れて行ってもらいました。
訪れたことがない場所ですが、最近調べて気になっていた場所です。
多賀城跡の横の坂道をどんどん登って行きます。
以前この辺りにうず高く積もれていた、がれきの入った土嚢は、今はきれいになくなっており、どこにもありません。





緑が濃い界隈に差し掛かり、古木に囲まれたお社があらわれました。



ここの狛犬もいいわ~。願い石がびっしり詰まれていて、なんだか石から生まれたようです。



私が喜んで境内をあちこち動き回る姿を、れーちゃんは眺めています。
なぜ嬉しいのかを説明すると「へえー」と。



● 恋人のような老杉

彼女が好きだという神木の老杉を、まるで恋人のように紹介してもらいました。
推定樹齢600年。なんと室町時代からあるそうです。
樹高25.6m、周囲4.88m。すごく太い幹で、大きすぎて、全貌を撮影できません。
まだまだ空に向かって伸びていっているところです。

そばには、推定樹齢220年の江戸時代からある白木蓮の古木もありました。



とても気持ちがいい聖域。社務所に行って、御朱印をいただきました。
対応していただいた、お上品なご年配のおかみさんに「よくまあそんな遠くからお越しいただいて」と喜んでもらえました。

「雨の時に神社に行くって、まずないけれど、これはこれで雰囲気がよくっていいね」とレーちゃん。
私は雨の時も嵐の時も参拝しています。
逆に晴れの日にしか行かないと聞いて、新鮮。

陸奥総社宮ということで、かつての陸奥国内の式内社100社の神様をお祀りしています。
その御祭神の中に「志和彦」「志波姫」という神様がおり、(夫婦かしら)と思いました。
前に志波姫町という地名があったそうです。それは町に志波姫神社があったからだとか。
やぱり神様の名前から来たということですね。



境内には「総社音頭」の歌詞が掲げられていました。
音頭ということは、その歌でみんな踊ったんでしょうね。

なんかこれに似た看板、前に見たことあったっけ・・・。
備中高松城で「水攻音頭」の歌詞を見たことを思い出して、彼女に話すと「水攻め!?」と驚きながらも、ツボにはまって、ずっと笑っていました。

その2に続きます。

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