風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

みちのく津軽ひとり旅 6-2(Last)

2017-02-24 | 東北
その1からの続きです。

● 北三陸に到着

八戸からリゾートうみねこ号に乗って1時間半あまり。終点の久慈駅に着きました。



青森を出発したのは早朝でしたが、なにやかにやで久慈駅に着いた時にはすでに午後の2時になっていました。
ずいぶん遠かったなあ。青森県を縦断しましたからね。



そのため、あまり時間は残っていません。
1時間後に八戸に戻る電車に乗りたいので、てきぱきと街を散策することにします。



当初の予定では、ここからさらに三陸鉄道に乗り換えて、龍泉洞近くにあると思われた祖先の家を探すつもりでしたが、その行程はどうがんばってもできないことがわかりました。
青森からの往復日帰りは、時間的に無理でしたねー。
計画倒れで旅が終わらずにすんだので、こっちに先祖の家がなくて、良かったわ。

子供の頃に青森の親戚たちとの三陸旅行で久慈を訪れたことがあります。
青森といっても、父も母も市内の便利な場所の出身。
皆さん、東北はだだっ広い地の果てというイメージがあるかもしれませんが、青森の中心は東京の郊外よりもはるかに賑やかですからね。
祖母の家と比べても、三陸沿岸は、とてもとても想像の及ばないくらいに田舎だったというイメージでした。(失礼)
どこかの灯台でバスを降りたら、次のバスが2、3時間後にならないと来なくて、みんなで途方に暮れたことがあったのです。

● あまちゃんワールド

今ではすっかり「あまちゃん」の町。
町じゅうに、あまちゃんのポスターや人形がたくさんあります。シャッターにもあまちゃんの絵。大人気ですね。
暦の上ではディセンバー!


あまちゃんハウスがあったり。



北限の海女の顔はめパネルがあったり。


● 寺社と山車

駅前を散策して、あまちゃんワールドが現実世界に色濃く反映されている様子を確かめてから、久慈大神宮まで行ってみることにしました。
途中にあった長福寺という禅寺。気持ちのいいまっすぐな参道が、ずーっと奥まで伸びています。
吸い込まれるよう。



さらに進むと、目指す神社がありました。
大神宮というからには、どれほど大きいんだろうと思いましたが、そこそここぢんまりとした大きさ。
木がコンクリがためされていました。



途中の道の駅には、勇壮な山車が飾られていました。
秋祭りの時に練り歩くようです。



北限の海女さんが獲ったウニを食べたかったんですが、そろそろ時間がせまってきたため、駅へ戻りました。
この辺りは、東日本大震災の時には巨大津波をかぶって壊滅的な状態になりました。
それでも今ではここまで復興しているのですから、それだけ人々ががんばったことがわかります。



● 不思議の国の北リアス

JRとつながっている三陸鉄道の駅の方には
「ようこそ、不思議の国の北リアスへ」と書かれていました。



じぇじぇじぇ?なにそれ?「北リアス」っていう言い方があるの??
そっちに気を取られて、意味がわかるのに時間がかかってしまいました。
ああ~、「リアス」と「アリス」ね!!







● 帰りは海と向かい合い

帰りの電車も、行きに乗ってきたリゾートうみねこでした。まあラッキー!
なんとこの電車、さっきは気がつきませんでしたが、車両ごとに席のパターンが違っていたのです。





今度は一人席に乗ってみました。
この座席、方向を動かせて、横向きになって窓の光景を正面から見ることができるんです。いいわー!
でも、完全に窓の方に椅子を向けると、後ろの人が落ち着かないでしょうから、ほんのちょっとだけ斜めにしておくに留めました。
リクライニングも聞きます。行きのボックス席ではできなかったのですが、助かります。
なにせ、朝からほとんどずっと電車に揺られてきたので、ちょっと背中がくたびれています。
青春18きっぷの旅は無理そう!

八戸までの電車の旅を、とても心地よく過ごしました。
ただ、目下日本に台風が近づいているためか、空の雲がなんだか厚くたちこめてきて、行きのようなきれいな水平線は、帰りには見えなくなっていました。



目の前に、波しぶきを上げる海。
東映映画のオープニングを見ているように、迫力満点!ザッバーン!



● 目の前の種差海岸

多くの芸術家に愛された、風光明媚な種差海岸。
今度ゆっくりこの辺りをハイキングしてみたいなあ。



本当に、緑も波もすぐ目の前にあるんですよね。
ライオンバスで動物園内を巡っているような臨場感です。





外の景色になんとなくメロウになったりして、旅情と旅愁にひたれます。



緑に囲まれた種差海岸駅のホーム。
ローマ字で書くと、単語が多いですね~。



再び蕪島の前を通りました。
ウミネコは、雨をよける場所に落ち着いたかしら。



● 癒やしの湯の島

そうして八戸に到着。快適な電車から降りて、青い森鉄道で青森方面に戻ります。
5時過ぎになり、仕事帰りの人で電車内は少し混んでいました。
浅虫の丸々としたかわいい形の湯の島が見えると、ほっとします。
もうすぐ温泉に入れるというサインだし!



浅虫温泉駅で途中下車。ホームを歩いてそのまま改札に向かおうとしたら、運転席から顔を出した運転士さんに「お客さん、切符を見せてください」と言われました。
そういえば車内放送で「降りるのは1号者の一番前のドアのみ」と言っていたのは、このことかあ、と思って、パスを見せました。
改札のシャッターは閉まっており、駅員は誰もいませんでした。だから、運転士が改札係もしたのね。

時間は夕方6時半。ちょうど夕日が沈む時間です。
最後の日だし、温泉に入りながら、有名な浅虫のサンセットを見ようと思ったのですが、雨がぱらついてきて、夕焼けもなしに辺りは薄暗くなっていました。
残念だわ。日の入り時刻に湯入りしたのに、あいにくの雨で景色を楽しめませんでした。

こういう時に日ごろの行いが反映されるのね…。
いえいえ、また来ればいいしね!ネバーギブアーップ!

● よぐきたねし

さっくりとお湯につかった後は、新青森駅に向かいました。



「よぐきたねし~。」帰る時になって迎えられるなんて、遅いわー。
帰りは東北新幹線で一路東京まで。
わあ、都会は暑い。ヒートアイランド!



青森で、県民に人気の工藤パンのイギリスブレッドを買って帰りました。
つぶさないように気を付けていたのに、バッグから取り出したら、若干のひねりができていました(笑)。
青森のヒット商品、イギリストーストのパン。
これで私も青森人!

● epilogue

もともとは父の新盆に合わせて、恐山に行きたいと思ったことから計画した今回の青森旅行。
それに、ルーツを探すという目的も加えました。

青森を訪れるとなると、いつも親戚たちがこってりと面倒を見てくれるため、今回は、お盆で忙しいみんなには会わず、私一人で動くことにしました。
そのため、いつもの私らしい(?)、振り幅大きめの旅になりました。
自分で旅程をあれこれ考えたため、青森の地理にちょっと詳しくなった気分。

暑い暑い都会を抜けだして、自然の中で涼めたのも良かったです。

ひとりで青森を満喫できた、楽しい旅でした。
一関に行く予定も立てようっと。
来月は弘前に滞在します。今からそちらも楽しみです。



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