金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

101:石川直樹 『いま生きているという冒険』

2010-06-25 12:19:59 | 10 本の感想
石川直樹『いま生きているという冒険』(よりみちパン!セ)
★★★☆☆

冒頭の部分を読んで、
「もしや『○か国に行った』自慢のバックパッカーなのか?
 いやだなあ~」
という不安に襲われる。
そういう人の話とか文章って、「行った」とか
「(ガイドブックに載っているものを)見た」とか
いうところに話の主眼が置かれていて、
ほんとうにつまらないんだもん。

読み進めると、そんな不安は打ち消されて安心しました。
客観的に自分の変化を見つめ、
自分の思いを自分の言葉で語っているところに好感が持てた。
「ミクロネシアに伝わる星の航海術」の章が
とくによかったなあ。
未知の文化、未知の世界へ向き合おうとする
真摯な姿勢に胸を打たれる。
★3.5。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

100:宮沢章夫 『演劇は道具だ』

2010-06-21 11:21:38 | 10 本の感想
宮沢章夫『演劇は道具だ』(よりみちパン!セ)
★★☆☆☆

「遠回りな演劇入門」とあるように、
演劇についての説明や技術指導といった内容ではなく、
演劇というものの性質や歴史に触れながら
筆者が自分の考えや思いを述べているエッセイといった感じ。
演劇を世界や人間、自分を考えるための道具ととらえている。

正直、わたしは演劇の意義に興味がなく、
演劇ではどうしてもストーリーとか表現に
目がいってしまうので、
その本質について述べたこの本は
観念的すぎて読むのがつらかった……
内容が悪いのではなく、
わたしの興味と一致しなかったという理由で★2つ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

99:伊藤比呂美 『あのころ、先生がいた。』

2010-06-14 23:43:20 | 10 本の感想
伊藤比呂美『あのころ、先生がいた。』 (よりみちパン!セ)
★★★☆☆

著者は詩人。
小学校から高校までに出会った先生たちとの思い出を語る。
おもしろかったりかっこよかったり尊敬できたり、
そんな先生じゃなくても、出会ったことでなにかしら
子どもに良い影響を与えることもあるんだなあ……と
思える一冊。
逆に出会っただけで悪い影響を与えることもあるんだろうけどね。

文字量が少ないのもあるけれど、リズムのよい文章で
さらさら~っと読めてしまう。
目からウロコ!みたいな新鮮な驚きはないのだけど、
中学・高校時代の空気みたいなものを
うまくいい表しているなあ~と感じるところも。
ほかの著作も読んでみたくなった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

98:中島義道 『私の嫌いな10の人びと』

2010-06-14 13:58:52 | 10 本の感想
中島義道『私の嫌いな10の人びと』 (新潮文庫)
★★★★☆

単行本の帯の文句は、
『「いい人」の鈍感さが我慢できない』。
笑顔の絶えない人、常に感謝の気持ちを忘れない人、
みんなの喜ぶ顔が見たい人、いつも前向きに生きている人…etc
世間で一般に好ましいと思われる「いい人」を、
「戦う哲学者」中島義道がばっさりと斬る!
 
これまでにこの人の著作は仕事で何冊か読んでいるのだけど、
本当におもしろいなあ。
絵にかいたような変人、偏屈学者!
ほとばしる怒りのエネルギー!
それでいて中原中也の詩に涙したり
V6の岡田くんの美貌をほめたたえたりと
チャーミングな一面もあり、ユーモアも忘れない。
ほかの先生が書いた「はなむけの言葉」の文末にすべて
「どうせ死んでしまうのですが」をつけるという修正に
大爆笑。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

97:千木良悠子 『だれでも一度は、処女だった。』

2010-06-13 22:24:59 | 10 本の感想
千木良悠子『だれでも一度は、処女だった。』 (よりみちパン!セ)
★★★★☆

短絡的な人には、読んだというだけで
人格を疑われてしまいそうなタイトルだな!

イラストは辛酸なめ子。
これはほかと違って100%オレンジじゃないのね。

10代から60代まで、さまざまな年代の女性たちの
初体験に関するインタビュー集。
冒険だなあ、「よりみちパン!セ」!!……と
思っていたのだけど、
時代背景や性に関する意識の変遷が見えるようになっており、
宮台真司や清水良典のほか、産婦人科医の話も収録されていて、
イロモノ本ではありませんでした。
考えさせられるところもあり、
ちゃんと児童書として配置できる内容。
テーマ的に、仕事ではすすめられないんだけど、
男の子は読むといいよ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

96:田中共子 『図書館へ行こう』

2010-06-12 21:01:36 | 10 本の感想
田中共子『図書館へ行こう』(岩波ジュニア新書)
★★★☆☆

仕事のために読む。

図書館で受けられるサービスや、図書館の利用法、
図書館員の仕事に、各地にあるちょっと変わった図書館。
まちの図書館員である著者が、
図書館についてのちょっとした疑問から
図書館を最大限に活用するため方法まで語る一冊。

著者が体験談として語る小中学生とのやり取りの中に
登場した本、未読のがいっぱい。
読んでみたいわ~と思わせる。
いろんな人に本をすすめるには、
やっぱり多くの本を知っていないとダメなのね。

【メモ】
『太陽は、ぼくの瞳』
『クラバート』
『ロビンソン・クルーソー』
『ジョン万次郎漂流記』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

95:島田洋七 『佐賀のがばいばあちゃん』

2010-06-11 17:09:37 | 10 本の感想
島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間文庫)
★★★☆☆

いまさらながらのベストセラー。
部分的にしか読んだことがなかったのだけど、
全体像は、部分部分から想像していたものと一致。
部分的に既読済みでなおかつ前評判が高いと、
どうしたって新鮮な気持ちで
ストレートには読めないんだけど、
おばあちゃんの明るさと主人公の素直な性格に好感が持て、
受けたのがわかるなあ~という感じ。
文字量も多くないので、小学生も気軽に
おもしろく読んでいるようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

94:森村泰昌 『「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ』

2010-06-11 15:03:13 | 10 本の感想
森村泰昌『「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ』(よりみちパン!セ)
★★★★★

著者は美術家。
仕事で使おうと2年くらい前に購入。
なんとなく、この人のセルフポートレートから
イロモノのイメージを勝手にふくらませていて、
読まないままになっていたのでした。
しかし、平易な言葉で書かれているのに内容は深く、
おもしろかった!
はっとするようなフレーズも多く、読み応えあり。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

93:重松清 くちぶえ番長』

2010-06-05 21:34:04 | 10 本の感想
重松清『くちぶえ番長』(新潮文庫)
★★★★☆

小学四年生のツヨシのクラスにやってきた
転校生のマコトは、一輪車とくちぶえの上手な女の子。
転校してきたその日に、
「わたしの夢は、この学校の番長になることです」
と宣言した、強くて、友だち思いなマコトと、
彼女との友情を育みながら、影響されて
たくましく変わっていくツヨシの一年間。

*************************************

再読。
可愛いのう、小学生……とにこにこして読めるんだけど、
そこはやっぱり重松清で、なんだかしんみりしちゃうような
せつなさもあるのでした。
「小学四年生」連載とのことで、チクッと刺すような、
えぐるような痛い感じはなし。

オツボネさまって、絵に描いたようなツンデレ少女だよな!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

92:辰巳渚 『家を出る日のために』

2010-06-02 12:59:01 | 10 本の感想
辰巳渚『家を出る日のために』(よりみちパン!セ)
★★★☆☆

以前模試で読んだことのある部分があった。
ヤングアダルト対象の本を読んでいると、
思いがけず「あ、この本だったのか」というものに
出会うことがしばしば。

筆者は『「捨てる!」技術』の人。
親元でくらす子どもたちに、ひとりで暮らすことや
家事についての考えを述べた一冊。
一人暮らしを始める前だったら、
すごく心に響いたと思うなあ。
部屋は荒れ放題、先日弁当箱にカビをはやしたばかりの
わたしは「わかってるんだけどさ~!!」と
叫びたくなりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする