金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『チャーリーとチョコレート工場』

2005-10-06 11:52:34 | 映画の感想
『チャーリーとチョコレート工場』
★★★★★

おもしろかった!
はじまって30分、チケットを手に入れるくだりの部分で
泣きそうになってるわたし。
全然泣くところじゃないのはわかっているのだけど、
貧しさに起因する悲しみ、主人公の現実的判断に涙ぐんでしまった。
中盤はシュールな映像に「うわあ」と顔をしかめつつ笑ってしまった。
生意気なガキどもがひねりつぶされていくのが快感
(恨みこもってますか?)
中盤の毒のあるトーンにくらべ、ラストはやさしすぎる気もするけれど、
このくらいがちょうどいいんだよね。
わくわくしながら見られるお話でした。


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107:吉田修一 『日曜日たち』

2005-10-04 11:51:06 | 05 本の感想
吉田修一『日曜日たち』(講談社)
★★★★☆

短篇集。
全編通して登場するふたりの子供が、なぜか怖くて仕方ない。
簡潔な、乾いた文章なのに、胸をつかれる。
なんだか首根っこを押さえられたような気分にさせられて、
叫び出したいような気持ちになる。
ずいぶん前からうっすら自覚はしていたのだけど、
もうすっかり吉田修一のとりこです。
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映画:『群青の夜の羽毛布』

2005-10-03 11:49:47 | 映画の感想
『群青の夜の羽毛布』(磯村一路 監督)

山本文緒さんの小説の、乾いた毒のある視線が好きです。
原作がおもしろかったので見てみました。
本上まなみさんの演技が、不安定で幸薄そうなさとるの雰囲気にぴったり。
家庭の中の異常な、いたたまれない空気もよく出ていました。
原作を読んだときは鉄男がどうにも好きになれず、
どうして彼がさとるに執着するのかもいまいち理解できなかったのだけど、
映画版では恋のはじまりが生き生きと描かれていて納得。
エンドロールで山本さんの名前を見つけて、
「えっ、出てたの!?」
と思わず巻き戻してチェックしてしまいました。
超脇役なのに妙に存在感があったのは、原作者だったからなのか…。

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106:恩田陸 『夜のピクニック』

2005-10-01 11:48:31 | 05 本の感想
恩田陸『夜のピクニック』(新潮社)
★★★★☆

今さらですが、読了。
中盤、ちょっとたるいなーと思うところもあったのだけど、
ラスト、朝の風景の中をふたりが並んで歩きながら話しているシーンで
じわーっと胸に迫ってくるものがありました。
朝のイメージには、抗いがたい、前向きな勢いがあると思う。
恋愛は比較的普遍性があるので、それを描いて人の気持ちを動かすことは
割と容易だと思うのだけど、こういうちょっと特殊な関係で
きれいなオチをつけるのは難しいところ。
うまいなあ…!と思いました。
恩田さんの著作には個人的にもっと「すごいなあ!」と思う本があるので
「どうしてこの本なのかな?」と感じるところもあるのだけど、
ストレートなのがいいのかもしれない。

異母きょうだいって前にもあったな…と考えること数時間、
ようやく『まひるの月を追いかけて』だ! と思い出しました。

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105:吉田修一 『東京湾景』

2005-10-01 11:47:22 | 05 本の感想
吉田修一『東京湾景』(新潮社)
★★★☆☆

真正面から恋愛、なお話。
この人の小説に出てくる、ちょっと弱気なんだけどまっすぐな、
肉体労働者の男の子が好きです。心根がやさしい感じ。
何があったわけでもないのに心の奥底に根付いている恋愛への不信感、
というのはとても理解できる気がする。
「人って何にでも飽きるんだよ。自分じゃどうしようもないんだよ」
というセリフにグサーっとやられました。
読み終わったあとに「うわーっ」と叫びだしたいような気持ちに
なりました。

以前ドラマ化されていたようですね、と調べてみたら、
かなりオリジナル色が強くなっていたようでびっくり。
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