金木犀、薔薇、白木蓮

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大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯24

2022-06-19 22:25:49 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第24話「変わらぬ人」

落として希望を見せて、やっぱり落とす、鬼脚本。

蒲殿、確かに比企にそそのかされて早まってはしまったが、
今回のドラマでは野心ゼロ。
比企が仮病を使っているのもおそらくわかった上で
「どうぞお大事に」、
幽閉されることになっても、時政に「兄を頼む」と言える人。
自分に野心がなかったことを、きっぱり告げたのに、
その上でネチネチ揚げ足取られるんだから、
「もう結構です」になるのは、わかるよ……。
だってもう、何を言っても失脚させられるって理解できるもん。
修善寺に幽閉されるだけにとどまったかと思いきや、
再びの言いがかりで暗殺されるんだから、浮かばれない……

義高を忘れかねて、縁談もぶち壊す大姫。
木曽殿を思いつつも、前を向き、
和田義盛と仲良く暮らしている巴に諭されて、
入内に乗り気になったと思ったら、
丹後局の強烈なマウンティングで脱走→発熱→死と
あっという間に退場。
「好きに生きていい」を「死んでいい」に受け取って、
死だけが救いになるの、なんともやりきれない。
もう創作物で何度も何度も触れてきた場面だけど、
やっぱり泣いちゃった。

尼になった丹後局(京香さま)、美しかった……
「美しい」「お召し物がよく似合う」
と大姫をおだてた後で、
「田舎の人は良いわね~、どんな言葉も素直に受け止めちゃって」
「なにそのダッサイ着物」
「あんた(政子)、娘を入内させられるような身分か?」
「厚かましい!!」
と、けちょんけちょん。
でも、こんなはっきり言うなんて優しいネって思っちゃった。
今までに読んだ小説だと、丹後局も源通親も卿局も、
内心舌を出しながら、調子のいいこと言って
引き出せるだけのものを頼朝から引き出してたから……

平六が小四郎には、
「こんな鎌倉サバイバル生活やだ、隠居したい」
って言いつつも、父親と土肥殿の前では
「北条に差をつけられて悔しくないのか」
って言ってたの、何かの前振りかしら。
大姫に「好きに生きていい」っていうの、
入内話をぶち壊すためのように思えた。
もちろん、小さいころから知っている姫に対する
優しさはあるんだろうけど、
主家の方針に反する方向への誘導だもの。
平六、若者グループ4人でつるんでいるけど、
いとこの脳筋・義盛のことは嫌いだし
(初期のころ、ほんと嫌な顔して見てた)、
畠山重忠のことは微妙に苦手だし
衣笠合戦の恨みもある。
たぶん互いに友だちだと思ってるの
小四郎しかいないんだけど、三浦の跡取りとしては
わだかまりあるんだろうね。

【その他いろいろ】

・比企能員、妻に止められて会わなかったけど、
 最初は心動いてたし、「蒲殿、すまん」って言ってるから
 助けたい気持ちは一応持ってたんだね……

・大江殿、ここまで表だって誰かを陥れる言動繰り返してると
 やられちゃうのでは……
 史実の彼が最後まで殺されず天寿を全うできたのは、
 そこのあたりの身の処し方が上手かったからだと思うんだけども。

・出家して死を覚悟した岡崎義実に、梶原が
 「真っ先に挙兵に駆けつけた功を、鎌倉殿は忘れてはおらぬ」
 って言った場面、ちょっと泣いちゃった。
 息子を亡くしてるんだよね。

・一条高能、公家らしい綺麗な顔だったけど、
 声が大きすぎるしはきはきしゃべりすぎ。

・三幡、ちゃんと出てきた!

・大姫の死に、政子は
 「もうこんな思いはしたくない」
 って泣くんだけど、これから何度も何度も
 彼女は「こんな思い」をさせられるんだよね。

・このところ、もう和田義盛と全成だけが癒やしだよ……
 全成のコント、アホすぎだった。
 大姫はオカルトにはまってたくせに、
 他人のオカルトにはめちゃシビアで冷静。

・万寿と大姫が、ちゃんと姉弟らしいコミュニケーションとってて
 安心した!
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